2921.2015年5月13日(水) ベトナム戦争記録映画‘ハーツ・アンド・マインズ’を観て

 昨日ネパール、インドで先日のネパール大地震の余震とされるM7.3、M6.3の大きな揺れが連続的に起こり、90名近い人々が亡くなった。今朝6時過ぎにはわが家でも4年前の東日本大震災の余震とされるM6.6のかなり大きな地震があった。また、昼前には沖縄・竹富島でも震度2の地震があったという。世界中のナマズが暴れまわっているのだろうか。

 さて、昨日台風6号が襲来しなければ今日は伊豆下田からのんびり車で帰って来る予定だったが、旅行は止むを得ずキャンセルした。昨夜来激しい風雨が家屋を叩きつけ、今日はその影響からだろうか、朝から強い日射で夏日のところも多い。そこで久しぶりに映画鑑賞することにした。

 先月30日ベトナム戦争終結40周年記念講演会の折に手にしたパンフレットに魅入られるように新宿の武蔵野館へ行き、ベトナム戦争を扱った「ハーツ・アンド・マインズ」(原題‘HEARTS & MINDS’)という「ベトナム戦争の真実」と副題が付けられたドキュメンタリー映画を観た。その命名の謂われは、ジョンソン大統領が演説で最終的な勝利はベトナム人の意欲と気質(ハーツ・アンド・マインズ)にかかっていると語った言葉に由来している。テーマ通り戦争記録を重ねたもので、1975年ベトナム戦争終結の年に「アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞」を授与された作品である。だが、この佳作映画公開にはアメリカ連邦政府の上映中止を提訴した裁判も含め、厳しい抵抗があり、一部に公開されテレビでも放映されたが、漸く40年ぶりに公になった。すでに戦争の主役はほとんど亡くなり、画面で懐かしい顔に対面することになった。敢えて言えば、とかくの話題を提供し、存在感の強かった2人の南ベトナム大統領、グエン・バン・チューとグエン・カオ・キの姿が見られなかったのが少々寂しい気がした。

 ベトナム戦争とは一体何だったのか? とか、アメリカは真にベトナムの平和を願い戦ったのか?すべて悲観的である。アメリカは自国の国力誇示、版図拡大のためと新兵器実験の場としてベトナムを利用したことは明らかである。例えば、ウェストモーランド最高軍司令官の「アジア人の生命は安い。人口が多いから」とアジア人を軽蔑したような発言には、ベトナム人を虫けらぐらいにしか思っていなかった傲慢さが窺える。

 映画の中でとりわけ印象的なことが3つあった。ひとつは、戦争中センセーショナルで衝撃的だった、ベトナム軍兵士がベトコンの疑いをかけられたベトナム人のこめかみにピストルを当て殺す直前の写真であるが、この映画の中でその動画を初めて見たことである。その直後ベトコン兵は路上に倒れ、彼の頭から真っ赤な血がホースの水のように勢いよく飛び出たショッキングな画像である。2番目はフランスの外相がダレス米国務長官から望むなら原爆2発を提供すると囁かれていたと語ったことである。どちらかが、本気で原爆使用を考えたならベトナムに原爆投下もあり得たのである。3番目は、ラストシーンで殺された父親の傍に大きな声で泣き叫ぶ3人の子どもの哀れな姿だった。土葬される時その上に飛び降りようとした妻と周りで泣きじゃくる子どもたちの声が耳から離れない。

 アカデミー賞受賞作品に推されただけに、その狙いである反戦アピールはずば抜けている。今晩のNHK「クローズアップ現代」で第2次世界大戦時にアメリカで敵性人として日系人に対する非人間的な待遇がなされたことを紹介していたが、今日の映画とこのテレビ番組を見終わって、改めてアメリカ人の日本人を含むアジア人への蔑視感情を思い知らされた。この様子ではアメリカ国内の黒人騒動は当分納まらないのではないだろうか。

2015年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2920.2015年5月12日(火) 安保法制ひたすら戦争へ向けて

 昨日自民・公明両党が新しい安全保障関連法制で合意した。日米同盟という錦の御旗を隠れ蓑に米軍に代わって露骨に自衛隊海外派遣を急ぐ動きに、無法と幾許かの危うさを感じる。

