6756.2025年11月11日(火) 政治家は戦争の恐ろしさを知らなすぎる。

 昨日の朝日夕刊のトップページに、「常陸丸事件」に関して、常陸丸など3隻が沈没後121年経過して漸くその潜水調査が行われたとの記事が掲載されていた。1904年日ロ戦争下にロシアのウラジオ艦隊により玄界灘を運行中の日本陸軍の運送船が撃沈されたのである。常陸丸事件が起きてから長い年月が経つが、今ではほとんど報道されることもなく、国民の間では忘れられている。恥ずかしながら私もこの事件を知らなかった。

 この常陸丸事件は、3隻の船に2千5百名もの兵士、関係者らが乗船していて約1千名は何とか救われたが、残り1千名を上回る尊い生命が失われた。気になったのは、軍隊がその後「戦陣訓」として「生きて虜囚の辱めを受けず」精神を教育し、国民が逃れられた死から逃れなかったことである。これが一部に誤解されて、「武士道と捕虜を意味する言葉は、常陸丸事件の結果、『捕虜許すまじ』とか、『自決肯定』に行き着き、捕虜観に間違いなく影響を与えた」と学者の間でも考えられている。はっきり言って「捕虜になるなら自決せよ」と言っているようである。

 このところ高市首相が、台湾有事が日本の集団的自衛権を行使出来る「存立危機事態」になり得るとした発言について、中国がすぐさま日本政府に抗議した。これに対して、木原官房長官は台湾海峡の平和と安定が重要であり、「台湾を巡る問題が対話により平和的に解決されることを希望するというのがわが国の一貫した立場だ」と説明した。これに関連して、大阪の中国領事館領事が下品なコメントをSNSに発信してトラブルになっている。これに日本政府は、コメントの削除と表現が不適切として抗議し、コメントは削除された。ちょっとした発言や、触れられたくない部分について発言するだけでことは大げさに広がっていくものだ。下手をすると、いずれ取返しの付かない事態になりかねない。

 その辺りは、高市首相にはよく分かっていないようだ。一般的に現代の国家首脳や政治家らには、本当の戦争の怖さというものがよく分かっていないものと思う。いつも机上の空論だけで戦争の恐怖なんて言葉を時折出しているが、それは銃弾が飛び交い、下手をすると被弾して命を失う危険な場にいない環境で、真に戦争とその怖さが分かっていないからである。その意味では、戦後生まれの議員が圧倒的に多くなった衆参両院議員は、ごくわずかの議員を除いては、防空壕に逃げ込んだ議員も数少ない。これが、無意識につい好戦的な発言を引き起こすひとつの原因にもなっている。

 今の政治家には戦争に関して軽薄な発言が多すぎる。それは、取りも直さず戦争を臨場感で知らないからである。そのために現状では戦争がない日本にいる限り、戦死する危険がないと安心して戦争論はエスカレートばかりである。あまりにも軽薄である。それ故、前記のように中国、台湾問題に軽率に首を突っ込んだ発言をしたり、机上の空論を述べるばかりである。そして相手国から非難される。いずれこのままだと本当の戦争に発展しかねないことになる。

 戦争の怖さ、恐ろしさを知るために国会議員らは、定期的に自衛隊演習場で臨戦態勢の現場の中で訓練を受けるなどして、少しは戦争というものを臨場感で知ることを考えた方が良いかも知れない。

2025年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6755.2025年11月10日(月) 首長には人間性と力量が求められる。

 国、地方を問わず、政治の世界に携わる者は、どうしてウソを公然とつき、暴露されて迷惑をかけても悪かったと反省の言葉も語らないのだろうか。歴代の首相の中にも公然とウソをついた首相がいるが、自分自身にその反動が跳ね返ってくるならともかくとして、国民にその責任をかぶせるような言動をとるのは、よほど人間性に問題があるとしか思えない。そういう人物にはその地位に留まって欲しくないものだ。首相就任前の高市首相は、当時石破首相が消費税減税に慎重な姿勢を示したことに対して、「賃上げのメリットを享受出来ない人々に減税し、食の消費税率0%にすべきだ」と厳しく反論していたものだ。ところが、首相の職に就くや、一転して衆議院本会議で否定的な見解を示した。これには、立憲民主党の実力者、小澤一郎議員も「総理になった途端、この始末だ」と噛みついた。自民党内に消費税0%とすることに反対が多かったようだが、そういう空気も感じないで、国民に受けの好い発言をしていて首相の地位に就くやその逆の発言をするとは何たることだ!

