383.2008年5月31日(土) 世界禁煙デーにひとつの話題

 中国四川省大地震の被害は日一日と増大し、死者は7万人に迫っている。ここ一両日大騒ぎだった自衛隊機派遣問題も民間機チャーター便を飛ばすことで1件落着となった。ただ、どうも怪しい解決の仕方だった節がある。

 今日シンガポールで行われた各国の防衛責任者会議で、石破防衛大臣が「中国国防省から具体的な要請はなかった。相手国の文化的、民族的事情を配慮するのは当然」と中国に対して配慮ある発言をした。これを受けて中国の馬・副参謀総長が日本に対して感謝の言葉を述べた。火のないところに煙は立たないというではないか。なんだか下手な猿芝居だ。決着がついたからいいようなものの、間違いなく最初に中国国防省が日本の防衛省に、自衛隊機で緊急支援用品を届けて欲しいと要請したのではないかと疑わせるような台詞である。

 ところで今日は「世界禁煙デー」だそうだ。喫煙が健康に良くないことは、ずっと言われ続けている。医学的にもタバコが健康を蝕んでいるということは証明され、近年は禁煙キャンペーンも普及して、年々喫煙率も下がってきた。それでも多くの人がタバコを止められない。いま、日本人男性の平均喫煙率は40%、女性は13%だが、1966年には男84%、女18%だった。

 ここへ来て日本財団・笹川陽平会長が突然「たばこ値上げ運動」をぶち上げた。笹川氏の主張は、「いま273円のタバコ代は世界の先進国の中でも安過ぎる。これを千円程度にまで値上げすれば、9兆5千億円の税収増が見込めるし、たばこを止める人が増えれば、病気が減るので国民医療費が減少する」という。確かに一面で正しい点はあるが、つい思わず笑ってしまった。タバコを吸ったことのない私も、かつて考えた一案である。しかも値も同じ千円だった。もちろんこの話にJTは猛反対だし、乱暴な話に禁煙者からも論旨がおかしい、これは後期高齢者医療制度と同じ論法だと批判的な声が挙がっている。笹川氏は立法化も目指すというが、果たしてうまい具合にいくだろうか。

 明日衣替えだというのに、今日の寒さはどうだろう。都内で気温14℃に、降雨というのだから堪らない。体感温度はもっと低い感じである。ついに暖房をつけてしまった。妻は軽井沢から震えながら帰ってきた。

2008年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

382.2008年5月30日(金) 自衛隊機、中国へ派遣せず。

 すったもんだした挙句に、四川省大地震の救援活動として自衛隊機派遣は取りやめとなった。自衛隊機ではなく、民間機をチャーターして、テントを主とする医療器材等の救援物資を輸送することになった。当初は中国国防省が自衛隊に直接要請し、決まりかかったとも言われていた。ところが、一方で自衛隊が中国側に働きかけたともいう。ファジーな話でさっぱり分からない。中国に勇み足があったとも聞く。災害救助という大事なことを処するのに縄張り争いとか、メンツとかどうも横道に入り出していたようである。正式な外交ルートである外務省を通さないで交渉を進めたことが、順調な交渉を頓挫させることになった。日中両国間にボタンの掛け違いもあった。中国国内には日の丸機に対するアレルギーと反日感情がある。これに対して賛成意見もあったようだが、インターネットには反対意見が大きく掲載されるようになり中国政府も慌て出し、とどのつまり交渉を両外務省間の話し合いに委ねることになり、自衛隊機派遣はキャンセルされた。

 中国国防省もお粗末だったが、蚊帳の外に置かれていた日本の外務省も些かみっともないというか、だらしがない。本件を度外視しても、近年の対外交渉に関するわが外務省の即応的な対応と折衝能力は、このところ地盤沈下する一方である。外国にやられっぱなしである。これは外交官だけの責任でなく、大いに政治家の責任でもあるが、これから日本外交の行先を考えると憂鬱になってくる。

