「文化芸術懇話会」と称してはいるが、「文化」や「芸術」を論じない安倍首相に近い若手の勉強会で3人の愚かな自民党議員が放言したことが問題になり、自民党は木原青年局長を更迭し、当の3人の議員に対しても厳重注意した。その背景には今の自民党が多数派を拠り所に思い上がっていることがあり、その後もこの3人は自らの発言に問題があったとは思っていないと開き直る有様である。
3人の発言は明らかにメディアへの政治的圧力であり、許されることではない。ただ、こういう傾聴すべき見方もあった。西田亮介・立命館大学特別招聘准教授が今日の朝日朝刊に以下のような声を寄せている。「~最近は露骨な『圧力』が目立ってきた。ネットを介して有権者に直接訴えられる時代になり、2000年代から力を入れてきたマーケティングやPRが選挙などで実を結んできたことが背景にある。いまや発信力に長けた政治のメディア戦略が、メディアの権力監視機能を上回っている。勉強会の発言への批判が燃え広がったのはたまたまで、内容は目新しくない。メディアは政治の戦術を読み解き、環境の変化に対応して取材、報道手法の見直しを進めてほしい」というものである。報道合戦で今ではメディアより政治の方が上回っているとの鋭い意見である。確かにそういう面はあるかも知れない。メディア側がいつも後手に回っている感じである。メディアも政治を上回る手練手管でやっつけてほしいものである。
だが、それにしてもメディアに広告主がいなくなれば、メディアはやっていけないと大口スポンサーのいる経団連へプレッシャーをかけようというのは、言語道断である。考え方がいじけていて弱虫が陰口をしているように思える。
沖縄の2社は絶対つぶさなあかんと名指しされた当の「沖縄タイムス」、「琉球新報」両編集局長が、今日外国特派員協会主宰により記者クラブで会見を行った。2人は勉強会の言動はいわれなき中傷であり、暴言であると自民党と安倍総裁を厳しく非難していた。冒頭ジェームズ・シムズ会長は、政府に対して報道の自由に影響する行為を控えるよう求め深い憂慮を表明した。外国人記者のひとりは、安倍首相に謝罪を要求するかと尋ねると2人はそうすると応えていた。偶々今日開かれた沖縄県議会で安倍首相に発言の撤回と謝罪を要求することが決議された。
いずれにしろ議席数で圧倒する自民党がよほど態度を改めて謙虚にならなければ同じような事態が再び起こることは必定である。ある番組でこの勉強会に集まった議員の名前とできれば選挙区を明らかにすればいいと述べていたが、今朝の新聞には議員名と選挙区が書かれている。これで喋り過ぎの議員たちが言いたい放題のおしゃべりをやめるだろうか。
それにしても政治家が絡むとすべて次元が低くなる。それほど彼らの質が落ちているのだ。馬鹿げている。