 やはり心配していたように憲法改正への動き、自衛隊の海外派兵、海外紛争に積極的関与、等々右へ右へと傾斜する政府・自民党の腹の内が少しずつ見えてきた。恐れ入ったのは自民党の極右的考えに、こともあろうに「平和」を党是とする公明党が手を貸したことで、これは国民を愚弄し裏切る欺瞞的行為である。これでは宗教団体をバックにする公明党は存在する意味も価値もないのではないか。少なくとも政治活動で「平和」を唱える以上つべこべきれい事を言わず、「平和」を主張して連立から離脱するか、さもなければとっとと解党すべきではないか。今のままでは公明党支援者のみならず、国民を騙し打ちしていることは明明白白である。

 今更言うまでもないが、今安倍政権が推し進めようとしている外交、防衛政策は明らかに憲法違反であり、国民を裏切る悪質な違法行為である。それを総選挙で獲得した多数の議席に物言わせ、今や傍若無人に立法府を撹乱している。

 憲法第9条では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明確に規定し、その第2項では「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とはっきり定義している。

 だが、自民党の先輩たちは、憲法で「陸海空軍の戦力は保持しない」ことを約束したにも拘わらず、まず自衛隊という軍隊を創設し整備したのである。自衛隊は誰が見ても軍隊以外の何物でもない。今日安倍首相は自民党OBだった祖父・岸信介の意を受け継ぎ、国際紛争解決の手段として自衛隊を積極的に紛争国に派遣し、認められていない筈の交戦権を行使しようというのである。これほど日本国民のみならず、世界中を欺く理不尽があり得ようか。

 あまり話題にされないが、海外紛争国へ派遣される自衛隊員はどういう気持ちで政治家たちの不毛の論争を聞いているだろうか。イの一番に戦地へ派遣され、尊い生命を失う可能性が高いのは彼ら自衛隊員なのである。彼らは憲法違反の命令によって危険な地へ向かわなければならない。自衛隊員らは無風状態に安住する政治家らの自己本位な持論によって戦地へ派遣され、自ら危険を避けた政治家によって彼らの身代わりをさせられるのである。仮に戦争が勃発し、徴兵令が施行されても絶対戦地へ赴かない政治家が口先だけで、平和を叫び、若者を戦地へ送るのである。

 安保法制について言い訳はいくらでも言える。他国が侵略してきた場合などを言うが、これまで70年間まがりなりにも平和を維持して来られたのは、少なくとも1億国民が平和憲法を守り他国への紛争に干渉しなかったからではないだろうか。

 政府・自民党の国民懐柔術は自衛隊を「専守防衛」から「先制攻撃」へ変質させようとしているように見えて仕方がない。

 近年とみに思考力が劣化した自民党議員たちは、国際社会における混迷の本質が分からなくなり、やみくもに武器さえあれば安心と考えている。彼らは思考回路も狂ってきたが、法律の作成から施行までの流れやルールについて、決められた手順も踏まずに走りだしてから法整備を行うことを是としている。安倍首相からして、安保法制をアメリカ議会で今夏までに発効させると、まだ国会を通過していない法案について言及し確約までしてしまう無法者なのである。

 「国際貢献」「切れ目のない対応」「日本の平和と安全に資する」などと体裁の好い表現をしながら、10もの法律を一気に一括改正してしまおうという乱行をどうして止められないのか。公明党の責任も重いが、その他の野党は何をやっているのか。朝日以外の新聞論調や放送メディアの弱腰も気になっている。

 今夕の朝日新聞「素粒子」欄にこんなことが書かれている。ちょっと長いが引用してみる。

 「切れ目が欲しい

  平和と戦争との

  自衛隊と米軍との

  乱立する『事態』の

  憲法9条の内と外との

  戦闘地域と後方支援との

  平和と積極的平和主義との

  10本一括の安保法制改正案の

  普天間返還と新基地建設との

  アベノミクスと富国強兵との

  日本の存立と中東の掃海との

  米国の思惑と日本の追従との

  首相の願望と国民の希望との

  一休みし頭を整理するための」

2015年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2919.2015年5月11日(月) 悲喜こもごも、トヨタ2兆円超の利益、シャープ1億円に減資

