3291.2016年5月17日(火) 舛添要一・都知事が疑惑を説明できない記者会見

 昨晩9時23分ごろ突然ぐらぐらと揺れ、ガラガラッと大きな物音がした。久しぶりの揺れにびっくりした。東京都内では震度3の地震である。埼玉県小美玉市を震源地とする最大震度5弱だったが、茨城県地方は東海原発が運転を停止させた。しかし、これからも不安は残る。

 熊本地震の余震も相変わらず止むことがないが、昨日は宮崎県日向灘を震源とする地震が発生し、これまで熊本、大分地方に集中していた地震が、余震の影響だろうか、いよいよ宮崎、鹿児島方面へも影響して安全神話が怪しくなってきた。問題は鹿児島には稼働中の川内原発があるからである。

 さて、縁起でもない「13日の金曜日」に、舛添要一・東京都知事が海外高額出張費や公私混同疑惑解明のための釈明記者会見を行ったが、その説明は自己本位で納得の行かないものばかりだと批判的な声が多い。13日以降テレビのワイドショー番組では、入れ替わり立ち代わり評論家が、知事の説明に対して過去の業績を引っ張り出しては不可解な点や問題点を指摘し、追及している。

 舛添知事という人物は、幼い頃より頭が切れ学業は優れていたようだが、人一倍上昇志向が強く、また金銭面でケチな印象を受ける。それでも過去の経歴では、若干寄り道をしながらも大体順調に階段を上ってきたと言える。

 しかし、社会保険庁の年金不祥事問題発生後に厚生労働大臣へ就任して、また猪瀬直樹・前都知事が徳洲会から不正融資を受けた疑惑が発生し辞任した後に、猪瀬前知事の後を継ぎ都知事となってからは管理者の責任論とか、明朗な支出、他人が納得できる行動などきれいごとを言っておきながら、自身は前任者の不祥事の上塗りをするような怪しいパフォーマンスをやっている。ルール上許されると言ったり、私的費用を公金として使っていながら表沙汰になると言い逃れする「二枚舌知事」である。

 ほぼ毎週湯河原の別荘へ公用車で出かけていながら、公用車は動く知事室とぬけぬけと言い逃れしようとする。世間が知事の行動をどう見ているかなんてことはまるで考えていない。

 知事が世間でいかに信頼されていないかと感じたのは、メディア各社が実施した、知事の記者会見を納得できると応えた人が、たったの2%弱だったのである。つまり理解できないと応えた人が圧倒的に多く、約98%だったというから何をかいわんやである。感度が鈍く、行政の長としての資質に欠けるのではないだろうか。これでも知事は職を辞する気持ちがないと語っていたが、こんな不誠実で嘘つきな知事を誰が擁護すると思うのだろうか。知事選で舛添知事を推薦した自民党谷垣幹事長が、この茶番に猛省を促すとまで言っている。

 次の都議会は6月1日に開かれるそうだが、野党側からの質問に対してどんな対応で逃げ切ろうとするのだろうか。オリンピック開催地東京は、またまたすっきりしない空模様になってきた。

2016年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3290.2016年5月16日(月) トランプ現象に見るアメリカ人の本質と本音

 アメリカ大統領選で共和党の候補者指名がほぼ確実視されているドナルド・トランプ氏の保護主義的なアメリカ第一主義とアメリカの内向き思考が、海外やアメリカ国内のリベラル派に不安を抱かせ、また批判的な声が上がっている。予備選がスタートした時点では、いかに不動産王として成功したとは言え、与しえない人物や国を徹底的に非難罵倒し、人道的にも許されない発言をするに至っては、とても常識ある人間の行動とは思えず、所詮泡沫候補の域を出ないと思われていた。それが、選挙戦が進むに連れ、撤退どころか反って得票を伸ばしライバルを悉く降し、遂には指名候補に最も近い位置に近づいた。

 実は私もいずれトランプ氏は敗北し選挙戦から降りるだろうと考えていた。それは、アメリカ人のホスピタリティや、公平感、良識を信じていたからである。誤解に基づいて他人を誹謗中傷し、イスラム系移民を国外追放とか、難民受け入れ反対のようなアメリカの建国の歴史をも否定するような発言には、海外を含め多くの国民から顰蹙を買うどころか、反感を買っていた。それでもトランプ氏は勝ち続けた。アメリカの良心というものに失望した。もう少し常識と思いやりのあるのがアメリカ国民だとの思い込みは見事に裏切られたような気がした。

