2919.2015年5月11日(月) 悲喜こもごも、トヨタ2兆円超の利益、シャープ1億円に減資

 今年は例年になく台風の発生が多いらしい。フィリピンの東にあった台風6号が今日沖縄を直撃し、新たにマーシャル諸島周辺に7号も発生した。

 実は妻が伊豆下田方面を旅行したいと言い日程調整のうえで、明日の夜下田セントラルホテル宿泊を予約し、明朝出かける予定だった。ところが生憎台風6号が選りによって明日、明後日と下田方面を直撃するという予報を聞かされることになった。伊豆半島を旅行している2日間台風の中にいたのでは何のために旅行をするのか分からない。予報を聞いて止むを得ず宿泊をキャンセルしたが、直前解約ということから違約金30%を支払う羽目になってしまった。滅多にない妻との国内旅行を直前になって悪天候のためにキャンセルせざるを得ない点は不運だと思って諦めるよりないが、キャンセル・チャージまで支払うのがルールとは言いながら、なんだかもったいないような気がしている。これも悪天候のせいである。

 明日旅行する筈だったが、今日は空を見上げて見れば雲ひとつなく真っ青である。とても台風がやってくるようには思えないが、気象予報では間違いなく明日から2日間伊豆半島は完全に大雨に襲われるそうだ。なんだか恨めしい気がしている。

 さて、最近経済界で大向こうを唸らせる悲喜こもごものビッグニュースがあった。ひとつは景気の良い話で、その主役はトヨタ自動車である。何と今年3月期決算で2兆7千5百億円の営業利益を計上した。ひとつの企業だけでこれだけの利益を生みだすというのは途方もないことで、日本の企業全体でも2兆円を突破した利益を計上した会社はトヨタが初めてらしい。どうしてこれだけ稼ぐことができたのか、他企業としては羨ましいところであろうが、アクアやプリウスのようなハイブリッド車がヒットしたことや円安効果が大きいようだ。

 振り返って大学1年生だった当時の国の一般会計予算が1兆4千億円だったことを思えば、トヨタ1社の利益だけでその2倍も稼いだことになり、正に昔日の感に堪えない。

 トヨタ好景気の一方で、寂しいのはかつて関西産業界の華でもあった企業の凋落である。その代表格が軽電気のシャープである。ここ数年不景気風に見舞われ、赤字企業へ転落し深い泥沼から抜け出せなくなってしまった。かつては大型液晶テレビがヒットして、テレビCMでも女優吉永小百合を起用して意気揚々と華やかにテレビ生産亀山工場の企業戦略を売り込んでいた。2007年1月に三重県立亀山高校で韓国への修学旅行へ出発する生徒たちに、安全な海外旅行について旧知の校長から講師を依頼された時のジョークのような懐かしい思い出がある。その折JR亀山駅に降り立ちタクシーに乗った時、ドライバーがシャープ亀山工場へ行きかけた。当時はシャープも好景気で見学者が数多く訪れたために私もそのひとりと思われ、行き先を「亀山高校」と伝えたつもりだったが、ドライバーは「亀山工場」と聞いたように思ったと恐縮していた。

 そのシャープが新規工場を開業して増産に努めた挙句に販売不振に陥り、まもなく工場閉鎖から本社用地売却、そして台湾企業から買収の話が出てすっかり落ちぶれてしまった。シャープの決算は2012年以降毎年赤字を計上し、累積損失を計上するまでになった。先日主力2銀行が資本支援を行うことを発表したが、それでも再生策は不十分で、ついに思いきった外科手術を行うことになった。

 シャープが減資を行うことに決定したのである。現在1218億円の資本金を1億円にまで減らすのである。大きく膨らむ累積損失を一掃し、財務体質の改善を図るとは言え、経営破たんしていない大企業が99%以上の減資を行うのは極めて異例で当分話題になりそうだ。株価はストップ安となった。この措置によって近日上場廃止に追い込まれ、会社は「中小企業」と見做されることになって、税法上の優遇措置を受けられるようになるという。

 日本経済の浮き沈みに連れて、個別企業の栄枯盛衰も甚だしくなったものである。今でも思い出す平家物語の冒頭の言葉が現世にも生きているのだろうか。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす~」

2015年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com