6771.2025年11月26日(水) 日本ペンクラブ創設から90年

 国際的に注目されたトランプ大統領が提案したロシア寄りのウクライナ和平案は、ロシアはもちろん受け入れ姿勢であるが、肝心な当事国ウクライナにとっては領土を割譲するという開戦当初から強く反対していた条件が含まれているだけに、停戦したいウクライナとしても迷いに迷い、西欧諸国と協議することになった。

 国内政治では高市首相が国会で応えた台湾有事問題が中国に反発を与え、日中関係がこじれ一部には日中間に亀裂が生じている有様である。長期間に亘って情勢の回復が難しそうである。

 実は、今日11月26日は日本ペンクラブが創建されてちょうど90年になる。これまで初代会長の島崎藤村をはじめ、有力な作家が多く活動している。ペンは設立当初より政治力に惑わされることなく、言論の自由を主張している。だが、私自身2017年に理事に就任して、一時財務委員として活動していたが、実際には会長をはじめ、各委員会委員長以下委員の間に保守的な意見、傾向が強かった。ともすると意見の対立が見られ、ある面で陰湿な面もあった。私は気持ちの合った同志とともに敬遠され、2年後に理事を辞めた。現在もペンをリードしている委員らは、リベラルというよりむしろ保守的である。現会長の桐野夏生氏が就任されてから、忸怩たることであるが、1度も会合には出席していない。今日のペンの日集会にも参加しない。会員資格として「平和への希求」と「言論・表現の自由の追求」という理念への賛同がある。ペンクラブとしては当然のことであるが、物書きのひとりとして、後者の言論の自由がペンとして果たして守られているかという点が気になっている。今日の朝日「天声人語」にペンクラブについてざっくり取り上げられている。結成された当時、日本は国際連盟から脱退していた。あの時代の先達たちのご苦労を思えば、現代人はかなり自由を享受しているのではないかと思う。このままペン会員として留まることが、自分にとって意味があるだろうかと今も自問自答している。

 さて、去る15日(サッカーだけは14日から)から開催されていたデフリンピックが今日最終日を迎えた。日本が獲得したメダルは、金16、銀12、銅23の合計51個となり、過去最高である。閉会式は開会式と同じ東京体育館で行われた。つい今日も競技があるかと思い、ウォーキングの序に駒沢公園に行ってみたが、バレーボール、ハンドボール、陸上競技のいずれの会場も閑散として競技は行われていなかった。競技はすべて昨日までに終わった。

 今までこのような聴覚障碍者のための競技が行われていたことはまったく知らなかった。連日テレビで開催の事実、競技のルールなどが報道されることによって国民の間にもかなり周知されたのではないかと思う。

 ところで、昨日の本ブログに書いた突然の肩の痛みであるが、今日になって大分楽になり、午後にはほとんど痛みを感じなくなった。クリニックに行かないで済んだ。しかし、どうして急激に右の肩だけ痛み出したのか、さっぱり見当がつかない。6月に夜中寝ている最中にお腹と背が急に痛み出したのと同じで、その時の検査の結果が来月のアイソトープ検査を受けることになった。この肩の痛みもうっかり出来ないかも知れない。

2025年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6770.2025年11月25日(火) 兄と兄の友人とフランス料理を楽しむ。

 1年半ぶりに兄と、兄の高校時代の親しいご友人と3人で、平河町のフレンチ・レストランで会食をした。兄が妻を喪ってから10年になるが、気持ちが落ち込んでいるのではないかと、彼女が他界した直後にご友人に兄を元気づけるために会ってもらえないかと声をかけさせてもらったところ、快く引き受けてくれた。爾来3人で度々食事をすることにした。それから早くも10年が経過したわけである。その間途中から同じくご友人と兄の同級生で私もよく存じ上げている先輩にお声をかけ、4人で会食を楽しむようになった。ところが、その方が昨年亡くなられ、会食は元の3人に戻ってしまった。兄は私より1歳年長であるが、最近になって大分老け込んでしまった。認知症症状が現れたのではないかと近くに住む息子たちが心配している。食事会場に来るのにもしばしば遅刻したので、今日は最後の宴ということで姪っ子が集合場所まで付き添って来てくれた。

