唐突だが、日本人の姓名の中で「佐藤」姓が一番多いそうだ。今まで「鈴木」の方が多いのではないかと思っていた。全国47都道府県の内、「佐藤」、「鈴木」がともに8県で一番多い。「佐藤」姓の総人口は194万人で、「鈴木」姓は182万人だという。「佐藤」は北海道から東北地方にかけて多い姓名で、一方の「鈴木」は、北関東から中部地方にかけて多い。因みに私の姓名「近藤」は、国内で36番目に多い姓名だそうで、愛知県、東京都、神奈川県に多く、人口的には35万7千人から37万人いると見られている。3位は「高橋」、以下4位「田中」、5位「渡辺」、6位「伊藤」、7位「山本」、8位「中村」、9位「小林」、10位「加藤」である。だれもが知っている名前である。
珍しい姓名は、1位「竈門=かまど」、2位「左衛門三郎=さえもんさぶろう」、3位「不死川=しなずがわ、ふじがわ」、4位「鰻=うなぎ、むなぎ、まん」、5位「小鳥遊=たかなし」で、1~3位は全国に10名、4位は20名、5位は30名程度しかいないそうである。
日本の漢字は表意文字でいろいろな意味を込められており、その漢字の組み合わせ次第でいろいろな姓が形成される。姓にも難しい読み方がある。いくつか挙げてみれば、「二=したなが」、「月見里=やまなし」、「五六=ふのぼり、ふかぼり」、「四月一日=わたぬき」、「九=いちじく」、「奉日本=たかもと」、「八月一日=ほずみ」、「七五三田=しめた」、「雲母=きらら」、「天女目=なまため」、「十九百=つづお」、「六十里=ついふじ」、「人首=ひとかべ、ひとこうべ」、「歌枕=かつらぎ」、「貴家=さすが」、「春夏冬=あきない、あきなし」、「十二月三十一日=ひづめ」など、とても読むことができない。諸々珍しい名があるものである。
参考までに外国の姓名を調べてみると、英米ではSmith、フランスではMartin(マルタン)、ドイツではMuller、イタリアはRossi、ロシアはIvanov(イワノフ)、中国は王、李、韓国は金、李、朴が多いそうである。この他にイスラム圏では、ムハンマドが圧倒的に多い。
中学生になった時、初めて英語の授業で教科書に少年少女が登場した。男子はJack Jonesで、女子はBetty Smithだったので、Smith姓が多いのには納得がいったし、実際にアメリカやイギリスで何人かのSmithさんにお会いしたこともある。
一番厄介なのは、アイルランドである。イングランドとは海を隔てた隣国であるが、イングランドとは元々仲が悪い。ここにはケルト人の影響もあって、頭にMacや Mcが付いたマクドナルド、マッカーシー、マッカーサーのような名前が多く見られる。1992年にアイルランドのダンレアラを訪れ中学校を視察した際には、校長先生の名前が正確に読めず、教育委員の方に訊ねたところ、自分も分からないので直接校長に訊いて欲しいと言われた時は、びっくりした。特に珍しかったのは、O’Flaherty(オフラハーティ)や O’Meara(オメーラ)という姓で、ちょっと読めない。
世界中の姓名を調べたらまだいろいろ驚くような名前が出て来るのではないかと思う。敢えて言うなら、これも人間の性ではないだろうか。