今日は「防災の日」と言われるが、言わずと知れた1923年の今日発生した関東大震災により、一瞬にして約10万5千人もの犠牲者を生んだ災害を忘れないための「防災の日」である。また、暦の上では立春から数えて210日目に当たり「二百十日の日」と言われ、台風シーズン到来の始まりと言われている。今日は二百十日でもあるが、台風どころか小雨でさえまったく縁遠い1日となってしまった。今年の6~8月は、気象庁が統計を取り始めた1898年以降で、平年に比較して+2.36℃も高い気温最高の暑い夏となった。
さて、今日注目されていた静岡県伊東市で定例市議会が開かれ、散々市政の停滞や混乱、及び市民に不審と不安を与えていた、田久保真紀市長に対する不信任案が全会一致で可決された。この結果10日以内に市議会を解散するか、市長が辞職、失職するかのどちらかになる。また、市長が失職した場合には、50日以内に市長選挙が行われる。
同時にすでに百条委員会が決めていた市長に対する告発状を警察に提出した。百条委員会が告発を決めたのは、市長の出頭拒否、「卒業証書」とされる文書の提出拒否、証人尋問での証言拒否や虚偽証言などが告発に該当すると判断したからである。これは、仮に起訴されても確定までに少なくとも2年半もの時間が必要となる
5月の市長選で初当選し就任1カ月も経つか、経たない内に田久保市長の学歴詐称問題が浮上し、以後市長は自身の地位を守ろうとする姿勢と、偽証を追求して市長の責任を問い辞職を要求している市議会との攻防が、大分エスカレートした。東洋大学法学部を卒業したとの学歴は、市長が大学を除籍されたと判明したことで、市議らは学歴詐称は公職選挙法違反に当たると追求している。その後、市長は市議会や、百条委員会などに呼ばれて質問に応えていたが、大方の関係者から納得を得られていない。
そして、観光都市・伊東市にとって芳しくない情報として、今年半年間に伊東市を訪れた観光客が大幅に減少したことである。これらを踏まえて行き詰ったままの現状を打開するためもあって、有志市民らが市役所を訪れ、田久保市長の辞職を要求する1万158人の署名を市長に提出した。市の人口35,681人からすれば、市民の内3人強にひとりが辞職を望んでいることになる。市役所職員の下にも市民から苦情の電話やメールが寄せられ、対応に当たる職員も苦慮している。
今伊東市にとって最大の問題は、今年度の補正予算を組む予定が、調整が済まず議案も提出出来ないことである。市内全域に亘って影響が及んで来て、その最大の責任者である市長自身の身勝手な行動と未熟さ故に市政が滞っている現状である。一応の方向は決まったが、市としては大分遅れを取った市政を今後どうやって取り戻すのか。それはすべてポスト田久保市長に掛かってくることであるが・・・。
伊東市には「いとう子どもミライ会議」なるものがあるそうだが、これに出席した高校生が他の市の高校生から「伊東市の住民ですか?それはご愁傷さま」と言われたとぼやいていた。市長を選出する際にも、よほどその人となり、特に行政能力を見抜いて、投票する責任が有権者にはあるということを知らしめたサプライズ事件である。