 ご友人が気さくな方で、いつもいろいろ話題を提供してくれる。今日も高市首相の軍国主義について厳しく批判しておられた。先日いただいた著書「素人学講義」は読んでいる途中であるが、この中で厳しく高市首相の戦争好きを非難しているようだ。本職は地球物理学者で大学院の名誉教授も務めておられる。とりわけ南極に関するエキスパートで、南極大陸にご友人の名前を刻んだ岩が何カ所もあるほどの「南極男」である。南極にも2度の越冬を含めて16度も出かけられた。南極だけに拘らず、ごく最近もドナウ川を船でドイツからハンガリーまで旅行されている行動派学者である。

 ご友人と兄は米寿を迎えたが、囲碁に凝ってあまり外出したがらない兄に比べて、ご友人は今も海外へ積極的に出かけておられる。このように高齢になってから昔の学校時代の友人同士で、食事を囲むということは大分少なくなっていると思うが、今日もご友人は今回の食事を一区切りとして学校仲間との食事会を打ち止めとする最後の宴の筈であった。ところが、あまりにも楽しかったのでこれから、また気分が向いたら食事会をやりましょうとの結論になった。ご友人は由しとして、問題は兄の認知症度合である。息子たちは、極力近くの分かりやすい日本レストランで会食して欲しいと言うので、今日の会食のように指定場所まで電車を何度も乗り換えするようなところは避けてほしいというのが本音のようだ。これからどうするか、3人とも90歳近くなって最早時間的に余裕は亡くなったが、急がば回れのおおらかな気持ちはまだ充分有りで、気が向いたら出直し食事会をやりたいと思っている。

 今日の食事は旨かった。フランス・プロヴァンス仕込みのオーナー・シェフが、名のある平河町のビジネス街でフランス料理店を営業しているだけに、味も良いしお客も多くいて安心して料理を味わうことが出来る。今日は、ご友人にもご満足いただけたようだし、兄の機嫌も良かったし、まずまずの1日であった。

 ついては、昨日午後から右肩が不意に痛み出した。思い当たる原因はまったくない。何も無理をしていないし、どこかにぶつけたような記憶もない。右肩が上がらないので、高い所に置いてあるものを取ることも出来ない。昨夕一晩寝たが、あまり変わらない。こんなこともあるのかと思うほど馬鹿々々しい気持ちになる。このまま明日になっても痛みが消えないようなら、整形外科医に診てもらおうと思っている。これも加齢のせいで、肉体的に大分疲労しているせいかも知れない。

2025年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6769.2025年11月24日(月) トランプ大統領のウクライナ和平案

 昨日大相撲九州場所で初優勝を果たした関脇安青錦の活躍が、プライベートの面でも話題となり、昨日のテレビ・ニュースや今日の朝刊にも大きく取り上げられている。昨晩は博多市内の優勝パレードも放映されていた。注目される理由は、いうまでもなく安青錦の出身地が今世界中から注目を浴び心配されているウクライナで、相撲取りになった動機も子どものころに珍しく相撲をやっていたことからである。2022年にロシアが母国ウクライナに軍事侵攻して18歳以上は徴兵されるということで、17歳の時日本に避難して相撲界に入った。ウクライナの人びとにとっても日本の国技と言っても好い相撲で、日本人を倒して優勝を成し遂げたというのは、力づけられるニュースであろう。実際母親から電話があり、優勝を涙を流して喜んでいたそうである。

 偶々母国ウクライナは今苦しい最中にある。それはアメリカのトランプ大統領の提案したロシアとの和平案を母国のゼレンスキー大統領が受け入れるかどうか、悩んでいることである。トランプ大統領は受け入れるか、拒否するかの回答を27日までに決めるよう要求している。これまで何度も提案された和平案の中でも、領土問題など最もロシア寄りの和平案でゼレンスキー大統領は、苦悩している。

