3419.2016年9月22日(木) 中国政府、チベット自治区へ監視強化

 懐かしいチベットの写真と記事を目にした。今朝の朝日新聞に掲載された、中国外務省が企画した海外メディア向けの取材ツアーに参加した朝日特派員のレポートである。私がチベットを訪れたのは、2007年12月だった。その前年1年間にチベットを訪れた観光客は約250万人だった。それが昨年2015年には2100万人が訪れたという。2020年には3500万人が訪れると些か楽観的過ぎる計画を立てているようだ。いくら魅力的な土地だとしても相当綿密に成算し、充分な受け入れ施設を準備し、魅力などを前広にPRするなどして計画を立てなければ、仮に観光客が大勢やって来ても対応できず、取らぬ狸に終わるのではないかと思う。それをいとも簡単に可能だと言い切るところに現代中国の成長と過剰な自信を窺える。

 チベット最大の観光地で、私のホームページ・トップの写真に掲げた世界遺産ポタラ宮殿から首都ラサ市内を見下ろした時に感じた感動と絶景が、いつまでこのまま保って行けるだろうかと、訪れた時に感じた不安が一部現実となったような気がしている。標高3650mの市内周囲にはそれほど高い建物がなく、見晴らしが良かった。しかし、中国の経済成長に連れて、いずれ市内に高層ビルが建築されてこのラサ市内も都市化、高層ビル化されるのではないかと要らぬ心配をしたものである。それが観光客の増加でホテル需要が増えたのは分かるとしても、外観写真を見る限り最近郊外に開業したインターコンチネンタル・ホテルなんか、あまりにもその突飛な近代的デザインの外装は不似合で、周囲の環境に溶け込んでいないように思える。今後どんどん近代的ホテルが建設されるに連れ、ラサ市内の都市景観がチベットらしい良さや自然の魅力をぶち壊すのではないかと心配で仕方がない。

 もうひとつ気がかりな点は、2008年3月に勃発したチベット騒擾事件以来、中国当局の監視が厳しくなり、チベット自治区内にはチベット族住民より漢民族の流入により、漢民族が支配するようになったことである。実際騒乱事件の起きた中心・ジョカン寺前広場をラマ僧とパトロール中の武装警察隊が隣り合わせに歩いている写真が載っていた。

 記事の大中小見出しはこうである。「チベット 繁栄とその陰」「08年騒乱後 観光開発急進」「漢族流入 高級ホテル続々」「現地民族 宗教抑圧に反感」「抗議の焼身自殺」等々、ざっとこんな感じの記事で情景が身に浮かんで中々興味深く感じると同時に、やはりチベットのチベットらしさが消えつつあるのが、何とも残念である。

 チベット騒擾事件では、その直前私がポタラ宮殿にいた時、本来そこにいる必要がないと思っていた軍隊が、不意に多数の装甲車でやってきて宮殿内に駐車し始めた異様な光景に驚き、何かあると予感した。そこに留まる理由がない軍隊が唐突に居座ったからである。そして、ラサで騒擾事件が起きたのは、正にその3ヶ月後だった。その時現場で異様な光景を目にして臨場感でおかしいなと感じれば、意外なことが起きる可能性があると確信するようになった。事件以来中国政府はチベットで神経質なほど厳戒体制を敷いているようだ。

 チベットの自然のままの美しさと素朴なチベット族が、中国政府の過剰な監視と干渉により、本来の良さが失われることを心から心配している。

2016年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3418.2016年9月21日(水) 安倍首相、手土産持参でキューバ訪問か?

