3515.2016年12月27日(火) 安倍首相、太平洋戦争開戦の現地・真珠湾へ

 安倍晋三首相が日本時間の今朝ホノルルへ到着した。明日真珠湾攻撃に肖った追悼施設「アリゾナ記念館」で行われるオバマ大統領との戦没者合同慰霊祭へ出席するためである。今日は国立太平洋記念墓地と日本人墓地、そして5年前愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」沈没事故現場を巡り献花して慰霊した。

 安倍首相が太平洋戦争勃発の原因となった真珠湾攻撃の現場を慰霊訪問するのは、残り任期が少なくなったオバマ大統領と最後の首脳会談を行うことが目的であるが、真珠湾で戦没者を慰霊するということが、日米両国の一部に疑問を投げかけている。日本には、アメリカ人の要求に応えたアメリカ人戦没者に対する謝罪ではないかとの声がある。一方でそれなら10万人もの一般市民を殺戮した広島や長崎の原爆犠牲者に対するオバマ大統領の謝罪も必要ではないかとの声がある。

 安倍首相は、そこでは謝罪するのではなく、慰霊をするのだと強調している。かつて、キューバのフィデル・カストロは、日本の真珠湾における先制攻撃を非難していた。それが、実際に広島を訪れその惨禍を目の当たりにしてあまりの残虐さに言葉を失い、その後は一貫してアメリカは日本に対して謝罪すべきであると主張していた。今年5月オバマ大統領が広島を訪れ原爆犠牲者の慰霊碑に詣でて慰霊の気持ちを表した。だが、オバマ大統領の口から謝罪の言葉は聞かれなかった。このことをカストロは強く批判していた。

 日米にとって謝罪云々ということは極めて微妙な問題で、あまり立ち入りたくない話のようだ。それは、戦後日本人現職首相が真珠湾を訪問し、慰霊したことが、日本の外務省でもはっきり確認できないことからも想像がつく。過去に吉田茂首相、鳩山一郎首相らが慰霊のために訪れたことがあると一部に伝えられているが、その信憑性に疑わしいところもあり、外務省としてはあまり突っ込んで聞いて欲しくない話題のようだ。

 それにしても一国の首相が訪問したかどうかもはっきりしないようでは、外務省の記録管理システムに疑問を持たれてもおかしくない。

2016年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com