 この高市ウソ発言は、鳩山由紀夫元首相の前科と同じようなものだ。首相在任中に米軍普天間基地現在着々と進んでいる辺野古への飛行場移設について、2009年の衆議院総選挙中に、移設先は最低でも(沖縄県内ではなく)県外と発言したが、当時からあまり信用されていなかった元首相は、自らの発言が空疎なものとなり、さっさと首相を辞めて、以後これに関する発言を一切していない。選挙中に沖縄県民受ける発言をして、その責任を取らない無能首相の無責任な発言だった。

 次元はまったく異なるが、地方自治体の政治、選挙にも無責任な言動が多い。昨日NHK党の立花孝志党首が兵庫県警に逮捕された。昨年来の斎藤元彦兵庫県知事の辞職、再選挙の過程で自死した兵庫元県議に対する誹謗中傷が名誉棄損に当たるとして逮捕されたものである。市町村レベルに下げると、昨日行われた沖縄南城市市議会で、セクハラの不信任案を提出された古謝景春市長は、圧倒的な賛成により失職の公算が大きくなった。南城市は、先月末に学歴詐称などの一連の不祥事で失職が決まった静岡県伊東市と同じように市長不在の状態となる。他にも群馬県前橋市長の市の幹部とのラブホテル密会が問題となっている。現時点では宙ぶらりんの状態である。どうして身を律することが出来ないのだろうか。

 昨日の自治体首長選挙で意外な結果、驚いたことがある。それは、現職、新人の2人が立候補した茨城県神栖市長選で投開票の結果、何と同数だったのである。3期目を目指した現職市長と新人の一騎打ちになったが、開票の結果、いずれも16,724票を獲得し、公職選挙法に基づきくじ引きを行った結果、新人が勝った。こんなことは、国内のいかなる選挙でも初めての事例であり、くじ引きで敗れた前市長は納得出来ず、開票結果の再集計を求めたいと述べている。そもそも2005年に合併して誕生した市であるが、7万6千人の有権者にはそれほど関心がなかったようで、44.22%の投票率は過去最低だった。他にも昨日はすでに4期務めていた広島県知事選では、農水省役人から富山県副知事、そして今年4月に広島県副知事を務め横田美香氏が、現女性知事としては全国で3人の知事のひとりとなった。これもよそ者の横田氏が副知事就任後半年で、自民、立憲、国民、公明党により推薦を得たことには、首を傾げるところである。地元民が知らない知事を選んだことになる。これも政界の駆け引きだろう。

 とにかく政治的な権限を揮える国や自治体の長になれば、かなり自由に思い切ったことが出来る。だが、順風満帆といくかどうかは、あくまで本人のやる気と力量次第である。

2025年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6754.2025年11月9日(日) 記録的なクマ出没と近くの地震

 このところ連日のようにクマ出没のニュースが伝えられる。過去に今年のように全国的にクマが出没し、しかも人間に危害を与えたことはない。私は中学時代に京都嵐山近くの山の中の一本道を手負いのイノシシには追いかけられ、脇の土壁をよじ登って難を逃れたことがあるが、クマに襲われたことはない。だが、半世紀ほど前にカナディアン・ロッキー山麓のジャスパーで鉄道駅舎内へ入ろうとするクマを目撃したことがあり、その時はしばらくバス車内に閉じ籠ってやり過ごしたが、余り危機感は感じなかった。人間に危害を加える可能性はあまりないと思えば、それほど気にはならないものである。しかし、今年日本各地に出没するクマは、餌に飢えたように民家の周辺に姿を現し、家の中に入って来た例もあり、人を襲う画像までテレビで放映され危険を感じたほどである。

 被害の大きい秋田県では、民間のハンターだけでは人手が足りず、遂に自衛隊の応援を要請し、自衛隊員が直接銃砲使用をすることはないが、後方支援に当たっている。また、政府でも環境省の指示の下に対策を検討している。