 現在国連総会に出席している安倍首相が、明日キューバを訪問する。今月初め首相のキューバ訪問が公表されてからその後の情報が伝えられず、どうなったのか些か気になっていた。私見を言えば、例え日本の首相が訪れても、すでに現役を引退しているフィデル・カストロ前国家評議会議長は日本の首相と会う気はないだろうと見ている。昨年オバマ大統領がキューバとの国交回復後キューバを訪問した際、短い時間ではあったが、フィデル・カストロ氏と会い会談した。安倍首相としてもその気持ちは強いだろう。だが、キューバへ行く以上首相自身の納得感と実績資産から考えて、革命の司令官であるフィデル・カストロ氏と会わなければ満足できないのではないか。フィデルは安倍首相と考え方にあまり共通点はなく、況してや首相の祖父・岸信介氏がキューバ革命成就直後に安保条約改定でアメリカと手を結んだことなどから首相と会うことを潔しとはしないと考えている。フィデルとの交渉が難航していると考えていたが、何とか会える目鼻がついてきたと思わせるキューバ行きである。

 だが、今朝の朝日に4段記事「キューバの債務1200億円免除合意」と出ていた。これでキューバを釣ったのではないかとつい勘繰りたくなる。現在キューバの対日債務は1800億円ある。このうち2/3をチャラにして、残りの債務の支払い条件も緩和した。これによってキューバへ飛び、兄のフィデルは無理としても、弟で現国家評議会議長のラウル・カストロ氏と会見することになったのではないか。まあ両国の関係がより友好的になれば、これ以上のことはない。

 さて、政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」について廃炉を含めて抜本的に見直すことを前提に、新たな会議を設置する方針を打ち出した。廃炉を決定したということである。「もんじゅ」は稼働開始以来22年間が経過したが、実働は僅かに250日で、投じた資金は1兆円を超える。まったく役立たずの代物で、毎年200億円も維持費がかかるお荷物に手を焼いた結果出た結論である。

 益々複雑怪奇になってきた移転予定の豊洲新市場の地下空間と同様、どうしてお役人というのは無責任、無駄遣いに夢中になるのか。

 バカを見るのは、いつもながら納税者である。

2016年9月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3417.2016年9月20日(火) リオ・パラリンピック閉会、日本金メダルなし

 オリンピックに続いてリオで開かれていた第15回夏季パラリンピックが、12日間のスケジュールを終えて昨日閉会式を迎えた。中々洒落た趣向を凝らした身障者によるショーが演じられ、観戦者に感銘を与え、強烈な印象を与えたと思う。そして毎度大きな大会の都度言われる日本の獲得メダル数は全部で24個だった。だが、金メダルが1つもなかったことが些か寂しく残念な気がした。こんな珍事は初めてである。結局世界の障害者スポーツのレベルが上がったというのが、最大の原因のようである。だが、今大会は強豪国ロシアが国際パラリンピック委員会(IPC)から大会への出場を認められず、その点では日本もこれまで以上に有利ではないかと考えられていたが、どっこいそうは行かなかった。

 結果的に日本のメダル獲得数は24個で、159参加国・地域のうちで第64位だった。これほどとは意外だった。その中でメダル獲得数第1位の中国は、実に金107個、銀81個、銅51個で合せて239個のメダルを獲得した。中国はパラリンピックに国家を挙げて力を入れ、成績優秀者にはボーナス支給のインセンチブを与えているようだ。予想外の成績を挙げたのは2位イギリスの147個に次ぐ第3位の117個を獲得したウクライナである。ウクライナは日本の半分以下の人口4,500万人であるが、この優秀な結果を出せたことにただ驚嘆するばかりである。次回開催国の日本としては、あと4年間をそうのんびりしているわけにも行かず、やはりそれなりの対応策を考える必要があると関係者は認識しているようだ。

 複雑なのは、障害者スポーツの発展は歓迎されるべきであるが、日本では障害者スポーツに関する理念とは、これまですべての障害者がスポーツを享受できることだった。予算も獲得し、施設も整備されるに従い、これから理念とともに障害者スポーツの強化に取り組み、どうやって結果を出していくのか対策を考えて行かなければならない。理念を追うことと良い結果を生むことを両立させることは「二兎を追う者は一兎をも得ず」になりかねない。それにしてもNHKの生中継を通してかなり競技を見られるようになったが、これまであまりこの種のスポーツをテレビで中継することはなかった。しかし、リオ大会では2020東京大会を睨んでか、これまでとは大分様変わりして、多くの競技をメディアで目にするようになった。これから地味な理念と強化の4年間が始まる。

