1375.2011年2月17日(木) 甘い汁を吸う独裁者と惨めな末路

 栄耀栄華を恣にしてどん底に落ちたかつての権力者ほど惨めなものはない。「奢れる者は久しからず」を地で行っている。エジプトのムバラク前大統領にして然りである。つい1週間前まで国家非常事態下において権力を行使し、国民を弾圧していた独裁者が、今では見る影もない。カイロから逃れてシャルム・エル・シェイクの別荘に蟄居しているが、伝えられるところによると重病説もある。思考能力にも疑問符が付けられている。汚職による不正蓄財で訴追される可能性も指摘されている。一旦栄光の座から滑り落ちるとその権威が失われるのは止めようがない。

 チュニジアから始まった長期政権批判による独裁者の追放の動きが、エジプトでも実現されたわけである。これが更に周辺の中東諸国に波及しつつあり、長期政権の独裁者も内心穏やかではないのではないか。すでにイェメンでは現大統領が任期満了を以って職を去ると発表した。現在民主化を求めるデモはバーレーンとイラン、リビアに飛び火している。

 バーレーンの如きは国王が実権を握り、産油国としての裕福な財政事情を背景に、デモ隊の生活保護の要求に応えようとして各戸別に約22万円を支給する苦肉の策で逃げ切ろうとしている。加えてこの国には宗派の対立が燻っている。人口の7割を占めるイスラム教シーア派が、政治の実権を握っている同じイスラム教スンニ派に痛めつけられているとの思い込みが強い。それにしてもこれまで強権的に民主化運動に圧力を加え、非難されるや子供騙しの一時金でしのごうとする無為無策のお大尽遊びにつき合わされてきた国民こそ、宗派を問わずいい迷惑で、建設的なビジョンが示されない解決策だけに不満はたまる一方であろう。

 日本の政治にも同じようなことが言える。小沢一郎・元代表に対する民主党党員資格停止処分に関して早速小沢グループから反発が表面化した。小沢氏の処分と直接関係があるとは断定できないが、16名の小沢氏に近い衆議院議員が民主党を離脱はせずに党内会派を結成して執行部と対決していくと勇ましい。しかも身内の菅首相の退陣を求めていくという。彼らは全員民主党比例代表区選出の1、2年生議員である。誰のために何のために政治家になったのだと1人ひとりに尋ねてみたい。この間ロシア政府は中国と韓国との合弁事業により北方領土を開発すると発表した。完全に日本政府のぐらぐらした状態を見抜いて北方領土の実効支配を更に強固にしている。軟弱外交の日本はやられっ放しなのである。

 この間国内では霧島連山・新燃岳の爆発噴火が続き、その都度地元住民は避難したり掃除したりてんてこ舞いの有様である。更に鳥インフルエンザが各地に発生し、関係者は泣くに泣けない状態で苦しんでいる。

 大きな顔をして好待遇を受け、ちやほやされながら内輪喧嘩ばかりして、国民のために真面目に働かない国会議員と、噴火で苦しんでいる牧畜業者や養鶏農家らとの間の格差は、このままにしておいては問題であろう。

 今日の唯一明るいニュースは、宇宙飛行士・若田光一さんが国際宇宙ステーション(ISS)の司令官に日本人として初めて選ばれたことである。メデタシ、メデタシ。

2011年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1374.2011年2月16日(水) 政治をダメにし、希望を失わせる鳩山由起夫と小沢一郎

 民主党は小沢一郎・元代表に対する民主党員資格停止処分を決定した。政治資金規正法違反に関する検察審査会の強制起訴に対して、やましいことは一切ないの一点張りで国会の証人喚問、政治倫理審査会への出席をいずれも拒否して野党の厳しい追及をかいくぐっていた小沢一郎氏が、民主党内からも批判の矢面に立たされている。豪腕小沢の仕返しが怖い民主党幹部は誰も猫の首に鈴を着けられず、ついに菅首相が直接会って議員辞職、或いは離党を勧めたが、小沢氏はこれらをいずれも拒否してにっちもさっちも行かなくなってしまった。民主党常任幹事会は親小沢派と反小沢派が対立してすったもんだして、裁判で決着がつくまでの間小沢氏の党員としての活動停止を漸く決定した。この決定を受けて倫理委員会の追認を経て最終的に処分が決定する。

