2980.2015年7月11日(土) 名門東芝の凋落極まれり

 大手電機メーカー・東芝の不適切会計が新聞種になって久しい。日本のトップ企業のひとつ、東芝の粉飾決算スキャンダルが今朝の日経紙でもトップ記事として採り上げられている。

 東芝に務めていた友人もいるが、東芝は長年ラグビーにも積極的に支援している優良企業である。その名門企業がどうして何年にも亘って不正行為を行うことになったのか、近々証券取引等監視委員会の調査が入る。下手をすると東証から上場廃止により特設注意市場指定へ移される可能性がある。

 そもそも東芝に芳しからぬ噂があると知ったのは、先月発行された「選択」6月号に4頁に亘って批判的な記事「企業研究シリーズ―東芝―社内抗争が生んだ『粉飾会計』の闇」が掲載されていたからである。そして、今月に入り4日に日経紙と朝日にもトップ記事扱いで1500億円にも上る不適切会計について報道された。以降8日から連日トップ記事扱いで今朝の各紙にも書かれている有様である。

 かつて大手企業では旧鐘紡が不祥事を起こして市場から総スカンを食ったが、近年特設注意銘柄に指定されたのは、決算訂正で赤字に陥ったIHIと財テクの失敗を隠蔽したオリンパスぐらいである。天下の東芝はこの緊急事態を創立以来の危機と感じて、上場廃止だけは免れたいとばかり神妙に反省の態度を示しているようだが、東芝の場合は不適切会計と同時に、社内でも公になっているトップ同士の対立抗争が問題をさらにのっぴきならぬものにしているようでもある。

 営業的には、大金を投じたアメリカのウェスチングハウス社買収により原発事業を軌道に乗せ、経営の大きな柱とすることができたが、東電福島原発事故以来原発事業を頼りにすることができなくなったことが経営を大きく圧迫した。加えてかつて花形だった半導体事業も下り坂へ向かったことが不振に輪をかけた。そこへ順調満帆だった経営が赤字に転じた時点で、責任問題から西田厚聰元会長と社長だった佐々木則夫副会長のトップ同士が見苦しい対立劇を演じて外部から不評を買い、社内的にも「物言えば唇寒し」の空気が支配したようだ。

 粉飾決算を重ねて生じた負債処理のために、東芝は資産売却などを検討し、主力銀行に融資枠を打診している。今月21日に第三者委員会が調査結果を発表するのに伴い、不適切な経理を行っていた当時の社長である佐々木副会長と、赤字決算に対して部下に「工夫をしろ」と檄を飛ばした田中久雄現社長の辞任は免れないと見られている。

 東芝には、土光敏夫氏を始め、経団連会長を務めた名士らが数多くいるが、現相談役の西田元社長・元会長も虎視眈々と経団連会長の座を狙っていたと言われ、それが社内の空気に微妙に影響したと見られている。それにしても外へ向かって営業すべき業態にも拘わらず、会見の場で社内のトップ同士が醜いいがみ合いを晒すなど、成るべくして成ったというのが今日の東芝であろう。名門東芝にしてこの体たらくである。ここには多くの教訓が含まれていると思う。

2015年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2979.2015年7月10日(木) 中学2年生がいじめで自殺

 5日岩手県矢巾町の中学2年生が電車にはねられ死亡した事故で、生徒の死が自殺だったことを裏づける「生活記録ノート」が公表された。先生と生徒の交換日誌のようなものである。原因はいじめだったらしいと分かり、教育委員会と学校が慌てて今日記者会見を開いた。生徒がいじめで自殺したことはこれまでにもあった。だが、最近は川崎市多摩川堤の中学生暴行虐殺事件の影響もあって、学校教育におけるいじめについて異常に関心が高まり大きな問題となっている。そんな最中に中学生が自殺した。しかも大きな騒ぎになっているのは、生徒が自殺すると度々警告を発していたにも拘わらず、担任教師を始め、学校側がそのSOSサインを見抜けず、生徒の本音を捉えることができなかったからである。

