日本で日本の政治は忘れられ、蚊帳の外にある。今最も関心を集めているのは、明日行われるアメリカの上下院の中間選挙である。このところトランプ大統領に対する支持が大分下がり気味だというのが一般的な空気である。大統領支持率は、昨年1月の就任時には50%を超えていた。それが最近の調査では、38.4%にまで落ちている。不支持率に至っては、当初45%を下回っていたが、今では60%になっている。各テレビ局のアメリカ駐在員の伝える情報もほぼ似たような内容で、接戦ではあるが、イラン戦争開始後の物価高騰、特にガソリン代の値上げが、国民生活を圧迫していることからトランプ氏への批判が強い。イラン戦争停戦の見通しが立たないトランプ大統領に失望しているとのコメントがよく聞かれる。
恥ずかしいことに、明日の中間選挙の上下院の議員の任期を、両院ともに同じ4年と思い込んでいた未熟さには、我ながら些か自己嫌悪に陥りかねない。定員100人の上院は6年任期で、議員のほぼ1/3が中間選挙で改選される。定員435人の下院は任期が2年で全議席が改選されるそうである。現有勢力は、上院は共和党が100議席のうち53議席、下院でも219議席の過半数である218議席を辛うじて得ている。これまでの流れでは、上院選ではぎりぎりで民主党が上回り、下院選でも共和党が議席を減らし、民主党が過半数を奪還する可能性が高いようだ。
明日の投開票の結果を待ち望んでいるが、予想通りトランプ派はやや劣勢である。仮に上下院ともに民主党が勝った場合は、これからトランプ大統領はこれまでの政策遂行のように思い切って腕を揮えないのではないだろうか。それこそ各国が待ち望んでいることだと思う。今日手に取った「選択」誌11月号の特集記事のひとつに「『選挙敗北』トランプの狂乱」とある。新聞広告には「あの男が急進左派に負けたと認めるはずがない。再び内戦を危惧する声も。議会無視が常態化し、同盟国もお構いなしで異常な対外政策を乱発。残り任期で秩序を破壊し尽くす。暴君の感情が支配する世界だ」と添え書きがある。我々直接トランプ大統領とは無関係の人間でも、この大統領は世界で最も影響力のあるアメリカ大統領としては、極めて粗雑で不誠実で不適格な人だと考えるので、明日の中間選挙ではトランプ氏派が大敗することを強く願っている。そしてイラン戦争が止み、石油を主とした物価が高騰するのが止まることを希望している。
トランプ氏は並の人間とは異なるだけに、仮に選挙で敗れても、まずその選挙に不正があったと訴えるだろう。大統領にのみ与えられた権限を手当たり次第に行使するのだ。民主党が勝利を収めれば、下院で大統領への弾劾が動くだろう。だが、仮に弾劾が可決しても大統領を罷免することは難しい。それは上院で行われる弾劾裁判で、出席議員の2/3以上の賛成が必要であり、共和党議員からかなりの造反者が出ない限り罷免は成立しない。とにかくとても真っ当な中間選挙にはならないだろう。
この際アメリカ国民にも言いたい。もう2度のこのような暴君政治家を国の代表者に選出しないよう思慮ある行動を取って欲しいという願いである。世界の平和を壊すのは、アメリカ国民であると証明するようなものだ。