2971.2015年7月2日(木) 懲りない面々、傲慢な自民党議員

 「文化芸術懇話会」と称してはいるが、「文化」や「芸術」を論じない安倍首相に近い若手の勉強会で3人の愚かな自民党議員が放言したことが問題になり、自民党は木原青年局長を更迭し、当の3人の議員に対しても厳重注意した。その背景には今の自民党が多数派を拠り所に思い上がっていることがあり、その後もこの3人は自らの発言に問題があったとは思っていないと開き直る有様である。

 3人の発言は明らかにメディアへの政治的圧力であり、許されることではない。ただ、こういう傾聴すべき見方もあった。西田亮介・立命館大学特別招聘准教授が今日の朝日朝刊に以下のような声を寄せている。「~最近は露骨な『圧力』が目立ってきた。ネットを介して有権者に直接訴えられる時代になり、2000年代から力を入れてきたマーケティングやPRが選挙などで実を結んできたことが背景にある。いまや発信力に長けた政治のメディア戦略が、メディアの権力監視機能を上回っている。勉強会の発言への批判が燃え広がったのはたまたまで、内容は目新しくない。メディアは政治の戦術を読み解き、環境の変化に対応して取材、報道手法の見直しを進めてほしい」というものである。報道合戦で今ではメディアより政治の方が上回っているとの鋭い意見である。確かにそういう面はあるかも知れない。メディア側がいつも後手に回っている感じである。メディアも政治を上回る手練手管でやっつけてほしいものである。

 だが、それにしてもメディアに広告主がいなくなれば、メディアはやっていけないと大口スポンサーのいる経団連へプレッシャーをかけようというのは、言語道断である。考え方がいじけていて弱虫が陰口をしているように思える。

 沖縄の2社は絶対つぶさなあかんと名指しされた当の「沖縄タイムス」、「琉球新報」両編集局長が、今日外国特派員協会主宰により記者クラブで会見を行った。2人は勉強会の言動はいわれなき中傷であり、暴言であると自民党と安倍総裁を厳しく非難していた。冒頭ジェームズ・シムズ会長は、政府に対して報道の自由に影響する行為を控えるよう求め深い憂慮を表明した。外国人記者のひとりは、安倍首相に謝罪を要求するかと尋ねると2人はそうすると応えていた。偶々今日開かれた沖縄県議会で安倍首相に発言の撤回と謝罪を要求することが決議された。

 いずれにしろ議席数で圧倒する自民党がよほど態度を改めて謙虚にならなければ同じような事態が再び起こることは必定である。ある番組でこの勉強会に集まった議員の名前とできれば選挙区を明らかにすればいいと述べていたが、今朝の新聞には議員名と選挙区が書かれている。これで喋り過ぎの議員たちが言いたい放題のおしゃべりをやめるだろうか。

 それにしても政治家が絡むとすべて次元が低くなる。それほど彼らの質が落ちているのだ。馬鹿げている。

2015年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2970.2015年7月1日(水) 嫌なことが連続的に発生

 ギリシャはついに昨日までに借金を返せず、EUなどによる金融支援が失効した。先進国で借入金が延滞扱いとなったのは、ギリシャが初めてである。すでにギリシャ国内では銀行機能が制限され、現金の引き出しもひとり60€以内に制限されて市民の間には不安が広がっている。ギリシャ政府は現行の金融支援プログラムの短期延長や、債務再編を含む新たな支援策などを要請していたが、EUがこれを拒絶し暗礁に乗り上げてしまった。ギリシャ国民の両肩にはずっしりと重荷が架せられ、日一日と厳しい生活へ追い込まれる。明るい未来図が描かれていないだけに、国民にとっては大ごとである。ギリシャ国民が一日も早く安心して生活ができるよう願わずにはいられない。

 昨日国内では狂気的事件と不安な事象があった。前者は走行中の東海道新幹線車内でひとりの男が頭から油をかぶって火をつけ、本人を含む2人が死亡し、26人が重軽傷を負う残忍な犯行である。

