2150.2013年4月2日(火) 中国1国3制度の矛盾と我利我欲

 中国には、実質的には3つの政治制度が並存している。中国本土と香港、そして台湾である。この内、香港と台湾ではトップの職を直接選挙制度により国民が選んでいる。ところが、本家本元の中国大陸では国民による選挙が実施されず、中国共産党内部の幹部らの合議によってトップである、共産党総書記、国家主席などが決定される。国民の与り知らないところで、「談合」により決定される非民主的な選出方法が一貫して行われている。これではとても民主国家とは言えない。一方で、香港と台湾に認められている制度では、トップは国民の直接選挙によって選ばれ、民意が反映された形態となっている。このように現状は1国3制度のいびつな政治状態となっている。 

 これについて最近になって中国政府は、2017年に実施予定の香港政府トップの行政長官選挙では、中国政府の意向にそぐわない民主派の対立候補の立候補を認めないことを表明した。民主的なやり方で選ばれた民意を反映した行政長官ではコントロールが難しいと判断したのだろう。実際現今の中国の統治機構では、北京政府がコントロールし難いようでは困るのだ。況してや民主的な思想を持った進歩的な人物が、その土地のトップに就任されたのでは余計困る。民主的な制度より自分たちが主導し易い統治の方が望ましい。トップダウン方式による行政制度が実行されてこそ、広い国内を思うように統治できると考えているのである。

 そもそもイギリスから中国へ返還された時点で、香港は社会主義体制の中国の主権下で高度な自治や司法の独立、言論、出版、集会の自由など、独自性を要求した。香港は共産主義体制下の中国とは当初から相容れなかった。このため香港は中英共同声明の中でイギリス領から中国領となっても50年間は、香港の独自性を認めさせることで1国2制度を受容することにしたのである。にも拘らず、この1国2制度を骨抜きにして北京政府の思惑通りのやり方、つまり民主派ではない人物を選挙ではなく、任命制によって自分たちが裁量権を振るえる行政長官を選任しようとしている。協定違反も甚だしい。

 この動きに対して、もう一つの独自の行政を行っている台湾も内心穏やかではない。早くも水面下で動き出したようだ。台湾の総統も直接選挙で選出されている。台湾には、選挙を採り入れようとしない中国のやり方に対する拒否反応が強い。台湾としてはこの民主化路線を捨てるようなことは断じて望まないだろう。問題をややこしくしているのは、中国が我利我欲で選挙を行わない非民主的な支配を続けようとしているからに他ならない。毎度のことながら、中国の「わが道を往く」強引さには困ったものだと思う。

 「待ってました 五代目!」 今日新装なった5代目の歌舞伎座が開場した。3年ぶりのリニューアル・オープンである。新しい設備も話題を呼んで前景気は上々のようであるが、これから新しい歌舞伎をどのように発展させていくのか真価を問われる。これまで歌舞伎を支え、盛り上げてきた2人の名優の名が見られないのが何とも寂しい。昨年12月に18代目中村勘三郎、そして今年2月に12代目市川団十郎が相次いでこの世を去って、歌舞伎界も今難しい居面に立たされている。これを若手がどう乗り切って新しい歌舞伎を創り上げ発展させていくことができるだろうか。向こう1年間は杮落とし公演であるが、5月に新歌舞伎座での半世紀ぶりの観劇を楽しみにしている。

2013年4月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2149.2013年4月1日(月) 母校入学式に2度目の出席

 ♪見よ 風に鳴るわが旗を 新潮寄する あかつきの~♪ 塾歌が流れる中を今日日吉で慶大入学式が行われ、われわれ卒業50年生も母校慶應義塾から式典に招待された。54年ぶり2度目の入学式である。山崎洋さんもベオグラードから出席されると連絡があり、今日自由が丘で待ち合わせ、ランチを取って日吉へ出かけた。東横線日吉駅で下車するのもしばらくぶりで、駅構内と駅上屋に立派なスーパーと駐車場があるのも驚きだった。キャンパス内は懐かしい昔の建物と新たに建設された各種の洒落た建物が上手く調和されている。しかし、建物が増えてせせこましくなった感じである。