 一体今年になってどうしてこれほどクマが人里にまで出没するようになったのだろうか。今年4~8月の出没件数だけを見てみると、ビッグ3は、岩手県(3,453件)、秋田県(3,089件)、青森県(1,384件)で、圧倒的に東北地方北部に多い。今年は、東京都内でも青梅市や日の出町でクマが見られた。その原因は、餌不足と生息環境の縮小だという。具体的には、秋にブナやドングリなどの木の実が不作になり、そのため人のいる集落へ降りて来るようになった。その元々の原因は、夏の天候があまりの熱暑に木の実が充分育たず不作だったことが原因である。これからクマは冬眠に入るが、その前の今月は多く出没すると考えられている。昨日までにクマに襲われて亡くなった人は、6月に長野県大町市で発生したのを手始めに、今日までに全国で13人に上る。もちろん過去最多、最悪である。

 これまでこんなにクマの出没が騒がれることはなかった。テレビでは今日も出没したクマの動向を伝えている。東北地方の山間部に近い集落などでは、住民はこれまでこれほどクマを見ることはなかったし、これほど出没の可能性があると外出も怖いと不安を口にしている。イギリスでは、日本へ旅行する観光客にクマに注意するよう呼びかけているというから、捨てては置けない。これも地球温暖化の異常なまでの夏の暑さが最大の要因であるとすれば、今後もクマの出没が増える可能性がある。地上の二酸化炭素が、地球温暖化の最大の原因だとすれば、それを否定してパリ協定から脱退したトランプ大統領はその責任が重い。クマ出没の遠因も探って行けばトランプ大統領に行き当たるということになる。

 今日も各地で住民がクマに襲われた。ところが、夕刻になって岩手県沿岸で地震が発生し、クマ情報は二の次になってしまった。5時過ぎに発生した地震のせいで、今日から始まった大相撲九州場所も後半はテレビ放映されず、後になって横綱豊昇龍が敗れたことを知った。地震は余震が続いていたが、7時前に漸く収まった。明日から大相撲をゆっくり楽しみたいと思う。

2025年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6753.2025年11月8日(土) 相撲人気が抱える力士引退後の問題

 明日から福岡で大相撲九州場所が開幕する。すでに入場券は完売されたというから最近の大相撲人気には驚くばかりである。本場所はもとより、先月久しぶりに行われた海外のロンドン場所でもロンドンっ子で5日間満席だったという。実際最近大相撲をテレビ観戦していてもいつも「満員御礼」のたれ札が下がっているほど大相撲人気は、日本相撲協会にとっては笑いが止まらないようだ。中でも最近意外に興味深いのは、外国人観戦者の姿が多く見られるようになったことで、彼らにとって土俵上の勝負はともかく、力士の経歴や得意技、番付上の地位の意味、対戦成績などが理解出来なくて相撲の面白さが分かるのだろうか疑問に思っていたところである。かつては、ほとんどの力士は入門したら1からスタートしていたものである。当然大学出の力士なんておらず、偶に出世しても話題になるほどだった。戦前は早大出の笠置山、戦後もしばらくは学卒力士はいなかった。最近の番付上に大学相撲部出身力士が増えたことを知り時代を感じるようになった。近年は学卒、及び中退した力士が増え、2024年初場所では幕内力士42人の内、何と17人学卒者だというから時代は変わったものである。横綱大の里も大学出で、三段目にはうだつが上がらない東大卒業生もいる。相撲界もこうした話題性のある個性的な力士が数多くなった。来年はパリ場所を行うそうである。

 ところで、日大出身でアマチュア横綱でもあった人気力士遠藤が、秋場所後に引退を発表した。12年間の力士生活で、十両優勝は1度あるが、期待されながらも幕内での優勝は1度もない。幕内の成績は483勝482敗73休で拮抗している。最高位は小結だった。

 実は、遠藤の引退にからんで、注目されるようになった話題に年寄名跡がある。遠藤は引退と同時に所有する年寄株「北陣」を問題なく襲名することになった。実は、ここに悩ましい問題がある。「北陣」は同じ日大先輩の元前頭・天鎧鵬が名乗っていた。だが、もともと「北陣」は人気学生横綱だった遠藤が入門の際に名跡取得が条件で入門し、元関脇麒麟児が親方引退後は、遠藤の所有となっていた。遠藤が現役で活躍中は、この名跡を引退力士が借りて「借株」の親方として協会に残っていた。それが今回遠藤の引退により名跡を遠藤に返すことになり、天鎧鵬は、まだ42歳であるが、協会を去ることになった。もともと若くして現役力士を辞めても、相撲協会には限られたしかなく、さりとて第2の職場を斡旋するでもなく、相撲界を去ってもこれという特技や、能力があるわけでもない。土俵上で活躍もしていない力士が辞めても、相撲協会には居場所がなく、厳しい世間が待っているのである。

