2966.2015年6月27日(土) カトリックの世界に関する講義

 池袋の淑徳大学セミナーで「キリストの世界」についてペンクラブの友人・保岡孝顕氏の講義を聞いた。保岡氏はバチカンのカトリックの本家から最も信頼され重職を担っている日本人だけに、キリスト教に関するあらゆる情報に造詣が深く話は充分納得できるものだった。 

 質問を繰り返しながら、これまで漠然としていたバチカン市国という「国家」について少しずつ理解が深まった。バチカンは市国とは言いながら通常の国家とは本質的に異なる。国連では国家ではなく、オブザーバーという立場にいる。しかし、その存在感と影響力は常任理事国に匹敵するほどパワーフルである。G7も顔負けである。現在法王である教皇が国家で最高位の地位にありながら、国籍はアルゼンチンである。その他に多くの国々と国交を結び、大使を含む外交官を派遣しているが、彼らもほとんど外国籍であり、彼らは母国とバチカンの二重国籍を有していることになる。何とも不思議な現象である。講義は内容的にはどうしても固いものであるが、じっくり話を聞いているとなるほどと頷ける。そして、バチカンというものが徐々に分かってくる。

 さて、昨日国内外でいくつか大きな事件が起きた。

 国外では、チュニジア、クウェート、フランスでイスラム過激派とみられるテロ事件が相次いで発生した。チュニジアでは高級ホテルで男が銃を乱射し28人が死亡した。クウェートではシーア派のモスクを狙った自爆テロがあり、25人が死亡、200人以上が負傷した。フランスのリヨン付近ではガス工場に車が突入し爆発が起き、1人の遺体が発見された。同じ日に同じような事件が起きたことは同じ組織が連携した可能性がある。徐々にエスカレートして危険性は日に日に増していく。

 それに比べれば日本国内の事件は、暴力的と言う点ではテロのように危険というほどのことはない。だが、問題はいずれも傲慢さの表れで悪質である。権力で言論に圧力をかけ言論を封殺しようとしている点が邪悪で許せない。

 自民党若手議員の「文化」や「芸術」に名を借りた偽の勉強会で、講師として招かれた右翼の作家・百田尚樹氏が沖縄の2つの新聞社、沖縄タイムスと琉球新報は絶対つぶさなければいけないととんでもない発言をしたことなどが、問題になった。百田氏は以前にも問題発言をして、その時も物議を醸している。更に自民党議員がマスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番効果的で、経団連などに働きかけて欲しいとも述べた。前者については、百田氏は持論、或いは2社の自民党への批判的な論調がお気に召さず、破れかぶれになっている印象を受ける。後者については、言論封殺の典型である。どうしていつまで経っても若手政治家は成長しないのだろうか。

 今朝になって騒ぎの大きさにショックを受けた自民党は、前日の勉強会のまとめ役だった木原稔・青年局長を更迭することに決めた。いずれにせよ、未熟児政治家の次元の低い行動と発言には呆れるばかりである。

2015年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com