 3時から開式となったが、初々しい新入生に保護者、そして招待された卒業50年生が日吉記念館にびっしりである。式自体はわれわれが経験したものとそんなに変わるものではないが、新入学生は街で見る若い学生とはちょっとイメージが異なり、真面目そうでおとなしそうな印象を受けた。今年の新入学生は6840名とのことであるが、教職員代表として別役智子医学部教授が変革の時代に当って、新入生にチャンスとチャレンジが求められると祝辞の中で話された。われわれの時代と変わってこれからの時代は会社任せでなく、自分自身が率先してチャレンジして能力が試される時代になったと思う。彼らの前途に幸運が訪れるよう願いたい。

 入学式終了後、塾員招待会と称して50年生を軽食に招待してくれた。学生食堂で学部別に分れ旧クラスごとに簡単な会食があった。卒業して初めて顔を合わせた友人もかなりいた。辛いのは、名簿を見て随分物故者が多いなぁという印象である。70歳を超えるとどうしても健康問題が話の種になる。このままいつまでも元気で過ごしたいものである。

 今日の入学式は学生時代を思い出して良い思い出となった。塾歌の伴奏が始まり蛮声を張り上げて唄っていた時、つい涙がこぼれた。年を取ったせいでもあるが、必ずしも第一志望の大学でなくても在学中の詰まった思い出が多ければ多いほど母校愛と懐かしさが膨らむということだろうか。若い学生を見ているとできることならもう一度学生生活を送りたいと思う。

 塾員招待会後渋谷へ出て、待ち合わせていた飯田ゼミの仲間を合わせて6人で、山崎さんの岩波文庫出版不成功を慰める会食を「駒形どぜう」でいただきながら談論風発して楽しいひとときを過ごした。「海外(住所不詳)」だった山崎さんの連絡先が分るよう母校との間を取り持ってあげたせいもあるが、山崎さんも今日の入学式を喜んでくれたようだ。学生時代と今日の楽しかった思い出を胸にセルビアへ帰ってもらいたい。

2013年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2148.2013年3月31日(日) 7人制高校ラグビー大会を楽しむ。

 今年も天候がぱっとしない。昨年に続いて横浜市山手のYCAC(Yokohama Country & Athletic Club)で開かれた「第5回高校7人制ラグビー大会」に誘われ出かけたが、朝から小雨交じりの空模様で昨年の豪雨による途中中止を思い出した。それでもスケジュール通りすべてを終了することができたのは良かった。

 日本では7人制ラグビーの知名度と普及が遅れているうえに、レベルもまだそれほど高くはない。だが、2016年リオ・オリンピックでは正式種目になり、今日本でもチーム力の強化に努めているところだ。偶々今日は男子7人制ワールドシリーズが秩父宮ラグビー場で行われ、日本は参加16カ国中14位というやや惨めな結果に終わったところである。

 それほど遠方ではないが、1都4県から静岡、熊谷、千葉、佐倉、大泉、石神井の公立6校に、私立麻布、桐朋の2校、そして母校湘南を含む9高校が参加した。大会は、主催者のYCACに、関東ラグビーフットボール協会と神奈川県ラグビー協会が主管し、毎日新聞社ほかが後援している。この大会の目的は、死に物狂いで優勝を目指す争いではなく参加校同志の交流と友情を前提に、参加した同じような文武両道の高校にできるだけ多く対外試合の機会を与え、同じラグビーをプレイする高校生に交流の機会を与えることに大きな意義がある。実際、企画を手伝っているのが、東大ラグビー部と慶應J.S.K.S.クラブというのも意外性があって面白い。試合後のファンクションには全チームの選手が一緒になって東大ラグビー部と慶應J.S.K.S.クラブ部員のリードでクイズを楽しんだり、食事をしたり、日本ではあまり馴染みのないクラブの雰囲気を少しは味わえたのではないだろうか。

 生徒たちのファンクションの後では、関係者や各校OBによる懇親会が行われ、私も昨年に続きスピーチをさせられ、特に森喜朗元首相とトラック島との関係について話して欲しいと注文がついたので、今年中にまとめたいと思っている故アイザワ酋長、森元首相、佐々木信也氏ら3氏の交流ドキュメントについてほんのさわりをお話しした。その後で世の中が狭いと思ったのは、冒頭にスピーチされた最年長の高橋陽之助・藤沢市ラグビーフットボール協会名誉会長が一時森元首相と早大ラグビー部で一緒にプレイし、お互いに良く知っていると伺ったことである。