 ゼレンスキー大統領が語ったのは、「尊厳を失うか、重要なパートナーを失うリスクを取るか」の選択を迫られているということである。ロシアにとってはこんなに有難いトランプのお膳立てはない。1度は、トランプ大統領がロシアを孤立させるような提案をして、ロシアの石油企業に制裁を課す圧力をかけたかと思ったり、ウクライナには逃げ場のない要求を突き付けたり、トランプ大統領の姿勢も一転二転して荒れ模様の天候のようである。生憎最近ウクライナでは政権幹部が関わった汚職事件が摘発され、大統領は政権基盤までぐらついている。ウクライナも西欧各国と対策を相談しているが、提案にあまり強い反対も出せない。ひとり得意になっているのは、トランプ大統領の個人的な意向によるものである。依然としてノーベル平和賞が欲しいようだ。これを停戦して平和の実績にしたいのだろう。

 ロシアへウクライナ東部2州の領土割譲を求めているトランプ提案が、これまで領土割譲は譲れない一線として拒否してきた経緯もあり、ゼレンスキー大統領が悩み苦しんでいる問題である。

 安青錦の初優勝が、ゼレンスキー大統領をはじめ、ウクライナ国民にとって多少なりとも気持ちを安堵させるものであってほしい。それにしてもトランプ大統領は、他人の悩みに付けこんで利己的なことをやらかすものだ。高市首相がトランプ大統領にノーベル賞受賞を推薦したというから、日本の首相も利己主義の塊のようなものではないだろうか。

 さて、今東京を中心に各地で開催されているデフリンピックも明後日までとなった。今日もウォーキングの途中で駒沢オリンピック記念公園へ立ち寄り陸上競技場で、少し陸上競技を見学してきた。3連休ということもあり、競技場内はいつもより観客が多かった。自発的とも言える難聴者のための応援を手振りでやっていたが、大分賑やかな応援風景だった。男子走り幅跳びと男子1万メートル、女子5千メートルを観戦したが、健常者の競技会、特にオリンピックなどでは考えられないくらい優勝者と最下位ランナーとの差が大きいのには驚いた。女子5千メートルでは、ラストはトップに4周も差を付けられていた。公園内ではあちこちにテントを張って「スポーツFUN PARK」という催しを行って、子どもたちにウェイトリフティングやタンブリングを指導していた。

 ウクライナに比べれば、つくづく平和だなぁと思う

2025年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6768.2025年11月23日(日) ウクライナの避難民・安青錦、大相撲初優勝

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の英語版出版に際し、英語の翻訳でお世話になった大学ゼミの後輩・遠藤靖子さん、及び彼女の友人で早大講師をしているイギリス人のMr.Robert Jonesと前々からの約束通り今日3人で二子玉川駅隣接のエクセル東急ホテルでランチの会食をした。原典である拙著を、当初出版社の意向でAI生成によって翻訳すると言っていたが、初校を見てとても私の思っていることを表現していないし、事実だけを表記するのならともかく、私の心情などはとてもAIによって表せるものではない。即座に出版社にお断りして、お人の力を借りることになった。タイトルも初校では‘Experiencing the Real World for Eight Decades~’となっていたが、最終的にはお2人の要望を採り入れ、‘THE REBEL GRANDPA Across Frontlines and FaultlinesーOne Man’s War Against Comlacent Journalism’(日本語訳:反逆の爺:戦火と断層を越えて-惰性のジャーナリズムと闘った男の記録)に決定した表紙も中々洒落たものになって、問題点がまだいくつも残されているが、先ずは良しとしている。

 今回初めて出版社㈱22世紀アートと仕事をすることになったが、上記のようにAI採用の件で躓いてから私が考える点を充分採り入れてくれなかったことが最大の誤算だった。特に書籍と電子書籍の英語訳本を発行したわけであるが、そういう説明すらなかった。電子書籍だとばかり理解していたが、途中から書物と電子書籍の二刀流だと聞かされ、唖然としたくらいである。そして一番ショックだったのは、著者である私に献本を提供してくれるわけでもなく、況してや2人の英語翻訳者に対しても何らの報奨もないことだった。私が3冊分実費で購入し、それを2人に手渡した。さらに電子書籍も発行されたが、これも1冊の献本もない。

 他にも販売価格が明示されず、定価も税込みか、税別のどちらを希望するのか知らされず、十円単位の価格表示に固執している。言い出したら切りがないが、最終的にはすでに市場に出たので、これ以上言い争っても仕方がないと諦めるより外ない。