 今年は例年になく台風の発生が多いらしい。フィリピンの東にあった台風6号が今日沖縄を直撃し、新たにマーシャル諸島周辺に7号も発生した。

 実は妻が伊豆下田方面を旅行したいと言い日程調整のうえで、明日の夜下田セントラルホテル宿泊を予約し、明朝出かける予定だった。ところが生憎台風6号が選りによって明日、明後日と下田方面を直撃するという予報を聞かされることになった。伊豆半島を旅行している2日間台風の中にいたのでは何のために旅行をするのか分からない。予報を聞いて止むを得ず宿泊をキャンセルしたが、直前解約ということから違約金30%を支払う羽目になってしまった。滅多にない妻との国内旅行を直前になって悪天候のためにキャンセルせざるを得ない点は不運だと思って諦めるよりないが、キャンセル・チャージまで支払うのがルールとは言いながら、なんだかもったいないような気がしている。これも悪天候のせいである。

 明日旅行する筈だったが、今日は空を見上げて見れば雲ひとつなく真っ青である。とても台風がやってくるようには思えないが、気象予報では間違いなく明日から2日間伊豆半島は完全に大雨に襲われるそうだ。なんだか恨めしい気がしている。

 さて、最近経済界で大向こうを唸らせる悲喜こもごものビッグニュースがあった。ひとつは景気の良い話で、その主役はトヨタ自動車である。何と今年3月期決算で2兆7千5百億円の営業利益を計上した。ひとつの企業だけでこれだけの利益を生みだすというのは途方もないことで、日本の企業全体でも2兆円を突破した利益を計上した会社はトヨタが初めてらしい。どうしてこれだけ稼ぐことができたのか、他企業としては羨ましいところであろうが、アクアやプリウスのようなハイブリッド車がヒットしたことや円安効果が大きいようだ。

 振り返って大学1年生だった当時の国の一般会計予算が1兆4千億円だったことを思えば、トヨタ1社の利益だけでその2倍も稼いだことになり、正に昔日の感に堪えない。

 トヨタ好景気の一方で、寂しいのはかつて関西産業界の華でもあった企業の凋落である。その代表格が軽電気のシャープである。ここ数年不景気風に見舞われ、赤字企業へ転落し深い泥沼から抜け出せなくなってしまった。かつては大型液晶テレビがヒットして、テレビCMでも女優吉永小百合を起用して意気揚々と華やかにテレビ生産亀山工場の企業戦略を売り込んでいた。2007年1月に三重県立亀山高校で韓国への修学旅行へ出発する生徒たちに、安全な海外旅行について旧知の校長から講師を依頼された時のジョークのような懐かしい思い出がある。その折JR亀山駅に降り立ちタクシーに乗った時、ドライバーがシャープ亀山工場へ行きかけた。当時はシャープも好景気で見学者が数多く訪れたために私もそのひとりと思われ、行き先を「亀山高校」と伝えたつもりだったが、ドライバーは「亀山工場」と聞いたように思ったと恐縮していた。

 そのシャープが新規工場を開業して増産に努めた挙句に販売不振に陥り、まもなく工場閉鎖から本社用地売却、そして台湾企業から買収の話が出てすっかり落ちぶれてしまった。シャープの決算は2012年以降毎年赤字を計上し、累積損失を計上するまでになった。先日主力2銀行が資本支援を行うことを発表したが、それでも再生策は不十分で、ついに思いきった外科手術を行うことになった。

 シャープが減資を行うことに決定したのである。現在1218億円の資本金を1億円にまで減らすのである。大きく膨らむ累積損失を一掃し、財務体質の改善を図るとは言え、経営破たんしていない大企業が99%以上の減資を行うのは極めて異例で当分話題になりそうだ。株価はストップ安となった。この措置によって近日上場廃止に追い込まれ、会社は「中小企業」と見做されることになって、税法上の優遇措置を受けられるようになるという。

 日本経済の浮き沈みに連れて、個別企業の栄枯盛衰も甚だしくなったものである。今でも思い出す平家物語の冒頭の言葉が現世にも生きているのだろうか。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす~」

2015年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2918.2015年5月10日(日) 第2次世界大戦戦勝国、ロシアの言い分

