1742.2012年2月19日(日) 「東京物語」のリメーク作品はダメなのか。

 月刊誌「選択」の「本に遭う」を毎号楽しく読んでいるが、今2月号の「『東京物語』への冒涜」を読んで実は一寸驚いた。毎号書いているのは、河谷史夫・元朝日編集委員で連載して146回になるので、すでにその鋭い批評と鑑識眼は定着している。朝日時代には名物コラム「素粒子」を担当執筆していた。それが今月号に限って言えば、「寅さんシリーズ」を撮った映画監督の山田洋次氏への呵責のない批判で、流石の山田氏も未熟児扱いでボロクソなのである。私もあまり映画を観る方ではないが、「寅さんシリーズ」はいくつか観て面白いし、山田監督は庶民の側から主人公を映像に撮る素晴らしい監督だと評価していたが、河谷氏はとにかく舌鋒鋭く山田映画をこき下ろし、その挙句に山田監督の人格批判までする有様に少々呆気にとられている。山田監督より一回り以上も若い後輩が、すでに実績を積み重ねた大先輩に対して、ここまでやるかと思えるほどその批判精神は強烈だ。

 そう言えば、河谷氏は朝日の書評で渡辺淳一氏の「失楽園」をこっぴどく論評して渡辺氏の怒りを買い、対決を迫られたが、逃げ回って話に応じようとしないと渡辺氏が不満を漏らしていた。また、6年前の「素粒子」では東京ディズニーランドで行われた浦安市の成人式を皮肉って、市長や教育長が連名で朝日社長に抗議文を送ったように毎度お騒がせの時限爆弾のようなお人でもある。

 その河谷氏は、山田監督が小津安二郎監督の最高傑作「東京物語」のリメーク作品を撮ると聞いて、天をも恐れぬ所業だと烈火のごとく怒っているのだ。氏によれば、敬愛できる人の作品は恐れ多くて映画作品なぞできないものだという。実際小津監督ですら愛読書、志賀直哉の「暗夜行路」の作品化を勧められたが断った。それが後日別の監督が作品化すると聞いて「天に唾する行為」と切って捨てたそうだ。

 河谷氏が山田監督にあまり良い印象を抱いていないらしいことは、渥美清の役どころを間違えていると考えている点からも推察できる。つまり、渥美清を「寅さん」にしてしまったことを問題にしている。渥美は平然と残忍な人殺しをするような役をできる俳優で、「寅さん」のような紙芝居に終わらせたのはもったいないとまで言っている。

 河谷氏は新派で山田監督が現在脚本と演出を担当している「東京物語」が出身の朝日新聞で高く評価されたこともお気に召さないらしく、山田監督がヒット作品「幸福の黄色いハンカチ」で最後のシーンに黄色いハンカチが風にはためく光景はいかにもあざといとまるっきりなのだ。

 では誰も名作のリメーク作品を作る資格はないのかというと、「東京物語」は小津監督を直接知っている吉田喜重監督ならできると言っている。この程度の説明では、一寸説得力はないと思うのだが。

 「寅さんシリーズ」はあれだけ話題を生んで、多くのファンを喜ばせてくれ、渥美清にフーテンの寅の愛称まで献上した。渥美清は、確かに悪役も演じ切ることはできたと思うが、彼にとってフーテンの寅の方が反って彼にとっては良かったと思うのだが・・・。 

 こう言っては河谷氏には申し訳ないが、山田監督に対して何か遺恨でもあるのではないかと思ってしまう。ここはぜひ山田監督の考えと反論を伺いたいところである。もっとも河谷氏の論評暦を知っていれば、山田監督が取り合わないだろう。或いは、ひょっとするとこれから話に尾ひれがついて、場外戦が始まるかもしれない。冷やかし気分でそれを願う一方で、泥仕合なんかにならないことも願っている。

2012年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1741.2012年2月18日(土) 「ウメサオタダオ展」を見学する。

 これまで見学したいと思いながら今日まで行けなかった、日本科学未来館で開催中の「ウメサオタダオ展」を漸く見学することができた。昨年12月から2ヶ月近く開催して明後日でいよいよ閉幕である。今日は予定通り新横浜駅前の城クリニック肛門科でその後の経過を診てもらった後、JR横浜線、東急東横線、目黒線、大井町線、東京臨海高速鉄道・りんかい線を乗り継いで東京テレポートにある日本科学未来館へ出かけた。