 ラグビーをやって損をしたことがないとか、楽しい思い出以外は見つからないとか、ラグビーをやったお蔭で多くの人と知り合えたという話を聞く度に、改めてラグビーをやっていて良かったとつくづく思う。

 ちょっと肌寒かったが、肩の凝らない気楽で楽しい一日だった。

2013年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2147.2013年3月30日(土) 4月1日「改正高齢者雇用安定法」施行

 明後日4月1日から「改正高年齢者雇用安定法(高齢法)」が施行されるとはうっかりしていた。今朝の新聞を読むまで意識することもなく気がつかなかった。年金を受給できる65歳まで働きたい人全員が働けるよう企業に義務づける法律である。

 2008年11月に韓国・東海岸の束草市で開催された「国際老人福利交流文化祭」のシンポジウムで日本から唯一人パネリストとして招かれ、スピーチをし、韓国、中国、アメリカの学者とともに討論に参加した。私のスピーチは「定年退職者の日本の現状とこれからの高齢者の生き方」と題するものでアカデミックではあるが、やや堅苦しいテーマだった。その時2013年から高齢法が施行されると話をしたが、私自身すっかり失念していた。今その時のパワーポイントのスライドを見てみると、確かに2013年までに高齢法がスタートすると書かれている。実は、その時自分で原案を作成していながら、すでにこの法律は施行されていると誤解して意識しないまま明後日の法施行まで来てしまったのだ。

 端的に言えば、年金の65歳受給開始年齢に、現状の60歳定年では5年間の無収入期間があり、その間どうやって定年退職者の生活を支援するのかということが、法案の原点である。もちろんそれぞれ企業から退職金をもらってそれを一時しのぎの生活費に注ぎ込むだろう。だが、退職金は会社によって支給されないところもあり、千差万別である。そのことが高齢法によって年金を受け取れる年齢に達するまで企業に雇ってもらい生活を支えてもらおうという発想となっている。問題は定年後に支給される給与は当然減額されるであろうから、実際にどの程度生活を支えるのに役立つのか、ということになる。しかし、それでも5年間を何とか凌ぐことができれば、アルバイトなんかよりは余程助けになるのではないか。

 シンポジウムに出かける前に、大日本印刷の役員だった、ゼミの友人・池田博充くんに同社の資料を参考にいただき、実例としてそれを会場のシンポジウム参加者である約300人の韓国人、中国人、数人のアメリカ人に分りやすく説明したつもりである。好待遇の同社では60歳の定年後5年間に亘って定年直前の給与の60%が支給されるという話が、その時受講者に驚きを以って受け取られたものだ。

 明後日からその高齢法が正式に施行されると知り、有意義だった韓国におけるシンポジウムを思うと感慨無量である。

2013年3月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2146.2013年3月29日(金) 電力無駄遣いのプロ野球開幕

 「春は曙、やうやう白くなりゆく山ぎわ少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」と‘枕草紙’冒頭に謳われたように、この時期になると桜が咲き、緑が鮮やかになり、気分的に何かしらうきうきする。近くの小さな宮前公園に咲く満開の桜がわが書斎から艶やかに望むことができる。

 その春の訪れとともに、プロ野球セ・パ両リーグも今日開幕した。東日本大震災で電力設備が大打撃を受けて電力の供給不足から、停電とか、節電とか、いろいろ電気を節約して使用することが求められ、世論はその方向に向かって協力の姿勢を示してきた。ところが、その中で2年前の震災直後から気になっていたのは、プロ野球の試合がほとんどナイト・ゲームで行われていることである。電力不足が懸念される中で大幅に電力を消費する不要不急のプロ野球が、相も変わらず電気を無駄使いする白色電灯の下で行わている。昼間に屋外で太陽の下で行えば良さそうなものなのに、電力逼迫の折何ゆえ夜間に電力を消費して行わなければならないのか。しかも夜はまだ寒い。学校が始まればナイターの場合子どもたちだって最後までは観戦できないだろう。

 現状は過去の例に則って、電力不足とは無関係に漫然とナイト・ゲームを行っているに過ぎない。電力の無駄使いとか、経費がかかるとかについてプロ野球事務当局は一切耳を傾けようとしないようだ。それに引き換え、アメリカ・メジャーリーグには断固として自分の信念を貫くオーナーがいた。シカゴ・カブスのオーナーは、リグニー・チューインガムの経営者だったが、野球は本来太陽の下で行うスポーツだとの哲学と信念から球場にナイター設備を設置せず、全試合をデー・ゲームで行い、それは今日まで踏襲されているという。すべてこの流儀に従うべきだというわけではないが、日本にもこういう筋の通った頑固オヤジがいても良さそうなものだが、何ひとつ進歩的な行動を起こせない日本のプロ野球界ではこれからも電気の無駄遣いを続けていくのだろう。