 引退力士や若手親方が協会に残れない問題となっているのは、ひとつにはベテラン親方の65歳定年が延長(再雇用)されたことが大きい。若くして引退したお相撲さんの第2の人生は、中々厳しい。せめて相撲協会に居場所があるなら良いが、現状はそうはいかない。これから少しずつ深刻な問題になるかも知れない。まもなく始まる九州場所を前に引退したお相撲さんの安寧なる第の人生が恙なく送れるよう願うばかりである。

 それはともかく、しばらくは明日からの九州場所を楽しみたいと思う。

2025年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6752.2025年11月7日(金) トランプ関税に翻弄される自動車産業

 最近東証株価は5千円台の大台に達したまま推移している。景気の良さをアピールするひとつの証左でもある。

 近年電機業界があまりパッとしない中で、つい最近まで自動車メーカーが売り手市場で国内経済界を引っ張って来た印象が強い。その自動車業界にも世界経済の影響によりプラスとマイナス面で影響が現れて来た。

 トップ・メーカーのトヨタの今年度中間決算によると売上高は、前年同期比5.8%増で何と24兆6千億円で過去最高を更新した。ところが、営業利益は▲18.6%の2兆56億円だった。その大きな要因は、アメリカのトランプ関税による営業利益9千億円の減少と、この期間の平均為替レートが前年より7円も円高だったことが響いている。この他に黒字を計上したメーカーは、ホンダが、売上高5兆3千億円(前年同期比は僅かながら▲1.2%)であるが、営業利益、当期利益ともに前年同期比で半減し、当期利益は2千億円弱である。四輪車の減少を二輪車事業の頑張りでかなり補完したようである。この他にはスズキが、売上高、営業利益ともに前年同期比でマイナスではあるが、何とか当期利益1千億円(前年同期比▲10.7%)を計上した。スバルも苦しいながらも営業利益763億円(前年同期比▲16.2%)、当期利益548億円(▲34.7%)を計上した。三菱自動車は、売上高は6千億円(前年同期比▲2.9%)だったが、当期利益大幅に減らし何とか7億円(▲97.5%)を計上することが出来た。

 他方、他の大手メーカーの中でも経営再建中で注目されている日産自動車が、前年同期には1,160億円の黒字を計上していたが、今期は779億円の赤字に転落した。ただ、4~6月の第1四半期が前年の第2四半期以降最悪の売り上げ、収益を計上したが、今年の第2四半期は大分成績が回復し伸びたので、今年度下半期以降はそう悲観したものではないかも知れない。現在国内工場を対象に今期は数百台減産する計画であり、今期中に横浜の本社ビルを台湾の企業に970億円で売却し、今後テナントとして入居する予定である。トヨタ同様にトランプ関税による影響が大きく、来年3月までに最大で3千億円に上がると見られている。再建は中々厳しいようである。

 マツダも追加関税や為替の影響で、営業損益461億円、純損益421億円の赤字となっている。

 こうして大手メーカー7社の決算を見てみると、決して自動車業界としては喜ぶべき経営状態ではない。黒字企業は、トヨタとホンダ、スバル、スズキ、三菱であり、他の日産とマツダが赤字を背負った。ただ、マツダは販売の3割がアメリカ市場であり、現状から推察すれば、来年3月までの通年では黒字を取り戻すことが可能と見られている。今は日産がドン底に落ち込み、あの手この手を打っているようだが、どうやってこの赤字地獄から抜け出ることが出来るだろうか注目される

2025年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6751.2025年11月6日(木) ニューヨーク市長に反トランプ氏選出

