1368.2011年2月10日(木) 今年は大東亜戦争開戦70周年

 今年は大東亜戦争開戦70周年という記念の年であるが、戦争に狩り出されて辛い戦地生活を送った方々にとって、また悲惨な戦争体験を背負った遺族にとっては、思い出したくもない唾棄すべき年であるのかも知れない。

 今年も開戦の12月8日と終戦記念日8月15日が近づいてくると戦争に関するニュースが流れてくると思う。

 昨日自由が丘駅前の書店へふらりと入ったら、学研の「歴史群像アーカイブ<太平洋島嶼戦>」なる書物が目に入りつい買い求めてしまった。それらの島嶼の内いくつかの島に、度々旧厚生省の戦没者遺骨収集団のお供をして、或いは下見調査で訪れ、おかげで一般の人が知りえない戦地の現場をつぶさに観察することが出来た。同書をぱらぱら捲っていると思い出すシーンが随分ある。サイパン、グアム、テニアン、ロタ、パラオ、トラック、コロール、ペリリュー、アンガウル、ニューギニア、ガダルカナル、ニューブリテン、ブーゲンビル等々の中部太平洋の島々を何回となく訪れた。長年に亘って戦没者の遺骨を奉還するという尊い事業に関わることが出来て、戦争に関する知識とともに、戦争を見る視点が幾ばくかは変わったように思う。

 私が学生時代から関心を持ち、安保と南北問題から世界の戦乱の地を訪れ、そこで覚った臨場感や、戦争自体に対する考え方とは、若干異なるものではあったが、大東亜戦争の現場で知ったことは計り知れないほど今日仕事面でも生活面でも役立っている。

 何度も遺骨収集団でご一緒した日本遺族会の水落敏栄氏は、今や自民党参議院議員として遺族会の支援を背に、大和魂と日本人としてあるべき姿勢について存在感のある発言をされておられる。

 明日は建国記念日であるが、近年国内で話題になることが年々少なくなってしまった。ましてや建国、紀元に関して深く話されることもない。この建国記念日にしても単純に右翼的な記念日と考える人もいるが、そう短絡的に捉えるのではなく、先の戦争原因の原点のひとつと反省の気持ちをもって考えることが大切ではないか。

 建国記念日の明日から全国で映画「太平洋の奇跡」が封切られる。玉砕の島・サイパンで苦戦の末生き残った大場大尉の自伝的ドキュメンタリー映画らしく、その内容とさわりについてここ数日テレビで紹介されている。サイパンの激戦の場面も多いようなので、どういう風に描かれているのか観てみたいと思っている。

 それはそれとして、今も世界各地では紛争や戦争が絶えない。いつの時代にも反戦の声があがる。しかし、すぐにこの声はかき消されてしまう。70年前に犯した過ちを繰り返すまいと誓ったはずのわが国の周辺にもそんな空気はないだろうか。

2011年2月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com