 後者は、小規模噴火を続けて一部地域への立ち入り制限がされていた箱根で、更に厳しい措置が取られることになった。新たに小規模の噴火があったことが確認され、立ち入りが規制された区域に避難指示を出した。観光地箱根がまた警戒度を「レベル3」へ上げられることになり、観光客を遠ざけることになってしまった。テレビを観た限りでは、残念ながら蒸気が激しく立ち上るようになり、当分立ち入り制限が解除される可能性はないようだ。

 これに国会で安保関連法案などの非民主的な動きが激化して、どうにもすっきりしない。外を見れば7月に入ったと言うのに雨模様ですかっとしない。

 今日から一年の後半に入る。時間の経過はあっという間である。この政治的、社会的に行き詰まった状態を一日も早く取り払ってもらいたいものだ。

 さて、この夏休みに奈良にいる高一男子の孫をサンフランシスコへ連れて行って、アメリカの大地に溢れる臨場感を味わわせてやりたいと旅行を計画してみた。生憎旅行繁忙期とあって中々予約が取れなかったが、今日漸く航空券とホテルの予約が取れたと小田急トラベルから連絡があった。8月6日に成田を発ち11日に帰国の予定である。孫は今旅券の申請中である。これで落ち着いてこの旅についてあれこれアイディアと旅行パターンを考えることができる。できるだけ若いうちに海外へ、しかも極力武者修行をと機会をとらえて勧めているが、身内の高一の孫はどうも引っ込み思案で行動的なプランにはあまり乗り気ではないようだ。だからこそ、外へ連れ出して付き添ってでも武者修行的体験に触れさせて性格的に一皮剥かせてやりたいと思っている。果たしてそれによって孫は成長してくれるだろうか。

2015年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2969.2015年6月30日(火) 始まった文科省と東京都の内輪もめ

 ギリシャの財政破たんが目の前に迫り、ギリシャがEUから離脱した後に、これからのギリシャ抜きヨーロッパの全体像がどうなるのかいろいろ取り沙汰されている。

 この騒ぎに歩調を合わせるように、わが国でもオリンピックの主会場である新国立競技場建設問題がデッドロックに乗り上げたような論調が見られる。これについては、5月20日の本ブログに「新国立競技場は屋根なしで出発」とコメントを書いた。その中で責任体制の不備について触れた。どうも組織自体が充分機能しているようには見えないのだ。これまで日本が請け負った大会やコンベンションが、このように当初から右往左往しているみっともない構図は見たことも、聞いたこともない。

 そして今朝の新聞には、「文科相表明 2520億円の財源難題」「新国立『寄付・命名権で200億円』」「新国立 甘い胸算用」と膨れ上がった工事費の財源捻出に対する下村博文・文科相の発言を批判的に取り上げている。1カ月前に比べて事態が進展したのか、或いは停滞しているのかまったく見当がつかない有様である。

 財源問題では当初予算の1625億円が、労賃の高騰により建築費が多少上がることはある程度理解できる。しかし、それだって前ロンドン大会の主会場の建設費が650億円程度だというから、すでに東京大会予算は高すぎるということは言える。そこへ全体工事費用が2520億円に膨らんで差額900億円をねん出しなければならなくなった。下村大臣はいとも簡単に、東京都に500億円負担、命名権の売却などで200億円を予定しているという。

 だが、東京都の舛添知事は聞いていないと言い、都民が納得できるものでなければと一応ペンディングである。ここでも文科省と東京都の間で内輪もめが始まる。これでは2020年大会へ向けて気持ちをひとつにできない。ここまではほとんど役人が取り決めている。これだからまとまらない。妙に地位の高い役人が入り込むとまとまるものもまとまらないことは分かりそうなものだが、同じ徹を踏む結果となった。

 話題は逸れるが、事故続きのJR北海道に対して、政府は1200億円の支援金を出すことを決めた。この補助金をオリンピック準備不足金に回したらどうだろうか。JRには、これまで分離独立以来国は相当の国費を投入してひとり立ちを助けて来た。JR北海道は過去にも600億円の支援を受けている。国鉄時代の多額の負債も分離と同時に清算事業団へ移管して、独立したJR各社が利益を上げても補てんすることもなく収益として計上している。JR北海道を援助するなら、まず元は同じ会社だった、余裕のあるJR東日本や東海、西日本らが支援して、国は不景気なJR社への支援より他の一層重要な投資へ目を向けた方がよほど国の資産を有効に生かせると思う。

