今年は母校湘南高校ラグビー部が創部されて65周年になる。OB会(SRC)幹部が年初以来知恵を絞って企画した記念行事のひとつ、名門埼玉県立浦和高校ラグビー部と母校との親善試合が今日藤沢市の秋葉台運動公園で行われた。
先週来近づく3つの台風の影響もあって天候が優れず心配していた。案の定天気予報通り朝から小雨が止むことなく降っている。試合の他に両校OB会同士の懇親会が予定され、出席の回答を提出しているので、キャンセルするわけに行かず車で出かけた。
今日の試合は戦前からどう見ても分が悪い。なにせ相手校浦和高は進学校であるにも拘わらず昨年正月の全国高校大会に埼玉県代表校として出場した強豪である。だが、勝てると思っているOBもいた。
降雨の中をスタンドで観戦した現役戦は、どうにか良い勝負をしているなと見ていたが、続けざまに2本のトライを奪われ前半を0-14で折り返し、このままずるずるっと得点を重ねられるのではないかと気になっていた。だが、後輩たちはそこで踏ん張り浦和の攻勢に堪え、逆に盛り返し後半は浦和から4つのトライを挙げて零封し、26-14でノーサイドとなった。思いも寄らない逆転勝ちである。湘南サイドばかりでなく、浦和にとっても予想外の結果となったようだ。
その後行われた1年生チームの試合では0-17で敗れ、OB戦は湘南が5-0で勝った。1年上級のT先輩は相変わらずのタフネスぶりを発揮してプレイしていた。
試合後近くのイタリアン・レストランを借り切ってOB同士の懇親会が行われたが、両校併せて百名近いOBが顔を見せられた。湘南からは校長、副校長、前副校長も出席された。私は前OB会長として簡単な挨拶と乾杯の発声をした。多くのOBがそれぞれ希望や思い出話を述べて、かつての浦和―湘南交流試合を懐かしがっていた。両校の全運動部に亘る対抗試合は、かつてNHK教育番組でも紹介されたほど話題となった。第1回の1957年から2002年まで毎年浦和か湘南で隔年にどちらかの学校で行われていたものであるが、私が卒業した翌年から行われたので当然ながら記憶はない。ただ、この交流試合に関わったOBたちにとっては今でも懐かしく想い出す青春の1ページのようである。
久しぶりの試合では湘南サイドには浦和に勝ったという自信が生まれ、一方で浦和には悔しさのあまりリベンジの声も出ていた。今日の懇親会場でも全運動部の交流試合は当面難しいとしても、ラグビー部同士の対抗試合は今後復活することは可能ではないかと期待する声があった。
青春時代にラグビー・ボールを仲立ちにして仲間となったラガーマンは、いつまでも楽しかったメモリーを忘れられないのだ。どんな形でも良いと思うが、公式戦のほかに同じような文武両道の高校同士が毎年力試しに親善試合を続け、それが良い思い出となって後輩たちに伝えられるならこんな素晴らしいことはないと思っている。その意味でも今日の親善試合は良い思い出を甦らせてくれた。一日も早い両校の交流戦復活を願って止まない。