 さて、昨年日経新聞がイギリスの‘The Economist’紙と提携して以来、度々同紙の記事が定期的に日経紙に掲載されるが、今朝の記事にフィリピンのドゥテルテ大統領のやや下品で、不可思議な言動を取り上げている。それは「『ドゥテルテのフィリピン』どこへ」というタイトルで、何を考え、何をしようとしているのか判別不能な大統領の言動を不安視して、いずれフィリピンは強権的で何を考えているのか判然としないドゥテルテ大統領の下で、国は弱体化し友好国の信頼を失うのではないかと密かに懸念している。

 大統領は、過去20年間に亘って人口150万人のミンダナオ島・ダバオ市長を続け、裁判を経ることなく凶悪犯を処刑して確かにダバオ市内の治安対策に限れば、成功したと言えるのかも知れない。しかしながら、国家のトップとして国全体を見なければならない立場上、その常識外れの言動はいかがなものだろうか。その些か乱暴な行動が人権問題ではないかと先進諸国から非難される一方で、国の最高権力者として外交、内政ともにまったく経験がない点が不安視されている。実際最近驚くような非礼な言動があった。これまで良好だった対米関係に支障を来しそうなオバマ大統領を愚弄するような無礼な対応や、南シナ海の米比共同艦船巡回を中止するとの一方的な恫喝的声明の傍ら、中国と揉めている領有権問題で中国が国際仲裁裁判所の下した司法判決を無視したことが、自国フィリピンにとって不利であるにも拘わらず、中国政府の横暴さを追及せず、逆にお土産を要求する卑屈な態度に、‘The Economist’紙も呆れて不安を隠し切れない。どうしてこんな非常識な人物が大統領にまでなることができるのだろうか。国家を脆弱させ、劣化させるだけではないだろうか。

 この不埒な大統領の言動が、これからいつ日本に及んで来るか心配である。

2016年9月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3416.2016年9月19日(月) 革命の地キューバとカストロ、ゲバラの魅力

 キューバの革命指導者エルネスト・チェ・ゲバラに関するDVD2巻を先日キューバ旅行へ出かける前に観たが、その後ゲバラのゲリラ戦術をもっと深く知りたくなり、一昨日と今日それぞれ1巻ずつを改めて復習のつもりでじっくり鑑賞した。

 1巻は「チェ 28歳の革命」で、もう1巻は「チェ 39歳別れの手紙」と題する作品で、いずれもゲバラの回想録に基づいて制作された2時間余のゲリラ活動を中心とする作品で、外国作品にしては珍しく恋愛場面が描かれておらず、息を潜めるような緊迫したシーンの連続で見応えのある佳作映画である。前編はゲバラがフィデル・カストロら同志とともにキューバ革命を成し遂げるまでの流れをゲバラの活動ぶりを通して描いている。後編では、ゲバラが手にした安定的な待遇や、地位を惜しげもなく捨て忽然とキューバを去り、その事情をカストロがゲバラからの手紙を読み上げることで、ゲバラを慕う国民の理解を得ようとすることから始まる第2の活動の場、ボリビアにおけるゲリラ活動を描いた。ゲバラはボリビア山中で難行しつつゲリラ戦士たちに革命の指導に当たった末に、農民に密告されてゲリラ活動340日目にユロ渓谷でボリビア政府軍に捕まり銃殺されて革命家としての生涯を終える。その山中のゲリラ活動をかなり克明に描いている。

