朝日新聞の鼻持ちならない「朝日人」気質には、傲慢さが充満していてとても我々市井人には理解できるものではない。それが昨年6月5日付トップ記事「高齢者の地方移住を」として高齢者を地方へ追いやる「朝日姨捨山説」に表れ、高齢者蔑視体質を如実に実証し、高齢者のみならず良識ある人たちを憤慨させている。それに対して私も「後期高齢者」ならぬ、「高貴高齢者」の立場から朝日に抗議の書状を送り続けているが、一向に反省するどころか、反って偉ぶって自論の正当性を主張し続け、挙句には他の簡単な質問にも応えようとしなくなった。朝日的傲岸不遜が反論に応えることなく、だんまり戦術を決め込んだのである。
そして高齢者軽視記事が掲載されて偶々1年が経過した昨日付月刊特集号「GLOBE」が、「給料の話」と題して世界各国の給料の比較をレポートしたのである。1991年と2014年の先進国の給与所得者の年収を比較したものである。それによると日本人の給料は世界第9位だった1991年から23年後の2014年には19位にまで落ちて、スペインや韓国にまで追い抜かれたと何を勘違いしたのか大々的に取り上げて騒いでいる。
だが、どうもこのレポートは俄かには納得できない。何と日本人の給与所得がこの23年間に$36,152から$35,672に下がっているのである。日本社会が近年これほど長い期間に亘って経済発展を遂げることもなく、給与所得者に見返りがなかったとは信じがたいし、この数値が日本の資料としては事実誤認であることは明らかである。そこで調べてみた。そこには重要なことが見落とされていることに気が付いた。レポートには肝心要の為替レートが考慮されていないらしいのだ。1991年の為替相場は1$=140円だが、2014年にはそれが1$=103円の円高に大きく変わっていた。これだけの為替変動であれば、レポートで表記された$表示の給料は、同じ為替レートを採用すれば2014年には34%も上がっていることになる。こんな基本的なことを見落として給料が下がったとデタラメなレポートを作成している。かつての大新聞・朝日にしては少々お粗末と思い、いつもながら回答はいただけないと承知しながらも、朝日の社長以下役員ら10名にこの事実を手紙で知らせた。
しばらく経過を見守りたい。それにしても資料不足の状態で大して精査もせず、よくもこんな薄っぺらなレポートを書くものだと近年の朝日の取材力の貧困さと知力の劣化に呆れている。
ところで、今日は朝日新聞に負けず劣らず、言い訳三昧のせこい舛添要一・東京都知事の公私混同疑惑の「公平な第三者」による調査結果を、2人の「公平な第三者」弁護士が発表したが、第三者とは言えぬ弁護士が、違法性はないが不適切と述べた。知事自らが辞任することを期待されているが、その気はまるでないようだ。まったく疑惑解明にはほど遠い。これについては明日コメントしようと思う。