 今年は第2次世界大戦が終わって70年目という節目の年を迎えて、戦勝国とされる国々でそれぞれ式典や記念行事が行われている。

 昨9日モスクワの「赤の広場」では対ドイツ戦勝70周年を記念する式典が行われ、ロシアは久しぶりに大がかりな軍事パレードで軍事力を世界に示した。ウクライナ危機、特にクリミア半島侵攻を巡る対立から10年前とはうって変り、日米欧の多くの首脳が出席を見送ったが故に敢えて存在感を披歴したのである。わが安倍首相も招待を受けていたが、日米同盟を配慮して欠席した。出席した大物は、中国の習近平国家主席、シーシ・エジプト大統領、ラウル・カストロ・キューバ国家評議会議長、潘基文・国連事務総長らだった。ドイツのメルケル首相は10日にモスクワを訪れ無名戦士の墓に花を手向ける予定である。

 実は、ナチス・ドイツの調印した降伏文書が発効したのは5月8日深夜だったために、ヨーロッパでは8日が終戦とされている。しかし、ロシアでは僅かな時差の関係で一日遅れの9日が戦勝記念日とされている。その8日にはヨーロッパ各国で追慕する行事が行われた。

 ただ、戦勝国とは言えロシアについて言えば、中国ともどもナチス・ドイツやイタリアら過激な民族主義者ファシスト集団を相手にヨーロッパ戦線で相手国を打ち破り、アジアでも帝国主義国家として日本を名指しで非難しているが、ロシア、中国の主張すべてを鵜呑みにすることはできない。果たしてロシアのいう「正義」は、真に正義に価するものだろうか。ロシアは長崎に原爆が投下された当日未明、日本の敗戦が歴然としてから日露不可侵条約を一方的に破棄して、宣戦布告した。しかも日本がポツダム宣言を受託して敗戦を認めてから、千島列島を南下して無法にも日本の北方領土へ侵攻し占領した。これこそがそもそも北方領土問題が生まれた原因である。戦後70年が経過したが、北方領土問題に関しては一向に明るい見通しが立っていない。これは明らかにロシア側に責任がある。

 今朝のTBS「サンデーモーニング」でも寺島実郎氏が、ロシアにはファシスト呼ばわりされたくないと思わず本音を言っておられたが、これがすべての日本人の正直な気持ちではないだろうか。

 ともかくソ連、ロシアのやり方は昔から有無を言わせず、強引に力で乗っ取るやり方で、これこそがファシストと言って過言ではないと思う。ウクライナのポロシェンコ大統領もロシアに対して第2次大戦ではウクライナこそが対独戦勝利に貢献し、ロシアは勝利を独占し自らの帝国主義的政策の言い訳に使う権利すらないと厳しく非難している。

 ロシアはいつ帝国主義的体質を民主主義に変革、脱皮できるのだろうか。プーチン大統領の平素の言動を注視してみるとそれこそ夢ではないかと思える。

 さて、今日5月10日は「母の日」であり、我々夫婦にとっては結婚記念日でもある。結婚当時はまだまだ半人前だった。年齢も30歳を過ぎて半年で、一家の主としてやっていけるという絶対的な自信があるわけではなかった。チェコスロバキアのカレル大学へ留学しようと密かに考えて渡航、留学方法を模索していた1968年8月20日、あの衝撃的で世界中を震撼させた「プラハの春」事件が起きて、儚くその夢は消えてしまった。すでに会社へ辞表を提出して退路を断ってしまっていた。大学ゼミの恩師飯田鼎教授にご相談し、辞表を取り下げたことなど暗い迷路を歩いているような一時期があった。4年前に他界された飯田先生追悼文集の編集責任者を務めることになり、先生への感謝を込めてこの辺りの経緯について追悼文集へ一文を綴った。折も折今夕飯田先生の奥様から先生のご命日にゼミの仲間からお花を贈ったことに対してお礼のお電話をいただいた。

 妻とは双方の両親をよくご存じのお仲人さんご夫妻のお世話により見合いで結ばれることになり、幸い今日まで46年間恙無く過ごし2人の息子もひとり立ちすることができた。

 若気の至りで自由気ままに独身時代を過ごし、堅い鉄道会社の経理部に所属しながらまだあまり海外旅行が普及しない時代にひとりで武者修行をしていた。後年になって、特に最近になりその後関わった仕事が私の性格に合って、後々役立つ知識や信念を身に付けることができたと思っている。早めに性格的にあまり向いていない経理業務から離れることができたことは幸いだった。それも会社が海外旅行を始めることを視野に旅行会社を創設し、海外旅行部門をスタートさせて私にその主たる業務を任せてくれたことは今も有り難いと思い、初期の海外旅行業務で、旅行の企画面、営業面で思い切り注力することができたと思っている。