 昨日行われたニューヨーク市長選で、トランプ大統領が所属する共和党の政敵、民主党のゾーラン・マムダニ氏が当選した。今日大統領は、悔しさまぎれにビジネスフォーラムで民主党はアメリカの最大都市に共産主義者を据えたと述べ、マムダニ氏を徹底的に批判した。更に発言をエスカレートさせ、「今や社会主義者を飛ばして共産主義者だ」とナンセンスな嫌がらせを言って非難している。はっきり言って、トランプ大統領には、社会主義者と共産主義者の違いがあまり分かっていないと思う。大統領、自分と異なる社会政策を富裕層から庶民に向ける政策を主唱する人物を社会主義者と呼び、それが自分とは手の届かないほど極端に外れ、庶民のために行動する人物を共産主義者と呼んでいるだけである。

 今回の市長選では、共和党推薦のカーティス・スリワ氏と、もうひとり事前の選挙でマムダニ氏に敗れて、市長選では無所属で出馬した民主党員、前NY州知事だったアンドリュー・クオモ氏を相手にマムダニ氏は勝利を収めた。選挙直前になって大統領は、事もあろうに政敵・民主党員のクオモ氏を推したが、マムダニ氏に兜を脱ぐことになった。よほど悔しかったのか、トランプ大統領がホワイトハウスにいる限り、アメリカは共産主義化することはないと、自らの信念を貫く決意を語った。

 ただ、マムダニ氏が解決したいと公約に掲げたNYの物価は全米でも異常な高騰をして、例えば、約100万戸50㎡の賃貸住宅の家賃が他の都市では1カ月分約25万円程度だが、NYでは図抜けて高く約62万円といわれている。マムダニ氏は家賃上昇を抑えると公約したことが、庶民層の支持を高めた根拠でもある。

 しかし、若くしてはっきりした物言いは、必ずしも誰からも支持されるというほど甘くはない。実際民主党内でもマムダニ氏と距離を置く党員も目立つようだ。それでも反トランプの影響か、4日ニュージャージー州とバージニア州の2州において、知事選が行われ、いずれも民主党女性候補者が当選した。これら一連の地方選挙の結果を追ってみると、アメリカ国内においていよいよ流れが変わり分断が表れ、それが徐々に大きくなっていくような気がしてならない。来年実施される中間選挙の結果で反トランプ現象がどれほど現れるか気になり、同時に楽しみでもある。

 ところで、日本の高市政権の施政方針はどうだろうか。所信表明では、特に気になったのは、給与を上げるためと人出不足解決の手段として、自らに鞭を打つように「働いて働いて働いて・・・」と絶叫して労働時間の規制緩和を打ち出したことと、現役世代の社会保険料の負担軽減を述べたが、前者については経団連などは歓迎しているようだが、労働団体や過労死自殺をした遺族らからは労働強化につながるとして反発が出ている。またその撥ね返りで70歳以上の基準以上の高齢所得者の医療費の内原則2割負担を3割負担にしたことである。高齢者の医療費はかなり嵩むものである。現役世代の負担軽減は当然検討する必要があるが、そのために同じ福利厚生の予算の中から高齢者のための手当をやりくりするというのは、強引過ぎるのではないだろうか。まるで防衛費の増額を国会の決議もなく、アメリカへの忖度のために国民の考えや、負担を考えずに簡単に決めてしまうのと同じで、あまりにも安易で結論を急ぎ過ぎているように思える。

2025年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6750.2025年11月5日(水) 日本維新の会・藤田代表の不見識

 大阪を地盤とする日本維新の会が、このほど自民党と連携することになって新しい与党の在り方が注目されているが、党創立後まだ日も浅く、充分な基盤が整備されているようには思えない。その維新の会で、仮にも代表のひとりたる藤田文武代表が、公設秘書を通して政党助成金、調査研究広報滞在費など約2千万円を、その公設秘書が代表を務める会社にビラ印刷費などとして発注し、その見返りに会社から秘書が給与として毎年720万円を受け取っていたと共産党の機関紙「しんぶん赤旗日曜版」にすっぱ抜かれた。この公設秘書は当然ながら国から秘書給与として年に6~800万円を受領していた。公設秘書の兼職は原則禁止されている。ある自民党員の公設秘書ですら彼らがやっていることは公金を使っての秘書への「利益供与」だと断じているほどである。この行為について当の藤田代表は、今後は慎むと心からの反省を述べるのではなく、この違法的事実が報道されたことから、共産党への恨みつらみを述べている有様である。そのうえ理不尽にも今後共産党や、赤旗の質問状には一切返答しないと公の党の代表として不見識なわがままを述べたり、取材した赤旗記者の名刺の画像をXで公開したり、心からの反省はしていないどころか悪質な仕返しをしている。それでももうひとりの党代表・吉村洋文大阪府知事は、この事態を厳粛に受け止め内規を改定すると述べた。同時に党創立者である橋下徹・弁護士は、むしろ赤旗の取材記事を大金星と褒めちぎっている。政党の上層部や関係者の間でこれほど考えが違うのは一体どういうことだろうか。