 それにしても原発再稼動については、毎度厳しい論調のメディアが何も言わないのは、芯から原発問題を重視しているわけではないということなのだろうか。或いは、プロ野球風情に大事な原発問題を言ったって分かるまいと不遜にも考えているのだろうか。

 さて、今日は2012年度最終営業日だが、アベノミックス景気の市場は日経平均株価12,397円で閉めた。1年前に比べて23%も上昇した。新年度もこのままのトレンドを辿ってもらいたいものである。

2013年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2145.2013年3月28日(木) 2020年全都道府県で人口減、高齢化社会益々加速

 近年「少子高齢化」現象がとみに激しくなっているが、昨日国立社会保障・人口問題研究所が公表した「地域別将来推計人口」には、多くの難しい問題が内包されている。

 この数値は2040年の推計を弾き出しているので、30年以上も先の話であり、私にとっては死後の世界の話であるが、深刻な問題を孕んでいる。その第一は、全都道府県で2020年から人口が減ることである。生産人口の減少をも意味している。そして、全ての都道府県で65歳以上の高齢者の割合が人口の36%を超える。40年には65歳どころか、75歳以上の人口が2010年の1.7倍以上になる。特に心配なのは、40年の65歳以上の人口割合が地方で増える傾向にあることで、①秋田(43.8%)、②青森(41.5%)、③高知(40.9%)、④北海道(40.7%)、⑤徳島(40.2%)という具合に首都圏から遠隔地ほどその割合は甚だしい。これは多くの若者が地方から都会へ出て行くことを示している。若者も彼らの雇用もなくなるということだ。当然この現象は自治体の財政や社会保障に大きな影響を与えることになる。

 これまでこの傾向については多くの人が理解していたと思う。しかし、実際にこんな世の中になったらどう対処すべきか、一貫した議論がなされていない。とりわけ心配なのは、社会保障制度である。少なくなる若い人たちが増えていく高齢者を支えるというテーマは耳には美しく聞こえるが、財源確保の問題を考えると将来的には早晩行き詰まることは目に見えている。

 今朝もあるテレビ局が取り上げていたアホらしい話だが、社会保障を管掌する厚生労働省が、過去に「私の仕事館」のような500億円超の立派なハコモノを建設し、それが訪問者が少なく今では閉館され無用の長物化している負の遺産となっている。これに対して厚労省内では誰一人として責任を取らず、毎年維持管理のためだけに資金をジャブジャブ注ぎ込んでいる。この現状をこのまま放置して良いものだろうか。今後これだけの「無駄な」資産をどうするのか。責任を取らない前者のような感覚では、とても高齢化社会に対処する知恵も、財源も生み出すことはできない。自分たちは知恵があると思っている役人たちには、現実にこの切羽詰まった事態を切り抜ける知恵や行動力はなく、ただ世間が一日も早く忘れてくれるのを望んでいるようにしか思えない。

 一方で多額の財源が必要な高齢化社会がひたひたと迫ってくるにも拘わらず、効果的な手を打てず、他方で過去の遺物にただ無駄な金を使い続けている役人たちに、少々厳しいことを言ってやりたい。投資額に見合う金額を償うまで彼らには無給無償で働いてもらうよりほかに方法がないのではないか。

 さて、今夕は久しぶりに旅行作家協会例会に出席して楽しいひとときを過ごした。5月に総会が開催されるので、今日の理事会で新役員を選出したとの話だった。いつも楽しく会話する上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン先生には、生活の中でユーモアと笑いが必要だと意見が一致した。現在までに著書35冊も出版され、講師として各地に招かれて大分忙しそうだ。上智大学の40名ほどの外国人講師に日本語を教えたことがあって、バスで「そこで降ろしてください」というのを、「そこで殺してください」と言ったというようなジョークを引き出しの中に沢山持っている。市川学園中でクラスメートだった、武蔵野美術大の偉い人・近藤聰さんともニューヨークの話題で盛り上がったし、河村幹夫・多摩大教授とは教授が先週日経夕刊にエッセイを連載した話題について語り合った。お互いにどこかで見た顔だなと名乗りあったのは木島栄子さんで以前はバリューツアーという高級ツアーを企画していた㈱ヴィーブルの社長をされていたが、今もクルージングの㈱カーニバル・ジャパンの代表取締役をされておられる。旅行三田会では何度かお会いしたことがある。ペンクラブとは一寸異なった、アトホームで中々楽しい雰囲気だった。デーケン先生も、河村先生もそう仰っていた。

