ほんの僅かではあったが、今朝この冬初めての雪が降った。カラカラ陽気の中で、少しは「干天に慈雨」ならぬ「乾天に慈雪」となっただろうか。
このところ国内外ともに芳しいニュースはさっぱりである。エジプトの反政府デモは一時収束へ向かうかと思われたが、しばしデモ疲れを癒すかのような中休みで、その先には再び混乱がぶり返しそうな様子である。
ビルマでは、怪しげな軍人支配の民主政府が発足しそうだが、漸くスー・チーさんが一言発言した。諸外国へ向かってビルマ現政権下では経済制裁を解除しないで欲しいと、国民感情とは反対で相容れないはずのことを述べた。もちろんスー・チーさんの真意は多くの国民が理解し、厳しい経済封鎖の中でも我慢しようと考えてくれると判断したうえでのことだと信じる。
国内では、北方4島がらみの日ロ関係がギクシャクし出した。メドベージェフ大統領を始め、ロシア高官が続々と北方領土を訪れていることに対する菅首相の辛らつな発言が、ロシア政府を大分刺激したようである。今朝の朝日の社説にも取り上げられている。
首相の言葉遣いに苦言を呈したうえで、日ロ間に正常な首脳外交が機能していないと指摘する。まったくその通りで、これは政治家の責任でもあるが、何よりもこれをお膳立てすべき外務省の無策無能ぶりをも露呈したのではないか。建設的な対話の回路がまったくない。朝日は、「これまでの領土交渉の経緯について何が認められ、何が認められないかを両国がきちんと確認し合うことだ」と提言する。お互いに声高に相手を誹謗中傷するだけでは、何の成果も得られまい。わが国としては、ロシアの北方4島占領に対する国際社会への問題提起と発信、と同時に両国間で議論を闘わせるルールを作りあげることが重要である。覇権国家のロシアは外交相手としては相当手ごわいが、だからと言って相手に言われ放しではジリ貧になるばかりだ。
国会は小沢一郎・民主党元代表の強制起訴に対して野党の国会招致や、議員辞職の要求に対して民主党内では今もって結論が出ない。国会は小沢氏の顔を遠目にしながら細々と議事を行っている。今日菅政権になって以来初めて与野党党首討論を行った。質問者と答える首相の間でヒートアップはしたものの、相変わらずすれ違いの論戦で、とても濃密な党首論戦とは行かなかった。
むしろ、大相撲の八百長問題の方が大向こうの興味を呼んだ。今日は力士会を代表して横綱・白鵬が謝罪会見をしたが、難題を解決するには全相撲界が一致協力しなければならないのに、その気持があまり感じられないことが気にかかる。任意で携帯電話の提出を求められているにも拘わらず、あまり積極的に協力しようとする力士がいないことがその典型である。この様子では解決までに相当時間がかかりそうな気がする。外からでは分かりにくいが、ひょっとすると親方衆と力士が大分汚染されているのではないかと勘ぐらざるを得ない。こんな状態ではこれからどうなるのだろうか。