一昨日まで各地の高等裁判所で衆議院選の「一票の格差」について弁護士グループから提訴された15件に下された判決に引き続き、今日仙台高裁秋田支部で最後の判決が言い渡されたが、これも結果は「憲法違反」だった。
これで提訴された16件の訴訟はすべて「憲法違反」、または「違反状態」と判断され、最早このまま放って置くわけには行かなくなった。各高裁の判断を統一する最高裁判決は早ければ今秋にも言い渡される。
ところが、こういう追い詰められた状態にあってもなお政治家の中には、司法に対して否定的、或いは反論を述べる不遜な国会議員もいる。
今朝の「天声人語」に「~裁判所に真っ向からかみつく猛者もいた」と書かれていた。名指しされたのは自民党の防衛族、中谷元・元防衛相である。中谷議員が「国会が決めた選挙のあり方について、違憲とか無効とか、司法が判定する権利が三権分立上許されるものか疑問だ。立法府への侵害だ」と衆議院憲法審査会で主張したそうだ。さらに「最高裁の判断がおかしい時にはおかしいと言うために国会の中に審判所なりを設けよ」とも述べた。中谷議員が三権分立の意味を理解せず、その意義をまったく誤解しているお粗末さもさることながら、国会議員は司法や行政の上に君臨するものだと考えている非常識と思い上がりには呆れるばかりである。これでは三権分立どころか、民主主義の原理原則を蔑ろにするものではないか。翻って中谷議員自身は自分を何様と思っているのだろうか。こんな感覚で政治を行われては国民は堪らない。それでは聞くが、中谷議員は問題視された現状の一票の格差を何ら問題ないと思っているのだろうか。もっと謙虚に選挙の平等性という本質に思いを致して欲しいものである。
今朝の朝日新聞に全面「意見広告」があった。人口比例選挙の区割りの例として、アメリカ・ペンシルヴァニア州の連邦下院選挙における最大人口の小選挙区(646,372人)と最小人口(646,371人)の小選挙区の人口差が僅か1人であるのに対して、日本の非人口比例選挙の区割りは最大の千葉4区(495,212人)に対して、最小人口区の高知3区(204,196人)で、その差は実に291,016人であり、「天文学的大差」と揶揄している。仮に今話題の「0増5減」を採り入れてもその差は一寸詰まって232,042人である。抜本的に選挙制度に手をつけないと取り返しがつかなくなってしまう。今こそ中谷議員以外の「コッケイジジードモー」(東京メトロの駅名「国会議事堂前」はフランス語だとこのように聞こえる)は、民主主義の根幹に則って、公職選挙法の改正に向けて真剣に取り組んでもらいたい。
さて、4月2日の新装成った歌舞伎座杮落としを前に、今日午前銀座通りを歌舞伎役者63人が「お練り」を行った。ぎっしりつめかけたファンの声援に応えながら銀座通り2丁目から4丁目までの400mの沿道を練り歩いた。生憎の小雨まじりの天候だったが、テレビで観ているとファンの熱い声に歌舞伎のカリスマ性を感じるとともに、歌舞伎や日本の伝統文化に対する強い期待と憧れも感じた。
先日新歌舞伎座のメディアに対する内覧を行ってから、しばしば館内や新しい施設などを紹介して興味を掻きたてている。4~6月は杮落とし公演として、人気も上々のようで4月はチケットも即売と聞いている。幸い歌舞伎評論を書いている日本ペンクラブ理事の大原雄さんに、5月8日の昼の部の席を取ってもらったので、今から当日の観劇を楽しみにしている。