2013年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2144.2013年3月27日(水) 三権分立を履き違えていないか。

 一昨日まで各地の高等裁判所で衆議院選の「一票の格差」について弁護士グループから提訴された15件に下された判決に引き続き、今日仙台高裁秋田支部で最後の判決が言い渡されたが、これも結果は「憲法違反」だった。

 これで提訴された16件の訴訟はすべて「憲法違反」、または「違反状態」と判断され、最早このまま放って置くわけには行かなくなった。各高裁の判断を統一する最高裁判決は早ければ今秋にも言い渡される。

 ところが、こういう追い詰められた状態にあってもなお政治家の中には、司法に対して否定的、或いは反論を述べる不遜な国会議員もいる。

 今朝の「天声人語」に「~裁判所に真っ向からかみつく猛者もいた」と書かれていた。名指しされたのは自民党の防衛族、中谷元・元防衛相である。中谷議員が「国会が決めた選挙のあり方について、違憲とか無効とか、司法が判定する権利が三権分立上許されるものか疑問だ。立法府への侵害だ」と衆議院憲法審査会で主張したそうだ。さらに「最高裁の判断がおかしい時にはおかしいと言うために国会の中に審判所なりを設けよ」とも述べた。中谷議員が三権分立の意味を理解せず、その意義をまったく誤解しているお粗末さもさることながら、国会議員は司法や行政の上に君臨するものだと考えている非常識と思い上がりには呆れるばかりである。これでは三権分立どころか、民主主義の原理原則を蔑ろにするものではないか。翻って中谷議員自身は自分を何様と思っているのだろうか。こんな感覚で政治を行われては国民は堪らない。それでは聞くが、中谷議員は問題視された現状の一票の格差を何ら問題ないと思っているのだろうか。もっと謙虚に選挙の平等性という本質に思いを致して欲しいものである。

 今朝の朝日新聞に全面「意見広告」があった。人口比例選挙の区割りの例として、アメリカ・ペンシルヴァニア州の連邦下院選挙における最大人口の小選挙区(646,372人)と最小人口(646,371人)の小選挙区の人口差が僅か1人であるのに対して、日本の非人口比例選挙の区割りは最大の千葉4区(495,212人)に対して、最小人口区の高知3区(204,196人)で、その差は実に291,016人であり、「天文学的大差」と揶揄している。仮に今話題の「0増5減」を採り入れてもその差は一寸詰まって232,042人である。抜本的に選挙制度に手をつけないと取り返しがつかなくなってしまう。今こそ中谷議員以外の「コッケイジジードモー」(東京メトロの駅名「国会議事堂前」はフランス語だとこのように聞こえる)は、民主主義の根幹に則って、公職選挙法の改正に向けて真剣に取り組んでもらいたい。

 さて、4月2日の新装成った歌舞伎座杮落としを前に、今日午前銀座通りを歌舞伎役者63人が「お練り」を行った。ぎっしりつめかけたファンの声援に応えながら銀座通り2丁目から4丁目までの400mの沿道を練り歩いた。生憎の小雨まじりの天候だったが、テレビで観ているとファンの熱い声に歌舞伎のカリスマ性を感じるとともに、歌舞伎や日本の伝統文化に対する強い期待と憧れも感じた。

 先日新歌舞伎座のメディアに対する内覧を行ってから、しばしば館内や新しい施設などを紹介して興味を掻きたてている。4~6月は杮落とし公演として、人気も上々のようで4月はチケットも即売と聞いている。幸い歌舞伎評論を書いている日本ペンクラブ理事の大原雄さんに、5月8日の昼の部の席を取ってもらったので、今から当日の観劇を楽しみにしている。

2013年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2143.2013年3月26日(火) こんな程度か、国会と橋下徹・大阪市長

