3301.2016年5月27日(金) 伊勢志摩サミット閉幕とオバマ大統領広島訪問

 伊勢志摩サミットも2日目で閉幕となったが、今朝はG7首脳の他にアジア7カ国及び5つの国際機関の長も加わり拡大会議を行った。その後オバマ大統領は現職のアメリカ大統領としては初めて広島を訪れた。だが、報道の焦点は、サミット後のオバマ大統領の広島訪問に当てられ、オバマ大統領、安倍首相の他のG5首脳の行き先、行動がどうなったかのニュースはほとんど報道されなかった。

  その一方でオバマ大統領の行動は中部国際空港から大統領専用機「エア・フォース・ワン」による岩国米軍基地への移動、そこからヘリによる広島ヘリポートへの飛行、そして専用車による車列の広島平和公園入りを空と陸から断続的に伝えていた。大分以前から鉦や太鼓を打ち鳴らしていたサミット騒ぎは一体どうなったのかと問いたい。主客転倒も甚だしいと思う。オバマ大統領の広島訪問にG7が付き合わされたような印象を受ける。メディア・センターに集結していたヨーロッパのメディアはこれをどう伝えるだろうか。

 安倍首相は、異論もあったが、言うべきことは言って概ね理解を得られたと述べたが、世界経済の冷え込みを防ぐための財政出動はドイツ、イギリスと意見が合わなかった。ドイツは財政的に黒字であり、財政出動には否定的だった。その情報は事前に把握していた筈で、ドイツが財政出動より構造改革を優先すべきであるとの意向をサミットの場で斟酌しなかった。この点では首相は浮かれている場合ではなく、今後のためにもきちんと反省すべきではないか。

 広島到着後のオバマ大統領の行動は、出迎えた安倍首相の案内で先ず広島平和記念資料館を訪れた。ここで約10分間内部を見学したが、メディアが内部に入ることは認められず、大統領が悲惨な資料を見てどういう様子だったかははかり知ることができなかった。その後原爆慰霊碑で安倍首相とともに献花をした後、17分間のスピーチを行った。被爆地にいて感じる印象と核廃絶への思いを述べた。世界は広島によって一変した。核兵器をなくすことを誓う。過去から学ぶことができる。日本もアメリカも犠牲は同じ。戦没したアメリカ人にも哀悼の気持ちを伝える。戦争を止めるためにはすべての国、人の努力が必要。誰しも戦争は望まない。戦争はいけない。等々である。

 広島へ落としたひとつの原子爆弾が今日の核問題の始まりとなった。爆弾を積んだエノラ・ゲイ機は小さなテニアン島を発った。かつて厚生省遺骨収集団でテニアン島を訪れた時、エノラ・ゲイが離陸した小さな飛行場の滑走路先に原爆機が飛び立ったことを記した石碑があったことを思い出す。

 オバマ大統領に続き安倍首相は、戦火を交えた日米両国が今ではお互いの信頼と友情によって同盟国としての絆を強めていると昨年米議会でスピーチした言葉を述べた。

 大統領は原爆被災者のもとにに立ち寄り代表者2人と握手したり、抱き合ったりしながら立って言葉を交わした。

 その後両首脳は川向こうの原爆ドームを見て平和公園を後にした。凡そ1時間の慌ただしい訪問だった。でも広島訪問は総じて良かったのではないかと思う。取り敢えずサミットも終わってホッとした。

2016年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3300.2016年5月26日(木) 伊勢志摩サミット開幕

 いよいよ伊勢志摩サミット開幕である。超多忙な各国の首脳にとっては慌ただしい今日と明日の2日間である。

 昨夕の安倍・オバマ会談で安倍首相は、沖縄でアメリカ人軍属が日本人女性を殺戮した事件で、オバマ大統領に強く抗議をした。それに対して大統領は謝罪をし遺憾の意を表し再発防止を約束した。だが、肝心な日米地位協定の改定についてはゼロ回答だった。沖縄では各地で抗議が起き、県議会は今日事件発生に抗議するとともに、在沖縄米海兵隊の撤退を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。