 時代も良かったし、運も巡り合わせも良かったと思う。

 今振り返ってみても会社がどう評価しようと私自身後顧の憂いなく仕事ができたと思っている。この間海外への出張も多かったが、安心して家庭を任せ仕事に専念できたのは妻護江の労によるところが大きい。今年妻は古希を、私もめでたく喜寿を迎えることになった。妻に感謝である。

2015年5月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2917.2015年5月9日(土) 日本の国会議員の劣化ぶり

 月刊誌「選択」5月号の評論「自民党『人材枯渇』が招く国難」が面白い。要は一強多弱に驕る自民党には、かつて見られた選良と呼ばれるような政治家がいなくなって、政治の劣化が甚だしいというものである。その手厳しい批判は、「国会議員の劣化はとどまるところを知らない。一年生議員は言うに及ばず、日本のトップリーダーの首相たる安倍晋三に至るまで例外なき質の低下は目を覆うばかりだ」と遠慮会釈もない。無論これは自民党だけの問題ではない。

 更に掘り下げて今や安定政権となった安倍首相には、逆らうものがいなくなったとか、首相が何をやろうと党から苦言やクレームが出ることはほとんどなくなったとその非難は益々鋭くなっている。そして次のような分析をしている。こうなったのは結果的に2012年の総選挙で自民党に119人もの新人議員が誕生したことが大きい。今では自民党所属衆議院議員291人のうち4割強が1、2年生議員である。まだ政治家として一人前ではなく、敢えて言えば修行中なのである。かつては教育訓練の場でもあった派閥が弱体化して、議員としての本分を磨く場もなく、議員としての自覚が欠如している議員が増えたことが問題となっている。若手議員は放任され、勉強の場がなく、今では単なる採決要員となり閑を持てあましている状態である。それが男女間のスキャンダルになるほど国会議員としてのレベルが深刻化している。男女の国会議員同士が夜道でキスをするような破廉恥事件が週刊誌に面白おかしく取り上げられるお粗末ぶりである。

 元々政界にはできの良くない世襲議員が跋扈している。彼らには知的訓練が不足しているうえに、聞きかじった生半可な知識を振りかざしているだけで、現場に漂う臨場感を身に付ける間もなく、あまつさえ知性を磨いて政治家としての能力を向上させようとの意欲もさらさら見られない。国会へピクニック気分で遊びに来ていると揶揄されるようでは話にならない。未熟者の国会議員は御身大切とばかり、保身ばかり考えてただひたすら安倍首相に取り入ることだけを考えてお追従に走る。

 これでは政治が成熟するわけがない。いずれ国家の方向が宙に舞うだけである。悲しいことに元々政治家としての素養が優れているわけではない安倍首相が、右向けと言えば黙って右を向いているだけのお粗末なノンポリ政治家が増えた。ひとりひとりの国会議員に真剣に国家の将来を考え、国の未来を託せる人が少なくなってきたのである。悲しいことである。これでは日本の将来に希望を持てない。いずれ大きなツケが国民に回って来ることが心配である。

 そんな折も折、5日にアメリカの日本研究者ら187人が、第二次世界大戦以前の慰安婦問題などの史実に向き合い、「偏見なき清算」を目指そうと日本政府に呼び掛けた。その中に著名なエズラ・ボーゲル氏や入江昭・ハーバード大名誉教授も含まれている。

 この声明は一方的に日本政府を責めているわけではない。戦後の日本が果たした役割を評価したうえで、現在なすべきことを首相に直言しているわけである。

 ここでは安倍首相の考えは別にして、前記の通り、頭の思考訓練ができていない精神的にひとり立ちできていない自民党若手議員に、果たしてこの声明を謙虚に受け止め研究者の意に沿った考えを打ち出すことができるだろうか。

2015年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2916.2015年5月8日(金) イギリス総選挙、保守党が単独過半数獲得

 昨日イギリスでは5年に1度の総選挙が行われ、即日開票された。イギリスも財政と経済、そして移民問題を含めてEUに留まるか、離脱するか、などいくつも難しい問題を抱えて保守党党首のキャメロン首相も忙しなく全国各地を遊説していた。二大政党の保守党と労働党がともに単独過半数を獲得する可能性はほとんどなく、事前の世論調査では保守、労働党ともに33%の支持率と予想されていた。これに脱EUを掲げるイギリス独立党12%、自民党10%、緑の党5%が続いていた。