 キューバ旅行中に各地で国民のカストロ兄弟とゲバラに対する強い敬愛の情感を知った。彼らに関連する個人崇拝的な帽子やTシャツ、革命広場のビル壁画に描かれたゲバラの顔などは他の国ではあまりお目にかかることができないものだ。私自身も彼らのひたむきな革命達成の意思と私利私欲のないこと、そして国民生活の向上を願う国民を想う気持ちには感動させられた。なぜいくらでも恵まれた生活を送れるのに、敢えて自らの豊かな生活を捨ててまでして、これほど無私・無欲の境地になれるのか。この純真で他人のために尽くそうとの博愛的な気持ちは、一般的には独裁者には見られないものだ。革命家と称される毛沢東やレーニン、スターリンらには微塵も見られないほどの潔癖さである。

 キューバ革命が成功したのは、一般的に1959年1月1日独裁者バティスタ大統領がトルヒーヨ大統領独裁下のドミニカ共和国に亡命した時とされている。当時は浪人中だったため、大学入試を前にそれほどキューバ革命に強い関心を抱くことはなかった。4月に大学生となり、翌年60年安保闘争に参加して62年10月大学4学年時にあの衝撃的なキューバ危機が起きた。この時はケネディ大統領がキューバへ入出国する外国籍船舶を止めさせるため海上封鎖という荒療治を行った。結果的にソ連のフルシチョフ首相がミサイルをキューバから撤去することを受け入れ、危機は回避された。当時ひとつ間違えれば第3次世界大戦勃発の危機に追い込まれかねなかった。そんな危惧を抱いた人も多かったようだ。何ともぞっとするような生々しい印象が忘れられない。

 爾来キューバに強い関心はあったが、中々行ける機会はなかった。今回初めてその憧れのキューバを訪れ、表面的ではあるが、少しは臨場感を感じながらキューバを知ることができたことを有難いと思っている。つくづく訪れて良かったと思っている。アメリカによる経済封鎖の影響などでインフラなどはまだ充分整備されていないが、ゲバラが伝えた革命精神でひとつひとつ確実に理想へ向かって前進していることは見て取れる。義務教育制度の普及により読み書きができない人々も大分減り、医療も無料になった。市街地にはほとんどゴミが散乱されていない。所得格差も小さくなった。今やキューバは大いに魅力的な国となった。しばらくこの革命の地に関心を抱きつつマイペースで学んで行きたいと思っている。

2016年9月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3415.2016年9月18日(日) 沖縄県に冷たい高裁判決と国の対応

 沖縄・普天間米軍基地の辺野古移設を巡る辺野古沖埋め立て工事承認を取り消した翁長雄志・沖縄県知事を国が訴えた訴訟で、一昨日福岡高裁那覇支部は国の主張を認め、翁長知事が応じないのは違法であるとの判決を言い渡した。

 今回裁判所が国の言い分を認めたため、沖縄県は取り消しを撤回して工事を承認せざるを得なくなった。このまま筋書通り行くと国は停止中の工事を再開し、いずれ辺野古沖を埋め立ててここに米軍基地を設営することになる。その結果として普天間基地は沖縄に返還されることになる。普天間基地撤去を主張していた沖縄県民としては、所期の目的が達成されたことになり、国はこれこそが唯一の解決方法であると考えていただけに、希望通りではないかというのが言い分であろう。

 だが、果たしてそうだろうか。沖縄から米軍基地がなくなるわけではない。判決を聞いた翁長知事は唖然としたと言った。判決が国の言い分を鵜呑みにして司法が行政の立場に立ったのではないかとの声もある。国の言い分は一部正しい。だが、根本的に沖縄県民の感情を理解しているだろうか。これほど辺野古埋め立て工事に対して沖縄県民が反対するのは、沖縄から基地がいつまでもなくならないということと、いつまでも日本政府が沖縄県民の気持ちを汲み取ってくれず、いつも沖縄が犠牲にさせられ、日本政府から見捨てられたとの絶望感があるからである。ここに至るまでにどれほど沖縄県民は政府が進めようとしている沖縄対策が、県民目線ではなく、上から目線であることにうんざりしているのである。残念ながら政府がそのことに気が付いていないように見える。論より証拠に、閣僚の中に沖縄に対して膝突き合わせてトコトン話し合おうという気持ちがない大臣がいることである。例えば、「注文はたった一つ、早く片付けてほしいということに尽きる」と沖縄・北方担当鶴保庸介氏のように、沖縄県当局と真剣に話し合いしなければならない立場にいながら、他人事のように無神経に放言する愚かな大臣もいる。