 偶々JR北海道への支援金と新国立競技場建設費がやや近かったから仮の話として考えてみた。もちろん仮の話であるが、どうも最初の見積もりが甘かったり、有効な金の使い方が的外れだったり、もっと真剣に国家的プロジェクトを考えてくれないと困る。

 

2015年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2968.2015年6月29日(月) ギリシャ経済、ついにデフォルトか。

 案の定昨日危惧した株価は、取引開始と同時にあっと言う間に日経平均株価が500円安を記録した。朝から東京証券市場は下がりっ放しである。その後アップダウンを繰り返して終値は、先週末に対して596円20銭安の20109円で、今年最大の下げ幅となった。つい先週株価は経済不況下のギリシャがEUから支援を受けられそうだとの観測が流れたことが好感され、遂にはバブル景気を上回る過去18年で最高値を記録して終わった。

 それが、EUから支援のための見返りとして提案された緊縮案が、ギリシャ政府によって断られ、政府は自身の頭で判断することを避け、巧みに国民の意思を聞き出す国民投票という奥の手を選択した。これがEUの怒りを買った。現状ではギリシャは7月5日に国民投票を実施する計画である。しかし、明日6月30日にIMFへ債務返済の期限が急迫している。果たしてその借金をギリシャが返せるのか疑問視されている。その後に一難去ってまた一難とばかり、債務の返済期限が次々に迫っている。13日にIMFに約600億円、20日には欧州中央銀行が購入したギリシャ国債、約4800億円の償還期限が迫っている。8月に入ると同じく同銀行所有の国債約4400億円の償還期限が迫ってくる。

 ギリシャ政府はこれに対していかなる対策を取ったか。EUとの決裂により急遽今日国内の銀行を休業させ、預金の引き出し制限などの資本規制を敷いたのである。これはあくまで銀行からの資金流出を防ぐ狙いとみられている。しかし、EUは明日期限の金融支援プログラムの延長を拒んでおり、危機回避の見通しは立っていない。追いつめられれば、案外知恵が出てくるものだが、お互いのメンツもあり今後どう転ぶか分からない。心配なのはこれが一ギリシャ問題というだけに留まらず、ギリシャのEUからの離脱、ヨーロッパ経済の不況という事態に進みかねないことである。せめてそうならないことを願っている。

2015年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2967.2015年6月28日(日) 浅草でコンサートとステーキを楽しむ。

 毎年6月と12月に行われる上野浅草フィルハーモニーの定期演奏会が今日浅草公会堂で行われ、いつも通りゼミ仲間でチェロ演奏者の赤松さんのお世話で楽しむことができた。今日の演奏曲は、モーツァルトの「交響曲第40番ト短調K550」とマーラーの「交響曲第5番嬰ハ短調」だった。マーラーはこれまでにも何度が演奏されたが、中々難しくて馴染めない。今日はモーツァルト曲が聞き覚えのある名曲だったのに比べて、マーラー曲は首を傾げてしまう。そこで事前に解説をよく読んでみた。マーラーとアルマの結婚話の他に、この曲の思わぬ特徴を知った。それは第4楽章「アダージェット」で全体的に極めてゆったりと演奏され、ここで演奏される楽器の説明、特に出だしのハープが良かったことである。静かな演奏が傑作映画「ベニスに死す」で流れた曲であると知った。また、バレエやフィギュアスケートでもよく使用される曲であることを事前に知り、イメージしながら演奏を楽しんだ。あまりポピュラーではないマーラーの曲が、意外なところで知られている点が予想外だった。