 かつては民主党政権の閣僚だった亀井静香・国民党代表からも、民主党は離合集散を繰り返し、内部対立でリンチを繰り返した連合赤軍と変わらないと呆れられ皮肉を言われる始末である。

 この内輪揉めのていたらくで民主党と菅政権に対する国民の支持率は急降下して、とても政権を担っていけるだけの基盤が構築されていないことが明白になった。そこへ今度は鳩山由起夫・前首相の失言である。

 沖縄における米軍駐留は敵の攻撃の抑止力になると鳩山氏が在任中に述べたことは、「方便」だったと沖縄タイムスとのインタビューの中で語った。昨年首相辞任前の沖縄訪問の際、就任時から力説していた「沖縄米軍基地の海外移設、最低でも県外移設」を諦めざるを得なくなった。鳩山氏は沖縄県民に対して、米軍が沖縄に駐在することは大きな抑止力になるので、駐留させる必要があるとの結論に至ったととってつけたようなロジックを述べていたが、それは今にして思えば、単に思いつきの「方便」だっただけなのだ。本心から米軍駐留が抑止力になるなぞ考えてもいなかったことになる。まあ酷いウソツキ総理大臣である。言葉の使い方も知らない。それより何より沖縄県民に真っ赤な嘘をついて平然としているではないか。この狂った神経とセンスはまったく理解出来ない。何と軽率で言葉の重みを知らない人だろうか。こういう人が国のトップの地位にいて国民を騙し続けていたことを国民は情けないと思うと同時に、恥と思わなければいけない。

 流石に呆れた菅首相も言うべき言葉を失ったようだが、担当大臣の北沢俊美・防衛大臣は人生で1、2を争うような衝撃的な発言だと不快感を露にした。

 この鳩山由起夫なる欠陥政治家は、首相から身を退く時にも今後は国会議員としての活動から手を引き、政界から引退するとはっきり述べた。それすら舌の根も乾かぬ内に撤回した。何と言葉を軽視する政治家だろう。政治家たる資格もない、この鉄面皮には最早つける薬もない。

 こんな人物が総理大臣を務め、与党幹事長には疑惑だらけの人物が務めていて日本の政治が良くなるはずがないと、お人好しの国民は失望し悲観するだけである。

2011年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1373.2011年2月15日(火) 中々面白かったペンクラブ2次会

  一昨日2010年名目国内総生産(GDP)で中国が日本を追い越し、アメリカに次ぐ世界第2位の地位にのし上がったことが正式に発表された。早くから予想されていたことでもあり、数字自体には格別驚くこともないが、それでも中国経済の成長スピードには驚嘆させられる。この10年間の日本の成長率が実質0.7%に留まる一方、中国は10.5%に達する猛スピードの成長率である。このままいくと15年後にはアメリカを抜いて中国は世界第1位の経済大国の座を占めることになるらしい。

 菅首相はやせ我慢だろうか、近隣の国が経済成長することは歓迎すべきこととコメントしている。しかし、いくら経済界、産業界が頑張ったところで、今の日本の政治状況を見ているとノー天気の菅首相のように超然としてはいられないのではないか。

 このGDPの数値は1人当たりでないところが味噌で文字通り総計であり、当然人口の多い国が有利である。その点では国民の生活レベルを正確には表していない。中国が日本を追い抜いたことに、中国市街でのインタビューで中国市民はほとんどが誇らしげに自分たちの国に誇りを持っていて、いずれアメリカも追い越すと自信たっぷりに語っていた。その中でインテリ風の中国人は、1人当たりの所得を見ると日本の約1/10であるので、これが日本に追いつくことが出来れば嬉しいと冷静な分析をしていた。実際中国の地方都市に行けば、国内の経済格差はもちろん、いかに農村部が貧しいかということを目の当たりに知ることが出来る。富の蓄積というものをどう捉えるか、数字だけでは図り知れないものをどう理解するのかという点を論議しなければ、数値だけでは表面的で通り一遍のものになってしまう。