 まあ、この英語版拙著が多くの外国人に読まれ、面白かったと読後感を述べてもらえれば、それ以上の望みはない。

 さて、今日最も驚いたのは、大相撲九州場所千秋楽で横綱豊昇龍と優勝決定戦の末、横綱を破って初優勝を果たした新関脇安青錦の活躍ぶりである。昨日14日目まで、東横綱・大の里、西横綱・豊昇龍、そして東関脇・安青錦が、11勝3敗の三者三つ巴となった。今日安青錦は大関琴櫻に勝っても横綱同士の対決で勝った横綱と決着をつけなければならない。それが、横綱大の里の突然の欠場により豊昇龍の不戦勝となり、仮に安青錦が負ければ豊昇龍が戦わずして優勝するという珍しい事態が想定された。幸い安青錦が勝ってそういう妙な決着とはならなかった。

 それにしても21歳の若い安青錦は、ロシアに侵攻されたウクライナから日本へ避難して未だ3年である。これまで勝利の道を上昇一本だった。今場所関脇に就任したばかりで早々優勝したが、入幕以来すべての場所で11勝以上を上げて、今場所は初優勝を遂げ、殊勲賞と技能賞まで獲得したので、大関は琴桜ひとりしかいないせいもあり、来場所は大関昇進も期待されている。

 今場所は15日間ずっとテレビ観戦して楽しませてもらった。来年も大相撲に期待出来そうだ。

2025年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6767.2025年11月22日(土) イラン古都の渇水と原発再稼働ゴーサイン

 昨日の朝日夕刊の一面に「イラン 乾く古都と沈む街」と題してイランの世界遺産都市イスファハンの異常な渇水について書かれた大きな記事が載っている。イランは2度訪れているが、20年ほど以前2度目に訪れた時は、主に古代都市のペルスポリスとこのイスファハンを中心に訪れ、長い年月の間昔のまま保存された街の光景に触れ、感動したことを想い出す。

 実はそのイスファハンが、他のイラン都市と同じように気温の上昇と雨不足が続いて河川や湖が干上がり、地下水の過剰なくみ上げによると見られる地盤沈下が進んでいるという。イスファハンには、中心部をザーヤンデ川が横切っていて、そこに独特のハージュ橋が架かっていてそれが何とも言えない魅力的な建築なのである。何とそのザーヤンデ川がほぼ干上がってしまったのである。今では渇水は世界的に共通した課題になってしまっているが、特にイランでは近年各地でダストストームと呼ばれる砂塵が舞い上がり、呼吸器の疾患のような健康被害が広がっている。このため、特に東部では村人が村を去り、打ち捨てられた村があるという。

 それにしても残念である。イランは人々が優しく歴史と文化が根付いた都市は何とも魅力的で居心地が好い。それが失われてしまうとは、政治が何とか出来ないのかと思うのだが、政府に危機感はあれども予算も技術も欠けるようだ。そのためイランは地球温暖化対策の国際ルールである「パリ協定」に最初に署名した国であるにも拘らず、今では署名195か国の内最終的に批准をしていない3か国のひとつとなってしまった。かつて世界を席巻したペルシャ帝国もマケドニアのアレクサンドロス大王によって征服され、その後裔たちによる今の「イラン・イスラム共和国」も次第に存在感が消えつつあるようだ。あまりにも寂しいことである。

 さて、長々と燻っていた柏崎刈羽原発再稼働問題も、昨日地元の花角英世・新潟県知事が容認する意向を公表したことにより方向性が定まった。日本のエネルギー政策は原発の活用を掲げているので、これにより前進することになる筈である。今年度内に柏崎刈羽原発7号機の内6号機の再稼働にメドが立ったことで、東京電力にしてみれば事故後初の原発稼働であり、一応首都圏の電力供給は安定性が高まる

 ただ、東日本大震災によって損壊し、放射能漏れを引き起こした東電福島原発があまりにも莫大な物心両面におけるマイナス面があっただけに、同じようなケースが起きた場合リカバリーをどう国民に訴え、理解してもらえるだろうか正念場となるであろう。東電も国民から厳しい目で見られ、廃炉費用などが経営を圧迫している中で、1基でも稼働すれば、年間1千億円の利益を改善することが出来ると見られている。まだ、続くであろう再稼働へ向けた動きの中で賛否両論をどう国民的利益の視点から決着をつけることが出来るだろうか。問題はまだ始まったばかりである。

2025年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6766.2025年11月21日(金) 教育重視なのに国立大授業料2割値上げ?