 演奏会終了後は、いつも通り永井荷風お気に入りのレストラン「アリゾナ」へ移り、14名でややいつもに比べて少なかったが、お互いに懇親を深めることができた。

 実は数日前永井荷風の実父とお妾さんの間に生まれたのが高見順で、荷風と高見順は互いに異母兄弟であると聞いてしまい、妙な気分を味わいながら荷風を偲ぶことになった。

 次回12月の演奏会ではどんな曲を演奏してくれるのか、興味が尽きない。

 ところで、今日は大失態を演じてしまった。公会堂の座席下にカード類を詰め込んだ財布を落としたまま気づかず、「アリゾナ」で漸く大事なものを紛失したことに気付いた。直ちに取って返したところ、運良く事務室で保管してくれていた。気持ち良く引き取ったが、よほど気持ちが弛んでいると反省しきりだった。それにしても、ある程度見つかる可能性を信じていたが、あまり悪質な人たちの目に触れるような場所でなかったことと、公会堂の関係者が真面目で親切な人たちだったことが幸いしたと思っている。

 さて、財政危機に陥ったギリシャへの支援が世界中から注目を集めているが、昨日EUのユーロ圏財務相会合は、ギリシャとの支援交渉を打ち切ることを決めた。理由は、ギリシャが支援の前提となる国内改革案について国民投票を行うことを決めたことにEUが反発したのである。これでギリシャは30日に返済期限の来る借金を返す当てがなくなった。ギリシャの国際通貨基金(IMF)への負債は約2100億円である。この金額は偶々経営危機が伝えられたシャープが、減資の条件として主力2銀行から借り入れた金額とほぼ同額である。妙な例えではあるが、現在のギリシャのデフォルトは、赤字会社シャープの倒産と金額において同じレベルと言っては、ギリシャに失礼だろうか。

 この様子では、明日は世界的に株価が大きく下落するのではないだろうか。

2015年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2966.2015年6月27日(土) カトリックの世界に関する講義

 池袋の淑徳大学セミナーで「キリストの世界」についてペンクラブの友人・保岡孝顕氏の講義を聞いた。保岡氏はバチカンのカトリックの本家から最も信頼され重職を担っている日本人だけに、キリスト教に関するあらゆる情報に造詣が深く話は充分納得できるものだった。 

 質問を繰り返しながら、これまで漠然としていたバチカン市国という「国家」について少しずつ理解が深まった。バチカンは市国とは言いながら通常の国家とは本質的に異なる。国連では国家ではなく、オブザーバーという立場にいる。しかし、その存在感と影響力は常任理事国に匹敵するほどパワーフルである。G7も顔負けである。現在法王である教皇が国家で最高位の地位にありながら、国籍はアルゼンチンである。その他に多くの国々と国交を結び、大使を含む外交官を派遣しているが、彼らもほとんど外国籍であり、彼らは母国とバチカンの二重国籍を有していることになる。何とも不思議な現象である。講義は内容的にはどうしても固いものであるが、じっくり話を聞いているとなるほどと頷ける。そして、バチカンというものが徐々に分かってくる。

 さて、昨日国内外でいくつか大きな事件が起きた。

 国外では、チュニジア、クウェート、フランスでイスラム過激派とみられるテロ事件が相次いで発生した。チュニジアでは高級ホテルで男が銃を乱射し28人が死亡した。クウェートではシーア派のモスクを狙った自爆テロがあり、25人が死亡、200人以上が負傷した。フランスのリヨン付近ではガス工場に車が突入し爆発が起き、1人の遺体が発見された。同じ日に同じような事件が起きたことは同じ組織が連携した可能性がある。徐々にエスカレートして危険性は日に日に増していく。

 それに比べれば日本国内の事件は、暴力的と言う点ではテロのように危険というほどのことはない。だが、問題はいずれも傲慢さの表れで悪質である。権力で言論に圧力をかけ言論を封殺しようとしている点が邪悪で許せない。

 自民党若手議員の「文化」や「芸術」に名を借りた偽の勉強会で、講師として招かれた右翼の作家・百田尚樹氏が沖縄の2つの新聞社、沖縄タイムスと琉球新報は絶対つぶさなければいけないととんでもない発言をしたことなどが、問題になった。百田氏は以前にも問題発言をして、その時も物議を醸している。更に自民党議員がマスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番効果的で、経団連などに働きかけて欲しいとも述べた。前者については、百田氏は持論、或いは2社の自民党への批判的な論調がお気に召さず、破れかぶれになっている印象を受ける。後者については、言論封殺の典型である。どうしていつまで経っても若手政治家は成長しないのだろうか。