 判決後直ちに翁長知事は最高裁へ上告すると語った。法律論もさることながら、知事は国が沖縄にだけ、国の防衛について過重な責任と負担を押し付けて温かい支援の手を差し伸べてくれないことに対する不満が燻っている。

 裁判所が政府の言い分に乗っかったように述べた「辺野古移転だけが唯一の解決策」が、却って事を解決しにくくし、その点を主張することによって他の解決策の議論を封印する結果となった。それでいながら政府が唯一の解決策と主張する根拠は何も明らかにされていない。どうして唯一の解決策と決めつける前に、いま話題の「専門家会議」で議論して、国民や沖縄県民に説明して徹底的に議論し合うということをやらなかったのか。そうすれば、より良いアイディアも提案されていたと思う。

 一度は政府と沖縄県が話し合いしようという歩み寄りが途絶え、知事の「地方自治制度を軽視し、沖縄県民の踏みにじる、あまりにも国に偏った判断だ。裁判所が政府の追認機関であることが明らかになり、大変失望した」の言葉通り、再び両者の気持ちが離れていくことになった。

 沖縄県民でない私たちもゆるがせにできない問題である。

2016年9月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3414.2016年9月17日(土) 気になるヒラリー・クリントン氏の健康状態

 去る9月11日、15回目を迎えたニューヨーク同時多発テロ事件追悼式典に出席していた、民主党大統領候補ヒラリー・クリントン氏は急に健康の具合が悪くなり、式の途中で退場したが、車に乗り込む際よろめいてもいた。これまで演説の際にも時折激しい咳をしていたが、2012年に脳内の血管に血栓ができて、長期入院生活を余儀なくされたことがある。どうも日頃から健康状態は必ずしも良好ではないらしい。それでも担当医師は、軽度の肺炎を患っていたが、血圧や心拍数は平常で健康状態は良いと語り、15日から選挙のための遊説を再開した。

 クリントン氏の健康不安に対して、俄然張り切り出したのが、誰あろう対立候補のドナルド・トランプ氏である。テレビ出演の際には健康証明書のようなものまで見せて自らの健康状態を強くアピールした。大統領職は当然ながら健康でなければ務まらないが、自分自身は30歳台の健康体でクリントン氏に比べて我こそが大統領に適していると、これまでとは別の角度からも存在感を強調し出した。

 更にこれまでオバマ大統領はアメリカ生まれでなく、大統領資格がないとまで言及して一部には人種差別ではないかと非難されていた。それを今日になって渋々訂正し、オバマ氏のアメリカ国籍を認めた。トランプ氏は自分にとって不利だと分かれば嫌々ながら訂正し、有利とみれば追い詰めていくこれまでのご都合主義のやり方は相変わらずである。

 クリントン氏の健康不安説が伝えられてから、これまで少しずつトランプ氏を8%差と引き離しつつあったクリントン氏の支持率が、再び1.7%差とトランプ氏に追いつかれるようになった。やはり健康は大統領選では大きな争点のファクターになる。実際世界を股にかけて東奔西走するには、健康は最大の武器であり条件である。今68歳のクリントン氏はまだ年齢的には高齢を憂うるほどではないが、やはり健康に不安があるなら、選挙民は投票する際に足踏みするであろう。