 ノート上の言葉遣いからすると担任教師は、生徒のサインを悉く見逃している。死の1週間前には、「いつ消えるかはわかりません」とか、「死ぬ場所はきまってるんですけどね」とまで書いていて、それを読んだ教師は「明日からの研修たのしみましょうね」などとやや見当外れなことを書き込んでいる。

 生徒が書き込んだ「今まで苦しんできた」とか、「けんかをした」「もう生きるのにつかれたような気がします」「そろそろ学校やすみたい」とか、鉄砲弾のようにSOS信号を発信した。これではとても普通の学校生活を送っているようには思えない。それにも拘わらず、担任教師はこれを深刻な事態と受け止めず、同僚とも話合った形跡がない。

 確かにこの年齢の子どもを教育、指導するのは難しいとは思う。だが、一番頼りにされている身近な先生がSOS信号を出している生徒の窮状をほとんど感じ取っていないようでは、教師として失格であると思うし、教育現場を放棄しているのではないかと疑念も湧いてくる。文科省も調査に乗り出したが、学校現場でいじめをキャッチできず、生徒が警告を発していることに強い関心を示している。

 今後こういった悲しい事件の再発防止のために、教師とは何かということを改めて考え、教師の指導力の強化、生徒同士が思いやる気持ちと友情を学校内でどう育んでいくかを学校ばかりでなく、地域社会が一体となって真剣に考える必要があるのではないか。

 さて、ギリシャの財政危機と借金問題であるが、一応ギリシャはEUに財政改革で歩み寄る案を提出したようだ。自国の厳しい立場ばかり主張して、ドイツ辺りからはやや虫が好いと受け取られているギリシャが、付加価値税を現行13%から23%へ引き上げることや、軍事費の削減でEUとほぼ一致した。EUから強く求められている年金の削減についても、割合は決まっていないが、お互いに早期退職の縮小や受給開始年齢の引き上げで意見が一致したようだ。ただ、国民に負担がかかる改革案については、国民投票で反対意見が強かっただけに、ギリシャ国民が妥協案をどう受け取るかに懸っている。まだまだそう簡単には解決の見通しは立ちそうにない。

2015年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2978.2015年7月9日(木) 世界遺産と世界の人気観光地

 安保法制や集団的自衛権の行使容認をめぐり、地方議会でも活発な議論が行われ、その結果意見書が国会へ届けられた。その中で331地方議会のうち、安保法制について賛成の意見書を可決したのは僅か6議会である。他方、慎重派議会は181、反対派議会は144である。国会では賛成派が圧倒しているが、実は国の隅々まで反対派が多いのである。これら反対の声を国会ではどうして斟酌し、拙速を諌めることができないのだろうか。しかもちょっと気になったのは、僅か6つしかない賛成派市町村議会の中に八王子市、三鷹市、調布市、町田市、日野市の都下5市が含まれているのは意外だった。かつてはベッドタウンと呼ばれ、人口が急増した郊外都市に戦争法案とも呼べる法案に賛成し、右寄りの考えを促す何かしらの要因があるのだろうか。どうにもその辺りの因果関係がよく分からない。

 さて、3日前に今年の登録世界遺産が決まった。日本関係では、戦時中の強制労働表示について韓国とのすったもんだのやり取りの末、漸く「明治日本の産業革命遺産」が登録された。これは全国9つの地区にまたがる23の遺産から成るもので、とても一度に覚えきれるものではない。この中で偶々三池炭鉱と旧グラバー住宅は見学したことがあるが、前者は韓国からクレームがついたいわくつきの遺産である。

 今年登録された国内外の世界遺産は、文化遺産が23か所、複合遺産が1ヶ所である。その中にシンガポールの植物園がある。以前何度となく訪れたことがある植物園はシンガポールにとって初めての世界遺産登録である。園内は緑が多くて心が安らぐところではあるが、まさか世界遺産になるとは思いも寄らなかった。日本人にとって驚くのは、今でもあると思うが、確か横綱栃錦か若乃花の土俵入りの石像があったことである。