 そして、今日開票の結果が公表された。伯仲を予想された二大政党は現政権の保守党が予想を覆し定数650議席のうち過半数の331議席を獲得して圧勝した。同時に労働党が232議席まで大きく議席を減らした一方で、改選前は僅か6議席だったスコットランド民族党がスコットランド全59議席のうち、ほとんど労働党の議席を奪い、56議席へ大躍進した。中でも若干20歳の大学生が労働党の大物議員を破って当選するなど話題性も豊かだった。スコットランド民族党の躍進とは対照的に自民党の凋落ぶりは日本の自民党を見習った方が良いのではと思うほど酷いものだった。何と56議席から僅か1桁の8議席まで落ちてしまったのである。

 結果として保守党の経済政策が支持されたということになる。キャメロン首相が続投すると見られている。これで一安心かと思いきや、前途には課題が山積している。まず約束したEUに留まるか、離脱するかを2017年までに選択する国民投票が控えている。また、スコットランド独立派の声にどう対応するのか。しかし、この緊迫した緊張状態は、日本のような一強多弱の基盤に甘えて緊張感の緩んだ政治に比べれば、ずっとましだと思う。これからイギリスの政治は、EU離脱問題や移民流入問題などの難題をどうクリアするのか注目したい。

 今日は飯田橋でNPOシニア大楽の公開講座が開かれ、4人の講師のトップバッターとして「体験から学んだ海外旅行のリスク管理」と題してパワー・ポイントを使い、私の体験から悟った海外旅行のリスクについて講義を行った。特に、ベトナム、エジプト、ヨルダン、イェメンで遭遇した危機一髪だった私自身の際どい体験をスライドで紹介し、臨場感を強調しながら話をした。僭越だが、あまり他の人が体験したことのないような話なので、約80名の受講者も終始笑いながら真剣に耳を傾けてくれたし、事務局からも興味深い話を聞かせてもらったと話していただいた。講義の話し方、進め方については、亀の甲より年の功で、少しずつ上達していると思っている。これからも事前の調査、研究に手を抜かず、こなれた内容で楽しく話ができるよう心がけたいと考えている。

2015年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2915.2015年5月7日(木) 日本の観光競争力は世界第9位

 過日大塚家具センターのお家騒動が経済界のみならず世間一般の話題を浚ったが、ここへ来てフランス政界でもお家騒動ならぬ党内騒動が国際的に大きな注目を集めている。いずれも実の娘が創始者である父親を排除、追放した事件である。

 フランスの極右的政党として知られる「国民戦線」は、その創設者で名誉党首のジャンマリ・ル・ペン氏の党員資格を凍結することを決定した。4年前に父親の後継者となった娘のマリーヌ・ル・ペン氏が大塚家同様86歳の父親の行動を封じ込めたのである。2012年の大統領選で予想外に善戦したマリーヌは、2017年の大統領選挙をにらみ幅広く支持者を集めるため、従来の右翼路線を一部修正して中道へ歩み寄った。その最中に父ル・ペン氏が第2次世界大戦中ガス室におけるナチのユダヤ人虐殺をささいなことと語ったことが、父親の発言は党の考えに反するとして娘が厳しい処置を取ったものだ。

 実際にはル・ペン父子と大塚家の父娘のケースは単純に比較できないが、偉大な父を追い出してまでしても自己主張を貫く点では、それぞれ2人の娘には誰に対しても信念が固く、意思の強さがあるのだろう。

 さて、ベルリンに本部のある世界経済フォーラムがこのほど2015年旅行・観光競争力ランキングを発表した。それによると対象とされた141カ国・地域の中で日本の競争力が9位に入り、初めてベストテン入りした。旅行者が素晴らしい観光施設を訪れてどれだけ気持ちよく、旅を楽しめるかということを主に査定したものだ。日本は2007年公表時の25位からほぼ年々順位を上げ、2年前の前回14位から一気に上位へランクアップされた。