 それにしても今このように健康問題が取り沙汰されるようになる前に、日頃からクリントン氏の健康状態をチェックしてその状態を熟知している筈の民主党関係者や家族はどうしてタフな選挙戦、そして4年間のハードワークを考えて、激職を選択するようになったのだろうか。厳しい言い方かも知れないが、少々軽率で支持者に対して無責任だったような気がする。仮に大統領になって途中で辞めざるを得ない結果になった場合、どういう対応をしようとするのだろうか。

 世界が注目するアメリカ大統領選挙投票日は、今日から52日後の11月8日に迫っている。 

2016年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3413.2016年9月16日(金) いつ解決するのか、豊洲市場移転問題

 このところ連日のように築地市場の移転先である豊洲市場の、建物地下部分の想定外の空間部分を巡って喧しい騒ぎになっている。新しい市場、豊洲市場の建築物の地下部分が専門家会議で盛り土を行うようアドバイスされたにも拘わらず、出来上がってみたらそれがなく空間になっていた事実が明らかにされ、今やハチの巣をつつくような騒ぎになっている。各テレビ局でも多くの時間を割いてその経緯や原因を解説し放映しているが、問題はすでに建物の地下に空間部分が出来上がってしまっただけに、今更取り壊して再び空間部分を盛り土にするわけにも行かず、どうすべきか関係者が困り抜いているというのが実態である。

 そこへ昨日建物計画段階当時知事だった石原慎太郎氏がこの辺りの事情について説明すると、各テレビ局が同じような報道をする有様である。新市場へは11月に移転することに決まっていたが、複雑怪奇になって石原元知事がいみじくも言ったように、東京都は伏魔殿であることを曝け出した。

 どうもこの計画から実行に至るプロセスや、誰が責任者かが不透明である。この辺りはお役人の秘密性、金銭感覚と責任感のマヒが影響していると思う。特に東京都は財政豊かで、あまり都民が厳しく都政について追及しないことを好いことに、都庁役人はそれに甘えている節がある。計画は計画としてこの先東京都はどうやって市場の移転を進めていくのだろうか。

 キューバを旅行したことで多くの人から話を聞かせてほしいと言われている。「知研フォーラム」12月号にキューバの現状について寄稿することになったが、その点ではまだまだキューバ関連書を読み足りない。先日アマゾンに頼んだ3冊、チェ・ゲバラ著「ゲバラ世界を語る」、同「革命戦争回顧録」、フィデル・カストロ著「チェ・ゲバラの記憶」を今日入手したので、早く読もうと思っている。今のところ月末にゼミの仲間に話すことと、12月に吉祥寺で講演することが決まっている。

 いま三好徹著「チェ・ゲバラ伝」を読んでいるが、これによるとゲバラが訪日した頃の日本政府のキューバに対する冷たい扱いがよく分かる。カストロもゲバラも親日的で日本に好意を抱いて、日本との貿易を望んでいたが、その当時すべての面でアメリカに顔が向いていた日本が冷たい対応をしていたことがよく分かる。キューバは知れば知るほど興味深く、魅力的な国であることが段々分かって来た。

 さて、昨日民進党代表に選出された蓮舫氏が、今日党運営の要である幹事長に元首相の野田佳彦氏を据えることに決めた。あまりない人事である。元々蓮舫氏と野田氏は気脈が通じて蓮舫氏としては、最も頼りになり後ろ盾にしたい人である。野田氏は「‘蓮’の花を下で支える‘蓮根’になった気持ちで下支えする」と洒落た表現をしていた。とかく問題の多い民進党内には、この人事についても辛口の評価をする党員がいる。首相時に政権を明け渡すことになり、以降下り坂に陥った民進党内の一部には、野田氏を戦犯と見做す党員もおり、「火中の栗を拾う」覚悟の野田氏の蓮舫氏とともに民進党の再興を願う意欲も空回りになりかねない。これはどうにもならない民進党の体質であろう。