 もうひとつ訪れたことがある世界遺産はトルコのエフェソスである。ここには2度行ったことがあるが、2度目の訪問は1999年に妻とエーゲ海クルーズで出かけた時である。古代の図書館外壁や、古代劇場、聖母マリア生誕地など興味深い観光スポットが数多く残されており、その他にも古代の敷石がきっちり敷き詰められた散歩道など見どころが多く、その当時どうしてこれだけ多くの貴重な遺跡が保存されていながら世界遺産として登録されないのだろうとその場で首を傾げたものだ。その意味でも今年になってやっと世界遺産に登録されて嬉しく思っている。これで、私の訪問世界遺産も175か所になった。目標の200か所まであと25か所である。何とか元気なうちに目標を達成したい。

 観光関連ニュースとしてもうひとつの注目は、昨日発表された「世界の人気観光地」リストである。これは、アメリカの大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」が発表したものだが、その最上位に去年に続き、「京都」がランクアップされたことである。2位以下10位までは、チャールトン、シェムリアップ、フィレンツェ、ローマ、バンコック、クラクフ、バルセロナ、ケープタウン、エルサレムなどいずれ劣らぬ有力観光地である。有名都市でランク外になったのは、クスコ、パリ、ニューヨーク、東京だが、あまり馴染みのないチャールストンが昨年同様2位にあるのは、雑誌自体が北米の富裕層を顧客にしているお陰であろう。チャールストンは古く落ち着いた歴史的な港湾都市のようであるが、残念ながら7位のクラクフ(ポーランド)とともにまだ訪れたことがない。

 それにしても中学生時代を過ごした京都の人気たるや国内外で圧倒的である。ここには日本の歴史と文化、伝統すべてがあって直に触れることができる、との外国人観光客の評価を聞くとなるほどと頷けるものがある。加えて治安の良さがある。

 これからも私自身機会があれば、海外の多くの都市をもっと訪れてみたいと願っているが、それには何と言っても健康が大切であると感じている。来月孫を連れてサンフランシスコへ出かけるつもりだが、その1週間前に慶應病院で恒例の人間ドック検査を受ける予定で、すっきりしてから出かけたいと思っている。

2015年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2977.2015年7月8日(水) ギリシャの財政不安と新国立競技場の行方は?

 ビッグ・ニュースが盛り沢山である。海外では例によってEUがギリシャの金融破綻に戸惑いその対応にあたふたし、それに対するギリシャ国民の当惑と同時に屈託のなさも外国人の興味と関心を呼んでいる。もうひとつのビッグ・ニュースはギリシャに間接的に影響を受けた中国株式市場が8%も値下がりし、その大きな値下がりぶりもこの3週間内で実に32%以上にも上るという。これは今日の東京証券市場が638円も下がり、2万円割れとなった以上に世界中に厳しい印象を与えている。

 注目のギリシャについては、今日チプラス首相がブリュッセルで開かれたEUのユーロ圏首脳会議に出席し、新たな金融支援を要請した。これに対してEUは9日までに具体的な緊縮策を示すよう要求した。だが、緊縮策は受け入れられないと国民が彼らの意思を示したばかりで、ギリシャがすんなりEUの要求通り実現可能な具体案を提案できるかどうかは予断を許さない。もし、話がまとまらない場合は、早晩ギリシャのEU離脱がスケジュールに上って来る。

 このところギリシャ人の性格、国民性についてジョーク交じりに茶化すような題が後から後から暴露されている。国家よりまず自分のことを考えるとか、悪意はないがあまり他人のことに関わろうとしないとか、日本とは真逆の性格と行動パターンであると面白おかしく紹介していた。

 だが、実際にはギリシャ国民は外国人や外の人に対して親切過ぎるほど親切である。小田実が感心した言葉でたった一語で「外国人好き」を表す「フィロクセノス」という言葉があるくらい、ギリシャ人は外国人に興味や感心があり、外国人に親切な国民なのだ。残念なことに、この度のデフォルト騒ぎで彼らの国民性まで誤解されかねないことになってしまった。

