東京株式市場の日経平均株価の終値が、昨日初めて6万円台の60,537円となった。終値が6万円を上回ったのは実に初めてである。最近でもこれまで取引途中で6万円を超えることは何度かあったが、終値が6万円を超えることはなかった。
ということは、その株価だけを見れば、景気は良いということになる。だが、アメリカ軍のイラン攻撃によって石油価格が急騰し、それが他の物価にも大きく影響して全体的に物価高騰となり、生活環境は厳しくなるばかりで好景気感がない。原油価格の高騰の影響下に比較的小さい人工知能(AI)・半導体関連銘柄が、全体の株価を引っ張ったと見られている。更に広い銘柄を含む東証株価指数(TOPIX)も続伸したが、上げ幅は0.5%で日経平均株価ほどは上がっていない。東証プライム市場で値下がりした銘柄が半数以上の53.2%を占め、AI・半導体を中心とした4割強の銘柄が全体の株式を押し上げる効果を示したと思われる。
いずれにしても「6万円! 6万円!」と空騒ぎをするほどのことはない。景気は依然としてパッとしないのだから。
さて、今日から国連では1970年に発効した核不拡散条約(NPT)の再検討会議が約4週間の予定で開かれている。ロシアのウクライナ侵攻やアメリカのイラン軍事攻撃など地球上から核不拡散の動きは薄くなるばかりである。冒頭にグテーレス国連事務総長が演説したが、その後の副議長選でイランが選出されたことにアメリカが反発し、穏やかでないスタートとなった。最も世界中から期待されている被爆国日本から高市首相以下、主要閣僚は出席せず、政府代表者として国光文乃外務副大臣が派遣され、「NPTという国際協調の枠組みをより強固な形で次世代に引き継げるよう、その維持・強化が必要だ」と訴える意向だ。唯一の戦争被爆国として国際社会における被曝の実態への理解を広めたい考えで、国光代表自身学生時代に広島で過ごした経験を話し、そのうえで長崎の永井隆博士らを紹介するという。
しかし、唯一の被爆国である日本政府はNPTで主導的立場に立とうとの気持ちが弱く、会議の焦点である最終文書も採択されるかどうか不透明である。すでに、過去2回(2015、2022年)連続して採択できなかった。
会議開催に先立ってその前日世界の平和団体のメンバーら約300人がニューヨーク市街地で戦争反対と各廃絶を訴えるパレードを行った。日本からはノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)や、原水爆禁止日本協議会(原水協)などが参加した。彼らが掲げたプラカードには‘NO more HIROSHIMAS NO more NAGASAKIS’と書かれていた。固有名詞である「広島」と「長崎」が複数になっていたのは、広島と長崎をもう2度と繰り返さないと言う意味ではないだろうか?
残念ながら今の高市政権は、アメリカの核の傘の下にいるので安心とばかりトランプ大統領に追従して、NPTにあまり前向きな姿勢を示していない。