 梅棹忠夫先生には、私も40年間所属しているNPO法人「知的生産の技術研究会」の名誉顧問を亡くなるまで務めていただいた。文化勲章のみならず、海外の名誉ある称号を数々授与された梅棹先生の業績の中には、言うまでもなく民俗学の分野において独自の視点から鋭く分析した赫々たる成果がある。特に、素晴らしいと感じ入り尊敬の気持ちが沸いてくるのは、民俗学・民族学を専攻されたせいでもあるが、フィールドワークを重視され、ご自身で山野を歩き冒険旅行をしてその体験を学問へ活かすという手法である。自身高校、大学でも山岳部員として多くの登山経験を積み重ねられ、それを梅棹生態史観に集約された。

 展示館内には、梅棹先生の研究の足跡が分かりやすくショーアップされていた。多くのコーナーではそれぞれ興味があるものが見られたが、梅棹先生が「こざね」としてカードに書き記した言葉がいくつもあって、それが中々面白い。その中に「ハミダシ」の「こざね」というのがあった。16の言葉があったが、それらは以下の通りである。

 *日本の運命、*再編成された文化、*人間疎外論批判、*プライオリティ論(オリジナルの考え方)、*文章論、*国際政治、国際連合、*現在の進行しつつある矛盾の指輪、*権力、*狂気の世界(非合理の世界)、*幻想の世界、*所有権(所有関係)、*小国の思想、*社会ダーヴィズム、*官僚、*戦争と鎖国、*反戦産業論

 これらひとつひとつの言葉に意味がある。それは先生の著書、特に代表作「文明の生態史観」を読んでいると先生がなぜこれらの言葉を「ハミダシ」として列記したのかがなんとなく納得できるような気がする。

 フィールドワークを殊のほか重視していた先生は、「研究のすすめかた、組織のくみかたなどについての戦略のたてかたを、わたしは探検という実践的行為をとおしてまなんだのである」と言われている。その点ではまったく賛同するものであるが、先生には実践することが信念となっている。その点では、学者の「象牙の塔」を意に介さず、「ハミダシ」に挙げられた「官僚」も実践を伴わないものと昔から考えておられたのだろう。

 戦時中にモンゴルへ行き、終戦を迎えた。昭和17年にはポナペ島調査にも出かけ、序にパラオ、トラック、クサイ、ヤルートへも出かけている。ひょっとするとトラック島で幼かったススム・アイザワ大酋長にも出会っていたかもしれないと思うとロマンが広がる。

 まだ読んでいない著書を2冊売店で購入した。これも楽しみである。

2012年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1740.2012年2月17日(金) 健康維持のため、もっと歩こう。

 目黒区碑文谷に住む呉くんからメールで悲しい知らせがあった。高校の同級生・楢原くんの訃報だった。ここ数年体調を崩して病床に臥していたと聞いた。何年か前に同期生会で会った時、あまり健康ではないと言っていたが、ついにブラスバンドの雄も旅立ってしまった。楢原くんとは特別親しい間柄ではなかったが、それでも共に学んだ仲間が逝ってしまうのは寂しいし、やるせない気持ちでいっぱいである。来週藤沢で2年生時のクラス会があるが、冒頭に彼の霊へ黙祷を捧げて永遠の別れを告げるという。なんともやりきれない気持ちである。

 さて、私自身現時点では整形外科、内科、肛門科と3箇所の医者通いをしているが、取り立てて具合が悪いということはない。今日も整形外科でムダ話をしてきたばかりだ。明日は1ヶ月ぶりに肛門科でその後の症状を診てもらう。

 ところで、15日厚生労働省は健康づくり運動「健康日本21」の第2次計画の素案を発表した。それによると生活習慣病の予防促進のため、達成すべき1日の平均歩数として男8500歩(約6km)、女8000歩(約5.6km)の目標値を提示した。こんな目標値まで政府が作成しているとは思ってもみなかった。この男の8500歩がどれほど健康にとって効果的なのか分からないが、専門家が頭を抱えながら算出した数値なのだろう。私はこの数字には遠く及ばない。