 11月の本選で民主党候補者との一騎打ちはどうなるのだろうか。もし、トランプ氏が本選で勝つようなことになりアメリカ大統領に選出されたら、これまで予備選中にトランプ氏から非難されていた外国人はどんな気持ちに捉われるだろう。

 そんな折今朝の日経紙の「池上彰の大岡山通信」に池上氏が、ある程度納得できる寸評を書いていた。「トランプ現象は突飛か」「内向き米国実は昔から」とコメントしている。アメリカは元々「世界の警察官」ではなく、モンロー第5代大統領の南北米大陸以外に関して干渉しない外交方針「モンロー主義」が基調にある。他国の外交に深入りしないのだ。ヨーロッパで火蓋を切った第1次、第2次世界大戦でも、アメリカは関わろうとしなかった。第1次大戦では、アメリカ客船がドイツの潜水艦によって撃沈され激高した国民の声に押されて参戦を決めた。第2次大戦でも日本軍の真珠湾攻撃の不意打ちに怒った世論に押されて報復行動に出たとされている。戦後「世界の警察官」としてアメリカが孤立主義を放棄したのは、ライバル・ソ連が台頭し影響力を強めてきたからで、アメリカの歴史の中ではむしろトランプ流の考えが主流だった。

 池上教授が指摘するように、アメリカ人の考え方やアメリカの本質がそういうことなら、これからは同盟国も考えを改めねばなるまい。当然日本もそうだ。私がアメリカ人の良識ある言動や判断を期待したのは幾分過剰評価で、思い過ごしだったということになるのだろうか。

 さて、ほんの1週間前にフィリピンで次期大統領選挙が行われ、あれよあれよという間にフィリピンのトランプと言われるダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ氏が圧倒的な勝利を収めた。この人もきつい言葉で事あるごとに、悪いヤツは殺すと口走り、領有権を争う南シナ海問題では水上バイクで行ってフィリピン国旗を立てると過激な発言を繰り返していた。だが、長年市長を務めたダバオ市の治安回復に大きな実績を上げた。それでも一国の大統領になって荒っぽい言葉遣い通り政治を行うわけにはいくまい。それが昨日の記者会見では、対立している中国に対して「戦争を望まない。全ての国と友好的な関係を持ちたい」とやや軟化してきたが、どこまで本音であろうか。仮に本音でないとすると中国と近い将来に戦火を交えることになるのだろうか。どうも物騒な発言をする大物が出現してきたが、時代の空気がそうさせるのだろうか。一般の国民が悩み右往左往しなければ良いがとどうも心穏やかになれない。

2016年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3289.2016年5月15日(日) 5.15事件記念日、ブログ10年目に突入

 最近はほとんどメディアでも報道されることがなくなった5.15事件が勃発したのは1932(昭和7)年の正に今日だった。海軍青年将校らのクーデター計画により、時の犬養毅首相が暗殺された。その2年前若槻禮次郎首相が出席したロンドン海軍軍縮会議の締結文に不満を持った若手将校、そして翌1931年満州事変を画策した関東軍参謀らがひたひたと暗い戦争へ歩を進めていった。そして1932年5月15日、事件が発生した。一昨年の拙著出版記念会に出席してくれた高校時代の友人の元通産次官・牧野力くんは、この事件の時の内務大臣だった牧野伸顕の曾孫に当たる。

 戦争の怖さ、恐ろしさ、核戦争防止をアピールするために、今月アメリカのオバマ大統領が広島を訪れることは大きな意義がある。それでいながら戦争へのめり込んで行った太平洋戦争のきっかけともなった5.15事件が、マス・メディアで一向に取り上げられず放って置かれることは、次の戦争防止・回避への警鐘を鳴らすことを避けているようで、どうも不可解で気になって仕方がない。

 最近特に感じることであるが、昨今のメディアはニュースの捉え方の視点、取材方法、現場感覚などの点で年々劣化の道を辿り、今や腰抜け同然となった。コクのある読み物がなくなった。大げさに言えば、民主主義の危機でもある。

 さて、このブログを書き始めたのは2007年の今日だった。爾来毎日コツコツと稚拙な文を書き続けて今日連続3289回を数えるに至った。文字数もほぼ4百万語になる。改めて今日から10年目に突入する。