 さて、今日は安倍首相が伊勢神宮前の橋の袂で各首脳らを出迎えて伊勢神宮内宮を参拝した。神々しい環境は首脳らにとってどんな印象を与えただろうか。安倍首相、オバマ大統領、メルケル独首相、キャメロン英首相、オランド仏大統領、レンツィ伊首相、トルュドー・カナダ首相、トゥスクEU首脳会議常任議長、ユンケル欧州委員長らが勢ぞろいして見栄を切るところは中々のものであるが、今朝の朝日「天声人語」に書かれていたように、オバマ大統領の代わりに仮にトランプ氏が参加したらどうだろう。アメリカ国内の人気の言動が、もしもそのまま国際社会に持ち込まれたらと考えるとぞっとするとまでトランプ氏は忌み嫌われている。

 短い時間の中で討議すべき問題は多い。一応世界経済や貿易の問題では、歩調を揃えることができた。ただし、安倍首相が現在の経済動向は2008年のリーマン・ショック前と同じでG7が協調して取り組むべきであると財政出動を訴えたようだが、財政的に安定しているドイツやイギリスが必ずしも同調せず、構造改革を優先すべきだと主張したようだ。

 ヨーロッパにとって大きな問題はテロ、難民などの政治・社会問題で、ヨーロッパと日本では問題の捉え方に温度差が見られる。ヨーロッパ各国は難民をこれ以上受け入れる余裕がないと受け入れを拒否する傾向が表れて来た。一方で、日本は率先して東シナ海における中国の海洋進出問題をアメリカ、フィリピン、ベトナムらの声を受け入れて議題とした。大凡理解を示してもらったが、案の定中国が即座に反応して自分たちの行為は多くの国の支持を得ていると欺瞞的な持論で反論した。

 さて、3日前の本ブログで首を傾げる飛び入り行動だと批判的に取り上げたが、フィリピンのバターン半島死の行進のアメリカ人捕虜やその家族で構成する「全米バターン・コレヒドール防衛兵記念協会」会員がオバマ大統領と広島へ同行する予定は中止と決まった。協会は不満たらたらであるが、ホワイトハウスも確約したわけではないと歯切れの悪い釈明をしている。こればかりはアメリカ側の早とちりだったと言わざるを得ない。しかし、この飛び入り計画は日本にとって今後に禍根を残す。中止となって良かったと思う。

 それより何だかんだと中々決まらなかったが、漸く原爆被災者の内代表者4人が、オバマ大統領が原爆碑に献花する場に立ち会うことになったことは喜ばしいことだと考えている。

2016年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3299.2016年5月25日(水) いよいよ明日伊勢志摩サミット開催

 明日から伊勢志摩サミットが開催される。各国の大物政治家が続々と日本を訪れている。今夕ベトナムから来日したオバマ大統領は、直ちに安倍首相と日米首脳会談を行った。

 このところちょっと都内へ出かけたりテレビで観る限り、過去に日本で開催されたサミットに比べてセキュリティ・チェックが大分厳しいようだ。人の集まる駅周辺や盛り場では、パトロール中の警察官の姿がやたらに目に入って来る。ゴミ箱も封鎖されて異物を捨てるような入れ物がなくなった。

 今回サミットが開催される賢島は、陸海空のセキュリティ上、また日本のルーツ近くの伊勢神宮と真珠の産地が近くにあり、ロケーションから言えば申し分ないと思う。各国首脳には風光明媚な賢島でぜひとも日本滞在の良い思い出を作ってもらいたいものである。各国記者団も伊勢志摩について母国へ発信するだろうから、知名度も上がるだろう。副次的にこのサミットがわが国の旅行業、就中インバウンド業にとっても福の神となることを願いたい。