 因みに2年前の調査では、男7136歩、女6117歩だったそうである。一応毎日歩数計で測り、血圧と脈拍とともにグラフを作って前記の医師に見てもらいアドバイスをいただきながら、健康維持のため役立たせている。今年になってから今日で48日になるが、厚労省の目標値をクリアしたのは、たったの6日である。8日に1日しか目標値を達成していない。2年前の目標値なら何とか13日クリアしたことになる。これまで痔の具合が芳しくないこともあって、あまり歩かなかったが、最近は努めて外を歩くよう心がけている。

 海外へ出かけると大体1日で2万歩以上は歩く。今年は海外にも積極的に出かけ、もっと歩くようにしたいと考えている。やはり自分自身の健康維持のためには、身体を動かすことが一番効果的であると思う。

2012年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1739.2012年2月16日(木) 気になるイスラエルとイランの緊張関係

 今やお騒がせ国家となったイランが、昨日ウラン濃縮施設の増強や新型遠心分離機の開発、更に核燃料の国産化に成功したと発表した。原子力の専門的な知識はやや疎いが、敢えて私なりの考えを述べれば、欧米諸国が懸念しているように、イランの核開発がまた一歩前進したように受け取れる。これにより欧米諸国のイランに対する警戒は一層強まることが予想される。欧米はイランの核開発が世界平和に不安をもたらすものとして、以前からイランに対して核開発を中止するよう警告を与え、経済制裁を実施していた。しかし、イランは平和利用のための核開発であると言い続け欧米の核開発中止要請を聞き入れようとはしなかった。

 ここへ来て突如事態が変わったのは、イランが欧米諸国が経済制裁を止めないなら、ホルムズ海峡封鎖という強行手段も辞さないと打ち出したことがひとつのキッカケとなった。周辺海域は緊張の度合いを深めていった。だが、仮にイランが強硬手段に訴えても欧米との軍事力には、大きな差がある。イランが原油輸出を諦め、彼我の力の差に目を瞑ってまでも勝負を賭けるには、あまりにもリスクが大きい。

 ところが、この数日前になってイスラエルが、このイランに対してミサイルによる先制攻撃を仕掛けるとの情報がアメリカ政府の有力筋からもたらされ、俄かにイスラエルとイラン間に戦争勃発の可能性すら噂されるようになった。慌てたイランが核開発の手の内を小出しに見せることによって閉塞状況を打開しようと、このウラン増産態勢の現状を世界に向かって宣言したのではないかと考えている。

 折も折イスラエルのバラク副首相兼国防相が日本を訪れ、昨日野田首相と会談した。野田首相はバラク氏に軍事的な対応は事態をエスカレートさせ、危険だと自制を求めたようだ。だが、バラク氏は国際社会が協力して厳しい措置を講じていくことが重要として、イランへの攻撃をやるともやらないとも語らなかった。ただ、日増しに両国間の緊張は高まっており、このまま放置すれば、どういう事態になるのか予断を許さない状況にある。

 今夜NHKの単独インタビューに応じたバラク氏は、イランに対して各国が制裁を行うべきで、もしその効果が表れないようならイスラエルとしては先制攻撃も辞さないと過激な発言もしていた。イスラエルにとっては周辺に敵対国であるシリアもあり、ヒズボラが潜在力を有しているレバノンもあり、頭の痛い問題であろうが、世界中に核ならぬ心配の種をまかれても、われわれにとっては迷惑千万でどうしようもない。実に気になる困ったことである。

2012年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1738.2012年2月15日(水) 日銀のインフレ目標はケインズ理論と対決か?