 さて、久しぶりに日本ペンクラブ例会に出席した。今日は定例の著名人による30分ほどのショートスピーチがない。その代わりに新入会員紹介で、あれっと思う人が紹介された。誰あろう、ギニアのオスマン・サンコンさんである。テレビタレントとして知られているが、文筆家とは知らなかった。だが、サンコンさんは元々パリ・ソルボンヌ大学を出たインテリで、数ヶ国語を話す。少し話をしたが、意外に小柄で如才なく中々愉快な、テレビで見る通りの人だ。その他にも阿刀田高会長、西木正明さん、轡田隆史さん、堀武昭さん、吉澤事務局長ら何人かの人と短い会話をした。終って2次会は、小中陽太郎さん、大原雄さん、西原健二さん、ヨタロウ会幹事の瀧澤ご夫妻と有楽町ガード下の「金陵」で、昨年の国際ペン東京大会について議論が沸騰した。5月の総会で報告されると思うが、国際ペン東京大会も史上最大規模で成功裏に終ったが、その裏には相当苦労話も隠されているようだ。ペン理事会の会議内容などを聞いていると、社団法人ということもあり、普通の会社組織とは大分異なる組織団体であることを知らされる。やはり利益追求団体ではないからだと思う。何かにつけ引き合いに出されるのはいま話題の財団法人日本相撲協会である。かなり率直に話し合ったので、小中さん、大原さん、瀧澤ご夫妻らの激論は傍で聞いていて中々面白かった。

 小中さんからいただいたフルブライト同窓生の機関紙‘NEWS LETTER’2010 年12月号の表紙に高校先輩の根岸英一博士の顔写真が掲載されている。実は、3月18日に母校・湘南高校の東京有志会で根岸博士が講演されるのを機会に、根岸博士の言葉を引用した拙著を贈呈するつもりであることを小中さんにお話したら、それならと最新号をご持参いただいた。そのうえ同誌の最初の文章は同じフルブライトの小中さんご自身がペンを取っておられる。根岸博士にお会いする際、この同窓会誌をお持ちしようと考えている。

2011年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1372.2011年2月14日(月) 北方領土問題は解決出来るか。

 いつのころからか聖バレンタイン・デイと呼ばれるようになった。とかくノー天気に成りがちの日本では、好きな人にチョコレートを贈るということで国中が大騒ぎしているが、少し狂っているのではないか。アメリカ辺りではこんなふざけた習慣はないというから、まるで日本人はみんな菓子メーカーの口車に乗せられたピエロだ。まあ天下泰平と言っては言い過ぎだろうか。

 こんな浮世離れの現実とは別に、昨晩NHKが深刻なドキュメント番組「北方領土・解決の道はあるのか」を放映していたが、ロシア首脳の北方領土訪問による領土の主権アピールと島民の生活の改善により、かつては日本領だった4つの島が今や現実的にロシア政府に実行支配され、ロシア領土となってしまったかの感がある。

 番組を観ていて考えさせられることが多い。日本には2つのグループが厳然としてあることである。ひとつは北方4島全島返還を求める正論派、もうひとつはとりあえず現実的に可能な案として、歯舞、色丹の2島返還、そしてその後残る2島返還を求めて交渉を続ける一派である。

 外務省内にも理想と現実派の2つの流れがあるという。しかも、2島返還は1956年の日ソ交渉で決まっていたことであり、他方で4島返還を求める運動に何の進展もなかったことから、日ロ間に平和条約も結ばれず、今では反って2島返還すら縁遠い話になってしまった。