 さて、このところ話題を賑わせている舛添要一・東京都知事の公私混同疑惑問題で、今日知事が先週の会見で40回以上も口にした「公正な第三者」の弁護士2人が決まった。2人とも元検事の弁護士である。知事は公正な第三者と言いつつ、氏名は公表しないという。第三者というが、知事が決めた「公正な第三者」が果たして第三者と言えるだろうか。第三者と言う以上普通は、第一人者である知事が行う人選ではないと思う。本当に知事がいう第三者なり得るのだろうか。勘ぐれば、ことはすべて舛添知事の手の内にあるような印象を受ける。今日も多くの評論家や専門家の意見を聞いていると、現時点で分かっている疑惑は、すべて疑わしいとの疑念が消えない。普通ならこれだけ怪しい行動をして、都民から納得されていない現状では、職を辞するというのが当然であり、誰もが納得できる。

 しかし、上昇志向が強くケチでセコイと揶揄されている知事としては、何とか現在の地位にしがみついていたいのだろう。これだけ世間から行動と品性に疑念を持たれていながら、まったく羞恥心もなく知事職にしがみついているのは、知事自身の卑しい本性の表れであるとともに、知事を現職に推薦した自民、公明両党の思惑もあるからだろう。一連の動きは都民税を払っている都民に顔を向けていない。もうどう転んでも再起不能だろう。仮にこのまま職に留まるとするなら、理由をつけてこれからも公私混同をやりかねない御仁ではないか。

 今日の様子では、一体いつごろ今回事件の報告がされるのかはっきりしない。首都の運営がこんな甘っちょろい考えで大丈夫なのだろうか。

2016年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3298.2016年5月24日(火) 精神的に追い込まれた時の判断力

 毎年第一生命が募集している「サラリーマン川柳コンクール」応募作品の人気投票の結果が発表された。今年は「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」がトップだった。うまいこと言っているなぁと感心する。ベスト10の中で私が特別関心を抱かされたのは、7位にランクされた「決めるのは いつも現場に いない人」である。現場を知らずに知ったかぶりをして間違った決断をする人がいかに多いかをズバリ言い当てている。政治家とか、高級官僚らはこの種の典型的な人間ではないだろうか。

 実は、今日駒沢大学の講座「現代ジャーナリズム入門」で元読売新聞記者の講師から、仮に人命が危機に晒された時、人命救助に向かうか、ジャーナリストとして取材を続けるかと受講者に問われた。それぞれ2通りの回答に分かれた。私はどちらとも答えなかった。そしてその後私なりの考えを述べた。

 私の考えはこうだ。平静な場で緊迫感も切迫感もない時には、二者択一を判断することはそれほど難しいことではない。だが、そうではない精神的に追い詰められた状況にあっては、ジャーナリストであろうとなかろうと冷静な判断を下すことなんてとても至難の技である。そこで私自身の厳しく追い込まれた海外における体験談を話した。私が1967年戒厳令下のアンマンで不意にヨルダン軍に身柄を拘束された時の臨場感と恐怖感は、まったく冷静とはかけ離れたもので自分はどうすべきか、どうしたら良いのか、連行される途中で自分はどうなるのか、まったく見当もつかなかった。その時私の判断力は完全に失われていた。精々怪しい奴ではないということを知ってもらうことだ程度の考えしか頭に浮かばなかった。そんな追い込まれた体験から会得したことは、危機感の溢れる厳しい現場ではとても正しく冷静な判断を下すことは困難であるということである。それが私の考えであり、話したことである。講師はもちろん、他の受講者にも理解してもらえたようだった。

 先週は講座初日だったが、身勝手に休んでしまい、この講座ともうひとつの講座、TBS女性キャスターによる「TVキャスター・記者が取材した現場」を聴講したのは今日が初めてだった。2講座とも中々興味深い内容なので、これからも楽しみにしたい。

2016年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3297.2016年5月23日(月) 不可解なホワイトハウスの策略

 近づく伊勢志摩サミットでは先進7カ国の首脳が集まり、世界が抱えている数々の課題を協議することになっているが、それ以上に日米間ではオバマ大統領の原爆被災地・広島訪問が注目を集めている。そこへ米軍属による日本人女性殺害事件が日米間に新たな難しい問題を提起した。