 昨日日銀が事実上のインフレ目標導入に踏み切った。1%の物価上昇が見通せるまで現在のゼロ金利を続けるとの日銀なりの決意である。現在のデフレ傾向が景気を冷やし、雇用と給与面で減少し、消費が伸びない不景気の連鎖を繰り返していることから、財務省も日銀に対して具体的で効果の上がる政策課題として、デフレ脱却方針の実行を迫っていた。

 このような時期に先月アメリカが景気回復を目指して、2%のインフレ目標を示した。日銀はこのアメリカのバーナンキFRB議長案に追随したのである。この日銀のインフレ目標により、実態の景気が回復するなら申し分ない。

 しかし、現実の経済は現実経済として、学生時代に学習したケインズ流の近代経済学の理論では、資本主義経済では緩やかな物価上昇を伴う、なだらかな経済成長によって経済は繁栄し社会は発展すると学んだものだ。第2次大戦後世界の資本主義経済は、このケインズ理論に添うように歩んで来た。

 事実これまで欧米のインフレ目標というのは、物価が上がってインフレが進み過ぎた結果、国民の生活が苦しくなるのを防ごうとの狙いで、前もってインフレが進み過ぎないように注意を払ってきたものである。それが、昨日の日銀目標は、まったくその逆の方針でありインフレへの誘導である。実際こんなレアケースは日銀にとって初めてのことである。

 幸いこの日銀のインフレ目標が株式市場で好感されたのか、日経平均株価は昨年9月1日以来の高値となり、円相場も円安となった。アダム・スミスの「見えざる手」を納得・理解し、「レッセ・フェール」の経済原論に異を唱えるような現実的な対応が実態経済にどんな効果を与え、景気の底入れに有効に機能してくれるだろうか。しばし注目してみたいと思う。

 それにしても数日前に国会の衆議院予算委員会で質問された、安住淳・財務相はこともあろうに円市場の国の介入の目安を問われ、いくらで介入し、いくらで止めると具体的な数値まで喋った。こんなことも過去にはなかった。どうも、ベビーギャング・安住財務相にせよ、民主党政権にせよ、発言が軽く些か浮き足立ってはいないだろうか。

 日本ペンクラブ例会に出席したが、今月は出席者が割合少なかったうえに、恒例の著名人によるショートスピーチもなかったので、いつになく盛り上がりに欠けた。5名の新会員が紹介されたが、その内2名は何と外国人で、その挨拶がぺらぺらの日本語なのには驚いた。日本ペンも国際的になったものである。

 一昨年9月の国際ペン東京大会の決算報告で大赤字を出した杜撰な会計処理を検証して元銀行マンの藤川鉄馬さんも、その解明と処理にはほとほと弱りきっていた。まだ、最終的な結論が出されるまでは時間がかかりそうで、いずれ全会員の前に詳細が明らかにされ、責任の所在もはっきりするだろう。一日も早くすっきり解明されることを期待したい。

2012年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1737.2012年2月14日(火) 「大阪維新の会」が「維新八策」を公表

 橋下徹・大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の勢いは止まるところを知らない。民主党政府のマニフェスト違反と当てにならない政策実行力、加えて野党自民党の反対一辺倒の行動が、国民から嫌われていることによって維新の会への期待を膨らませ、その存在感を浮き上がらせている。

 維新の会の次期衆議院選挙へ向けた政策作りと候補者公募に対する世間の関心も高く、維新政治塾への募集を呼びかけたところ、たちどころに募集人員400名に対してその10倍近い応募があったというから驚きである。維新の会も浮かれずに地に足が着いた新党作りを進めて欲しい。

 昨日「大阪維新の会」は幕末の志士、坂本竜馬の「船中八策」にあやかって「維新八策」原案を発表した。その8つの政策とは、①統治機構改革、②行財政改革、③公務員制度改革、④教育改革、⑤社会保障制度、⑥経済・雇用・税制、⑦外交・防衛、⑧憲法、である。これだけ見ると一応満遍なく国政に配慮していることが分かる。

 この中で橋下市長が主唱しているのが、①の道州制導入と大阪都構想である。次いで、教育委員会に従来のような強大な権限を付与せずに、諮問機関として位置づけることであり、④教育制度改革である。もうひとつ特別に注目したいのは、首相公選制や参議院廃止を睨んだ改革で、これはややもすると憲法改正につながりかねない問題である。とりわけ注目しなければならないのは、維新の会が憲法改正に必要な衆参議員の賛同を今の2/3から1/2にしようと考えていることである。ありていに言えば、憲法改正をしやすくしようということだ。こうあっさりと憲法改正のためのルールを変えるのは些か乱暴だし、危険でもある。実際この八策の中身を見た各党の幹部は、橋下理念は少し過激過ぎると話し、政策提携に疑問を抱いているとの感想を述べている。