2016年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3412.2016年9月15日(木) 新民進党代表に二重国籍の蓮舫氏

 今夜は中秋の名月である。しかし、雨模様で空に月を見ることはできない。残念である。

 去る11日民族・考古学者の加藤九祚先生がシルクロードのウズベキスタン・古都テルメズ遺跡の発掘調査中に体調を崩され現地の病院で亡くなられた。享年94歳だった。加藤先生は終戦後シベリアに長く抑留され、その厳寒の地の抑留体験が帰国後もずっと先生の気持ちを束縛し悩ませた。だが、先生が尊敬するロシアの探検家プルジェワルスキーの「人生はすばらしい。なぜなら旅ができるから」という言葉に励まされてきた。そして旅を続けた。その人生集大成の旅で冥界に召されて行った。以って瞑すべしであろう。古来旅に臥した歌人は多い。芭蕉もそうである。だが、加藤先生のような学者が旅行中に客死した話はあまり聞かない。私は旅を思い切りエンジョイし、仕事に大いに生かし、今でも自由に楽しんでいる。おこがましいが、その点ではロシアの探検家や加藤先生と似たところがあり、幸せなことだと思っている。

 さて、今日民進党の代表選挙が行われ、3人の立候補者のうち最も有力視されていた蓮舫代表代行が1回目の投票で過半数を超え圧勝した。新代表は夜のNHKテレビで何が当選した理由だと思うかと問われ、「男性から女性へ、40歳代へ」の「変わった感」が斬新だったからではないかと発言していた。4年前に政権を手放して落ち目の民進党は、再起を期して党名まで変更し、変革を印象づけようとしている。2009年9月には40数%もあった支持率が、今では10%をやっと超える程度の支持率にまで低落してしまった。だが、一向に再浮上の気配もなく、坂道を転がり落ち選挙の都度議席数を減らして行った。

 今回どん底に落ちた民進党は話し合いではなく、岡田卓也代表の代表辞退を機に、思い切って代表選挙に踏み切った。立候補した3人のうち、何かやってくれそうな予感を抱かせた蓮舫氏は、あるまいことか事前に日本と台湾の二重国籍問題が表面化してその対応に追われた。日本国籍の他に台湾国籍を有していたのである。蓮舫氏はそれはすでに放棄して解決していると述べていた。しかし、実際にはまだ台湾国籍は残っていて二重国籍のままだったと非常識でお粗末な謝罪会見を行った。一国の国会議員になる前に国籍問題は当然クリアしていると考えるのが、普通の市民感覚である。だが、蓮舫氏には国籍問題をまったく歯牙にもかけない無思慮さがあったようだ。この辺りはこの人のちょっと常識外の感覚だと思う。こんなイージー・マインドで一強多弱の一強である自民党を追い詰めて行くことができるだろうか。些か心許ない。

 他の2人は、元外相、元国交相の前原誠司氏と政調副会長・玉木雄一郎氏であるが、弁護士の前原氏がまたもや恥を晒して立候補したのにはうんざりした。これまでも偽メール事件、禁じられた外国人からの資金受領、国交相時の八ッ場ダム建設工事中止発言など挙げればきりがないほど国民を裏切る行為を犯している。こういう鉄面皮の人が、よくも凝りもせず、野党第1党のトップとして立とうというのである。本人には気の毒であるが、落選してホッとしている。

 はてさて普通とは些か異なる感覚の蓮舫氏がどれだけリーダーシップを揮ってやってくれるのか、民進党の行方は仕上げを御覧じろである。

2016年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3411.2016年9月14日(水) 日本ペンクラブ9月例会出席