 長い間観光業に従事していた体験上感覚的にある程度納得は行く。今や流行語にもなった「おもてなしの心」、安全性を表す「テロや殺人事件発生率の低さ」、「鉄道網の整備」、「衛生面の配慮」などが高く評価された。トップはスペインで上位には欧米諸国が入り、アジア太平洋では7位のオーストラリアに日本が次いでいる。

 ただ、気になったのは日本の努力と日本人の本来持っている優しさが評価を高めたと観光庁の一課長が得意げに話していたコメントの中味である。これらの要因を押し上げたり日本へのインバウンド客が近年急増した原因は、国やお役人の力によるものではまったくない。この点をお役人たちは勘違いして自分たちが成し遂げた成果であると思っているらしい。彼らに言っておきたいのは、観光で今日少し光が当たるようになったのは、民間が長い間汗水たらして努力した結果であり、役所がいくらじたばたしても所詮主体的には何も貢献できないということをお役人は肝に銘じるべきである。

2015年5月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2914.2015年5月6日(水) 温泉地箱根に火口周辺警報

 今朝まだ眠っている間に、長男一家は奈良の自宅へ車で帰って行った。9カ月ぶりに会って楽しいこともあるが、やはり体力的に疲れるので、やれやれというのが本音である。

 さて、世界的観光地・箱根で心配なことが起きてしまった。地下の火山活動が怪しい情勢になってきた。火山性地震が頻発し始めたのである。気象庁では今日火口周辺警報を発表した。昨日現在まだ噴火警報レベル1だったが、今日になって2に引き上げられた。小規模ながら噴火の可能性が避けられないということのようだ。これにより県道734号線及び大涌谷方面への通行禁止、そして箱根ロープウェイが全線運休となった。GWという書き入れ時に観光スポットへ立ち寄ることができないとは観光客にとってはもちろん、観光業界にとっても大きな痛手である。箱根地区を大きなマーケットにしている小田急にとっては、関係会社・箱根ロープウェイの一時的運休は厳しい。今のところ他の関係会社の箱根観光船や、ケーブルカー・バスを含む箱根登山鉄道、箱根ハイランドホテル、山のホテルなどいくつかのホテルにとっても全体的に利用客の減少が予想される。ロープウェイは大涌谷上空をゴンドラで水蒸気の噴き上がる大地の様子をじっくり見せて乗客を喜ばせていただけに、時期も善し、天候も良いこの機会に運行休止とは大打撃である。この状態がいつまで続くのか、この先の見通しが立たないだけに不安が残る。

 今日のテレビ・ニュースを観ている限り、どのテレビ局も最初にこの箱根関連ニュースを伝えている。それほどこの火山予知ニュースは関心を呼んでいる。特に土産物店への影響が大きいようで、通行禁止地区から離れた地域でも客足が落ちている。箱根への入口・箱根湯本地区の土産物店の主人が予想の1/3程度に落ちたと語っていた。

 当分の間様子見ということになるようだが、一日も早く元通り静かな観光地・箱根が甦ることを望んで止まない。

2015年5月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2913.2015年5月5日(火) 自然災害と戦争の防止

 連休も後半になって今日は「子どもの日」であるが、最近では連休の中の一日という印象が強く、「子どもの日」らしい「五月人形」や「鯉のぼり」があまり大きく取り上げられることが少なくなったように思う。これも時代の流れだろうか。

 そんな中でこのところ大きな話題となっているのが、外国ではイギリス皇室に生まれたプリンセスの命名と、国内では観光地・箱根地区の水蒸気の頻繁な噴き出しである。プリンセスの名前は「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」と命名され発表された。ミドル・ネームに現女王の名を戴いたことはともかく、サード・ネームに非業の死を遂げた祖母ダイアナ妃の名前を戴いたことは一部で噂には挙がっていたが、現実に決定してみるとやや意外な感じで受け止めた。ダイアナという名は祖父に当たるチャールス皇太子にとってはスキャンダラスな風聞が表面化した後に離縁し、その後不運な事故死を遂げた元妻ダイアナ妃の名を戴いただけにきっと心中複雑な想いが交錯したであろう。

 さて、箱根の群発性地震騒動の影響は観光客が押し寄せる箱根、中でも大涌谷周辺の一部に立ち入り禁止措置を取ったせいで観光客への影響が懸念されている。まだ小田急在職中に箱根地区へ足繁く通って周辺環境をある程度承知し、関係者も知っているだけに、心配である。特に、早雲山地区旅館街の営業や、箱根ロープウェイの運行が気にかかっている。