 一方国内ニュースでは、この数日話題になっていた新国立競技場の工費が、有識者会議で2520億円に決まり了承されたと報告され、メディアが大々的に報道している。このプロジェクトばかりは、当初からお粗末な決め方であると大方の関係者から首を傾げられ不興を買っていた。工事完成が果たして2019年のオリンピック前年までに間に合うかどうかも問われている。金額は決まったが、その財源は必ずしも当てがあるわけではなく、今から未定の財源の確保が懸念されている。それにしても500億円程度の北京大会、ロンドン大会の主会場に比べて大幅に費用がアップしたのは、建物の構造自体に建築上難しさがあったからである。その難しいデザインの建築を設計したのがイラク人建築家であり、それを強く推薦したのが、著名な建築家・安藤忠雄氏である。だが、その肝心な安藤氏がこの有識者会議に個人的な事情で欠席したとあっては、敵前逃亡と呼ばれても言い逃れできないだろう。

 とにかく、最初からやることなすことすべてに歯車が狂っている。これで当初設計にあった屋根の取り付けや、仮設座席の大会後の設置を考えると、更に費用が上乗せされるというのだから話にならない。

2015年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2976.2015年7月7日(火) 安倍政権の強力な支持母体「日本会議」

 相変わらずの雨模様で外出に傘が手放せない。今日も小雨が降ったり止んだりの空模様で気分も晴れない。南方洋上にはまだ3つの台風が虎視眈々と日本本土に襲いかかろうと狙っているようだ。折しも今日は暦のうえでは「七夕」である。一年にたった一度のロマンチックな織姫と牽牛の逢瀬は今年は叶うまい。

 今日はいつも通り駒澤大学の公開講座「実践的ジャーナリズム論」を聴講した。片山正彦講師は7年前の最初の講義から聴講していたが、一時健康を害され過去2年間は講座を持たれなかった。漸く健康を取り戻されたということから、今年は3年ぶりの講義再開である。以前とはかなりイメージが異なるほど痩せて、完全復調というのにはもう少し時間がかかりそうである。一日も早くご健康を取り戻されるよう祈っている。

 今日の講義で片山講師は「日本会議」という組織について話をされた。驚いたことに、第3次安倍内閣の主要閣僚19人のうち、実に15人が「日本会議」の議員連盟のメンバーだという。3人の首相秘書官も揃ってメンバーである。安保法制を合憲と考えている3人の憲法学者はいずれも「日本会議」会員である。このことからもメンバーはいずれも安倍政権をヨイショし、急激な右傾化への道を歩む原動力も実にこの「日本会議」の力が大きいということは言えるようだ。

 しかし、現在の「日本会議」役員名簿を見ると少々お粗末なことに、著名だった故人が名を連ねている。特に板垣正氏や市川晋松氏が代表委員にリストアップされているが、板垣氏はあの板垣征四郎大将の子息であり、長らく日本遺族会専務理事を務められ、その当時戦没者遺骨収集事業で随分お世話になった。その後参議院議員になられ、かなり前に亡くなられた。もう一人の市川氏は元横綱佐田の山ではないかと思う。やはり大分昔に亡くなった。こんな好い加減なHPのままでは通常誰も信用しなくなるだろう。それが、どういうわけだか、右翼政治家が挙って会員として名を連ね、安倍政権の後押しをしているとはどういう隠れた事情があるのだろうか。

 かつては、自民党の支持母体には笹川一族が関わる財団組織「日本財団」が隠れ蓑のように使われていたが、今ではそれが「日本会議」に代わったようだ。

 片山講師が敢えて「日本会議」関連記事を「週刊プレイボーイ」からコピーして、持って来られたのは、これから戦争へ突き進もうとする安倍政権の支持組織である「日本会議」会員の動きを注視することを求められたのだろう。