 その中で、日本としては珍しくアメリカに追従せず、独自の判断でクラスター爆弾禁止条約に合意した。アイルランドのダブリンで開催されていたオスロ・プロセス国際会議で主催国アイルランドが提案した条約案が合意された。日本もこれに合意した。この国際会議には、最初から大量保有国の米ロ中が参加していない。有力国の不参加で、合意された条約がどれだけの効果があるのかは分からない。ただ、この爆弾の殺傷能力は桁外れで、アメリカの言い分だと、抑止力として反って有効だと都合のいい持論を振りかざしている。国内でも自衛隊は本音では合意に反対で、最終的に福田首相の決断で合意することになり、保有分を廃棄することが決まった。これからどういう道筋で、これを反対国に説得していくのか、鼎の軽重を問われる。首相が思い切って決めたことを政治家と外務省が一体となって、支えあいながら我侭大国・米ロ中へ訴え説き伏せていくのか、ひとつの試練である。

 今日は朝から随分寒い。小雨が降り、気温もぐっと冷え込んでとても初夏の気候ではない。ありふれた言い方だが、地球温暖化の影響だろうか、どうも不安定すぎる。妻は学生時代の友人と軽井沢へ出かけたが、震えながら厚着をして着替えを持っていった。天気予報では軽井沢は、最低気温が7℃、最高でも10℃だというから4月初めの気候だ。東京も寒い。つい暑いビルマの人びとはどうしているだろうと気にかかる。

2008年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

381.2008年5月29日(木) IT革命とは?

 多摩大公開講座も6回目となり、今日は折り返して寺島実郎講師2度目の登板である。冒頭受講学生たちのあまりに煩い私語に対して、寺島講師自身が直接苦言を呈した。私も先週アンケート用紙に学生の私語についてクレームを書いたが、一般の聴講生は誰もそのように感じていた筈である。いまの若者は、黙って人の話を聞く訓練ができていない。おしゃべりしていないと落ち着かないようだ。いずれにせよ困ったものだ。

 寺島氏の講義は相変わらず明快だ。特に、今日はIT革命について持論を展開された。90年代東西冷戦の終結とともに、アメリカが軍事技術を主導して各分野に活用するようになったのがそもそもIT革命の走りである。特に面白かったのは、コンビニ、カーナビ、携帯電話等々を通して、無意識のうちにつながっていると思っているが、それらによって逆に個人情報を掌握されているということに気がついていないということだった。また、インターネットが普及したり、バーコードが広く取り入れられるようになると、容易に情報を入手することが可能になるし、末端で知力を要しない仕事にたやすく就くことができる。中間管理職者は要らなくなる。つまり、誰がやっても同じ仕事に従事する人になるか、余人を以て代えがたい人になるかである。

 一例として、ワーキング・プアを取り上げた。2007年の雇用者5,561万人中、非正規雇用者は1,732万人、年収200万円以下のワーキング・プアは1,302万人、自営業者で200万円以下の人を加えると、労働人口6,402万人のうち、200万円以下の収入で働く人の割合は34%で、2,204万人になる。これもIT革命の成せるところである。

 さらに、ITの進化は、FT(Financial Technology)との結合をもたらした。金融システムの革新である。この結果ITの発展がサブ・プライム・ローンにも及んだと話された。随分考えさせられる話だった。

 終わって、NPO「知的生産の技術研究会」久恒啓一理事長、八木哲郎会長、秋田英澪子事務局長、JALの小林尚衛さん、大分空港管制官・永留浩さん、新たに会員になった大学ゼミ後輩の遠藤靖子さんと聖蹟桜ヶ丘駅ビルで夕食をともにした。みんな向上心において引けを取らない仲間ばかりである。中々打ち解けた楽しい夕食会になった。

 昨晩遅くネパールの制憲議会は、国の王制を廃止することを決定した。15日以内に王族は、現在住居としている王宮を立ち去らなければならないという。240年もの歴史を誇った国王一族が追放される。世界的に王族が君臨すること自体時代錯誤であるが、ネパールの王族にはスキャンダルが多すぎて、すっかり国民に愛想をつかされたようだ。クーデターのような国家を揺るがすような事態によって退位するのではなく、選挙で国民が選択したわけだから、甘んじて国民の判断を受けるより仕方あるまい。ここにも「奢れる平家は久しからず」が生きていた。