 確かに毎日書き続けることはタフだと思うことは往々にしてある。疲れた時、深酒した時、書く時間がない時、海外へ出かけた時など、それでも何とか1日も欠かさず書いてこられたのは、多くの友人、知人に強く励まされたことが力となっている。今では僭越ながら「継続は力なり」を自分自身で実践できていると思っている。書き出して2年目に久恒啓一・多摩大学副学長から「近藤さんはブログの中でいつも何かに怒っているようだ」と仰っていただいた。やはり日常生活の中で自分自身が感じたことを黙って書いているつもりだが、現政治体制、政治家の劣化、世襲政治家の跋扈、他国の乱暴な行動、世の理不尽な事象、悪辣なパフォーマンス等々について、冷静に見てみると理不尽で許せないと思うことがしばしばある。つい若気の至り?が表れてしまう。昨年喜寿を迎え後期高齢者となりながら、相変わらず人間的に未熟だなぁと自身反省せざるを得ない。いまでは、自分なりに「後期」→「光輝」→「高貴」高齢者へと階段を駆け上がっていると思いあがってもいる。

 これからいつまで書き続けることができるか分からないが、取り敢えず母校湘南高創立百周年記念の2021年に、5千回達成を目標にして前向きに歩んでいきたいと考えている。やはり書き続けていると、読み返した時にふっとこんなこともあったなぁと懐かしく思い出すことがあるし、今とは違う考えだったこともある。何といっても文章を書くことに抵抗がなくなったことが大きい。これが最大の武器になっているかも知れない。

 今日を区切りに、一層の意欲を向上させて前進していきたい。

 なお、今日は沖縄が日本に返還されて44年目の1日でもある。その日沖縄から核施設は撤去されたが、日米両国が望めば核施設は沖縄に再設置できるとの密約があったようだ。だが、わが国は非核3原則を堅持している筈である。反動政権の言動如何で、今後騒がしくならなければ良いがなぁと思っている。

2016年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3288.2016年5月14日(土) 中国の非礼で傲岸な行動

 アメリカ国防総省が昨日中国の軍事力を分析した年次報告書を公表した。それによると中国は南シナ海の南沙諸島で東京ドームの約280個分、13㎢を埋め立て、この1年間でその広さは6倍以上になり軍事拠点化を進めていることがはっきりした。3000m級の滑走路も整備し、公船による活動などの海空軍事力を着々と強化しているようだ。尖閣諸島を含めた南シナ海一帯に対する軍事行動力を高め、在日米軍基地などを攻撃する能力を向上させたことは間違いないようだ。これまでもアメリカを始め、日本も中国の海上進出については度々牽制球を送っているが、中国側はまったく聞く耳を持たない。当然自国領海に近いベトナム、フィリピン、マレーシアなどは厳しく抗議をしているが、傲慢な態度で無視してそれが東アジアの安定化に大きな障碍となっている。

 そんな傲岸不遜の中国を嘲笑うかの如く、一昨日こんな新聞記事が掲載された。「英女王、中国の訪問団は『非礼だった』」というものである。昨年秋習近平・国家主席が訪英した際、エリザベス女王がバッキンガム宮殿で開かれたパーティで中国側の振る舞いについて思わず口をもらしたようだ。これについて中国外務省の報道局長は、訪問の成功を強調して自画自賛する一方で、誰がその映像を流したのかといら立ったところに、暴露されたことに対して八つ当たりしている感じがした。

 その中国が、2014年に「人民日報」他中国の新聞各紙が選んだその年の「今年の世界10大ニュース」のトップに挙げたのが、恥ずかし気もなく「わが国の外交が世界から称賛」だそうである。どうしてこんなデタラがトップニュースになるのだろうか。わが国とは言うまでもなく「中国」自身である。中国から莫大な援助を受けている小国を除いて、どこの国も中国の外交に呆れはすれども称賛なんてことはこれっぽちも思ってはいない。ただ、中国がそう言われてみたいだけなのである。ありえないことを堂々と世界へ向かって発信するとは、とてもまともな国のやることではあるまい。所詮3等国に過ぎないことを自ら進んでアピールしているだけである。

 あまり他国のことを批判したくはないが、現代中国にだけはやはり一言言っておきたい。他へ語るよりまず自分自身を律せよと。この国が行うことは、少々世界の常識から外れてはいないだろうか。果たして礼儀や作法の心を伝えた孔子や孟子は、本当に中国に生まれた人物なのだろうか。現代の中国人の行動パターンを見ているととても信じられない。これからも中国には世界中が悩まされそうだ。

