橋下徹・大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の勢いは止まるところを知らない。民主党政府のマニフェスト違反と当てにならない政策実行力、加えて野党自民党の反対一辺倒の行動が、国民から嫌われていることによって維新の会への期待を膨らませ、その存在感を浮き上がらせている。
維新の会の次期衆議院選挙へ向けた政策作りと候補者公募に対する世間の関心も高く、維新政治塾への募集を呼びかけたところ、たちどころに募集人員400名に対してその10倍近い応募があったというから驚きである。維新の会も浮かれずに地に足が着いた新党作りを進めて欲しい。
昨日「大阪維新の会」は幕末の志士、坂本竜馬の「船中八策」にあやかって「維新八策」原案を発表した。その8つの政策とは、①統治機構改革、②行財政改革、③公務員制度改革、④教育改革、⑤社会保障制度、⑥経済・雇用・税制、⑦外交・防衛、⑧憲法、である。これだけ見ると一応満遍なく国政に配慮していることが分かる。
この中で橋下市長が主唱しているのが、①の道州制導入と大阪都構想である。次いで、教育委員会に従来のような強大な権限を付与せずに、諮問機関として位置づけることであり、④教育制度改革である。もうひとつ特別に注目したいのは、首相公選制や参議院廃止を睨んだ改革で、これはややもすると憲法改正につながりかねない問題である。とりわけ注目しなければならないのは、維新の会が憲法改正に必要な衆参議員の賛同を今の2/3から1/2にしようと考えていることである。ありていに言えば、憲法改正をしやすくしようということだ。こうあっさりと憲法改正のためのルールを変えるのは些か乱暴だし、危険でもある。実際この八策の中身を見た各党の幹部は、橋下理念は少し過激過ぎると話し、政策提携に疑問を抱いているとの感想を述べている。
しかし、それにしても既成政党のだらしなさはほとほと情けなくなるほどである。民主党は2年半前の選挙公約で「ムダ使いをなくすための政策」として7か条を挙げた。その中には、国家公務員の総人件費2割削減、国会議員の世襲禁止、衆議院比例代表定数の80削減、他を訴えた。全滅である。これだけでも実行できていれば、もう少し信頼感と存在感があったであろうに、現状はまったく信頼されない政党と堕して新人ばかりの「大阪維新の会」に圧倒されるていたらくである。
この維新の会の勢いと流れに押されて、イージーに憲法改正を簡単に許さない何らかの歯止めをかける必要はあると思う。
長男の嫁の父親が明後日膵臓ガンの手術をするので、嫁は明日奈良の実家へ帰るという。小学生3人を抱えているので、妻が横浜の長男宅へ2泊3日の泊り込みで手伝いと孫の世話のため出かけた。従って今日はバレンタイン・デイではあるが、当然ながら誰からもチョコはもらえない。
先日シンガポール駅の思い出話をJN紙へ寄稿したが、明日2月15日払暁は日本軍がシンガポールを陥落させて丁度70年目である。