 政治家がこれまで何らの行動も起こさなかったことが、領土問題未解決の最大の原因である。言うならば大罪である。4島返還を求める環境の中で、秘かに2島返還交渉へ動いていた鈴木宗男・前参議院議員も、皮肉なことに勇み足で今は獄中に繋がれた身である。ある有識者は、現在政治的には日ロ間は行き詰まっているので、他の分野における対ロ協調、その中でも日本の経済支援、技術支援、環境支援などによって友好関係を構築し、時間をかけてロシアのかたくなな気持の雪解けを待つのが良いと提言する。

 前述の通り、政治家を始めとして日本が正当性のある歴史的事実を国際社会へ訴えてこなかったことが、ロシアに思うように行動させている原因であることは論を俟たない。

 それにしてもロシアの言う4島は、国際的にもロシア領土として認められているという主張はおかしくはないか。第2次世界大戦の戦利品として、ロシアは北方領土の主権の正当性を主張しているが、日本が降伏した8月15日以降に占領したものであり、いかに国際的には大戦の終戦を9月2日としているとは言え、敗戦国の財産を強奪した、火事場泥棒的イメージは拭えない。今もこの北方問題から逃げ腰のわが国の政治家と外交官は、これまでいかなる志を抱いて一体何を仕事にしてきたのかと問いたい。

 こんな深刻なテーマが周りにいくらでもあるのに、チョコだとか、義理チョコだとか少々軽過ぎるのではないだろうか。いい気なものだと思うのは、ひがみだろうか。

 さて、69年前の昭和17年の今日2月14日は、日本陸軍がシンガポールへ攻め来み、翌15日払暁に陥落させ、日本中が歓喜に湧き、燃え上がり日本国民が一番一致団結していた1日だった。 

2011年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1371.2011年2月13日(日) 週間ニュース関心度ランキング

 日経新聞電子版の先週閲読ランキングを見ると、経済専門紙だけあって普通紙の閲読とは少々異なる。因みに上位10位までは次の通りである。

 ①愛知県知事に大村氏、名古屋市長に河村氏

 ②米格付け会社、日本国債「下振れリスク高まる」

 ③トヨタ車急加速問題、米運輸省「電子系に欠陥なし」

 ④大相撲、春場所中止に

 ⑤連合赤軍事件の永田洋子死刑囚が死亡

 ⑥ボタン1個の携帯電話、ソフトバンクが3月発売

 ⑦長友がインテルでビュー

 ⑧エジプト情勢、緊迫続く

 ⑨米フェイスブック、新本社敷地は東京ドーム5個分

 ⑩HIS、タイ片道4800円低価格ツアー発売

となっている。

 それぞれに極めて興味のあるニュースであるが、⑥の携帯電話の件は知らなかった。ムバラク大統領が辞任する直前の盛り上がりからすると、⑧のニュースは昨日辺りならもっと上位に入っただろう。日経なので経済に強い興味を持っている人の関心度であるが、トップに愛知県の選挙結果がランクされているのは、民主、自民の既成政党から支持層が離れた人がいかに多いかということを示唆していると思う。この現状を多くの人々が強い関心を抱き、他方で両党関係者が心配している。これに多くの人が関心を持ち、不安視していることは、信頼出来ない今の政治状況そのものを象徴している。

 私には、⑤永田洋子の死亡関連ニュースに関心が向く。その点についてはすでに2月7日付本項に書きこんだ通りである。

 ⑩格安ツアーについては、決め付けるわけにはいかないが、安売り合戦でわが国の旅行業界に、ただ見かけの値段だけ安ければ良いとの風潮が蔓延ることが心配である。先般独法・国民生活センターへ寄稿した文章にも書いたが、ツアーの安全性との関連をもう少しPRし、啓蒙した方が良いのではないかと思う。あまりにも安いツアーでは、安全管理、旅行者保護上の物心両面での費用投資が難しいからである。

 来週になったら、新しいニュースが顔を出すだろうが、北方領土問題に関する日ロ間の険悪な空気や、新燃岳噴火、年金一元化問題等々が躍り出て、日本人の心をやきもきさせるのではないか。

2011年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1370.2011年2月12日(土) ムバラク政権ついに崩壊!

