今日は楽しい予定が2つあった。ひとつは、午後御茶ノ水の‘ESPACE BIBLIO’で行われたトーク・ショーだった。それは日本ペンクラブの知人・柏木隆雄さんがセットした母校・千葉県立佐原高校の同窓生の集まりで、元巨人軍のエースだった北川芳男さんと城之内邦雄さんに、柏木さんが質問する形式のトークだった。2人の現役時代をよく知っているが、以前に同じ場所でお2人にはお会いしているうえに、予め拙著「南太平洋の剛腕投手」をお送りしてあったので、2人の元エースとはすんなりと話をすることができた。
意外だったのは、北川さんが拙著の主人公、アイザワ・ススムさんを知っているということだった。そして、北川さんにも高橋ユニオンズ入団の話があったということを北川さんから直接聞いたことだった。
トークではいろいろな話が語られたが、北川さんが昭和26年の南関東予選決勝で熊谷高に敗れ、熊谷が甲子園で平安高との決勝戦に敗れたので、もし予選で熊谷高に勝っていれば甲子園でも良いところまで行けたのではないかという話だった。2人ともプロでは成功したが、甲子園に出場することはできなかった。お2人が申し合わせたように語られたことは、部員数が多くてもその代わり1人当たりの練習時間が減るので、必ずしも部員が多いことが部の強化につながるということではないという話だった。
また、長嶋茂雄選手は三塁手としていつも同じ場所で守り、相手によって場所を変えるということはなく、それが結果としてファインプレイになることが多かったと言っておられた。
2人にも私の感触をお話したが、それぞれプロ野球界における成功はそれなりにドキュメントとして興味があるが、成功体験だけでは小説にはなり得ないので、他に2人に絡んだプロで挫折したプロ選手がいれば、全体として面白いノンフィクション・ストーリーに組み立てることは可能だが、そういう人物が見つからなければストーリーとしては難しいとお伝えした。中々楽しいトークだった。
その後新宿西口のハイアット・リージェンシー東京で妻と待ち合わせてクリスマス・ディナーショーを楽しんだ。他にゼミの先輩の利光さんご夫妻、島田さんご夫妻と舞台に一番近いテーブルを囲んでディナーと、青島広志氏がピアノ演奏旁々中を取り持ってソプラノ歌手、テノール歌手に歌ってもらう趣向で充分エンジョイすることができた。知られた有名な曲目ばかりだったので、充分楽しむことができた。贅沢なディナーショーなので、そう度々というわけにはいかないが、1年に1度くらいはこういうショーも好いものだ。少々慌ただしかったが、それなりに楽しい1日だった。