 更にホワイトハウスが唐突に仕掛けた、釈然としない問題が表面化した。それはオバマ大統領の広島訪問に、第2次大戦中日本軍の捕虜だった元米軍人、ダニエル・クローリーさん(90)の同行が決まったことである。この元軍人は「全米バターン・コレヒドール防衛兵記念協会」に所属しているが、戦時中フィリピンで日本軍の捕虜となり日本へ連行されて足尾銅山で働かされたという。また、戦時中炎下の中をフィリピンのバターン半島を歩かされた「バターン死の行進」が、日本人の残酷さをアメリカ人に強く訴えた。それにつながるコレヒドール島の収容所生活も米人捕虜の記憶には耐えがたいものであろう。かつて日本陸軍兵士のご遺族とともに、マニラからコレヒドール島へ渡り、島内のトンネルの入り口近くで慰霊祭を行ったことがある。

 だが、今回大統領とともに元捕虜が広島を訪れる件については、彼がこの時期に敢えて広島へ行く目的がどうもよく分からない。それなら今までにいくらでも訪れる機会は作れた筈ではないだろうか。どうもオバマ大統領の広島訪問を心良からず思っている在郷軍人会の元軍人や、極右の人たちが、大統領の広島訪問は謝罪をしないにしても原爆投下は良くないと日本人や、世界中の人々に思われて訪問の意味が減殺されると考えているようだ。原爆投下地への訪問の対極として彼ら元捕虜への虐待に日本は謝罪の意思表示をすべきであり、自分たちの行為は間違っていなかったとの正当性をアピールするための戦術ではないか。

 なぜオバマ大統領が出発する時になって、アメリカ政府は突然このような不可解な行動に及んだのか、真意は測りかねるが、ホワイトハウス側から彼らに意思確認を行った末にアメリカ政府から事の次第が公表されたことを考えると、内心アメリカ政府がオバマ大統領の広島訪問を端から望んでいないということが窺い知れるのではないか。なぜこんな大切なことが、いとも簡単に決まってしまうのか。日本が知らぬ間にアメリカの姑息な術で手球に取られている。外務省は、まったく外交音痴であることを暴露したようなものではないか。

 伊勢志摩サミットでも、アメリカは日本の為替管理に口を出してくると思う。安倍政権は何を以って戦後最良の日米同盟関係と言うことができるのか。

2016年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3296.2016年5月22日(日) オバマ大統領、ベトナム経由日本へ

 今週伊勢志摩サミットが開催されるが、アメリカのオバマ大統領は今日首都ワシントンを発っった。日本を訪れる前にベトナムを訪問する。

 アメリカが深くコミットしたベトナム戦争は、南北ベトナム軍人及び民間人併せて約150万人もの尊い生命を失わせた。アメリカ兵も5万7千人の犠牲者を生んだ。昨年戦争終結40周年を迎えたが、べトナム国内を泥沼戦争化させた最大の責任は当時のアメリカ政府と米軍にある。特に戦時中アメリカ空軍と南ベトナム空軍によってばら撒かれた枯葉剤による枯葉作戦は、ベトナム国民に大きな後遺症を与えることになり、その傷は今も癒えていない。私がひとり南ベトナムの首都サイゴン(現ホー・チー・ミン)を訪れた1967年1月は戦火が特に激しく、1年後にベトコンによるテト攻勢がかけられベトナム中を恐怖のどん底に陥れた。サイゴン市内には緊迫感があり怖くなるような臨場感があった。

 オバマ大統領は戦時下に訪れるわけではないが、それでもベトナム国民が米大統領に枯葉作戦の現場とその傷跡を見てもらいたいと希望しており、その傷跡に触れることはオバマ大統領にベトナム戦争の無為を知らしめることにもなり、ベトナム人も安らいだ気持ちになることだろう。そのうえで、オバマ大統領は広島の原爆被災地に足を踏み広島市民の気持ちも理解するようになる。