 近年地震、台風、津波などの大きな自然災害が相次いで発生し、世界的に地球地殻変動が注目されている。つい最近もチリの火山爆発、そしてネパールの大地震が世界を震撼させている。わが国でも東日本大震災に続いて、昨年御嶽山が突然噴火して多くの犠牲者を生み、東北では蔵王、九州でも雲仙や霧島、桜島の活火山が活発化して不審な活動を予見させている。

 自然災害による被災者への救援が国際的な規模で行われ、それは直近のネパール大地震でも、中国とインドが支援を競い合っているほどであるが、これは国家間同士の争いが形を変えて表れていると言えそうだ。だが、自然災害であるネパール大地震の犠牲者数が7千名を超えていて世界の人々から悲しまれ同情を買っているが、国家間の戦いで失われる犠牲者や被災者の数は、現実にはそれを遥かに超える。それらの戦争によって生まれる難民や被災者に善意や同情から与えられる支援は、自然災害による支援に比べて遥かに少ない。その点では戦争を止めることが最も人道に叶ったことであり、災害を防ぐことに繋がることを知らされる。

 近代になって日清戦争で1万4千人、日露戦争11万5千人、太平洋戦争で310万人の同胞が尊い生命を犠牲にしている。国際的に見ても第1次大戦で850万人、第2次大戦で910万人、その他にアジアだけでも朝鮮戦争で350万人、ベトナム戦争で145万人が無駄に命を落としている。戦争さえなければ失わずに済んだ尊い命である。考えようによっては、自然災害防止のための手立てを講じるより戦争さえ止めれば、明らかに犠牲者を少なくすることが可能である。

 そのためにも人類はこの地球上から戦争を放擲するよう不断の努力を求められているのだ。にも拘わらず、それが人間の浅知恵か、強欲で利己主義、我儘で自己主張が強過ぎるが故に中々できない。人間には可能なことと、不可能なことがある。戦争を防止することは可能に見えて実は不可能なことなのだろうか。

 今日は日中私と妻の実家のお墓参りをともに済ませた長男家族5人と、嫁の実家の新潟から戻った二男家族4人を合せて大所帯11人で横浜大倉山でしゃぶしゃぶディナーで大いに盛り上がったが、予想を超える大散財だった。そう滅多にある機会ではないので、それも覚悟のうえだ。

 皆健康であるのが、何より幸いである。一番上の高校生となった男の子には、今年の夏休みにサンフランシスコに連れて行く約束をした。やや内向的な子なので、アメリカで見聞を広げられるのではないかと願って両親了解の下に連れ出すことにした。

2015年5月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2912.2015年5月4日(月) 母校ラグビー部応援へ

 昨夜遅く奈良の長男家族5人が車でやって来た。あまりにも遅かったので、その時すでに私は白河夜舟だった。彼らも普段あまり家族で出かけることが少なくなったようだが、上の男の孫が今春奈良学園という私立高校に入り、2番目の女の子が公立中へ、そしてサッカーの得意な末っ子の女の子が小学校6年へ進級したこともあり、GWを利用してやってきたものだ。

 この一週間近くの駒澤公園で「肉フェス」という肉料理屋さんのイベントを開いていて、それがメディアでも報道されたせいか若者で溢れかえっている。そこへ陸上競技場ではU-14国際サッカー大会が開催されているので孫娘にはちょうど良いとそちらを案内した。

 では、私はこのGWをどう過ごすかというと、今日は母校湘南ラグビー部が県立静岡高校と親善試合を行うのでその応援に母校へ出かけた。いつもなら車で行くところだが、テレビがしきりに交通ラッシュ状況を伝えているので、車を敬遠して電車で行くことにした。大体計算通り時間内に学校へ着いたので、まずは電車を利用して正解だった。

 ゲームは前半立て続けにトライをあげた母校が33-18で粘る静岡を振り切った。3年前の親善試合でも勝っているが、お互いに同じような伝統ある公立校として良きライバルと言える。7月には同じく伝統校・浦和と親善試合を行う予定であるが、浦和は昨年全国大会にも出場した強豪校でもあり、その力は静岡より上なので油断はできない。

 ともかく天候にも恵まれ、まずまずのGW中盤である。

2015年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com