2008年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

380.2008年5月28日(水) 健康診断にひとつの判断

 健康診断について、去る16日に血液検査の数値を知らされ、松本整形外科医から前立腺の件で、森内科医に相談されたらどうかとアドバイスをいただいた。23日に測っていただいた数値(PSA「4.2」)を持って森内科医院に相談したところ、「4.2」という数字ならまだ入り口なので、それほど深刻視することもないので、もう少し経過をみましょうということに相成った。当面泌尿器科医院へ行かなくて済んだ。とりあえずほっとした。前立腺の黄信号は、「4」がひとつの目安らしい。危険水域を突破したというより、警戒ランプが灯ったというところか。なんでも森内科医によれば、大体相談される人は数値が7とか8で、10の人もいるという。この数値だと完全に前立腺の検査を受けなければならないし、前立腺癌の可能性も高いとのことだった。

 先日末弟・嘉正と会ったとき、その話をしたところ、弟は15か16のようなことを言っていた。当然前立腺の検査をやってもらったが、癌の恐れはないということで一安心していた。経過措置と言ったって、どうやって「4」を上回らないように健康管理をすればよいのか。年々気になることが増えてきた。ある程度はしょうがないと思っているが、それにつけても年齢なりの黄信号が出るようになったということは寂しいものだ。

 今日駒沢大学の講座では、「新聞の上手な読み方」というテーマだった。ある程度知っていることではあるが、専門家から具体的に教わるとやはりそうか、なるほどと合点がいく。

 今日中国政府が四川省大地震の救援のため、自衛隊機の派遣などを含む支援を依頼してきた。被災者が必要とするテントが不足しているので、自衛隊のテント類を自衛隊機で運んできて欲しいというのが、本音らしい。これまでの中国の日本に対する気持ち、旧日本軍の侵略戦争の記憶、などを考えると中国も随分変わったと思う。それだけ中国が被災者への救援物資の不足、緊急輸送に窮しているからだろう。

 問題は、救援要請自体はお互いさまだから、要望に応じてあげたらよいのではないかと思う。ただ、気になるのは、折衝の仕方が慣例から言えば、外交ルートを完全に逸脱している。まだ、新聞紙上でも報じられていないが、どうも中国国防省が自衛隊に連絡してきたらしい。これを防衛省が受け、官邸の知るところとなったが、この間外務省はどうしていたのか。蚊帳の外だったのではないか。これは外交交渉とは言えない。この支援依頼は緊急性を要するというほどのものではない。どうして外務省には知恵者がいないのだろうか。頼りにされていないということなのだ。恥ずかしいという気持ちにならないのだろうか。これで外務省のコンプライアンスがまた問われる。いつまで経っても外務省の外交力は一流どころか、用を成さない体たらくである。

2008年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

379.2008年5月27日(火) 観光庁今秋スタート!

 昨日の日本ペンクラブに引き続き、今日はプレスセンターで「JAPAN NOW観光情報協会」の総会が開かれた。総会後に基調講演とシンポジウム、そして親睦会が行われた。

 基調講演は、国土交通省大臣官房審議官・西阪昇氏がレジュメと資料を示し、「観光立国を目指して」と題して話された。その中で観光立国を目指すわが国は予定通り、今年10月に国交省内観光部門を独立させて、新たに観光庁を発足させる。これまで観光部門の職員定員79人が観光庁になると103人に増えるらしい。新たに長官、次長、参事官2名、部長が誕生することが決まっている。観光行政に力を注ぐことは大いに賛成であるが、焼け太りとなって組織が肥大化しなければよいがと願う。第1に、定員と称しているが、こんなものがあること自体、或いはこんな考え方で行政を行おうとしていることが解せない。「定員」なんてどんな基準で設定しているのか。われわれには皆目見当もつかない。屋上屋を重ねることで、伏魔殿と化さなければよいのだが、とつい気になってしまう。

 シンポジウムは「魅力ある都市圏と観光・環境交流」と題して、中部支部長・須田寛氏、四国支部長・梅原利之氏、北陸支部長・魚住隆彬氏、富山県射水市長・分家氏、国土交通省・西阪審議官ら5人のパネリストに、コーディネーターは恒例により白澤事務局長が務めた。観光業界の大立者が各人の立場から、地域の特徴と活かす道を話された。

 しかし、観光行政を預かる観光庁が監督官庁として独立することによって、当然全体的にモチベーションと実効の向上が期待される。だが、実務は観光客と肌身離さず接触する旅行会社や航空会社、ホテル等の観光業界が携わるわけであり、観光庁は道筋をつけ、業界がやりやすくなるよう良い指南役になることを期待したい。さもないと笛吹けど踊らずになりかねない。