 藤田代表のように致命的な行為を冒し、そのうえ事実が明かされると居直ったりする軽薄な人物が与党で重要な役割を果たしていることが、今後高市内閣で新たな問題を引き起こすのではないかと懸念される。そのせいか今日は、ハイテク株が売られたこともあるが、これまで上がり続けていた高市相場の日経平均株価5万円台を何とか維持したが、一時5万円を割った。最終的に前日比1,284円も値下がりした。

 今改めて日本維新の会を見てみると、大阪府では衆議院議員に自民党からは比例復活議員が1名いるだけだが、維新議員は19名もいる。他党も合わせて5名いるだけで、大阪府内は維新が圧倒的な勢力を誇っている。しかし、それだけに議員も皆若く、藤田代表も45歳で今年党幹事長から共同代表に就いたばかりで、世間知らずで経験不足は否めない。これから党運営を期待に応えて行えるかどうか、心配な点がある

 日本維新の会としても、誰が聞いてもこういう税金還流を平気で冒したような党代表議員に何らの制裁も課さないというのでは、党としてのモラルと見識を疑われるのではないだろうか。

 さて、今日は海外で、それもニューヨークでトランプ政権を揺さぶりかねない選挙結果が出た。民主社会主義者で民主党のまだ34歳のゾーラン・マムダニ氏が、ニューヨーク市長選で元ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏を破り当選の見通しとなった。トランプ大統領は、マヌダニ氏を共産主義者と嘲笑していたが、大きな選挙で思い通りにならなかったことは初めてで、早速嫌がらせを始めてNY市に連邦資金の拠出を制限するとほざいている。マヌダニ氏の勝利は、現在全米各地で起きている反トランプ・デモを一層鼓舞することになるだろう。自分勝手な行動でとかく批判されているトランプ旋風にパンチを食わせたと思えば、痛快である。

2025年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6749.2025年11月4日(火) オーバーツーリズムは山の麓にまで

 近年世界各地の人気のある観光地でオーバーツーリズム現象が広がり、メディアでも大分伝えられるようになった。それが地元住民の日常生活にも深刻な影響を及ぼしている。イタリアのベネチアでは、観光客の増加に伴い、狭い路地や橋が観光客で溢れ、またクルーズ船の寄港により一時的な人口増加となり狭い都市のインフラに大きな負担となっている。実際にベネチアは小さな町である。ここへ万人単位で外から観光客が訪れたら町がパンクしてしまうだろう。市では入島税を課して訪問客を抑えようとしているが、訪問客がある程度減少しなければ抜本的解決策とはならない。

 日本でも京都や、奈良、鎌倉など昔からの観光地に国内外を問わず多くの人が訪れているが、それほど効果的な対策は講じられていない。京都市内では、「日本人離れ」の現象が見られ、2024年の紅葉の美しいシーズンに京都を訪れた日本人は前年に比べて平均約15%も減った一方で、外国人は約30%増えたという。これまで寺社や、祇園嵐山など市内の主たる観光箇所から、これまであまり訪れなかった京北や山科などを訪れる日本人が増えた半面、今では外国人が以前は日本人観光客が訪れていた観光スポットを訪れるケースが増えた。また、市内の主要ホテルには外国人の宿泊客が多くなり、櫻開花の24年4月には、初めて外国人の宿泊比率が、70%を超えた。京都市では市内の高級ホテルの宿泊料金に課せられている「京都市宿泊税」を、更に来年3月から大幅に引き上げる。例えば、宿泊費が6千円未満の場合は、現在200円の宿泊税に変更はないものの、これ以上の高額宿泊費には段階別に宿泊税を引き上げる。特に、10万円以上の宿泊費には宿泊税はこれまでの千円から一気に1万円に引き上げる幾分強引な値上げを計画している。それでもこれも広義的にはオーバーツーリズム対策の一環と言えるのかも知れない。