 しかし、それにしても既成政党のだらしなさはほとほと情けなくなるほどである。民主党は2年半前の選挙公約で「ムダ使いをなくすための政策」として7か条を挙げた。その中には、国家公務員の総人件費2割削減、国会議員の世襲禁止、衆議院比例代表定数の80削減、他を訴えた。全滅である。これだけでも実行できていれば、もう少し信頼感と存在感があったであろうに、現状はまったく信頼されない政党と堕して新人ばかりの「大阪維新の会」に圧倒されるていたらくである。

 この維新の会の勢いと流れに押されて、イージーに憲法改正を簡単に許さない何らかの歯止めをかける必要はあると思う。

 長男の嫁の父親が明後日膵臓ガンの手術をするので、嫁は明日奈良の実家へ帰るという。小学生3人を抱えているので、妻が横浜の長男宅へ2泊3日の泊り込みで手伝いと孫の世話のため出かけた。従って今日はバレンタイン・デイではあるが、当然ながら誰からもチョコはもらえない。

 先日シンガポール駅の思い出話をJN紙へ寄稿したが、明日2月15日払暁は日本軍がシンガポールを陥落させて丁度70年目である。

2012年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1736.2012年2月13日(月) 普天間基地移転はどうなる? 沖縄・宜野湾市に保守系市長誕生

 今日2つのニュースに驚いた。ひとつはアメリカの女性歌手ホィットニー・ヒューストンの急死の知らせである。映画は観ていないが、ケビン・コスナーと共演した「ボディガード」の主題歌‘Always love you’の出だしの甲高く伸びのある発声は、世界中を魅惑し、その声は強く印象に残っている。どうも薬物中毒に冒されていて、ロスアンゼルスの超高級ホテル‘The Beverly Hilton’のバスルームで発作に襲われて倒れたらしい。一昨年亡くなったスーパースターのマイケル・ジャクソンと同じような運命を辿った。トップスターとしての地位を保っために様々のストレスに捉われ、つい薬物に手を出したのだろうが、薬物に頼った挙句に持てる才能をまだ発揮できたにも拘わらず、あっという間に黄泉の国へ旅立つことになってしまった。各界から彼女の早い死を惜しむ声は絶えることがない。享年48歳とはあまりにも若すぎる。

 もうひとつは、まったく別のニュースである。沖縄の普天間米軍基地を抱える宜野湾市長選で、保守系の新人が僅差で革新系の元市長を破ったことである。過去27年間に亘って革新市政が続き、名護市辺野古への米軍基地移設が暗礁に乗り上げている最中に、佐喜真淳・新市長は沖縄防衛局長の講話問題が明るみに出て逆風にあった。しかも相手陣営の伊波洋一氏は、2年前に仲井真弘多知事に職を辞して挑んだ県知事選で敗れるまで市長の職にあった。佐喜真・新市長にはほとんど勝てる可能性がなかった。それを僅差とは言え打ち破ったのだから大したものである。この選挙結果は市民感情に幾分なりとも変化があったのだろうか。

 問題は、今抱えている基地移転問題を県民、市民の支援を受けて新市長が解決できるだろうかということである。これまで絶対的に革新陣営の地盤と見られていた沖縄で、保守陣営が勝ったという事実は重い。だが、行き詰まった辺野古移転問題が従来に比べて活路が開けてきたのかもしれない。民主党政権にとっては神の恵みとも言うべきだろうか。

 さて、福島原発でまたドキッとさせる事態が起きている。ここ数日第1原発2号機で原子炉圧力容器の底の温度上昇が続いている。昨年12月に政府が冷温停止状態にあると発表して落ち着いていると思っていたが、80℃を超えていたのである。ついには300℃を超えていたことも分かった。ところが、今日になって温度計の故障ではないかと言われだした。同じ箇所に取り付けた2つの温度計は正常な数値を示したという。愕然としたのは、その点を発表した東電社員が、温度計が壊れていて冷温状態は保たれていると安心したように喋っていたことである。自分たちの立場とことの重大性がまったく分かっていない。内部の温度を測定する大事な機器がこんなに簡・単に壊れるようでは反って困るのだ。温度が異常に上昇したのに、温度計が壊れていて正常値を示す場合もあり得るということではないか。親方日の丸の東電社員には、そんなことも分かっていない。これではますます前途多難である。