 昨日の2つの話題の続きをコメントしてみたい。

 まず、今日広島高裁岡山支部は昨年12月の衆院選についても「違憲」と判断し、岡山2区の選挙を無効とする判決を言い渡した。昨日の広島高裁の判決に続き、国政選挙では2例目の無効判決である。昨日の判決よりさらに厳しい判決である。昨日の判決では、無効になるのは今年11月26日を過ぎた段階だとする「猶予期間」を設けていたが、今日の岡山判決は猶予期間を設けずに「判決が確定した段階で無効」というものである。いずれにしてもすぐ議員失職というものではないが、出される判決は「違憲」「違憲状態」から、「無効」と踏み込んで来ている。

 ともかく最高裁で違憲状態との判決が出されても便法で「0増5減」などという定数是正を駆け込み的に成立させただけの国会に対して、司法は国会の怠慢を批判し、あまつさえ司法の判断に対する甚だしい軽視で違憲といわざるを得ないとまで言わせている。

 明日仙台高裁秋田支部で行われる判決で、提訴された16件の訴訟結果がすべて出揃う。現状はことごとく「違憲」「違憲状態」であり、明日を待たずとも国会、つまり政治家が須らくやるべきことは違憲状態を正すことである。

 もうひとつの話題である労働組合法違反に関しては、その直後から穏やかならぬムードが醸しだされつつある。昨日大阪府労働委員会が大阪市に対して市職員に対するアンケート調査は、市労働組合に対する不当労働行為であると認定したことについて、昨日午前橋下市長は謝罪すると述べたが、夜になって態度を一変させた。命令を不服として中央労働委員会に再審査を申し立てる意向を示したのである。態度を翻したのは、大阪市労働組合連合会が「橋下氏のやったことが違法だとはっきりした。今後の行動を慎んでこれまでの行動を根本的に変えるよう期待したい」と表明したことに腹を立て態度を一変させたのである。

 「瞬間湯沸かし器」橋下市長の面目躍如たるところである。市長の豹変は、今に始まったことではなく、いつもながら市民のことなぞまったく考えていない。自己本位で目立ちたがり屋で、知名度を上げることなら何でもありの姿勢である。自分が批判されたら仕返してやると、まるでヤクザと変わりない。このやりとりを観ていると、流石に橋下市長はヤクザの息子だっただけのことはある。こういう傲慢さとカッと激高する性格の人間は、資質が公人である市長には相応しくないのではないか。こんな人物を自治体の長として選んだ大阪市民にも責任があるが、それにしても大阪市の行政にとっては、イメージダウンと時間のロスだけで何の利益ももたらさない。こういう次元の低い自治体があり、自分勝手な市長がいたのでは、進歩も何もあったものではあるまい。

 大阪市はこのままではいつまで経っても救われないだろう。

2013年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2142.2013年3月25日(月) 国政選挙に初めて「選挙無効」の判決

 今日広島高裁で一つの画期的な判決が下された。昨年12月に行われた衆議院選広島県1区、2区の結果は憲法違反であり、選挙は無効と判定された。今各地で同じような訴訟が弁護士によって起こされている。これまで札幌、仙台、東京、名古屋、高松、福岡の高裁で下された判決はそのすべてが「憲法違反」、或いは「違憲状態」であるが、選挙無効とやり直しとまでは断罪しなかった。その点では今日下された判決は国政選挙に対する初めての厳しい判断である。今後国は上告するだろうが、もしこれが確定すると選挙をやり直すことになる。

 この背景には、一昨年最高裁が2009年の総選挙は1票の格差が2.3倍もあり憲法違反であると判断し、一刻も早く定数是正をして違憲状態を解消するよう立法に迫ったにも拘わらず、過渡的措置として国は昨年「0増5減」法案を可決したに過ぎなかった。その「0増5減」案ですら、時間的に準備が間に合わないとして昨年12月の総選挙では実行しなかった。それも裁判所が政治の怠慢として今回の判決を下した要因ではないだろうか。実際政治家は自分たちに不利なことや手間のかかることに関しては動こうとしない。面倒なことは先送りしようとする。その行為自体が断罪されたと反省し、政治家は腹を括って抜本的な選挙制度改革に真剣に取り組むべきである。