 片山講師は元共同通信記者だった経験から、報道の課題と、ジャーナリストのあるべき心構えについて日ごろ考えておられることを話された。公安事件と刑事事件の違いや、オウム真理教事件について社会部記者の経験から留意点をコメントされた。

 さて、また好ましくないニュースを耳にすることになった。九州電力川内原発で来月中旬の再稼働を想定し、原子炉に核燃料を搬入する作業が始まった。福島第1原発事故を受けて施行された新規制基準の下で、全国初となる再稼働に向けた準備がいよいよ整ったというべきであろう。九電は、この1号機に続いてすぐさま2号機の再稼働を目論んでいる。安保法制が国民の目を集めている隙間を狙ったように、原発再稼働をスタートさせようと企む役所とタイアップした九電のしたたかな戦法には唖然とさせるものがある。

2015年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2975.2015年7月6日(月) ギリシャ、国民投票でEUの提案を拒否

 昨夜半日本にとって少しばかり気になるニュースがあった。ドイツのボンで開かれていたユネスコの世界遺産委員会で、日本が申請していた「明治日本の産業革命遺産」が登録直前で韓国のアピールにより、登録が申請通り認められるかどうか危うい状態にあった。最終的にいくつか説明を加筆したり、その主旨が充分周知されるよう啓蒙のための施設を新設することなどをして調整し大筋認められることになった。しかし、登録が一日延期されたことにより、それらの遺産の所在地では慶祝の気分も今一つ盛り上がらないようだ。当初から日本の登録申請に対して、韓国側はいくつかの産業遺産は植民地時代に朝鮮半島から強制徴用された労働者が、厳しい労働を耐え忍んだからこそ工場は稼働できたことを解説書に盛ることを要望していた。

 先月の日韓外相会議でそのハードルはクリアされたと思っていたところ、両国が詰めの話し合いで最終合意に至っていなかったようである。ここまでこじれると、そうまでして果たして世界遺産として登録することが望ましいのかどうか疑問さえ感じる。あまり後味の良くない今年の世界遺産登録の経緯である。

 もうひとつ日本経済にとっても大きな問題は、昨日ギリシャで行われた国民投票の結果の行方である。今年2月の就任直後からチプラス・ギリシャ首相の言動は揺れ動いていて、EU側とギリシャ国内の世論を手玉に取っているように感じている。ギリシャのIMFからの借金返済について、EUの財政緊縮要請に対して自らは決断せずに、国民にその判断を委ねたことも無責任のそしりを免れない。それでいながらEUに対してEUの緊縮策を受け入れる用意があるとEUの様子を窺いながら、国民にはEUの緊縮策には反対するよう呼びかけたことなど、その二律背反的言動は一国のリーダーとしては些か不可解である。チプラス首相はギリシャ国民の支持を背景に、EUとの条件闘争に乗り出すのではないかとの詮索もある。EUの首脳陣の中には、これ以上ギリシャを信用できないという人もいる。EUの蔵相会議ではチプラス首相、並びにギリシャ国民に対する不満と不信がわだかまっている。

 そして国民投票の結果は、緊縮反対派61.31%に対して、賛成派は38.69%で民意は圧倒的に反対派が勝利した。チプラス首相は有権者が勇気ある選択をしたと評価し、改めてEUと交渉することを述べているが、EUにとっては思惑が外れ、例えギリシャが仕切り直しを言い出したところで、自分たちの都合だけを主張するギリシャの申し出をそう簡単には受け入れられないだろう。こうなるといよいよデフォルトの可能性も出てきた。ギリシャがEU圏から離脱するのではないかとの心配の声も聞かれ、世界中にギリシャ経済の不安感が覆いかぶさろうとしている。日経平均株価は今日だけで427円も下がった。

 アテネ市内では銀行機能が半死状態でこの不便な経済活動に市民がいつまで我慢できるのだろうか。チプラス首相の手腕が改めて問われると同時に、EUの緊縮要請を突き返したギリシャ国民の我慢はいつまで耐えられるだろうか。しばらく目が離せない。