 決して無駄なベトナム行でもなければ、もちろん無用な広島行でもない。それは、非核化を世界へ向けアピールしている、残り任期の少ないオバマ大統領にとって実績となり、後々プラスになることと思う。

 さて、先日しばらくぶりにネットでアマゾンから書籍を購入した。4冊の小説に、評論1冊である。前者はすぐ送られてきたが、評論は2日も遅れて来た。理由はよく分からないが、取次店ですぐ手配できなかったからだろうか。私もただ同然の廉価で買ったのはこれが初めてだったが、書籍代がたったの1円である。これに配送料と手数料が257円で、合計258円という低価格である。これに僅かだが溜まっていたポイントで差し引きして、請求額は209円だった。評論は、2008年に講談社から1400円(税別)で売り出されたもので新品同様である。

 いかに古本扱いされたとは言え、手間と暇をかけて支払い額が209円とはあまりにも安すぎる。読書家にとっては有難いが、この世知辛い世の中で随分悠長な商売もあるのものだと改めて教えてもらった次第である。

2016年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3295.2016年5月21日(土) 塾員招待会をエンジョイ

 昨年まで慶応日吉記念会堂で開催されていた「塾員招待会」が、どういうわけだか今年は「みなとみらい」の「パシフィコ横浜」展示場で開かれることになった。「みなとみらい」駅には何人かの案内係がいて会場まで歩いて迷うことなく行くことができた。卒業51年以上の卒業生を大学当局が食事会に招待してくれる毎年恒例の有難い催しである。卒業から半世紀が経ち、大学から新入生入学式に招待されて以来毎年この種の催しには参加している。懐かしい同級生にも会えたし、義兄、実弟にも会った。

 とにかく4年間学んだ大学が、これだけ大規模に卒業生を招待してくれるような企画をお膳立てしてくれるような大学は、母校慶応義塾以外にはあまりないのではないだろうか。有難いことである。他大学OBが羨むのも分かるような気がする。会が始まるや舞台では、応援指導部とワグネル・ソサイエティ・オーケストラが「陸の王者」「丘の上」「慶応賛歌」などの応援歌や、塾歌などを演奏し、我々もともに声高らかに歌う。会場は6千余人がごった返す中でブッフェと飲み物が振舞われる。清家篤塾長の挨拶によれば今日出席の最高齢者は99歳というからすごい。母校愛が強いのだと感じる。帰りには三色旗のペナントまでいただいた。こういう場にいると在学中は必ずしもすべてに満足していたわではなかったが、慶応で学んだことの幸せと有難さを感じる。

 今日は約束通りベオグラードから山崎洋さんが来られたので、東横線自由が丘駅で待ち合わせ会場へ向かった。異国にいる彼にとって、我々以上に母校へのノスタルジアは強いものがあるだろう。訪日中にゼミの仲間とともに鎌倉へでも行こうかと考えている。

 さて、また沖縄でアメリカ人軍属による卑劣な日本人女性強殺事件が発生した。事件判明後、岸田外相はケネディ駐日米大使を外務省へ呼びつけ、強く抗議した。戦後これまでにアメリカ軍関係者による日本人女性暴行・殺人事件が何度起きただろうか。その都度沖縄の人々は、沖縄米軍やアメリカ政府に抗議をしたが、思うような成果を上げることもなく、同じような事件が繰り返されている。

 しかし、今度は今までとは状況が異なり、オバマ大統領が初めて現職大統領として原爆投下地・広島を訪れる直前のタイミングに出会ってしまった。アメリカ国内には原爆投下に対する大統領の謝罪を懸念する微妙な空気がある。そこへ原爆に比べれば小さな事件かも知れないが、今度のアメリカ人軍属による日本女性暴行、殺人、遺体遺棄事件は日本から謝罪を求められても弁解のしようがない事件だったと言える。

 今日行われた女性の通夜には、翁長沖縄県知事や中谷防衛大臣も弔問に訪れたほどである。沖縄県民の間では、日本政府が沖縄を見捨てたとの思いが強い。それが今日辺野古の米軍キャンプ・シュワーブ前における怒りの抗議となっている。