2008年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

378.2008年5月26日(月) 日本ペンクラブ総会

 日本ペンクラブの総会、引き続いて懇親会にも出席した。一昨年の総会席上で、決算方式と決算書の記入方に疑問を感じて質問した。民間会社の決算報告書と形式が異なり、随分分かりずらかった。そのとき応えてくれた顧問税理士がこれで正しいが、ペンクラブの各書類記入方式は国家、自治体、公共団体等が伝統的に導入している形式で、民間会社のものとはまったく違う。その辺りが誤解されやすいと補足された。その後の懇親会で件の税理士と話し合った時、税理士は現状は問題も多いのでペンクラブの決算書類も民間会社方式に変えた方がよいとまで言ってくれ、昨年欠席した総会から民間会社と同じ記入方式に変わった。僭越であるが、一石を投じたことになる。

 今日も総会で多くの会員から質疑があったが、そのひとつは2010年に東京でペンクラブ国際大会を開催することがほぼ内定したことだ。1957年川端康成会長の下に京都で、また1983年に井上靖会長の下に東京都内で開催され、日本国内開催は3度目である。

 もう一点は、公益団体制度が法改正により、いまのあり方と登記が変わることで、ペンクラブも定款をはじめ、活動も時代に合った制度、組織に変えていかなければならないということである。初めて知ったが、ペンクラブは文科省の認可を受けた公益団体だと思っていたが、何と外務省だという。

 懇親会の後、小中陽太郎さんのお声がかりで、東京會舘近くの新国際ビルで、ペンクラブ新入会員を祝う集まりがあった。前からよく知っている、ヨタロウ会の幹事役・瀧澤陽子さん、酒のペンクラブの西山貢さんら、楽しい人たちが集まった。他愛のない話ばかりだが、小中さんを囲むこういう文学を愛し、酒を愛する気の置けない人たちと酒を酌み交わすのは、実に楽しい。

 プロスキーヤーの三浦雄一郎さんが、今日エベレスト登頂に成功した。今年75歳の三浦さんは世界最高齢で世界最高峰登頂を目指したが、昨日76歳のネパール人の登頂により、その目標は叶えられなかった。しかし、三浦さんの心臓手術を乗り切っての冒険はすごいものだと思う。三浦さんにとって2度目のエベレスト登頂であるが、当初はチベット側から入山する予定だった。それが、チベットの暴動騒ぎにより中国政府から許可が出なくなり、ネパール側から登る予定へ変更した。その他にも多くの難題があったが、それらを克服して初志貫徹した。

 まさに快挙である。後期高齢者の入り口にも達していないわれわれとしては、励みにもなるし、もうひとふん張りしなければいけないとつくづく思う。

2008年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

377.2008年5月25日(日) 内憂外患の中国

 中国四川省の大地震は、空前絶後と呼んでもよいくらいの直接被害と間接被害をもたらしそうな危ない状況になってきた。このほかに北京五輪の開催が迫り、チベット問題も未解決のままである。中国共産党の1党独裁政治がこれだけ輻輳した難問を解決できるのか、いささか疑問符が付き出した。

 中国政府は、地震の被災者が昨日現在で4,550万人に達したと発表した。死者は60,560人である。4,550万人という数は、スペインの人口に匹敵する。世界で突出した人口を抱える中国が、その全中国人のうち、30人にひとりが被災者ということになる。想像を絶する規模である。怖いのは、地震専門家が指摘していた2次災害の可能性であり、震源地の近くでベールに隠された核施設の存在である。

 2次災害について言えば、従来平地で発生した大型地震に比べて、山間部で起きた四川大地震は、崩壊した土砂が谷川に入り込み川を堰き止め湖水となり、この湖が決壊するケースが想定される。更に、脆い山肌が余震で今後も崩れ落ちると、麓の道路の復旧ができないおそれがある。町ぐるみでそのまま廃町とした地区もあるようだが、町の復興の前にやるべきことは順序立ててやらねばならない。山の崩壊、岩石の崩落を防ぎ、その後に物流の生命線である道路の復旧、そして町の再建である。気の遠くなるようなストーリーだ

 核施設の被害も心配である。政府は安全だと強調するだけで、何箇所核施設があるか、どこにあるか、どの程度の被害が発生したのか、いつもの通り一切詳らかにしない。これも大いに心配である。