2015年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2974.2015年7月5日(日) 母校湘南高ラグビー部、宿敵浦和高を撃破

 今年は母校湘南高校ラグビー部が創部されて65周年になる。OB会(SRC)幹部が年初以来知恵を絞って企画した記念行事のひとつ、名門埼玉県立浦和高校ラグビー部と母校との親善試合が今日藤沢市の秋葉台運動公園で行われた。

 先週来近づく3つの台風の影響もあって天候が優れず心配していた。案の定天気予報通り朝から小雨が止むことなく降っている。試合の他に両校OB会同士の懇親会が予定され、出席の回答を提出しているので、キャンセルするわけに行かず車で出かけた。

 今日の試合は戦前からどう見ても分が悪い。なにせ相手校浦和高は進学校であるにも拘わらず昨年正月の全国高校大会に埼玉県代表校として出場した強豪である。だが、勝てると思っているOBもいた。

 降雨の中をスタンドで観戦した現役戦は、どうにか良い勝負をしているなと見ていたが、続けざまに2本のトライを奪われ前半を0-14で折り返し、このままずるずるっと得点を重ねられるのではないかと気になっていた。だが、後輩たちはそこで踏ん張り浦和の攻勢に堪え、逆に盛り返し後半は浦和から4つのトライを挙げて零封し、26-14でノーサイドとなった。思いも寄らない逆転勝ちである。湘南サイドばかりでなく、浦和にとっても予想外の結果となったようだ。

 その後行われた1年生チームの試合では0-17で敗れ、OB戦は湘南が5-0で勝った。1年上級のT先輩は相変わらずのタフネスぶりを発揮してプレイしていた。

 試合後近くのイタリアン・レストランを借り切ってOB同士の懇親会が行われたが、両校併せて百名近いOBが顔を見せられた。湘南からは校長、副校長、前副校長も出席された。私は前OB会長として簡単な挨拶と乾杯の発声をした。多くのOBがそれぞれ希望や思い出話を述べて、かつての浦和―湘南交流試合を懐かしがっていた。両校の全運動部に亘る対抗試合は、かつてNHK教育番組でも紹介されたほど話題となった。第1回の1957年から2002年まで毎年浦和か湘南で隔年にどちらかの学校で行われていたものであるが、私が卒業した翌年から行われたので当然ながら記憶はない。ただ、この交流試合に関わったOBたちにとっては今でも懐かしく想い出す青春の1ページのようである。

 久しぶりの試合では湘南サイドには浦和に勝ったという自信が生まれ、一方で浦和には悔しさのあまりリベンジの声も出ていた。今日の懇親会場でも全運動部の交流試合は当面難しいとしても、ラグビー部同士の対抗試合は今後復活することは可能ではないかと期待する声があった。

 青春時代にラグビー・ボールを仲立ちにして仲間となったラガーマンは、いつまでも楽しかったメモリーを忘れられないのだ。どんな形でも良いと思うが、公式戦のほかに同じような文武両道の高校同士が毎年力試しに親善試合を続け、それが良い思い出となって後輩たちに伝えられるならこんな素晴らしいことはないと思っている。その意味でも今日の親善試合は良い思い出を甦らせてくれた。一日も早い両校の交流戦復活を願って止まない。

2015年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2973.2015年7月4日(土) 勝利より敗戦が多くても優勝?