 舛添東京都知事の公私混同疑惑問題にしろ、今度の女性殺害事件にしろ、前者んはあまりにも当事者の責任感が欠け、後者には背景に日米安保条約と地位協定の不平等な取り決めがある。まったく理不尽で情けない世の中になったものである。

2016年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3294.2016年5月20日(金) お粗末過ぎる舛添知事の疑惑会見

 今日午後2時から都庁で開かれた舛添要一・東京都知事の公私混同疑惑釈明記者会見があまりにもお粗末で呆れかえったところだ。毎週金曜日に開かれる知事定例記者会見ということで冒頭2分間は都政に関する説明だったが、残りの時間はすべて知事の言い分、第3者に精査を依頼するという疑惑回避発言に費やされた。

 大勢の記者を集め、2時間15分に亘った会見だったが、具体的な説明はまったくなく、すべて「公正な第3者に調べてもらう」との逃げ口上に終始して、都合の悪い質問が出る度に公正な第3者に任せるというフレーズが出て来る阿保らしさで、疑問を晴らそうとの気持ちがまったく見られなかった。いつになるか分からないが、弁護士である第3者がこれから精査したうえで可及的速やかに調査結果を報告するということでチョンとなった。疑問は一向に解明されず、闇は一層深まるばかりで、正にこれこそ「大山鳴動して鼠一匹出ず」のていたらくである。

 NHKを始め、各民放TV局も会見の様子を同時中継していたが、それぞれの番組にコメントするために出演していた著名人が、皆呆れて退屈そうにおしゃべりしながら記者会見の画面を観ている漫画である。流石に終盤にはほとんど全員が知事に対して厳しいコメントを飛ばしていた。

 舛添知事は自治体のトップとして資質に欠けていると思うし、信頼感もなく責務も果たしていないのでこの際辞めるべきである。これから精一杯知事としての仕事をやって都民の期待に応えたいなどと都合の良い弁明をしていたが、これまでの実績が疑惑だらけで、この先舛添知事に何を期待できるのだろうか。2年前の都知事選で私は別の候補者に投票したが、その意味では正解だったと思っている。

 今日台湾では民進党の蔡英文新総統が就任した。女性初の総統である。民進党にとっては8年ぶりの政権復帰であるが、前任の馬英九総統が急速に中国に歩み寄っていたせいもあり、これに同意しない蔡総統に対して中国政府は警戒感を露わにしている。「ひとつの中国」に関する理解についても、中国側と馬前総統、そして蔡新総統の間に齟齬が感じられる。一旦近づきつつあった中台関係がまた乖離していくようになるのではないだろうか。

2016年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3293.2016年5月19日(木) 悪い奴は地球上どこにもいるのか。

 大手企業のモラルとコンプライアンスが問われている。先日三菱自動車が軽自動車の燃費不正問題を謝罪したが、それが原因で大きく販売力が悪化し経営難に追い込まれ、とどのつまり日産自動車の傘下に入ることが決まった。そして昨日その責任を取り三菱自の相川哲郎社長は辞任することを発表した。ところが、その舌の根も乾かぬうちに、昨日同じ自動車業界のスズキが国の規定と異なる不適切な方法で全車種の燃費を測定していたと発表した。会社ぐるみで国と消費者を裏切ったのである。同じように車関連業界では昨年タカタが、エアバッグの異常な破裂による事故でリコールを求められ、リコール台数は全世界で1億個規模になった。こうなると経営面でも今後大きな影響が表れて来るものと懸念されている。

 他にも先に東芝の不正経理問題が、会社創業以来初めての大きな赤字を生み出す結果となった。三菱もスズキも東芝のような大手企業もすべて経営者が承知したうえで不正を犯していた。確信犯だったのである。どうも経営者側に倫理観が欠如しているように思えてならない。