 チベット問題どころではなくなったと思っていたところ、外務省報道局長はイギリスがダライ・ラマ14世の入国を認め、ブラウン首相が会談したことは、中国の内政に干渉し、中国国民の感情を傷つけたと非難し出した。中国の言い分は、自国にとって不都合で気に食わないことはすべて抗議するかのように映るが、話は逆で、むしろイギリスの外交にケチをつけているのが、中国自身ではないのか。中国がイギリスの内政に干渉しているのではないかと思えてしようがない。

 中国と付き合っていくのは、相当図太い神経と論理思考がないと難しい。

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376.2008年5月24日(土) 大関琴欧洲、初優勝を飾る。

 大相撲夏場所の優勝は、14日目の今日ブルガリア出身の大関琴欧洲に決まった。最近の優勝は、モンゴル出身の二人の横綱・朝青龍と白鵬による寡占状態だったので、琴欧洲の初優勝は新風を吹き込んだ感じでいい。しかもヨーロッパ人としては初めてで、日本相撲も国際的になったものだ。この琴欧洲の優勝が新鮮な感じを与えるのは、初ものづくしということに加えて、何よりも琴欧洲の誠実そうな人柄によるところが大きいと思う。

 横綱は強ければ何でも許されると言わんばかりの、傲慢不遜でルール破り、ふてぶてしい態度の横綱に引き比べ、喜びを素直に表し、言葉遣いも丁寧で、温かい人柄を偲ばせる人間性が一層相撲ファンを惹きつけるのだろう。優勝を決めた一番後の館内の拍手喝采は、横綱優勝のときに勝るとも劣らないものだった。こういう人柄の良さそうな人のインタビューは聞いているだけでもほのぼのとして、こちらまで明るい気分にさせられる。日本に来て6年足らずだそうだが、日本語も淀みなく流暢にしゃべる。

 大相撲は昨年来、しごき事件、八百長問題、横綱朝青龍モンゴル無断帰国事件、が続き文科省の注意を受けて、再生へ向け謹慎中であるにもかかわらず、新たに親方によるリンチ事件が発覚して、まるで反省が見られず救いようがない。この中で、琴欧洲の優勝、そして琴欧洲人気は、相撲界にとっては救いの神であろう。

 結局、人間は人柄が一番重要だということが琴欧洲の優勝からも見えてくる。

 さて、相変わらずビルマのサイクロン災害状況の画像が各テレビ局から流れてくる。その中で、ティン・セイン首相の災害現場視察は、あまりにも国民をバカにしている。キャスターの姜尚中・東大教授も呆れ返っていた。軍政のバカ首相は何と言ったか。数百人の哀れな被災者を前にして、「生命があるだけでも運が良かった」「自然災害はいつやってくるのか分からないので、防ぎようがない」と言ってのけた。開いた口が塞がらない。昨日トップのタン・シュエ議長が人的国際支援の受け入れを約束したにも拘らず、細目はまったく決まっていない。本当にビルマ国民のために、軍政は国際援助を受け入れる気持ちがあるのだろうか。ティン・セイン首相の前にしゃがみこんでいた被災者は、国家の責任者からこれだけ無責任で屈辱的なことを言われても、ただ黙って堪えているのだ。誰も文句も、反論も、抗議もしない。言っても聞いてもらえないと諦めているのだ。ビルマ人の従順で温和な民族性である。あまりにも気の毒で見ていられない。

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375.2008年5月23日(金) どっちもどっち、ビルマ軍政幹部と日本の政治家

 中国・四川省の大地震の死者が5万1千人を超えた。負傷者は29万人になる。一方で、ビルマのサイクロンによる死者・行方不明者は13万人以上と言われている。その中で潘基文・国連事務総長がビルマを訪れ、タン・シュエ国家平和発展評議会議長と会見し、ビルマ政府が海外各国からの援助物資や、人的支援を受けるよう「懇請」した。事務総長の意を受け、一応ビルマは要請を受け入れることを表明した。しかし、具体的な点は何にも決まっていない。

 テレビで映し出されるビルマの惨状は見るに耐えない。胸まで水に浸かりながら、小舟を引っ張っている農夫を見ていると、ビルマの雨季に訪れた時に見た同じような光景をつい思い出してしまう。四川省の地震より対応も、処理もしやすく難しくないように見えるが、事態はむしろ四川省よりよほど深刻である。ビルマの人たちはおとなしく、耐えることに馴れている。軍政はこのビルマ人の温和な性格を逆手に取って、利用しているように感じられる。それにしても軍政幹部はどうしようもない連中だ。

