2979.2015年7月10日(木) 中学2年生がいじめで自殺

 5日岩手県矢巾町の中学2年生が電車にはねられ死亡した事故で、生徒の死が自殺だったことを裏づける「生活記録ノート」が公表された。先生と生徒の交換日誌のようなものである。原因はいじめだったらしいと分かり、教育委員会と学校が慌てて今日記者会見を開いた。生徒がいじめで自殺したことはこれまでにもあった。だが、最近は川崎市多摩川堤の中学生暴行虐殺事件の影響もあって、学校教育におけるいじめについて異常に関心が高まり大きな問題となっている。そんな最中に中学生が自殺した。しかも大きな騒ぎになっているのは、生徒が自殺すると度々警告を発していたにも拘わらず、担任教師を始め、学校側がそのSOSサインを見抜けず、生徒の本音を捉えることができなかったからである。

 ノート上の言葉遣いからすると担任教師は、生徒のサインを悉く見逃している。死の1週間前には、「いつ消えるかはわかりません」とか、「死ぬ場所はきまってるんですけどね」とまで書いていて、それを読んだ教師は「明日からの研修たのしみましょうね」などとやや見当外れなことを書き込んでいる。

 生徒が書き込んだ「今まで苦しんできた」とか、「けんかをした」「もう生きるのにつかれたような気がします」「そろそろ学校やすみたい」とか、鉄砲弾のようにSOS信号を発信した。これではとても普通の学校生活を送っているようには思えない。それにも拘わらず、担任教師はこれを深刻な事態と受け止めず、同僚とも話合った形跡がない。

 確かにこの年齢の子どもを教育、指導するのは難しいとは思う。だが、一番頼りにされている身近な先生がSOS信号を出している生徒の窮状をほとんど感じ取っていないようでは、教師として失格であると思うし、教育現場を放棄しているのではないかと疑念も湧いてくる。文科省も調査に乗り出したが、学校現場でいじめをキャッチできず、生徒が警告を発していることに強い関心を示している。

 今後こういった悲しい事件の再発防止のために、教師とは何かということを改めて考え、教師の指導力の強化、生徒同士が思いやる気持ちと友情を学校内でどう育んでいくかを学校ばかりでなく、地域社会が一体となって真剣に考える必要があるのではないか。

 さて、ギリシャの財政危機と借金問題であるが、一応ギリシャはEUに財政改革で歩み寄る案を提出したようだ。自国の厳しい立場ばかり主張して、ドイツ辺りからはやや虫が好いと受け取られているギリシャが、付加価値税を現行13%から23%へ引き上げることや、軍事費の削減でEUとほぼ一致した。EUから強く求められている年金の削減についても、割合は決まっていないが、お互いに早期退職の縮小や受給開始年齢の引き上げで意見が一致したようだ。ただ、国民に負担がかかる改革案については、国民投票で反対意見が強かっただけに、ギリシャ国民が妥協案をどう受け取るかに懸っている。まだまだそう簡単には解決の見通しは立ちそうにない。

2015年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com