2012年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1735.2012年2月12日(日) 文科省は大学の秋入学への移行をどう考えているのか。

 東大が秋入学を本格的に検討し始めたと伝えられて、今では秋入学移行を前提に大手企業と就職、採用について具体的な話を持ちかけているようである。1月18日付本ブログでも同じ問題点を指摘した。今朝の朝日新聞によれば、企業側も東大の要望に沿った形で春と秋の採用、或いは年間採用を考えているところが結構あるらしい。朝日は1学年の学生が千人以上いる大学の学長174人に対して試みたアンケートを分析している。最近になって唐突に持ち上がった問題だけに、即答し兼ねている大学が多いようだ。

 4月に始まる高校以下の教育時期をどうするかの検討もせずに、そのまま置き去りにして東大を中心とする旧帝大や早慶を含めた有名大学群が自分たちの都合だけを優先させて、議論をリードする形になっては教育界のみならず、大学の中でも反発を買うのではないかと些か心配にもある。東大は今後5年ぐらいの内に実施したい意向のようだが、最初から同調はできないと消極的な大学もいくつかあるようだ。

 その中でも東京学芸大学・村松泰子学長は、教員養成を主たる目的とする立場上現状では導入に支障があるとはっきり持論を述べている。帝京平成大学・沖永寛子学長は文科省の見解が出なければ、検討する段階ではないと明言している。

 両学長の言う通りだと思う。前回もこの問題に関して文科省の顔が見えないと書いたが、文部行政を司る大本山がこの期に及んでも一向に見解を発表しない。下手に発言して責任を取らされては困るとでも思っているのか、そんなことが怖いのか、これだけ公になった日本の教育行政、更に言えば日本の将来を左右し兼ねない大問題について、国の監督官庁が一言も意見を述べないという、無責任極まる態度はとても容認できるものではない。いつになったら国としての見解なり、考えを発表するつもりなのか。

 今のままでは国際化に立ち遅れるからとの理由だけで、一部の大学だけがこの重要な問題を突っ走って決めるべきではない。教育は幼児教育から大学まで一貫して同じ教育期間内に同じ条件の下で行われるべきである。文部官僚を始め、いつもしゃしゃり出て来る政治家文教族までもひっそり鳴りを潜めているのは、彼らに何のアイディアもなく考えることもなく、或いは何らかの思惑があるとしか思えない。いつまでも放っておいては、取り返しがつかなくなることが分からないほど教育関係者の思考力は劣化してしまったのだろうか。

2012年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1734.2012年2月11日(土) 建国記念日と大震災から11ヶ月

 今日は祝日、建国記念日である。昭和20年4月国民学校に入学後まもなくして終戦を迎えたが、翌年2月の紀元節に学校の式典で紀元節の歌を歌ったように記憶している。

 右翼とは縁遠いが、高崎正風の詩になる「雲に聳ゆる高千穂の 高根おろしに草も木も~」がハーモニーとともに子どものころの思い出となって懐かしく思い出されてくるから妙なものである。

 今日は同時に東日本の大震災から丁度11ヶ月目になる。昨日になって遅まきながら10年間の期間限定の役所・復興庁が発足した。平野達男大臣が就任したが、それにも拘わらずトップは野田首相だそうである。それは各省庁が等しく協力しなければならない復旧作業が役所の縦割り行政のせいで、縄張り意識剥き出しとなって業務がスムーズに進まないからだそうだ。復興庁としては予算を持っているので、それなりの権限は持っているようだから、被災地の各自治体が願っているように一日も早く復旧に道筋をつけてほしいところだ。