 今日日本ペンクラブ9月例会が開かれた。珍しい人がショート・スピーチを行った。かつてバンドでヴォーカルとギターをやって、ラジオでデイスク・ジョッキーを務めていたドリアン助川さんである。どんなことを話すのかと思っていたところ「あん」という著書で、映画化された作品について話された。助川氏はこれまで39冊を上梓して、「あん」は40冊目だという。やっとヒットが出たと言っておられた。そして映画は国際映画祭で入賞こそ逸したが、40数ヶ国で上映されることになり、各国の映画祭へ招かれたという成功物語を披露された。

 また、浅田次郎会長が毎朝5時に起床し、夜9時に就寝し、朝は一人でインスタント味噌汁で朝食を食べるとの話はお愛嬌だった。

 さて、昨日ペンの最新会報の掲載内容に、最近やや耳が遠くなり「耳が遠いんですけど」と私が聞き返したことが書かれているが、誤解を受ける恐れがあるうえ理不尽だと感じたので、今日ペン事務局宛に記録上消すことができない表現であり、会員の間に誤解を生む恐れを指摘し、納得しがたいとして表現につき注意されるよう抗議のメールを送信した。

 ペン仲間の何人かにもその点を話したが、当然だと賛意を表してくれた。事務局編集担当の大変さは理解できるが、本質とはかけ離れた表現で質問が誤解されたのでは堪ったものではない。今日はキューバについて多くの知り合いから尋ねられた。キューバに何とかして行ってみたいという人がいかに多いか、改めて知らされた。

2016年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3410.2016年9月13日(火) 日本ペンクラブ総会の質疑応答

 昨日やってしまったチョンボの後始末で、四谷警察署遺失物係へ出かけ自宅の鍵と僅かなコインが入った小銭入れを受領してきた。こんな非生産的なことをやっているようではダメだ。何とも無駄な時間である。

 さて、昨日日本ペンクラブ会報最新号№439が送られてきた。主題は、6月に開催された定時総会の報告である。あの日私は元銀行頭取・藤川鉄馬氏とともに、ペンクラブ理事会の現状と在り方について疑問を感じたので、積極的に質問をした。会報はその点につき大きく取り扱ってくれている。

 私が質問したのは、ひとつは2年ごとに行われる理事選出のための選挙制度の改定、つまり立候補制度の導入と各当選理事の獲得票数の公表である。著名人に有利な現行制度を、やる気のある会員にとって理事になる可能性のある立候補制度を認める選挙に改定するよう求めた提案である。もうひとつは現在の理事30名の内、選挙で選出される理事が20名で全理事の2/3に当たり、残りの10名の理事は会長の推薦によってのみ選出される現行制度を、会長推薦理事を全廃するか、多くても1~2割程度に縮小することを提案したものである。

 これまで個人的に関わりのあったビルマ(ミャンマー)の国会議員は、全議員の1/4議席が軍部によって任命されていることも参考例に挙げながら、現行制度はビルマ軍事政権以上に強権的であるとちくりと主張した。結論から言えば、残念ながら2つの提案はいずれも受け入れられなかった。執行部は採用しない理由をくどくど述べていたが、とても納得できるものではない。現状は全会員のため、ひいてはペンのためというより、現執行部の利便のために私の提案は否認されたと考えざるを得ない。このままではペンクラブの組織は硬直化する一方で、これではよほど革新的な改正案を実施するか、若手会員が数多く入会し新しい感覚と視点からペンを根本から改革して行くようでないとペンは末期症状に陥るのではないかと、お先真っ暗の暗い気持ちになる。

 私との質疑応答が会報で3頁に亘って紹介されているが、私が最近やや耳が遠くなり「耳が遠いんですけど」と聞き返したことなど本論とは無関係なことまで記録として残されているのは、些か意地が悪く本末転倒ではないかと記録者と編集者の常識を疑いたくなる。

 この会報を読んだ会員、特に当日欠席した会員が何と思うか。総会後のパーティで私に話しかけてよくぞ発言してくれたと激励してくれた知己、未知の会員が何人かいたことには有難いと感激したし力強く感じた。しかし、ペンは現状のままで良いのだろうか。

2016年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com