 ついに現代のファラオ・ムバラク王国陥落! 日本時間の昨日深夜から今朝へかけてエジプト情勢が急展開した。昨日の朝刊新聞第1面には「ムバラク大統領辞任へ」とあったが、実際には職権の内かなりの部分を副大統領に委ねることにして、本人はまだ大統領の職を辞する意思はなかった。それが一夜明け今朝の新聞第1面では、昨日の見出しから「へ」が取れて「ムバラク大統領辞任」とはっきり辞任を打ち出した。夕刊紙の1面トップもほとんどが「ムバラク辞任」である。今度は本人のテレビ演説ではなく、替わって副大統領が公表したものである。とりあえずこれでエジプト政変の第1幕に幕が降りた。

 ムバラク氏とその家族は、ヘリコプターで大統領官邸からシャルム・エル・シェイクへ向かったと言われている。シャルム・エル・シェイクはアカバ湾とスエズ湾の狭間に位置するエジプト屈指の高級リゾートとして知られ、ムバラク氏の別邸もあるが、むしろ1967年6月に勃発した第3次中東戦争時には、イスラエル空軍機がエジプト軍のアカバ湾の封鎖作戦を破壊するため電撃攻撃を仕掛けてひとしきり話題になった街である。ついに独裁者ムバラク大統領も、国民の民主化要求の声に抗しきれず、断腸の思いで30年に近い長期政権から身を退くことを決断した。

 しかし、エジプトにとって問題はこれからである。ムバラク政権が強権政治下に民主化の芽をほとんど摘んでしまったために、この後受け皿として誰もが納得するような人物も、組織も、体制も見当たらないのである。更にもっと深刻な問題は、景気停滞により8千万人の人口の内、52%を占める25歳以下の若者に職がないことである。彼らの失業率は何と20%を超えているという。しかも石油産油国と見られているが、最近では石油の輸出量より輸入量の方が多いくらい産油国としての存在感が薄い。アラブ諸国の中ではイスラエルとの関係が比較的良好だったために、アメリカと当のイスラエルにとっても、新政権がどういう体制を作り、イスラム国としての立場を強く打ち出すようになるのか、従来と同じようにイスラエルに対して受容的な政策を取るのか、はらはらしながら見守ることになるだろう。

 一方で、中東諸国の中でも長期政権の続く国では、チュニジア、エジプトに続いて「明日はわが身」と事態を深刻に受け止めている国もある。さしあたってイェメン、アルジェリア、サウジアラビア辺りでその影響が表れてくるのではないだろうか。

 ムバラク氏の辞任を受けてスイス銀行では、早速ムバラク氏とその一族の資産を凍結した。その資産が何と5兆8千億円だというから小さな国ならまるごと買えてしまうほどの巨額である。極貧生活を送っている庶民がいる一方で、このように権力を行使して私的に蓄財していた人物がいたわけである。これでは貧困生活を送っている国民が怒るのも無理はない。

 テレビ画面に映されるカイロの風景、とりわけナイル川に架かっている橋の遠景を見ていると、あの橋を渡った昔が思い出される。初めてエジプトを訪れた時はナセル初代大統領だった。2度目の時はサダト大統領で、3度目に訪れた時はこのムバラク大統領だった。その意味では、歴代すべての大統領と同じ都市・カイロで同じ空気を吸っていたことになる。何と言っても古代エジプト文化を造り上げた末裔たちの国であるだけに、印象的なシーンや建造物が多く、それぞれが懐かしく思い出される。

 ムバラク氏辞任を受けて、オバマ大統領やキャメロン英国首相がコメントを述べていたが、彼らの存在感に比べて最後に記者会見でコメントを述べた、疲れたようなわが菅首相の影が薄く、暗い印象にはがっかりした。

