今日広島高裁で一つの画期的な判決が下された。昨年12月に行われた衆議院選広島県1区、2区の結果は憲法違反であり、選挙は無効と判定された。今各地で同じような訴訟が弁護士によって起こされている。これまで札幌、仙台、東京、名古屋、高松、福岡の高裁で下された判決はそのすべてが「憲法違反」、或いは「違憲状態」であるが、選挙無効とやり直しとまでは断罪しなかった。その点では今日下された判決は国政選挙に対する初めての厳しい判断である。今後国は上告するだろうが、もしこれが確定すると選挙をやり直すことになる。
この背景には、一昨年最高裁が2009年の総選挙は1票の格差が2.3倍もあり憲法違反であると判断し、一刻も早く定数是正をして違憲状態を解消するよう立法に迫ったにも拘わらず、過渡的措置として国は昨年「0増5減」法案を可決したに過ぎなかった。その「0増5減」案ですら、時間的に準備が間に合わないとして昨年12月の総選挙では実行しなかった。それも裁判所が政治の怠慢として今回の判決を下した要因ではないだろうか。実際政治家は自分たちに不利なことや手間のかかることに関しては動こうとしない。面倒なことは先送りしようとする。その行為自体が断罪されたと反省し、政治家は腹を括って抜本的な選挙制度改革に真剣に取り組むべきである。
政治家にとって不利な結果が予想されると見られる裁判が明日7ヶ所、明後日1ヶ所で行われる。政治家にとって、さらに鼎の軽重を問われる結果が提示されるだろう。
もうひとつ、今日裁判ではないが似たような労働組合法違反と認定されるケースがあった。大阪市が昨年2月、全職員に実施した政治活動や組合運動への関与を問う記名式アンケートについて、大阪府労働委員会が不当労働行為を禁じた労働組合法に違反すると認定したのである。橋下徹市長は午前中「異議はない。不当介入について申立人の労働組合に謝罪したい」と、いつもなら食い下がるところだが、あっさり兜を脱いだ。こんな結果は弁護士の市長なら分るはずだが、本件については思い上がって周囲が見えず、傲慢さが出たのだろう。猪突猛進の橋下市長には、この際少しはうぬぼれと思い上がりを覚り、周囲の意見を聞いて判断する賢さを求めたいと思っていたところ、夜になって組合の市長を責める発言に対して立腹し、一旦落着しかかった本件の延長戦を示唆した。いつまで経っても大人になれないヤンチャ坊主の未熟な言動である。こんな激高型の性格で公平を求められる市長職を全うできるのだろうか。相変わらず困ったお人である。一番迷惑を蒙るのは、大阪市民ではないか。