 四川省では、いま日本の医療チームが到着3日目にしてようやく活動を開始した。日中関係者の間で齟齬が生じたように思うが、遅ればせながら支援体制に入ったわけで、医療チームには頑張ってほしいと思う。

 こういう外国における悲惨な状況に比べて、日本ではいつまで経っても平和ボケ状態から抜け出せない。先日いかがなものかと疑問を呈した、4月にスタートした悪評の「後期高齢者医療制度」を、野党4党が足並みを揃えて、元へ戻す「後期高齢者医療法廃止法案」を参議院へ提出することになった。折角成立した大事な法律を1年間で廃案とするということ自体異例だが、そもそも現在の法律を作り、一転して廃案とする無駄と無責任を国会議員は何と心得ているのだろうか。やはり、いまの国会議員はレベルや質が低いと判断せざるを得ない。こうなったら、以前から評判の悪い「世襲制度」を始め、議員選出の全体のシステムを刷新しなければならない。当の政治家に反論があるなら、聞いてみたい。

2008年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

374.2008年5月22日(木) 朝鮮問題専門家の講義を聞く。

 多摩大公開講座は今日がちょうど半分の5回目で、朝鮮問題の専門家・金美徳講師が、「今、朝鮮半島をどう考えるか」と題して豊富な資料を駆使して解説された。金講師も三井物産戦略研究所の研究員である。朝鮮半島だけに留まらず、①北東アジア経済、②北朝鮮経済、③中韓ロ北の2国間経済、と3つのテーマに分けて経済問題に限定して順次話された。とにかく朝鮮半島だけに限らず、アジア、ユーラシア全般について詳しい方である。特に、数値ばかりでなく、実情に精通しているので、説得力がある。話されるポイントと資料についてパワーポイントを使って説明されたが、早口でどんどん進まれるのでメモをとるのも大変だ。

 面白かったのは、中北関係は貿易量が一番多く、相互信頼が強いように見えるが、本心はその逆だということである。実際地下鉱物資源のように重要な原材料が北から中国へ運ばれる一方で、中国から北へ入ってくるのは、すぐ壊れるサンダルのように貧弱なものばかりで、中国が断然得をしている。朝鮮戦争の中国人義勇兵の参戦でも、彼らは朝鮮のために戦ったと賞賛されているが、そうではなく、中国人義勇兵は自国のために戦ったと考えている。加えて、両国の間には、高句麗問題が横たわっていて、北の人々の中国人に対する心情的な感情は決して良くない。高句麗問題とは、2千年前朝鮮半島の北部は中国領土だったと、近年になって中国が言い出したことから両国間にしこりとなっている問題だ。

 もう1点関心を抱いたのは、北の羅津港の地勢的な重要性に各国が目をつけていて、すでに中韓ロが狙っている。今後の物流の拠点、及びルートとして、鉄道整備が計画、施工され、そのうち3つの鉄道が注目を浴びている。それら鉄道、①図們江鉄道、②東辺道鉄道、③巴新鉄道が将来の物流の動脈となるだろう。

 また、北には物資は何でもあるという。値の高いレストランでも、食事しているのはすべて北の住民だという。富裕層も増え、桁違いの格差社会であり、韓国の見方では、北朝鮮崩壊のシナリオが描かれている。背高のっぽのホテル、「柳京ホテル」についても話が及んだ。ピョンヤンで放置されたままだった、105階建てのホテルが、16年ぶりに建築工事を再開するという。偶々今日の朝日夕刊紙上に、当ホテルについて「最近訪朝した韓国人研究家が明らかにした」と書かれていたが、その研究家とはひょっとすると金講師ではないだろうか。

 こういう話が後から後から話される。実態に即した話だから、説得力は充分である。三井物産戦略研究所の研究員はどうしてこうも自信たっぷりの解説ができるのだろう、とまさに驚きである。政府系シンクタンクだって、学者ぶってばかりいないで、手に入れた情報をもっと広く世間に公開してほしいものだ。

 これまで自分もあまりにもアジア、特に北東アジアの実態について知らなさ過ぎた。その意味では、今日の講義は「目から鱗」である。

2008年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com