 こうした観光都市でのオーバーツーリズムの実態の中で、今朝テレビを観ていて驚いたのは、都市部だけではなく山岳登山の聖地とも言える上高地にまでそのラッシュが押し寄せて来ていることである。私自身大学や会社で山岳クラブに所属していて、冬季以外は、毎年のように上高地から北アルプス、特に槍・穂高連峰へ登ったので、上高地周辺の心静まるあの景色と雰囲気はよく覚えている。あの河童橋の周囲に大勢の観光客が訪れ、今年は珍しく穂高連峰の雪景色と麓の紅葉を同時に楽しめ、写真を撮っている彼らの楽しそうな表情や、橋の下をアルプスの水が流れる梓川の水際にまで人々が群がっている光景は、かつてはとても考えられなかったことである。当時は何の問題もなかったが、今では松本から上高地までは、途中の沢渡までしか車では来られず、沢渡からその先の河童橋までのシャトルバスに乗るのは長蛇の列である。静かで情緒のある上高地周辺に少々人が多すぎるように感じた。

 北アルプスも遂にオーバーツーリズムの影響を受けるようになってしまったのかと考えると、寂しく残念な想いがする。

2025年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6748.2025年11月3日(月) 今日「文化の日」に87歳の誕生日を迎える。

 今日国民の祭日「文化の日」は、私にとって87歳の誕生日である。私の名前「節夫」も当時の「明治節」から一文字いただいたものである。この年までかなり自由に、好きなことに熱中し、これまでの人生にやり残したことや、反省、悔いなどほとんどない。幼少ではあったが、戦争の厳しさと怖さを実感として知ることが出来たことは、戦争反対を唱える立場上良かったと思っている。今でも自分の時間を執筆などに費やし、特に18年余り毎日ブログを書き続け、そのお陰で認知症から若干距離を置いていられる。それでも昨日辺りからお腹の具合がパッとしないが、8歳若い妹からお祝いのメールをもらった。妹からは亡父93歳で他界したので、それを乗り越えるよう励まされたが、どうだろうか。小学校入学以来高校卒業までの12年間を大きな病気に罹ることもなく、1日たりとて学校を休んだことがなかったので、つい最近まで健康優良児を自認していたが、やはり寄る年波で身体のあちこちに症状を覚えることが少しずつ出てきた。ここ数年間に亡くなった知人も増えた。親しい友人とのいくつかの定期的会合もちょっと先送りしている状態である

 同じ年の有名スポーツ人の中でも、オリンピックの水泳で4個の銀メダルを獲得した山中毅は78歳、大鵬とともに柏鵬時代という1時代を築いた横綱柏戸は58歳、プロレスで力道山の後継者ジャイアント馬場が61歳という具合に、皆早く亡くなられた。

 実は、今年3月にNPO[知的生産の技術研究会]の仲間と新しい雑誌「イコール」を起ち上げ、私自身は編集には加わらないが、毎号寄稿することにしている。中々ユニークな雑誌で、3人の編集長がいて、それぞれ別のテーマを掲げている。私はNPOの元理事長だった久恒啓一編集長が年齢を重ねても頑張ることを主唱する「アクティブ・シニア革命」グループに関わっているが、その表紙に「人生百年時代・新孔子の人生訓」という図が描かれている。それには80歳から95歳までは熟年期ということになっている。考えてみれば、私はいま人生の熟年期の真っ只中にいることになる。それを超えると110歳までは大人期、120歳までは仙人期であるが、とてもそこまでは辿り着けないだろう。精々父親の93歳まで頑張ってみようと思っている。

 ところで、「文化の日」には文化勲章や、他にそれぞれ個別に栄誉ある賞が授与される。昨年の受章者には、受賞者中唯一の女性で高校の同級生だった中西準子さんが授賞した。今年の文化勲章には、王貞治氏が野球人としては、2021年の長嶋茂雄氏以来2人目の受章者に選ばれた。秋の叙勲者として4,067人が栄誉に授かったその内民間受賞者は1,910人で48.2%と発表しているが、実は、最も権威ある桐花(2人)、旭日(6人)、瑞宝(3人)など3つの大綬章の中には民間人は1人しかいない。大綬章以下も圧倒的に政治家、裁判官、外交官、官吏、国立大学教授ら公的業務に就いていた人が多い。中でも驚いたのは、旭日大綬章受賞者の中に就任早々の高市首相の夫・山本拓元農水副大臣がリストアップされていたことである。これは高市首相に対する忖度であるとしか思えない。プライバシー優先ではないだろうか。首相もこれを由としているのだろうか。いずれにせよ、依然として日本社会には官尊民卑が常態化していることを図らずも露呈し