 昨今自治体の歳出の中で、教育予算が重視され保護者の負担もかなり軽減されているようだ。特に財政豊かな東京都の場合、小中学校では授業料の無償化の他にも、保護者の要望を受けて2024年度から都立学校の給食費が無償化された。この他に都立高校では授業料を実質無償化とした。更に私立高校にも国の就学支援金に加えて、授業料軽減のための助成をして実質無償化を実現している。以前にはとても考えられなかったことである。

 こういう教育費助成傾向の中で、大学にも好影響が現れるかと思いきや、それとはまったく反対の動きがある。それは国立大学の授業料値上げが今年に入って現実となったことである。これは最近の物価高騰や研究・教育コストの増加に対し、国からの運営費交付金が減少していることが背景にある。

 まず、東大が今年度の学部入学者から授業料の20%値上げをすると発表した。本来国立大学の入学金と授業料は文部科学省によって標準額が決められている。前者は28万2千円、後者は53万5800円である。東大は授業料を文科省の標準額上限の64万2960円に値上げすることを決めた。国立大学のリードオフマンである東大が値上げする以前に、すでに2019年度から東京芸術大、東京工業大(現東京科学大)、20年度から東京医科歯科大(現東京科学大)、千葉大、一橋大、24年度からは東京農工大などが、東大の値上げ先取りをして、次々と授業料を20%増の64万2960円に値上げした。私は私立大生だったが、当時の授業料は年3万円だった。卒業してから63年が経ってもちろん社会状況の変化はあるが、随分大きな差が生まれたものだと思う。

 この動きは、26年度以降地方の国立大学に表れ、埼玉大、名古屋工業大、山口大で東大と同額の値上げを決定した。今後も他の地方国立大から同じ動きが出てくると予想される。

 それにしても、高校生以下の教育予算にはかなり思い切って支出しているが、大学にはさほど支援をしていないことがはっきり分かる。

 例えば、国家として教育予算に日本は欧米に比較して果たして多いだろうかと調べてみたら、GDPに占める教育への公的支出の割合は、多い順に挙げれば、フィンランド5.18%、フランス4.52%、OECD国平均4.15%、アメリカ4.12%、そして日本2.9%で、防衛費予算に比べれば遥かに少ない。

 1990年時点では、教育費(文教費)は、4.54兆円で防衛費4.16兆円を上回っていたが、年々その差は狭まり2005年にはほぼ同額となった。以降教育予算が減り続ける中で防衛費は増額される一方で、今年度の政府予算では防衛関係費は過去最大の8兆8千億円に対して、教育予算は5兆6千億円と格差が大きくなった。政府首脳は口では教育重視を言うが、実際には戦禍を及ぼす戦争のための費用「防衛費」の方が大事なのだ。

 堅苦しい話とは別に、今日午前東京ドームで「ミスタ―プロ野球」長嶋茂雄さんのお別れの会が開かれた。今年6月に惜しまれながら旅立たれた。王貞治氏、松井秀喜氏、北大路欣也氏ら多くの著名人が挨拶された。高市首相、大谷翔平選手、イチロー氏らからお別れのメッセージも流された。背番号「3」にちなんで、お花が33,333本も飾られたという。お別れの会の参列者は、着席2,800人、2階席に応募で選ばれた6,800人が見守るなかで、厳粛に行われた。午後には一般の参拝者、2万3千人が訪れた。

 長嶋氏は選手、監督としても素晴らしい実績を残されたが、明るく前向きな性格は生前誰からも好かれていた。晩年は身体に障害を抱えて歩行も大儀そうだったのが、少々お気の毒だった。彼のプレーは何度も見たが、あんな選手はもう2度と現れないのではないだろうか。心よりご冥福をお祈りしたい。       合掌

2025年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6765.2025年11月20日(木) 少子高齢化、韓国で益々進む首都圏集中化

