キプロスの財政不安が治まらない。一旦EUから要求された救済案の条件がキプロス議会で全面否決されたからである。この救済案の骨子は、銀行預金への課税という預金者に一方的に負担を強いる乱暴なものだった。キプロスは全銀行預金者に国のツケを肩代わりしてもらおうと考え、彼らに高額の税金を課そうとしたが、流石に手厳しい抵抗を受けて第一次救済案は撤回された。
しかし、このままではキプロスが破綻してEU圏離脱に追い込まれるため、銀行預金者のかなりの割合を占めているロシア企業に資金援助を求めるためにキプロス財務当局がロシアに人を派遣して交渉させてみた。しかし、交渉はまとまらず、キプロス財務当局は当初の救済案の焼き直し案で活路を開こうとしている。それは第2位銀行を整理して不良債権を処理し、救済資金を圧縮するというものである。それに加えて最大手銀行の10万ユーロ(約1200万円)以上の大口預金から25%を徴収するという、同じように強引な案である。
まだ、決定したわけではないが、銀行経営の根幹をぶちこわすような荒っぽい手法で、破綻一歩手前まで追い込んだ国家財政の担当者の責任を問うことなく、一般の預金者から資金を出させようというのだ。どういう決着をつけるか、最終的に決まってはいないが、将来に備えてチマチマ貯金していた人たちを騙すようなやり方であり、下手をすると暴動になりかねない。
すでに銀行が休業して1週間になる。市民は現金を引き出せず、さりとて買い物の支払いでカード決済は拒絶され、すべて現金決済を求められて市民生活にもじわじわと皺寄せが寄せられている。
まぁ日本ではこんな馬鹿なことはないだろうが、ユメユメ油断はならない。
そのひとつは、沖縄の辺野古沖合い埋め立て工事の許可を求める申請書を国が沖縄県に提出したことで、沖縄県内はおおもめである。政府のだまし討ちだと憤怒の声が挙がっている。政府は日米合意を一つずつ実行して、一日も早く普天間基地以南の米軍基地を取り除くようアメリカ政府と交渉すると言っている。だが、どうも逃げ口上を言っているように思えるし、或いは論理のすり替えのような気もしている。その前に政府と沖縄県がもっと真摯に向き合い正面から率直に話し合うべきではないだろうか。現状はほとんど両者の話し合いがないに等しい。
また、原発問題も然りである。大震災以来原発が危ないということを国民が知ることになり、脱原発のデモが行われている最中に起きた福島第一原発の停電事故の危うさにも関わらず、政府は大半の国民の声を無視して原発再稼動へ向けて着々と準備を進めている。政府は福島原発事故前には原発は安全で安いエネルギー源と散々言いふらしてきたが、今朝の朝日新聞一面を見ると「原発維持1兆2000億円」と書かれている。今年度の原発維持にかかる費用である。しかも現在稼動している原発は大飯原発の2基だけである。この2基稼動だけのために発展途上国の国家予算1年分に匹敵する巨額を注ぎ込んでいるのである。少しも安全ではなく、安くもない。これだって、政府がかつて公表した欺瞞にウソの上塗りをしていることにならないか。