2011年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1369.2月11日(金) 寂しい建国記念日

 昨日の本項に書いたように、今日は建国記念日で昔風に言えば紀元節に当たる。終戦翌年の紀元節を当時の国民学校の狭い講堂で、意味が分らないながらも全校生徒が、♪雲に聳ゆる高千穂の~♪で始まる「紀元節の歌」を唄いながら、お祝いした遥かな記憶がある。

 ところが、建国や国の歴史を象徴するような言葉も話も、今日の新聞、テレビのニュースを見る限りまったくない。インターネットのWEBサイトのニュース欄を見ても関係記事が見られない。これでは何のために建国記念日を制定したのか意味がない。折角建国記念日を国民の祝日と決めたのだから、少しはメディアも報道面でもう少し取り上げるよう配慮すべきだと考えるがいかがなものだろうか。皮肉なニュースとして、天皇が東大病院で心臓の冠動脈の検査を受けられたというのが、建国、或いは王室に関する唯一のニュースである。

 旧文部省教育海外視察団にお供してアメリカの学校を訪問した時に聞いた話がある。アメリカ人が決して忘れてはならないエポックメイクな日時として、アメリカ大陸発見の年(1492年)、アメリカ独立記念日(1776年7月4日)、そして配偶者の誕生日と結婚記念日だそうである。独立とか建国の年というのは、その国民にとっては肝に銘じて覚えておくべき日であることは洋の東西を問わない。特に忘れっぽい性格の日本人は、意識しないとすぐ忘れてしまう。それだけに日本の歴史を知るうえでも、国がもっと建国記念日の啓蒙化に力を注ぐべきだと思う。

 今ロシアが北方領土を自国領土として強く主権を主張し出したのも、日本人の建国意識の薄い点を突かれたのではないかと気になっている。

 せめて建国の日ぐらい、政府が文部省を中心としてマス・メディアが、国の歴史に関する事実を国民に伝える努力をする必要があると思う。今のありようは国を維持し、発展させていくための体を成していないと言ってもいい。

 さて、このところムバラク大統領辞任要求デモが鎮静化していたエジプトで、今日再びデモがぶり返してきた。今日の朝刊各紙のフロント・ページはほとんど「ムバラク大統領辞任へ」と断定的に書かれていた。この後大統領が辞任演説をして職を辞するとの期待だった。軍の支持が得られず、混乱が収まらないので、身を退くという筈だった。ところが、大統領は権限をスレイマン副大統領に譲るが、課せられた責任を全うするために、その地位に任期いっぱい留まるというテレビ放送を行ったために事態は再び混沌としてきた。

 一度権力の座に就くとどうしてもしがみつきたくなるようで、ムバラク氏も長期間に亘る任期を全うして多くの国民から惜しまれながら栄光の中で去りたいらしい。だが、今やムバラク氏の思惑は完全に外れた。ここで辞めるよりは、留まって自ら国を混乱から救う以外に国家を安定させる方法はないと考えたようだ。権力者の引き際というのは、つくづく難しいものだと感じる。

 今日は1日中雪が降っていた。近年東京では珍しい。外へ出かけることもなく自宅の庭を見ていると雪を冠した松の木に風情がある。日本のしっとりした冬の情緒はやはり松と雪だ。

2011年2月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1368.2011年2月10日(木) 今年は大東亜戦争開戦70周年

 今年は大東亜戦争開戦70周年という記念の年であるが、戦争に狩り出されて辛い戦地生活を送った方々にとって、また悲惨な戦争体験を背負った遺族にとっては、思い出したくもない唾棄すべき年であるのかも知れない。

 今年も開戦の12月8日と終戦記念日8月15日が近づいてくると戦争に関するニュースが流れてくると思う。

 昨日自由が丘駅前の書店へふらりと入ったら、学研の「歴史群像アーカイブ<太平洋島嶼戦>」なる書物が目に入りつい買い求めてしまった。それらの島嶼の内いくつかの島に、度々旧厚生省の戦没者遺骨収集団のお供をして、或いは下見調査で訪れ、おかげで一般の人が知りえない戦地の現場をつぶさに観察することが出来た。同書をぱらぱら捲っていると思い出すシーンが随分ある。サイパン、グアム、テニアン、ロタ、パラオ、トラック、コロール、ペリリュー、アンガウル、ニューギニア、ガダルカナル、ニューブリテン、ブーゲンビル等々の中部太平洋の島々を何回となく訪れた。長年に亘って戦没者の遺骨を奉還するという尊い事業に関わることが出来て、戦争に関する知識とともに、戦争を見る視点が幾ばくかは変わったように思う。