 いま日本では少子高齢化により、人口減少が将来的に大きな社会問題に発展すると心配されている。その最大の原因は、出生率の減少により子どもの数が思うように増えない反面、社会福祉制度の充実などにより寿命が延びて高齢者が増えつつあるいびつな状況を示していることである。これは日本だけの問題ではなく、お隣の韓国などでは日本より進行が激しく、他にも東アジアの国々などにも似たような現象が起きていて、今では世界共通の課題となっている。

 中でも下記にわが国以上に深刻なお隣韓国の特殊な現状を紹介したい。

 ①2025年→2070年の人口推計によると、1億2千万人から8千7百万人に減少する日本に対して、韓国では5千百万人から3千7百万人にまで減少する。

 ②2025年の首都圏人口集中度は、日本の30%に対して韓国は51%である。

 ③2025年→2070年の高齢化率推計は、日本29.3%⇒38.7%、韓国20.3%⇒47.5%である。

 ④2021年の66歳以上の貧困率は、日本20.0%に対して、韓国は39.3%である。

 以上で推察できるように、韓国ではソウル首都圏への人口集中度が、欧米主要国や日本よりかなり高い。これは、特に若い世代が国内各都市から首都ソウルへ移動していることが大きく影響している。とりわけ40代以下の世代の首都圏居住率の高いのが特徴である。その最大の原因は、高校を終えると若者は挙ってソウル市内の有名大学を目指す。大学を終えると市内にある大企業へ就職する。これが韓国国内における典型的な「成功コース」であるとの価値観がある。このために韓国の若者は、受験勉強を始めるとゴールであるソウル市内にある有名大学、大企業への道を目指すことになる。そのため韓国では受験勉強が大分激しいと聞いている。さりとて日本人も高校時代から受験勉強をスタートして、東京都内の一流大学を目指し、都内の大企業への就職を望んだ経験があり、とやかく言えないが、それにしても韓国のケースはとても尋常ではない。しかし、心配なのは、受験勉強ができる環境下の恵まれた家庭の子女はともかくとして、家庭的に恵まれない子どもたちや、能力的に力が及ばない子どもらは、若いころから先の目標がなく、途中でぐれたり、間違った道へ足を踏み入れるのではないかと不安や心配がつきまとう。難しい問題だと思う。

 「中庸の徳」という言葉がある。孔子やアリストテレスらに通じる思想で、物事の考え方や行動に置いて過剰でもなく、不足でもない調和の取れた状態をいう言葉である。気がかりなのは、それが教育の現場から忘れ去られ、韓国内の若者世代が同じように上級志向にのみ目が向いていることである。

 この空気が韓国全土に定着して、今ではソウルに次ぐ第2の都市といわれる東南の貿易港である釜山にも若者が少なくなってきたことである。釜山市民は、「ソウルの方がいろんな分野で仕事が沢山あるのだから、大学進学や就職で若者がソウルに行ってしまうのは仕方がない」とあきらめの表情で語っていたという。釜山で暮らす高齢者は寂しく感じるだろうが、ソウルの高齢者とて周囲に若者ばかりではとても息苦しいのではないだろうか。

2025年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6764.2025年11月19日(水) 小学生のころの野球と鎌倉の想い出

 こんな幼いころの些細な想い出が蘇ることがよくある。小学生のころは、学校から帰ると毎日のように幕張海岸の埋立地で野球をやっていた。小学校5年生だった76年前の今日、1949年11月19日に作家椎名誠氏の兄研二くんら幕張小学校のクラスメートと後楽園球場の外野席で巨人戦を観戦していた。試合も後半になったころ、場内アナウンスの声の後に、どっと拍手と歓声が上がった。その時東急フライヤーズの大下弘選手が、甲子園球場で行われた対太陽ロビンス戦で7打数7安打の前代未聞の大記録を達成したのである。子ども心にはまだその偉大さは分からず、ポカーンとしていたが、この大記録は未だに達成した選手が他にいないほど難しく貴重な記録なのである。

 その時私が友人らと後楽園で観戦していたのは、巨人軍対中日ドラゴンズ戦だったが、応援の甲斐あって、巨人軍が川上、千葉、青田選手らの活躍と別所投手の好投により5-1で勝った。ファンだった巨人軍が勝ったことより、大下選手の記録の偉大さが分からないくせに、7打席7安打という大記録のことばかりが印象に残っている。かつて芦屋市内に住んでいたことがあったので、もしもその時芦屋市内に住んでいれば甲子園に観戦に行って、大下選手の大記録を目に焼き付けることが出来たかもしれないとあらぬ夢を見ていたこともある。