2025年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6747.2025年11月2日(日) ドジャースWS連覇、山本投手MVP獲得

 今日カナダのトロントで、ワールド・シリーズ(WS)、ドジャース対ブルージェイズ第7戦が行われ、後半から夢中になってTV観戦したが、随分盛り上がり観ていて大分興奮した。試合は延長11回の末ドジャースが5-4で勝ち、シリーズを4勝3敗で制覇して、今年のWSチャンピオンとなった。ドジャース・ファンばかりでなく、アメリカ、日本を問わず野球ファンは興奮し、都内でも読売とスポーツニッポンは号外を出したほどの熱狂ぶりである。

 今年のドジャーズは大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手ら日本人選手の活躍チャンピオンになったような感じがあるが、そのために日本でも彼らの出場するTV中継は視聴率が高い。つい先日日本シリーズでソフトバンク・ホークスが優勝したが、双方の視聴率むしろWSの方が高かったくらいである。今日も朝からNHK・BSで生中継していたが、これが総合TVで放映されなかったために観られなかったと一部から大分不満が出ているようである。総合で放映なら視聴率のトップ争いに入ったほどだったらしい。

 このWSは逆転、延長戦などで熱戦が繰り返され、昨日までに3勝3敗で今日決着が付いた。今日の試合も大谷選手が先発で投げ、トップバッターだった。残念ながら3点を取られて交代した。その後ドジャースは徐々に盛り返し漸く追いつき、延長戦へ持ち込んだ。そして驚いたことに9回から昨日6回を投げ、勝ち投手となった山本投手が登板し、11回にドジャース選手が勝ち越し本塁打を放って勝負を付けた。結果として山本投手は今シリーズに3勝を挙げ、最優秀選手(MVP)に選出された。

 ドジャースにとってWSを制したのは9回目で、2年連続は初めてである。その一方で、ブルージェイスは32年ぶりのワールド・チャンピオンを逸した。また、山本投手のWS・MVP受賞は、松井秀喜選手がニューヨーク・ヤンキース時代に授賞して以来16年ぶりで、日本人選手としては2人目である。年々日本人選手の活躍が目立つようになったが、その先鞭をつけたのはドジャースの野茂英雄投手である。今年のWSでもロスアンゼルスの第3戦の始球式に登場した。野茂投手以降毎年日本人選手が活躍するようになり、今では日本のプロ野球界に入団しても最終的に目指すのは大リーグだという選手が増えてきた。

 今シーズンはWSを以て日米ともにオフに入る。以前に比べて私自身プロ野球への関心はやや薄れてきたが、MLBを含めて来年も楽しませてもらいたいと思っている。

 今年のWSでちょっと気になったのは、ひとつは、試合開催日である。これまで日米ともに最終の優勝チームを決めるシリーズ7戦の試合日は、決まって(休)(休)に行われ、月金は移動日、或いは休息日だった。それが、今年のWSは、敢えて最も集客にメリットのある日曜を外して、(休)(休)となった。調べてみると、この時期はアメリカでは野球以上に人気のあるアメリカン・フットボール他のスポーツ行事が大分行われるので、それとダブルのを避け、日曜を外したうえで、日曜日を含んだ7日間と含まない7日間の観客予想、売り上げ予想などを検討して今年の様なスケジュールにしたそうである。何でもアメリカのルールに右へ習えの日本ではあるが、今のところそのようなことはあるまい。

 もうひとつは、1999年11月にふらっとカナダをぶらついた時に、トロントで今日試合が行われたブルージェイズのホームグランドであるロジャーズ・センターのグランドに足を踏み入れて見学したことである。ここは、世界最初の可動式屋根付きドーム球場として知られている。そこでワール今年のド・シリーズが開催されたのも感慨深い。その時ちょっと山の麓へ足を延ばし、ブルージェイズ(青カケス)を見たことも懐かしい想い出である。

2025年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com