 私が学生時代から関心を持ち、安保と南北問題から世界の戦乱の地を訪れ、そこで覚った臨場感や、戦争自体に対する考え方とは、若干異なるものではあったが、大東亜戦争の現場で知ったことは計り知れないほど今日仕事面でも生活面でも役立っている。

 何度も遺骨収集団でご一緒した日本遺族会の水落敏栄氏は、今や自民党参議院議員として遺族会の支援を背に、大和魂と日本人としてあるべき姿勢について存在感のある発言をされておられる。

 明日は建国記念日であるが、近年国内で話題になることが年々少なくなってしまった。ましてや建国、紀元に関して深く話されることもない。この建国記念日にしても単純に右翼的な記念日と考える人もいるが、そう短絡的に捉えるのではなく、先の戦争原因の原点のひとつと反省の気持ちをもって考えることが大切ではないか。

 建国記念日の明日から全国で映画「太平洋の奇跡」が封切られる。玉砕の島・サイパンで苦戦の末生き残った大場大尉の自伝的ドキュメンタリー映画らしく、その内容とさわりについてここ数日テレビで紹介されている。サイパンの激戦の場面も多いようなので、どういう風に描かれているのか観てみたいと思っている。

 それはそれとして、今も世界各地では紛争や戦争が絶えない。いつの時代にも反戦の声があがる。しかし、すぐにこの声はかき消されてしまう。70年前に犯した過ちを繰り返すまいと誓ったはずのわが国の周辺にもそんな空気はないだろうか。

2011年2月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1367.2011年2月9日(水) 明るいニュースは冬枯れ状態

 ほんの僅かではあったが、今朝この冬初めての雪が降った。カラカラ陽気の中で、少しは「干天に慈雨」ならぬ「乾天に慈雪」となっただろうか。

 このところ国内外ともに芳しいニュースはさっぱりである。エジプトの反政府デモは一時収束へ向かうかと思われたが、しばしデモ疲れを癒すかのような中休みで、その先には再び混乱がぶり返しそうな様子である。

 ビルマでは、怪しげな軍人支配の民主政府が発足しそうだが、漸くスー・チーさんが一言発言した。諸外国へ向かってビルマ現政権下では経済制裁を解除しないで欲しいと、国民感情とは反対で相容れないはずのことを述べた。もちろんスー・チーさんの真意は多くの国民が理解し、厳しい経済封鎖の中でも我慢しようと考えてくれると判断したうえでのことだと信じる。

 国内では、北方4島がらみの日ロ関係がギクシャクし出した。メドベージェフ大統領を始め、ロシア高官が続々と北方領土を訪れていることに対する菅首相の辛らつな発言が、ロシア政府を大分刺激したようである。今朝の朝日の社説にも取り上げられている。

 首相の言葉遣いに苦言を呈したうえで、日ロ間に正常な首脳外交が機能していないと指摘する。まったくその通りで、これは政治家の責任でもあるが、何よりもこれをお膳立てすべき外務省の無策無能ぶりをも露呈したのではないか。建設的な対話の回路がまったくない。朝日は、「これまでの領土交渉の経緯について何が認められ、何が認められないかを両国がきちんと確認し合うことだ」と提言する。お互いに声高に相手を誹謗中傷するだけでは、何の成果も得られまい。わが国としては、ロシアの北方4島占領に対する国際社会への問題提起と発信、と同時に両国間で議論を闘わせるルールを作りあげることが重要である。覇権国家のロシアは外交相手としては相当手ごわいが、だからと言って相手に言われ放しではジリ貧になるばかりだ。