 思い返せば、あの当時のことは意外にも断片的にかなり覚えている。その翌日、11月20日は鎌倉・江の島へ学年旅行だった。旅行前に担任の湯浅和先生が鎌倉の知識として、鎌倉幕府や、源頼朝の鎌倉幕府確立の功労者で、千葉県の礎を築いた千葉常胤について話をしてくれた。「幕張」の名も幕府から取ったと言われた。湯川秀樹博士が日本人として初めてノーベル物理学賞を授賞したのもこの年だった。翌年は朝鮮動乱などパッとしない年となった。今でも大下選手の大記録に続き、初めて大仏の中へ入った鎌倉旅行は忘れられない想い出である。

 さて、昨晩6時前に九州大分市佐賀関の住宅地帯で火事が発生し、強風に煽られ火は燃え続けて今日12時現在すでに発生から18時間が経過したが、現場から白い煙が上がっている状態である。大火となり48,900㎡が消失し、住宅170棟以上が燃え、多くの住民が避難した。身元不明者が1名出て居るが、他には被害はないようである。大分県は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。

 佐賀関は、今ではあまり知る人もいないが、かつて日本鉱業佐賀関工場があり、そこには社会人野球の強豪チームがあった。かつては、夏になると都市対抗野球に夢中になっていて、全鐘紡の3連覇なぞは忘れられない。40年近く前にチームは解散してしまったが、それまでは都市対抗野球には毎年のように顔を出し、ベスト8に進出したこともあり、プロ野球選手も何人か輩出した。そんな過去における華やかな歴史を思うと、一野球ファンとしてはこの火災も他人事とは思えないように感慨深いものを感じる。

 1976年山形県酒田市や、2016年新潟県糸魚川市の大火災はよく覚えているが、それと匹敵するような大火災である。まだ火災は完全に鎮火したわけではなく、これから火災の原因や、被災がどの程度だったのかが明かされることだろうが、今では地方都市として住宅が密集するような感じの地域であるだけに、これからの復興がまた大変なことだと思う。

2025年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6763.2025年11月18日(火) 気になる高市首相と自民党の軍国主義的言動

 去る7日衆議院予算委員会で高市首相が、台湾有事に際して武力行使を伴う存立危機事態になり得ると発言したことに対して、中国政府は直ちに抗議し、発言の撤回を求めて激しく非難し日中両国が対立した不穏な状況に陥っている。中国は元々高市首相が軍国主義信奉者で、反中国的であると警戒していたところへ首相が中台問題に首を突っ込んでしまった。首相の言動には、元々うっかりすると触れてはならない、或いは触れない方が良いとされる領域へ、手を出しかねない予兆があった。今朝の朝日「天声人語」欄でも「要らぬことを言った」と批判している。しかし、この高市発言に対して中国の反発も聊か度を越している。日本は現在治安が不安定であるとか、中国人を対象に襲われる恐れがあるとか、およそ事実とはかけ離れた見当違いな情報により、日本へ渡航しようとする中国人に対して渡航自粛を促している。日本へ留学しようとする学生に延期を求めたり、インバウンド客の約3割を占める中国人観光客の抑制を図り、すでに日本入りの航空会社の運行を中止した。国際的な友好関係の礎は、そもそも人と人の交流によって育成されるものだが、それを根っこから摘み取ろうとしている中国政府の子どもじみた軽々しい行動には疑問を感じざるを得ない。

 意外にもこの右翼志向の高市首相に国内では支持率が高く、朝日新聞の世論調査でも、支持率は69%という高い支持を得ている。その中で、日中両国の関係改善については、高市首相には僅かながらも「期待出来ない」44%が43%の「期待出来る」を上回っている。支持層の間でも日中関係だけは、期待出来ないという不安があるのだ。高市首相の言動が警戒されるのは右翼志向で、この先日本のリーダーとして外交、内政に充分な力を発揮出来るだろうかという懸念である。また、他の国との間でもトラブルを生まなければ良いと祈るような気持ちである。

