375.2008年5月23日(金) どっちもどっち、ビルマ軍政幹部と日本の政治家

 中国・四川省の大地震の死者が5万1千人を超えた。負傷者は29万人になる。一方で、ビルマのサイクロンによる死者・行方不明者は13万人以上と言われている。その中で潘基文・国連事務総長がビルマを訪れ、タン・シュエ国家平和発展評議会議長と会見し、ビルマ政府が海外各国からの援助物資や、人的支援を受けるよう「懇請」した。事務総長の意を受け、一応ビルマは要請を受け入れることを表明した。しかし、具体的な点は何にも決まっていない。

 テレビで映し出されるビルマの惨状は見るに耐えない。胸まで水に浸かりながら、小舟を引っ張っている農夫を見ていると、ビルマの雨季に訪れた時に見た同じような光景をつい思い出してしまう。四川省の地震より対応も、処理もしやすく難しくないように見えるが、事態はむしろ四川省よりよほど深刻である。ビルマの人たちはおとなしく、耐えることに馴れている。軍政はこのビルマ人の温和な性格を逆手に取って、利用しているように感じられる。それにしても軍政幹部はどうしようもない連中だ。

 四川省では、いま日本の医療チームが到着3日目にしてようやく活動を開始した。日中関係者の間で齟齬が生じたように思うが、遅ればせながら支援体制に入ったわけで、医療チームには頑張ってほしいと思う。

 こういう外国における悲惨な状況に比べて、日本ではいつまで経っても平和ボケ状態から抜け出せない。先日いかがなものかと疑問を呈した、4月にスタートした悪評の「後期高齢者医療制度」を、野党4党が足並みを揃えて、元へ戻す「後期高齢者医療法廃止法案」を参議院へ提出することになった。折角成立した大事な法律を1年間で廃案とするということ自体異例だが、そもそも現在の法律を作り、一転して廃案とする無駄と無責任を国会議員は何と心得ているのだろうか。やはり、いまの国会議員はレベルや質が低いと判断せざるを得ない。こうなったら、以前から評判の悪い「世襲制度」を始め、議員選出の全体のシステムを刷新しなければならない。当の政治家に反論があるなら、聞いてみたい。

2008年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com