 倫理観の欠如や公私混同疑惑は政治家だけに見られる現象だと思っていたが、思いがけずこう立て続けに大企業経営者の間に悪意ある動機が見られるようになるとは、裏切られたような気持になる。

 政治面では、相変わらず舛添要一・東京都知事の公私混同疑惑について、週刊誌が後から後から新たな疑惑を暴き出し、騒ぎは一向に収まらず、都庁内へ寄せられる苦情や意見も数多く職員も対応に追われる始末である。新たに浮上した疑惑については、改めて明日舛添知事が記者会見を開くそうだが、評論家諸氏の厳しい追及に知事はきちんと応えることができるだろうか。自分と家族のことだけを思い、私的経費を公費で支払おうとするずる賢い上昇志向の人間には、所詮何を言っても信用する気になれない。

 さて、一昨年4月西アフリカで忌まわしい事件が起きたが、すっかり忘れていた。それはナイジェリアで女学生約220人が、テロ組織ボコ・ハラムに誘拐、拉致されたのである。その当時世界中の注目を集めた少女集団誘拐事件である。

 それが偶然にも拉致された女学生のひとりが民家近くの森の中を歩いていたところを保護された。テロ組織の中でも極めて悪質非業なボコ・ハラムはその当時革命家気取りだった。事件解決のため軍隊が掃討作戦を展開したが、効果は見られず、その後拉致された少女たちがどうなったのか情報はまったくなく安否が心配されていた。保護されたその少女は生まれたばかりの乳児を抱えていたという。ボコ・ハラムは拉致した少女たちを戦闘員の妻にするとか、奴隷として売り飛ばすと言っていたが、その少女は子どもを出産させられたのではないだろうか。あまりにも冷酷にして非道な事件である。この少女を除く他の少女たちはどうなってしまったのだろうか。彼女らの行方は今もってまったく分からないという。あまりにも非人道的な事件である。何とかして1日も早く、国連や高等難民弁務官事務所(UNHCR)、ユニセフなどが救いの手を差し伸べ助けてやることができないものだろうか。

2016年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3292.2016年5月18日(水) 残念!大学同級生、リオ・オリンピック出場断念

 朝刊を見てびっくりし、がっかりした。馬術競技でリオ・オリンピック出場を目指していた法華津寛さんが騎乗馬の体調が悪く回復しても予選には間に合わず出場しないことに決めたという。法華津さんは現在75歳で私より2歳若いが、慶応大経済学部の同期生である。ロンドン・オリンピックでも全出場選手中の最高齢選手として話題を集めていた。リオでも4度目のオリンピック出場を目指していただけに本人もさぞや無念だろう。私にとっても同級生がオリンピック最高齢選手として出場ということなら、大いに誇らしい。しかも、彼の実家はわが家から歩いて10分もかからない。残念だなぁ。

 さて、今年も近くの駒沢大学マス・コミュニケーション研究所の公開講座を受講することにしていたが、今日が私にとっては初日である。平成20年に初めて受講してから今年は9年目になる。

 今日は2時限受講したが、ひとつは昨年も受講した元NHKディレクター・須磨章氏の講座で自ら制作したドキュメントを見せながら解説するものだ。今日は先日亡くなった富田勲氏の名曲BGMで始まる「新日本紀行」で蔵の街、喜多方の情景と人情を見せてくれた。佳作で見ごたえがあるが、残念ながら昨年も鑑賞した作品だ。次回も目録を見ると昨年診た作品が並んでいるので、このまま受講すべきかどうか改めて考えてみようと思っている。

 もうひとつの授業は、「体験的ジャーナリズム論」と題して講師を務めたのは山田克・共同通信社東京支社長で、主に社会部畑を歩いた方で、幾種類ものレジュメを準備されて、今日は共同通信社の組織と業務について説明された後、いま話題のパナマ文書について分かりやすく解説された。山田講師は今年初めて教壇に立たれたばかりだが、経験豊富なジャーナリストであり、次回以降楽しみにしたいと思う。これから少しずつ忙しくなってくるものと覚悟している。

2016年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com