 最近この他にも自民党内に右翼的な芽が吹きだしつつある。16日付東京新聞「本音のコラム」欄に前川喜平・元文科省事務次官が次のようなことを書いている。自民・維新政権合意書に基づき、政府は自衛隊の階級を「国際標準化」して、「1佐」を「大佐」に、「1尉」を「大尉」に変更することなどを検討しているそうである。木原官房長官は「国際標準化」して自衛隊員に高い意識と誇りを持ってもらうと語ったが、すでに1佐も1尉も英語では[COLONEL]や、[CAPTAIN]のように国際標準化されている。むしろ国際標準化ではなく、「旧日本軍化」であり、漢字を理解する中国人には無用な脅威を与える旧日本軍人化は即刻中止すべきであると、至極妥当な考えを主張している。

 それにしても高市首相の台湾有事に備えた余計な国会答弁には、大きな収入源だったインバウンド業を収縮させる可能性がある。首相には責任ある立場にいるだけに、もう少しあらゆる点を弁え、チェックしよくよく考えたうえで発言してもらいたいものである。

2025年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6762.2025年11月17日(月) 戦争の怖さを知らない国内外の政治家

 今朝の朝日新聞一面に次のような記事が掲載された。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した調査結果によると、戦争の死者の数はこれまで伝えられていた数字より遥かに多いという事実である。実際死者の数が約2倍にも増えたことに驚いた。

 これまで国会答弁や、全国戦没者追悼大会で述べられていた「310万柱」という説得力があった戦没者数が、何と大幅に修正され、実は約626万人と推定されるということである。戦後のドサクサに紛れて戦没者数は、確実な数が分からなかった。政府が最初にこの310万人と言い始めたのは、1963年私が大学を終え社会人になった年であり、東京オリンピック開催の前年でもあった。以降今日までこの戦没者数が信じられてきた。その310万人の内訳は、軍人・軍属・準軍属が230万人、外地で亡くなった一般国民が30万人、国内で空襲などにより亡くなった一般邦人が50万人と言われてきた。

 ところが、社人研の更なる調査によると実際に日中戦争と太平洋戦争で亡くなった日本人の総数は、韓国、台湾、樺太などにいて亡くなった人を加えると約626万人であることが分かった。これは日中戦争では国の死亡統計が存在しなかったからだと推定される。しかし、戦後80年を経て、今更戦没者が増えたとしても、遺族の行方も不明な点が多く、賠償はないにしても最早名誉とされる靖国神社などへの報告は為されないだろう。今後国会答弁や、全国戦没者追悼大会では626万人とはっきり言うのだろう。

 戦時中旧日本領だった、台湾、韓国にも同じような悲劇があった。台湾人も日本人として軍事徴用され、戦地で戦い、多くの犠牲者が出た。その犠牲者の数は3万人と言われている。これらの点も政府としては軽々に扱うというわけには行かないだろう。

 私も陸軍航空部隊の現地戦没者慰霊祭や、太平洋戦争遺骨収集団などの現地における慰霊際儀式など旧戦跡地で、事あるごとに尊い310万柱という言葉を何度となく聞かされてきた。それでもこれはこれとして、新たに判明した日中戦争と太平洋戦争の犠牲者に対する哀悼の気持ちは変わるものではない。しかし、626万人というこの数字があまりにも大きいので、ショックを受けている。

 今一番気がかりなのは、日本人と言わず世界中の政治家らが、本当の戦争の怖さを知らない世代になり、戦死者が出る戦争を恐れていないことである。戦争は実戦経験、或いは臨場感で戦争を感じたということでもなければ、戦争の恐ろしさが実感としてピンとこないものだ。現在日中間でお互いの不信感から、両国間に緊張の度合いが高まり、険悪な気配が生まれつつある。もちろん立場によって感じ方はいろいろあるが、それでも、高市首相の台湾有事発言に、中国政府は台湾海峡に他国の軍隊が侵入するなら対抗手段を考えると態度を硬化させている。高市首相、習近平国家主席ともに戦後派で、本当に戦争の恐ろしさが分かっていないことは言える。まるでゲーム感覚である。あまりスッキリしないが、しばらくこの問題から目を離せない。

2025年11月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com