2016年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3287.2016年5月13日(金) ヘイトスピーチ禁止法案、参議院本会議で可決

 ついにブラジルのルセフ大統領の弾劾裁判が決まった。これにより大統領は180日間職務を停止され、その間開催されるリオデジャネイロ・オリンピックで何の役柄も演じることができない気の毒な立場に立たされてしまった。もとより自ら招いた災いであるが、当人はむしろ開き直って反論している。弾劾裁判が決定されたことは、必ずしも大統領の不正を暴くことではなく、その裏には大統領派と反大統領派との確執があり、左翼的な大統領に対するアメリカ資本をバックにする反対派のクーデター的な動きがあるようだ。それにしても開会式に開催国の最高権力者である大統領が姿を見せないとは、昔はともかく最近では前例がないのではないだろうか。

 そのオリンピック開催に当たり国際陸連元会長へ日本が東京招致活動のために賄賂を贈っていた疑いで、フランス検察当局が捜査を開始したというすっきりしない不名誉な事案が持ち上がってしまった。菅官房長官を始め、猪瀬前東京都知事は断固否定しているが、具体的に悪名高い元会長の銀行口座へ日本から2億円余が送金されたと言われている。今後この顛末はどういう推移を辿るのか、本当にこんな賄賂があったのか、嫌な話だが見過ごすわけにはいかない。どうも2020年東京オリンピック開催に関しては、ドジが多くて些かうんざりである。

 こんなオリンピック関連の怪しげな話が聞こえだした矢先に、東京オリンピックのお膝元、東京都の舛添要一知事の高額な海外出張費問題と、常識をはみ出すような公私混同の疑惑について、今日午後週刊文春で詳らかにされた点につき調査の結果を報告、説明するための記者会見が開かれた。ずっとテレビでその会見の様子を観ていたが、結論から言えばまったく話にならない。闇と霧の最中にいるようだ。言い訳に終始し、都民に対して申し訳ないとの気持ちがまったく感じられず、これでは今後に問題を長引かせるだろう。こんな浅はかな考えでは、また同じような公費の私的流用をやりかねない。こんな人物が都知事とは情けない。

 さて、夕方になって第200回記者・市民セミナー出席のため南麻布の韓国民団中央本部へ出かけた。小中陽太郎さんが講師を務め、小中さんからお誘いを受けたので、どんなお話しをされるか興味を持って出席した。メディアの影響力低下が懸念されている中で、昨今ヘイトスピーチ、ヘイトクライムは国際的にも日本の対応が注目されている。小中さんの演目は「日本の民主主義と言論の役割」と題するもので自身務めておられたNHKの危機、アメリカ映画から問題を取り上げた機密文書、パナマ文書問題などについて興味深いお話を伺った。タイムリーにも今日参議院本会議でヘイトスピーチ禁止法案(正式名:本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律)が可決された。早々に在日本大韓民国民団中央本部・呉公太団長の談話が発表された。これで漸く日本の言論の自由もひとつのトンネルを潜り抜けることができたと言えよう。

 セミナーを終えて韓国料理店で会食した後、麻布のバー・レストランでワインを嗜んで帰宅したのは夜中の12時を過ぎていたが、初めてお会いした韓国事情に詳しい人、浅草のホテル経営者、「赤旗」記者もいてかなりリラックスして楽しむことができた。

2016年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3286.2016年5月12日(木) 三菱自動車が日産の傘下に

 先日来燃費不正という不祥事で経営不安が囁かれていた三菱自動車だが、実際に販売高が6割も落ちた。前回のリコール隠しの際は、同じ三菱グループが再建に手を貸したが、今回は最大の支援者だった三菱御三家の三菱商事を始め、三菱重工、東京三菱UFJ銀行がそれぞれ苦しいお家の事情を抱えており、結局三菱自動車は三菱グループの支援を得られず、提携関係にあった日産自動車の傘下に入ることになった。プライドの高い三菱マンにとっては、耐えられない屈辱ではないかとその心中を察する。

 そして、不正会計が明るみに出て赤字が想定されていた東芝が、昨年度は事業会社として過去最大の営業赤字7,191億円を計上した。

 三菱自動車も東芝も経営者の心の中に油断があり、現場サイドまで目を配る配慮に欠けたなれの果てではなかったかと考えている。

 その一方で、2015年度決算が3期連続で過去最高益を挙げたトヨタ自動車が、今16年度の決算予想を早くも対前年△40%と予想している。自動車生産量と販売高は順調に伸びると予想しているが、厳しい円高を計算した減益減収である。あの絶好調のトヨタにして、いかに昨年度の決算が円安に依存していたかということがよく分かる。