 今朝新聞のスポーツ欄を見て「あれっ?」と首を捻った。見出しにはこう書いてある。「セ界初 全球団借金」とある。何のことはない。プロ野球セ・リーグのヤクルト・スワローズの37勝38敗を首位に、36勝37敗の阪神タイガースが2毛差で続き、以下4球団すべてが負け越しという珍事を冷やかしているのである。仮にこのままペナントレースが最終戦まで行ったら勝率5割以下の成績で優勝するハプニングが起き、ファンの目を白黒させるばかりである。プロの世界で勝率5割に達せずして、果たして優勝に価する成績と言えるのかどうか。更にこの優勝チームがパ・リーグの覇者を打ち破り日本選手権チームとなったら、一層優勝自体に優勝の価値があるものかどうか疑わしいものとなる。卑しくもその年日本全国で最強の野球チームが、実はその年に限っては勝率5割にも達していなかったというびっくり箱になる。

 この原因はプロ野球界には昔から知恵者がいなかったことから、つい中途半端で安易な企画を考え出し、手軽に興業収入を稼ぎ出そうとする悪弊があったからである。

 そもそも日本各地に野球を普及させ、ファンと球団が一体となったフランチャイズ制度をしっかり確立させ、興行と人気の両面でスマートにマネージメントを導入しようという気持ちがオーナーや経営者にないからである。

 その点を当事者らはすでに気がついているようだが、今では12球団を適正な球団数にしようとの声は少数派になり、現在の12球団を念頭にあの手この手を考えるから、予想外の不思議なアイディアしか生まれない。2つのリーグに分かれたままで試合をすれば、同じ5球団相手に1年間戦い、ペナントレース後半に勝負の見通しが立った時点で残り試合は消化試合となる。これでは顧客であるファンは納得しない。ここが知恵の出し所だが、一向にそういう建設的な意見が提案されず、毎年同じ相手と対戦してお茶を濁していた。その挙句数年前にセ・パ交流戦という新手の公式戦が考えだされた。これが今回の珍事の遠因である。

 だが、この交流戦より根が深いのが、プロ野球界の日本一チーム決定を左右しかねないクライマックス・シリーズという制度である。かつては、2リーグの優勝チーム同士で争っていた日本シリーズを、日本シリーズ出場権を得るためのクライマックス・シリーズというトーナメントで、同リーグ内の6チーム中上位3チームに出場権を与えることにした。これが今回の珍事の下敷きにもなっている。勝率5割を割ろうともクライマックス・シリーズで勝ち上がれば、日本選手権出場権を獲得し、これに勝てば日本一になれるという下剋上優勝が可能になったのである。

 しかし、どう考えてもこのシステムはおかしくないだろうか。その内勝率4割でも優勝するチームが現われるかも知れない。

2015年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2972.2015年7月3日(金) 映画「卒業」をテレビで再び観る。

 今年は自然災害に見舞われる一年になりそうな気がしている。国土が火山の上に築かれているような気味悪さがあるが、昨秋の御岳噴火を見るまでもなく、最近の箱根、浅間山や口永良部島、桜島でも活発な火山活動がある。聞けば箱根には新たな小噴火孔が3つも見つかったそうで、警戒区域も広げられ、箱根ロープウェイが全線運休になり、ロープウェイはその代替輸送としてバスを走らせていたが、その路線も警戒区域に指定され、バスの運行も中止となった。

 小笠原諸島近くに昨年来火山噴火でできつつある西之島も日に日に大きくなり、空へ向けて火花と噴煙を噴き上げるシーンがテレビで紹介されたが、海底ではどうやらマグマが蠢いているようだ。

 このところ九州地方の雨量も例年になく大量で、そこへ台風発生とある。しかも、一度に3つの台風が南方洋上に発生して天気予報も忙しい。今週から来週にかけて天候が不安定のようだ。ただひとつ、明後日行われる湘南高ラグビー部創部65周年行事のひとつ、対県立浦和高戦が順調に行われるかどうかが気がかりである。

 さて、今日は夕食後古い映画「卒業」を妻と観た。その理由は、今春高校生になった男児の孫に生のアメリカ、アメリカの空気を生で知ってもらうため、つまりアメリカの臨場感を知らしめるために来月サンフランシスコへ連れて行くことを計画中だからである。サンフランシスコ滞在中には二人で市内を公営交通機関を利用しながら歩き回りたいと考えている。中でも地下鉄(BART)で対岸のオークランドへ行き、名門校カリフォルニア大学バークレイ校(University of California,Berkeley)の豊かなキャンパスを見せてやりたいと思っているところだが、偶々「卒業」ではバークレイ校のキャンパス風景が見られると思ったからである。長男にも連絡してできれば、ビデオ撮りして孫に見せてはどうかと伝えたところである。