 今朝になって騒ぎの大きさにショックを受けた自民党は、前日の勉強会のまとめ役だった木原稔・青年局長を更迭することに決めた。いずれにせよ、未熟児政治家の次元の低い行動と発言には呆れるばかりである。

2015年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2965.2015年6月26日(金) インパール作戦を映画化、短編「インパール1944」

 所属するNPO法人JAPAN NOW観光情報協会が毎月開催する観光セミナーの今日のテーマは、イギリス在住の気鋭の映画監督兼俳優・梶岡潤一氏による自作短編映画「インパール1944」に関するものだった。インパールと言えば、ビルマ戦線で最大の犠牲者を出し、今なお戦没者の遺骨はほとんど母国へ奉還されていない最悪の戦いである。現役時代慰霊団でビルマを訪れるたびにインパールの厳しい戦いについて日本軍の兵隊さんから苦労話を聞かされたものである。インパールへの道はアラカン山脈を超え、ビルマ・インド国境に沿って進まなければならない山岳地帯の難行を強いられる。行軍する軍隊に武器、食料の兵站が追い付かず、兵士にとっては悲惨な戦いとなった。

 梶岡氏はロンドンに在住しておられるが、本作品のキャスト募集に応じてインドへ出かけて撮影を待っていたが、いつまで経っても監督が姿を現さず、そのうち代わりに演出をするようになったと夢みたいな話だった。このようにシンデレラ・ボーイの梶岡氏だが、この作品にかける決意と意欲は並大抵のものではない。狙いは、「平和」「和解」と「創生」ということのようである。梶岡氏は、インパールで遭遇した日本兵とイギリス兵が戦後70年後に和解し、それを乗り越えてお互いに新たに生きて行くということを考えておられるようである。ところが、激しいビルマ戦線を題材に採り上げながら、この作品を断片的に観た限りでは、ビルマのイメージがあまり浮かんで来ない。

 映像を交えた講演後、梶岡氏にビルマ側からの視点が感じられないと率直に質問した。それに対して梶岡氏はイギリス兵と日本兵の和解をインパールの地で果たすことに主眼を置いたと言われ、確かにビルマサイトの雰囲気は表れていないことを認めておられた。残念ながら今後ビルマ側から戦争を描写する気持ちはなさそうな印象だった。第2作は「命のビザ」で知られる外交官・杉原千畝を主役に取り上げるようだ。

 戦争を知らない45歳の梶岡氏が、インパールの戦いをビルマの視点に立って描くことは難しいかも知れない。だが、ことはインパールであり、ビルマ戦線事情を考慮すれば「画龍点晴を欠く」そしりは免れない。梶岡氏には、ビルマについて調べるには格好の人物として田辺寿夫氏を推薦し名刺のコピーと、僭越ながらビルマ旅行について書いた拙著「新・現代海外武者修行のすすめ」を差し上げた。インパールを描く以上、少なくともビルマ側から描く気持ちだけはいつまでも持ち続け、いつの日にか、「正伝インパール戦争」を描いて欲しいと願っている。

2015年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2964.2015年6月25日(木) 友人の父ブランコ・ヴケリッチ没後70周年行事

 2020年東京オリンピックのメイン会場である新国立競技場が、果たしてその建設が大会開催までに間に合うのかどうか、最近になって憂慮されている。このところ連日のように各テレビ局が話題に取り上げてああでもない、こうでもないと机上の空論を繰り返している。

 そもそも単にスタジアム建設が話題になったのは、あまりにも高額な工事建設費がかかることが分かったからである。当初この建設話が決まった時は15百億円で納まると言われた。ところがそれではとても足りず、一時は設計変更まで検討された。それが部分変更することにより屋根はオリンピックまでは間に合わず、大会終了後に取り付けられるという。それにしても建設費用は予想を大幅に見直されたが、建設自体はほぼ原案通り二本の大きなキールアーチを使用して建設することになりそうだ。