 あまり景気の良くない話の中で、僅かに明るい話題は昨年度に引き続き経常収支の黒字が、前年度のほぼ2倍だったというから喜ばしい。原油安が効いたことが最大の原因のようだが、外国人旅行者の増加による旅行収支の改善も大きく寄与しているようだ。この辺りの状況については別途ペンを執っているので、いずれ1冊の書にまとめて上梓したいと考えている。

 さて、今夕のニュースで舞台演出家の蜷川幸雄さんが肺炎による多臓器不全で亡くなられたことを伝えていた。享年80歳である。2000年6月に豪華なツアーを組んでグループを案内し、アテネの王宮前のホテル、グランド・ブリターニュに宿泊した時偶々ロビーで蜷川さんとある歌舞伎役者に会って言葉を交わしたことがある。その年蜷川さんはギリシャ劇10本で構成された「グリークス」を演出している。その他に「王女メディア」は日本国内ばかりでなく、アテネやローマでも公演された。その時蜷川さんは古代ギリシャ劇の演出のためにアテネ市内の古代劇場跡を「現場検証」に来ていた。いつも舞台では、厳しい叱声を飛ばす蜷川さんもその時は至極柔和な表情だったことが思い出される。

 蜷川さんはシェークスピア劇をロンドンでも演出したくらい熱心なシェークスピア・ファンだったが、今年はシェークスピアが亡くなってからちょうど400年になる。1616年の没年に肖った映画も製作されたようだ。地味ながらちょっとしたブームである。そういえば、今年も受講することにした駒沢大学マスコミ研究所社会人講座の受講者番号が、何と「1616」である。不思議な因縁を感じる。今にして想う。一度でも蜷川シアターを観ておけば良かったと。蜷川幸雄さんのご冥福を心よりお祈りしたい。

2016年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3285.2016年5月11日(水) 国立極地研究所神沼教授、南極について講義

 麹町の海事センタービルで毎月開催されている「JAPAN NOW観光情報協会」の観光立国セミナーに講師として、今日国立極地研究所・名誉教授の神沼克伊先生をお招きした。テーマは「白い大陸への挑戦と旅」と題してわが国の南極探検史と南極旅行についてお話しいただいた。わが国火山予知と南極研究の第一人者であるだけに、パワーポイントを使い難しい専門的な話から、南極観光に関する旅行事情まで、旅行業者でさえ知らない南極における種々の事故を始めとして、多岐に亘る南極話を分かりやすく説明してくれた。

 1月と4月に神沼教授の高校時代の友人である兄とともに食事をしたが、今日もやもめ暮らしの兄に声をかけて受講してもらった。他に設計建築士の知人とゼミの2人の友人にも受講してもらったが、設計建築士は職業柄やはり地震に関心があるようで、帰られてから早速大変有意義な講義だったとメールをいただいた。大方の評価は高かったので、講師を紹介した立場上嬉しく気分的にも安堵したところである。

 さて、今日は朝刊のみならず、夕刊までどの新聞もオバマ大統領の原爆被災地の広島訪問決定のニュースを大々的に取り扱い、テレビでもほとんどこの話題で持ちきりである。サミット終了後安倍首相もオバマ大統領に同行する予定という。

 それにしても日米両政府とも少々異常なくらいその報道に気を遣っている。日本政府はこれまで大統領に対して広島へぜひお越しくださいと具体的に招待を申し出たわけではなかった。アメリカの国内事情を慮ったからである。あくまでアメリカ政府が広島訪問を決定するのを密かに待ち望みながら、ただひたすら推移を見守っていたのである。広島訪問決定に日本政府はもちろん歓迎の意を表し、広島市も歓迎している。特に原爆被災者は挙って喜びの気持ちを表している。このニュースは日米のみならず、早速海外メディアも一斉に報道した。アメリカ国内では、特に在郷軍人会などは広島訪問を必ずしも喜ばない空気があった。それを極力彼らの抵抗を抑える形で、訪問が原爆投下による謝罪と受け取られない状況を見極めたうえでホワイトハウスが大統領の広島訪問を決定したのである。