 それにしてもこの映画は大分以前に観たにも拘わらず、強く印象に残っている。それはサイモン&ガーファンクルの主題歌♪The Sounds of Silence♪を始め、♪Scarborough Fair♪♪Mrs.Robinson♪など画面に流れるバックグラウンド・ミュージックが良かったせいでもある。改めて思い出してみるとどうも感覚的に合わないところがある。妻もそう言っていた。それもその筈である。何と1967年の作品では、半世紀前のものだ。無理もない。私の思いこみの中には、ベトナム戦争の最中にアメリカの学生たちが反戦運動を点火したのが、このキャンパスからだという気持ちが強い。そういう意味でも懐かしい映画である。そのバークレイに再び足を踏めるというのは、考えるだけで嬉しくなってくる。

2015年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2971.2015年7月2日(木) 懲りない面々、傲慢な自民党議員

 「文化芸術懇話会」と称してはいるが、「文化」や「芸術」を論じない安倍首相に近い若手の勉強会で3人の愚かな自民党議員が放言したことが問題になり、自民党は木原青年局長を更迭し、当の3人の議員に対しても厳重注意した。その背景には今の自民党が多数派を拠り所に思い上がっていることがあり、その後もこの3人は自らの発言に問題があったとは思っていないと開き直る有様である。

 3人の発言は明らかにメディアへの政治的圧力であり、許されることではない。ただ、こういう傾聴すべき見方もあった。西田亮介・立命館大学特別招聘准教授が今日の朝日朝刊に以下のような声を寄せている。「~最近は露骨な『圧力』が目立ってきた。ネットを介して有権者に直接訴えられる時代になり、2000年代から力を入れてきたマーケティングやPRが選挙などで実を結んできたことが背景にある。いまや発信力に長けた政治のメディア戦略が、メディアの権力監視機能を上回っている。勉強会の発言への批判が燃え広がったのはたまたまで、内容は目新しくない。メディアは政治の戦術を読み解き、環境の変化に対応して取材、報道手法の見直しを進めてほしい」というものである。報道合戦で今ではメディアより政治の方が上回っているとの鋭い意見である。確かにそういう面はあるかも知れない。メディア側がいつも後手に回っている感じである。メディアも政治を上回る手練手管でやっつけてほしいものである。

 だが、それにしてもメディアに広告主がいなくなれば、メディアはやっていけないと大口スポンサーのいる経団連へプレッシャーをかけようというのは、言語道断である。考え方がいじけていて弱虫が陰口をしているように思える。

 沖縄の2社は絶対つぶさなあかんと名指しされた当の「沖縄タイムス」、「琉球新報」両編集局長が、今日外国特派員協会主宰により記者クラブで会見を行った。2人は勉強会の言動はいわれなき中傷であり、暴言であると自民党と安倍総裁を厳しく非難していた。冒頭ジェームズ・シムズ会長は、政府に対して報道の自由に影響する行為を控えるよう求め深い憂慮を表明した。外国人記者のひとりは、安倍首相に謝罪を要求するかと尋ねると2人はそうすると応えていた。偶々今日開かれた沖縄県議会で安倍首相に発言の撤回と謝罪を要求することが決議された。

 いずれにしろ議席数で圧倒する自民党がよほど態度を改めて謙虚にならなければ同じような事態が再び起こることは必定である。ある番組でこの勉強会に集まった議員の名前とできれば選挙区を明らかにすればいいと述べていたが、今朝の新聞には議員名と選挙区が書かれている。これで喋り過ぎの議員たちが言いたい放題のおしゃべりをやめるだろうか。

 それにしても政治家が絡むとすべて次元が低くなる。それほど彼らの質が落ちているのだ。馬鹿げている。

2015年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com