 大体直近のオリンピック主会場工事費は概ね300億円から600億円で建設されている。それが、2020年東京会場になって一気に1500億円超となると、次の開催都市にとっても大きな負担となる。そんなことも考えなくてはならないのが、東京大会準備委員会なのだが、それがどうも計画の決定や事務運営に問題があるような気がしてならない。早く周囲の雑音を消して人々の期待に応えて欲しいものである。

 さて、今朝ベオグラードの山崎洋さんから、7月に奥さんとともに日本に来て15日にセルビア大使館で亡父ブランコ・ヴケリッチ氏没後70周年記念イベントに出席し、彼が終戦直前に網走刑務所で亡くなったお父上を偲んで思い出話を語られるので、ぜひ来てほしいというメールがあった。直ちにゼミ仲間やゾルゲ事件に関心を持っている知り合いにメールで伝えたところである。するとしばらくして小中陽太郎さんから電話で、ぜひ出席したいとすでに大使館に出席を申し込んだと言っておられた。小中さんは現在ゾルゲ事件を取り扱った作品を執筆中なので、ぜひヴケリッチについて話を伺いたいと、当日開催のペンクラブ理事会を切り上げても出席したいとご執心である。

 山崎さんは昨年私の出版記念会出席のため、わざわざベオグラードからやって来てスピーチをしてくれるなどいつも頼りになる友人であるが、今回の訪日は奥さんが主役であるらしい。15日にセビリア大使館で記念イベントに参加してから、今年2月に読売文学賞を受賞された奥さんの仕事に付き添って岡山方面へ婦唱夫随で旅巡りだという。

 ゼミの仲間も喜んで出席してくれるようなので、できるだけ大勢が集まることによって盛り上げてあげたい。

2015年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2963.2015年6月24日(水) 「朝日版姨捨山」、朝日新聞にとって高齢者は邪魔者か。

 今月5日の朝日朝刊トップ記事に「高齢者を地方移住に」との見出しで関連記事が書かれていた。普段はリベラルな立場で庶民の味方であることをアピールする天下の朝日が、何と高齢者を軽視し、愚弄するかのような見出しを掲載したのにはびっくりした。「朝日版姥捨山物語」である。その日の本ブログに早速何か割り切れない気持ちを感想にして書いた。元共同通信社の知り合いもこの見出しには驚いていた。そして14日フジTV「Mr.サンデー」でも、元NHKの木村太郎氏がやはり同じような取り上げ方をした東京新聞記事をこれは「姨捨山」であると憤慨していた。誰でもこの見出しを見たらカチンと来ると思う。況してや、高齢者にとっては怒りを抑えきれないのは当然だろう。

 記事はよく読めばこれが悪意のある本来の姥捨山でないことは理解できる。しかし、見出しだけ見た読者は驚き、特に高齢者は怒ることだろう。現代の世の中にあって、高齢者を邪魔者扱いにする報道姿勢は断じて許すことはできない。こんな見出しをつける朝日新聞社編集部の神経が分からない。誰もこれを止めようとの良識派が唯ひとりとしていなかったということだ。数々いる編集部員も世間で言うほど碌な奴がいないのだ。

 そこで朝日のお問い合わせ受付を調べて、何ゆえこのように高齢者を愚弄するような姨捨山記事をトップ記事の見出しにしたのかとメールを送信して、朝日の回答を待った。しかし、朝日はよほど都合が悪いと思ったのか、今日まで回答がない。しかも、1回だけではない。毎週続けて4回も同じような問い合わせをしたにも拘わらず、まったく頬かむりなのである。いかに読者の質問がまともであろうとも、自分たちにとって不都合なことには応えないとの狡さがある。いかにまともな質問や正論であろうとも、メディアにとっては自社の記事の不行き届きには応えたくないとの気持ちがあるだろう。しかし、一方で読者が抱くごく当然の疑問に対して、記事の内容について充分説明して理解を求めることはメディアの義務でもあると思う。あまりの不誠実さに私も些か穏やかな気分にはなれない。記事の見出しで高齢者を邪魔者扱いにし、その上永年の読者をまったく配慮しようとの気持ちも示さない冷淡な態度には、朝日のご都合主義が表れていると思う。