 政治家にとって不利な結果が予想されると見られる裁判が明日7ヶ所、明後日1ヶ所で行われる。政治家にとって、さらに鼎の軽重を問われる結果が提示されるだろう。

 もうひとつ、今日裁判ではないが似たような労働組合法違反と認定されるケースがあった。大阪市が昨年2月、全職員に実施した政治活動や組合運動への関与を問う記名式アンケートについて、大阪府労働委員会が不当労働行為を禁じた労働組合法に違反すると認定したのである。橋下徹市長は午前中「異議はない。不当介入について申立人の労働組合に謝罪したい」と、いつもなら食い下がるところだが、あっさり兜を脱いだ。こんな結果は弁護士の市長なら分るはずだが、本件については思い上がって周囲が見えず、傲慢さが出たのだろう。猪突猛進の橋下市長には、この際少しはうぬぼれと思い上がりを覚り、周囲の意見を聞いて判断する賢さを求めたいと思っていたところ、夜になって組合の市長を責める発言に対して立腹し、一旦落着しかかった本件の延長戦を示唆した。いつまで経っても大人になれないヤンチャ坊主の未熟な言動である。こんな激高型の性格で公平を求められる市長職を全うできるのだろうか。相変わらず困ったお人である。一番迷惑を蒙るのは、大阪市民ではないか。

2013年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2141.2013年3月24日(日) 国民を痛めつける国家の狡さとウソ

 キプロスの財政不安が治まらない。一旦EUから要求された救済案の条件がキプロス議会で全面否決されたからである。この救済案の骨子は、銀行預金への課税という預金者に一方的に負担を強いる乱暴なものだった。キプロスは全銀行預金者に国のツケを肩代わりしてもらおうと考え、彼らに高額の税金を課そうとしたが、流石に手厳しい抵抗を受けて第一次救済案は撤回された。

 しかし、このままではキプロスが破綻してEU圏離脱に追い込まれるため、銀行預金者のかなりの割合を占めているロシア企業に資金援助を求めるためにキプロス財務当局がロシアに人を派遣して交渉させてみた。しかし、交渉はまとまらず、キプロス財務当局は当初の救済案の焼き直し案で活路を開こうとしている。それは第2位銀行を整理して不良債権を処理し、救済資金を圧縮するというものである。それに加えて最大手銀行の10万ユーロ(約1200万円)以上の大口預金から25%を徴収するという、同じように強引な案である。

 まだ、決定したわけではないが、銀行経営の根幹をぶちこわすような荒っぽい手法で、破綻一歩手前まで追い込んだ国家財政の担当者の責任を問うことなく、一般の預金者から資金を出させようというのだ。どういう決着をつけるか、最終的に決まってはいないが、将来に備えてチマチマ貯金していた人たちを騙すようなやり方であり、下手をすると暴動になりかねない。

 すでに銀行が休業して1週間になる。市民は現金を引き出せず、さりとて買い物の支払いでカード決済は拒絶され、すべて現金決済を求められて市民生活にもじわじわと皺寄せが寄せられている。

 まぁ日本ではこんな馬鹿なことはないだろうが、ユメユメ油断はならない。

 そのひとつは、沖縄の辺野古沖合い埋め立て工事の許可を求める申請書を国が沖縄県に提出したことで、沖縄県内はおおもめである。政府のだまし討ちだと憤怒の声が挙がっている。政府は日米合意を一つずつ実行して、一日も早く普天間基地以南の米軍基地を取り除くようアメリカ政府と交渉すると言っている。だが、どうも逃げ口上を言っているように思えるし、或いは論理のすり替えのような気もしている。その前に政府と沖縄県がもっと真摯に向き合い正面から率直に話し合うべきではないだろうか。現状はほとんど両者の話し合いがないに等しい。

 また、原発問題も然りである。大震災以来原発が危ないということを国民が知ることになり、脱原発のデモが行われている最中に起きた福島第一原発の停電事故の危うさにも関わらず、政府は大半の国民の声を無視して原発再稼動へ向けて着々と準備を進めている。政府は福島原発事故前には原発は安全で安いエネルギー源と散々言いふらしてきたが、今朝の朝日新聞一面を見ると「原発維持1兆2000億円」と書かれている。今年度の原発維持にかかる費用である。しかも現在稼動している原発は大飯原発の2基だけである。この2基稼動だけのために発展途上国の国家予算1年分に匹敵する巨額を注ぎ込んでいるのである。少しも安全ではなく、安くもない。これだって、政府がかつて公表した欺瞞にウソの上塗りをしていることにならないか。

2013年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com