 まだ、アメリカ国内にさざ波が立つ可能性はあるが、オバマ大統領にとっては残り任期が1年足らずとなり、その間に大きな実績、レガシーを残すとすれば、これこそまたとないチャンスであることも分かっている。オバマ大統領は2009年にプラハで世界非核構想を語り、非核化へ向けた熱意あるメッセージを世界へ発信し、大きな反響を呼び、それがノーベル平和賞受賞の大きな要因となった。その点では、その後目立った実績がなかったオバマ大統領にとっては、広島で非核化へ向けたメッセージを発することは、在任中の大きな実績になると思う。

 幸いアメリカ国内でもこの大統領広島訪問に対して現時点では格別大きな反対はないようだ。訪問は半月後であるが、それまでに大きな混乱がないことを祈っている。

2016年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3284.2016年5月10日(火) オバマ大統領の広島訪問決定

 昨日で北朝鮮の朝鮮労働党大会は一応終わったようだ。金正恩・第1書記は、祖父の金日成・国家主席、父親の金正日・党主席と同様国民の信頼感を集め、自らを偶像化するためにポストを新設してその最高位に就任した。これで金正恩第1書記は、新設ポスト「朝鮮労働党委員長」に就任し独裁の強化を誇示する形になった。今日は予想されていた軍事パレードや市民の華やかなショーが行われ、それを高い所から拍手するいつもながらの人民服を着た労働党委員長の姿があった。

 今回の労働党大会で国家PRと国威発揚をぶち上げたところで、これという世界を納得させるような進歩的なスローガンを何ひとつ打ち上げるわけでもなく、国際社会へ向かって何ら独自の効果も発揮することができなかった。北朝鮮が益々世界から孤立化する現況を抜け出したいあがきを見せたに過ぎない。

 今日最近注目されているパナマ文書の個人及び法人名21万を国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公開した。名を公開された日本の著名な法人・個人が言い逃れ会見をしていたが、識者が言うように、これは明らかにタックス・ヘイブン(租税回避地)に設立された税逃れのための手法であることは間違いないと思う。確かに法律に触れる点は見られないが、納めるべき税金を日本に収めず、海外で迂回して金儲けをしているのは、日本国民として脱税と言われてもやむを得ないのではないか。ここにはきちんと納税している国民との間に不公平感を与える。税に詳しい人物なら追及されないような手段はいくらでもあると、タイミング良く「選択」5月号に「『税逃れ指南役』は国税OBだらけ―『パナマ』だけではない租税回避の横行」との記事に悪質な脱税について興味深く書かれている。やはり文書にリストアップされた人物、企業については国税庁が「税逃れ指南役」ではなく、「課税追及役」として厳しく調査し追及すべきだと思う。

 さて、突然夜のニュースでアメリカのオバマ大統領が、来る26、27日開催の伊勢志摩サミット出席後、安倍首相とともに広島を訪れると発表された。広島訪問は中々決まらなかったが、漸く現職米大統領初の原爆被災地・広島への訪問が実現することになった。日本人としてだけではなく、核反対の立場からも歓迎したい。偶々今日はわれわれ夫婦の47回目の結婚記念日に当たる。オバマ大統領からのお祝いかな?

2016年5月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3283.2016年5月9日(月) 平均80歳を超える元気なカルテットの集い

 気の合う元同僚、同姓の近藤幸一さんと八木卯さん、それに近藤さんのJR時代のお仲間の国枝洋一さんと JR西八王子駅で待ち合わせた。八王子市内に住む近藤さんが、西八王子に本物の「釜めし」を食べさせてくれる良いお店があると言って案内してくれた。お互いに会社を辞めてからも、これまで4人で度々会っては、いろいろな世間話をして、リラックスしつつ愉快なひとときを過ごした。

 近藤さんから昨年後半に転んで胸部を打ち骨折したという高齢者に有りがちな話を伺っていて、しばらく会うことを控えていたが、大分時間も経ったのでそろそろお互い四方山話をお聞きしたいということと、3月に同世代の隅野成一さんが亡くなられたので、いろいろ気になることもあって久しぶりに会うことにしたものである。

 4人の平均年齢は優に80歳を超えている。完全なる‘高貴’高齢者である。近藤さんは29年前に奥様を亡くされ不便な生活をひとりで精一杯やっていて頭が下がる。今年4月8日、お釈迦さまの誕生日に米寿を迎えられた。すると国枝さんはフランスの印象派画家ルノワールの誕生日、2月25日と同じだと言われる。寡聞にして知らなかったが、何でもルノワールの展覧会にはフリーで入場を許される特権があると伺った。