 昨日小中陽太郎さんからメールで、2月3日付東京新聞コラム「筆洗」に、昨秋出版された「いい話グセで人生は一変する」(青萠堂刊)が紹介されたとそのコピーを送信していただいた。同書の売れ行きも上々のようでご同慶の至りである。また、小中さんの知り合いの出版記念会で、出版ニュース社の清田義昭社長と会った際、私の最新のエッセイ「トラック島の日系大酋長が見せた大和魂と謎」が話題になったと教えていただいた。清田氏からは、確かにそのエッセイについてお手紙でお褒めいただいたので、折角の機会でもあり、この際単行本出版のご相談をしようと考えていたところである。

 夕食をしていたところに母校ラグビー部の後輩である加藤充洋・湘南高校副校長から電話があり、近日オープンする「湘南高校歴史館」で、来月24日に故岩田明初代OB会長を偲ぶ会を行う件について説明があった。歴史館の見学を兼ねて偲ぶ会を行い、併せて他校との練習試合も行おうという計画である。OB会の掲示板にその説明がなく、突然その情報を同窓会からの手紙で知ったためにその経緯がよく分からなかったのだ。その点について問い合わせをしたので、その回答をしてもらったわけである。もちろん当日は参加するつもりである。他の運動部に先駆けてラグビー部の行事を率先企画できたのは、身近に副校長とラグビー部顧問である早田直彦教諭と二人もラグビー部OBがいるおかげである。

2012年2月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1733.2012年2月10日(金) 杉原ビザで逃れたユダヤ人難民

 毎月定例的に麹町の海事センターで開かれている「JAPAN NOW情報協会」の観光立国セミナーは、今日杉原ビザによって救われたユダヤ人難民、つまりシンドラーについて、元国際観光振興機構(JNTO)コンベンション誘致部長・北出明氏がいくつかの資料を基に話された。北出氏は元JTBの「大迫辰雄」と仰る方のご遺族から拝借した7人の難民の写真を頼りに外国に住んでいる、その何人かの方を取材した体験について話された。シンドラーがウラジオストックから日本海を渡って福井県の敦賀に逃れて来たのは太平洋戦争開戦直前だった。命からがら逃げて来た彼らにとって敦賀は天国に思えたとも、杉原千畝氏に感謝しているともいう。そんな縁もあって以前福井テレビがドキュメント番組を放映したが、今日そのダイジェスト版を観せてもらった。その関係から今日も会場に同テレビの取材班が来てカメラを回していた。恐らく続編を製作することになるのだろう。

 ユダヤとか、パレスチナ問題となると今でも対立の根は深く、問題解決へ向けて一向に前進しない。更にナチによるホロコーストとか、ポーランドやバルト諸国のナチの虐殺に対する斜視的にして民族的な見方が入ってくると、当然誤解や偏見もあって立場や視点によって相変わらず考え方は融合しない。実際今日も講義の後の質疑応答で立場の異なる2人の意見が対立した。

 さて、今政治を変えようとしている人物として、最も注目されているのは橋下徹・大阪市長だろう。府知事から市長になったと思ったら、今度は中央政界に新風を吹き込まんと次の総選挙へ向け候補者を全国から募集した途端、どっとばかりに2千人を超える希望者が殺到する有様で、すでに既存の政党からも擦り寄ってくる状態である。

 ところが、その橋下氏の思うところをやり遂げようとするその強引な手法が、一部では敬遠されている。今日明らかになった話では、大阪府で今年度採用した公立学校教員試験合格者2292人の内284人が、つまり合格者の12.4%がに教職に就くことを辞退したそうである。この数字は最近では最大の辞退者だそうである。大阪が教員の厳しい人事評価を採り入れようとしている教育基本条例案に、どうやら怖気づいたかの感がある。そこまで忌避現象が現れてくると、他の行政分野でも同じように辞退者が出る可能性がある。そうなると今後大阪は有能な人材を獲得することが難しくなってくると思う。橋下氏の考えていることは分かるが、選挙で選ばれたから市民にとってプラスになることは何でもできると個人的に考えているとしたら、それは考え直した方がいい。

 一方で、この不況の中で折角目指していた教職の道を確保しながら、評価が厳しいとの単純な理由で、簡単に自分で開いた道を閉じてしまうのも少々浅はかではないか。どうして、両者とも極端に突っ走るのだろうか。これではまとまるものもまとまるまい。

2012年2月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com