昨日の本ブログで取り上げたばかりの林真理子・日大理事長が、来月末を以て1期4年務めた理事長を辞めるのを振り返って今朝の朝日新聞インタビューで応えている。昨日後段に記した大学のガバナンス強化や、競技スポーツセンター新設を成果として述べ、更に理事24人のうち9人を女性にし、副学長と常務理事の1人を女性から選出したことを実績として語った。また、アメフト部員の違法薬物問題などのスキャンダルで7万人まで減少した大学志願者が、11万2千人にまで回復したと述べたが、改革の達成度としてはまだ40%だと考えているようだ。これからやり残している作家活動に時間を割きたいと語っているが、退任後も日大の盛衰が気になることだろう。日大改革のために全力を傾注した4年間は、彼女自身にとってプラスだったのか、マイナスだったのかこれから徐々に分かってくるだろう。
さて、イラン戦争以来石油価格の高騰は、世界中の物価高騰にそのまま反映されている。運輸・物流、農業・漁業、化学・プラスチック製造業、外食などの産業への影響が大きく、エネルギー関連ではガソリン価格や軽油・都市ガス、そして電気料金にも及んでいる。食料品では生産コストの上昇から牛肉、鶏卵、大豆加工品、小麦粉の他に、日用品やプラスチック製品や紙・木材製品にまでその影響が表れている。色彩塗料にも影響が出て、「ポテトチップ」のような商品の袋のカラーを白黒に変えるような例も考えられている。カゴメ・ケチャップも赤いトマトが袋一杯の表面を白黒に変えることを業者には伝えたという。今後多くの商品のカラー表示が消える前兆であるのかも知れない。意外な点では、建築資材の不足を懸念して新築マンションの引き渡しが遅れることである。
この趨勢の中で、特別視されるのは、石油元売りの大手企業である出光興産とコスモエネルギーが昨日26年度3月期決算を発表したが、何と原油価格の高騰により、両社の最終的純利益が前年を大きく上回ったことである。出光の売上高は8兆1千億円で前年比11.8%減だったが、純利益は1,719億円で前年比65.2%も増えた。コスモは売上高2兆7千億円で前年比4.4%減だったが、純利益は740億円、前年比28.4%増だった。これら石油元売り大手企業は、原油価格の高騰で仕入れと販売の時間差により、利益がプラスに転じて当初の予想より利益は上振れた。これは次期以降において時間差による収益がマイナスに転じることも考えられる。
押しなべて26年度3月期決算では、大手企業の中でも赤字決算企業が目立つ。スマホからPC、家電まで多くの電子機器に絡む製品を製造し、東芝、三菱電機との統合協議を進めていたローム㈱が、世界的な販売減速を受けて過去最大の赤字を計上した。パナソニックも減収減益である。
こうした石油高騰によりしわ寄せされた赤字転落会社の他に、石油価格には影響を受けなかったが、テレビ会社の中には大きく収益を落としたところがある。24年12月に1タレントのスキャンダルが週刊誌によって明らかにされ、会社のイメージを傷つけ、多くのスポンサーが手を引いたフジテレビである。営業赤字は、2008年以降初めてのことである。フジの放映番組の視聴率もその時以来、他のテレビ局に比べて勝負にならず、毎週公表される視聴率ランキングでは、フジの番組が上位20傑にアップされることはほとんどない。
世の中は、ちょっとしたことによって会社の経営が揺さぶられるものだ。石油危機は、イラン戦争が停戦にならなければ、その解決は難しいだろうが、ひとつの不祥事によって会社の土台が左右されるというようなことは、会社の責任であろう。