 八木さんは、いま話題のアメリカ大統領選のドナルド・トランプ候補の人気の背景には、白人中流階級の地盤沈下があると話しておられた。経済的にやや置いて行かれた白人層の若者に支持されている一例として、八木さんの娘さんがアメリカへ留学された時にはホスト・ファミリーが400家族ぐらいがいたそうだが、最近お孫さんが留学する際にはそれが100家族ほどに減ったのは、アメリカの中流標準家庭が減少している証拠ではないかと言っておられた。それが、トランプ氏支持の背景にあるのではないかとの感想だった。一理あると感じた。

 私は文化の日が誕生日で全国民が休んでお祝いしてくれるが、これといった特典はない。

 近藤さんの健康状態が気になっていたが、お見受けしたところ健康そうなのでホッとした。趣味が広く、今日もいくつか特徴的な近藤版リーフレットをいただいてきたが、広沢虎造に憧れて浪曲をやっていた父上についてまとめた経歴とエピソードが珍しく興味深い。その他に俳句や絵も描いている。自治会や出身の中央大学やJRの同窓会幹事を務めたり、とにかく米寿にして八面六臂の活躍ぶりで忙中閑なしの毎日のようだ。今日は近藤さんにすっかりご馳走になり、お土産までいただいてしまった。まだまだ、気力充分のご様子なので、4人が4人健康に留意して、いつまでも今日のカルテットの集いを続けていけたらと願っている。

2016年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3282.2016年5月8日(日) 皆目分からない朝鮮労働党大会

 今月26、27日に伊勢志摩で開催されるG7サミットを前に安倍首相が各国首脳を訪れ、サミットにおける共同宣言文の基本構想のため会談したが、必ずしも意見の一致を見たわけではなかった。

 円高株安相場の日本は財政出動を考えているが、アメリカは為替相場の介入を警戒する監視国に中国、韓国と同様、日本をリストアップする状況である。これでは思い切って為替相場に介入できない。安倍政権としては構造改革、金融政策、財政出動の3本の矢もそろそろ命運が尽きたか、新たに第2の3本の矢を準備中であるが、一連の訪問では、それほどの理解を得られたわけではなかった。

 それでも出足は良かった。レンツィ・イタリア首相、オランド・フランス大統領の両首脳からは財政出動に理解を示され、気分好くドイツとイギリスへ乗り込んで行った。だが、ドイツのメルケル首相からは、財政出動だけに捉われず、それぞれ金融政策と構造改革をやっていく必要性を聞かされる羽目になった。加えて、意外にも難民対策が経済成長に寄与しており新たな景気対策は必要ないとまで言われている。イギリスのキャメロン首相からは、お互いにそれぞれの国の事情を反映させようとあまり成果のある会談とはならなかった。

 どうせ経産省官僚の入れ知恵であろうが、安倍首相からはすぐ景気浮揚のために借金をしてまでも投資をしようとの財政出動の発想が出てくるようだが、よくよく国の借金1000余兆円を考えてほしいものである。

 サミットでどんな共同宣言が発表されるのか気になるところだが、ヨーロッパ、ロシア訪問を終えた安倍首相もサミット議長としてよほど共同宣言が気になっていることのようだ。

 さて、世界中からいま注目されている北朝鮮の第7回朝鮮労働党大会のニュースがどうも外国人ジャーナリストの目を通してあまり伝わってこない。彼らも北朝鮮当局の指示に右往左往させられているようだ。今日はすでに開会して3日目である。にも拘わらず、労働党大会とは関係のない工場、産院、記念塔、高級マンションなどを無理やり見学させられているが、依然として大会会場内で取材することを許されていない。何のために外国人ジャーナリストを招いたのか。

 僅かに金正恩第1書記が、①並進政策と呼ぶ核開発と経済再建、②核保有国として非核化に努力する、③アメリカと国交正常化、などについて力説したことをプレスセンターのテレビを通して伝えたに過ぎない。いつ閉会となるのか、それさえ外国人ジャーナリストは知らされていない。予想では明日大会は閉幕し、北朝鮮軍人パレードや市民のマスゲームが行われるのではないかと噂されている。とにかく相も変わらずよく分からない国である。

2016年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com