 確かにすべての問い合わせに応じることはできないとは書いてあるが、この質問受け付け法ではすべての質問について回答を与えていないのではないかとの疑念すらある。それにしても天下の朝日の傲慢不遜な対応には、そもそも記事にも真実が隠されているのではないかと信用できなくなる心情が湧いてくるのも致し方ない。こういう社風でどうして公平な報道ができるだろうか。普段からきれいごとを言っておきながら、いざ追いつめられると恥も外聞もなく謝罪する、先の従軍慰安婦問題と今も同じ次元にいるのではないのか。

 これまで朝日ばかりは良心的だと信頼し、「反権力」の筋を一本通すリベラルな姿勢を高く買い46年間愛読してきた。だが、これでは普段から正義面して行動しながら、陰ではやるべき責務を果たさず堕落した、そんじょそこらの田舎新聞と変わらないではないか。

2015年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2962.2015年6月23日(火) 憲法破りの首相が、沖縄県民に何を語るのか。

 集団的自衛権行使容認について、憲法学者を始めとして多くの有識者から憲法違反であるとの声が高まり、困った政府は何とかそれらの批判をかわそうとして恥も外聞もなく姑息な手段を考え出した。

 その一貫として昨日も衆議院特別委員会では参考人を呼んで質疑を行ったが、その結果も思わしくなかったのである。その参考人の中に、元内閣法制局長官の阪田雅裕氏と同じ元長官・宮崎礼壹氏がいた。阪田氏は政府が集団的自衛権の行使容認の根拠とする1972年の政府見解「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」を勝手に変えて、行使容認をしたことを「憲法を順守すべき政府自ら憲法の縛りを緩くするように解釈を変えるということである」と問題視した。更に宮崎氏は「憲法9条の下で認められないことは、わが国で確立した憲法解釈で、政府自身がこれを覆すのは法的安定性を自ら破壊するものであり、法案は憲法9条に違反し、撤回すべきだ」と厳しく批判した。 

 にも拘わらず、昨日国会は安保法案を審議し確実に成立させるため、会期を95日間延長することを決めた。安倍首相の頭の中には、悪いことであっても、仮にそれが憲法違反であろうとも、総理大臣である自分がやれば許されることだととんでもない妄想に囚われている節がある。「徹底的に議論し決める時には決める。この議会制民主主義の王道を進んでいくべきだと判断した」と言いきっている。議会制民主主義の何たるかを理解できないご仁が何を寝言みたいなことを言っているのかチャンチャラおかしい。いよいよ付ける薬が無くなってきた。

 それら一連の後遺症の影響であろうか、今朝の朝日アンケート調査によれば、安倍内閣の支持率は急速に大きく下がり、その一方で不支持率が上がった。支持率は先月に比べて6%も下がっている。過去一度あった安倍政権の最低支持率と並ぶ39%というから見捨てられかけている。特に戦争に嫌悪感を抱いている女性票は、8%も支持率が下がったことから考えれば、「俺のやることはすべて正しい」と信じ込んでいるお坊ちゃん総理には、周囲がまったく見えなくなっているようだ。いつか自分の間違いに遅まきながら気がついた時には、周りには誰もいないという事態になっているのではないだろうか。

 時折しも今日は沖縄「慰霊の日」である。昭和20年4月1日にアメリカ軍が上陸し、今日6月23日を以って全住民1/4の犠牲の上にさしもの沖縄地上戦は終了した。

 糸満市摩文仁の平和祈念公園では沖縄全戦没者追悼式が行われ、安倍首相を始め衆参両院議長、ケネディ駐日アメリカ大使らが出席した。毎年決まりきって沖縄県が辺野古移転計画中止を求め、一方で政府が沖縄県民の負担軽減を言いながら、これこそが基地問題解決のための唯一の方法と言い、お互いの言い分は一向に噛み合わない。首相の安保法制に関する考えが余りにも頑ななで思いやりがないために、「帰れコール」の中で行われたステートメントもまるで説得力がない。

2015年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com