 国会は小沢一郎・民主党元代表の強制起訴に対して野党の国会招致や、議員辞職の要求に対して民主党内では今もって結論が出ない。国会は小沢氏の顔を遠目にしながら細々と議事を行っている。今日菅政権になって以来初めて与野党党首討論を行った。質問者と答える首相の間でヒートアップはしたものの、相変わらずすれ違いの論戦で、とても濃密な党首論戦とは行かなかった。

 むしろ、大相撲の八百長問題の方が大向こうの興味を呼んだ。今日は力士会を代表して横綱・白鵬が謝罪会見をしたが、難題を解決するには全相撲界が一致協力しなければならないのに、その気持があまり感じられないことが気にかかる。任意で携帯電話の提出を求められているにも拘わらず、あまり積極的に協力しようとする力士がいないことがその典型である。この様子では解決までに相当時間がかかりそうな気がする。外からでは分かりにくいが、ひょっとすると親方衆と力士が大分汚染されているのではないかと勘ぐらざるを得ない。こんな状態ではこれからどうなるのだろうか。

2011年2月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1366.2011年2月8日(火) 住民の声は本当に正鵠を射ているのか。

 一昨日行われた愛知県の3つの選挙の投票結果が新しい地域住民の行動パターンを変えるのではないかと注目されている。3つの選挙とは、県知事選、名古屋市長選、市議会解散の是非を問う住民投票で、知事には自民党を離党した大村秀章氏が圧勝し、名古屋市長選では持論を訴え、つい最近辞職したばかりの河村たかし氏が圧勝した。両氏とも党派を超えた無党派層を結集し、民主党と自民党候補者を大差で破った。もうひとつの名古屋市議会の解散についても市民が下した結論は、河村氏の望む解散だった。

 前々から危惧していた、政治の空白と過大な出費に関してはあまり話題になっておらず、むしろ名古屋市民が既成政党の常識や政党論理に捉われなかったことを評価するマス・メディアの論調が目立つ。知事選と市長選の結果は、敗北した民主党、自民党にとって深刻な問題を提起した。今年4月全国各地で行われる統一地方選では、愛知の結果がどれほど自営に影響されるのかを測りかねているのだ。

 トップの座に誰が就こうと、自治体としては住民が安定した生活を送れるよう智恵を絞るのが最大の責務であり、名古屋市長選のように度重なる選挙で時間の空白を作るようでは本旨に悖ると考えている。河村新市長には自分の意見を住民に訴え、持論を通すのは了としても名古屋市民のために、どれほど粉骨砕身の努力を払い、市民を納得させられるかということが原理である。

 因みに元島根県知事だった片山善博総務相は「河村流は邪道。行政改革を一所懸命にやり、自治体が抱える巨額債務を減らす方に振り向ける。巨額債務があるのに減税するのは、長期的な財政運営の観点からいかがなものか」と河村氏の訴える市民税減税に手厳しいコメントを述べている。河村氏の人気取りの個人的パフォーマンスと捉えているのだ。

 さて、昨年来メドベージェフ首相以下ロシア首脳が度々北方4島を視察して、国ぐるみで実行支配を固めつつことに対し、昨日菅首相は許し難い暴挙と発言した。これにロシア政府は即座に「北方領土の主権を見直すことはない」と反論した。ロシアがどう自己主張しようと、北方領土が日本の領土であることは歴史的にも1855年に締結された日露通交条約でも明確に証明されている。ロシアは第2次世界大戦の戦利品という解釈であるが、それはロシアの一方的な言い分で、国際的にも通らない論理だ。

 問題は、日本政府がこれまで一言もロシアに対して日本の正当性のある論理をぶつけてこなかった点である。ここにも日本外交の弱さがある。これからはただ自国の領土だと主張するだけでなく、国際社会に向かって論理的に説明し、共鳴者、同調者を増やす努力を続けていくべきではないだろうか。その点で政治家の責任は重い。いつまでも国会内で与野党が喧嘩をやっている場合ではない。

2011年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com