現在国連総会に出席している安倍首相が、明日キューバを訪問する。今月初め首相のキューバ訪問が公表されてからその後の情報が伝えられず、どうなったのか些か気になっていた。私見を言えば、例え日本の首相が訪れても、すでに現役を引退しているフィデル・カストロ前国家評議会議長は日本の首相と会う気はないだろうと見ている。昨年オバマ大統領がキューバとの国交回復後キューバを訪問した際、短い時間ではあったが、フィデル・カストロ氏と会い会談した。安倍首相としてもその気持ちは強いだろう。だが、キューバへ行く以上首相自身の納得感と実績資産から考えて、革命の司令官であるフィデル・カストロ氏と会わなければ満足できないのではないか。フィデルは安倍首相と考え方にあまり共通点はなく、況してや首相の祖父・岸信介氏がキューバ革命成就直後に安保条約改定でアメリカと手を結んだことなどから首相と会うことを潔しとはしないと考えている。フィデルとの交渉が難航していると考えていたが、何とか会える目鼻がついてきたと思わせるキューバ行きである。
だが、今朝の朝日に4段記事「キューバの債務1200億円免除合意」と出ていた。これでキューバを釣ったのではないかとつい勘繰りたくなる。現在キューバの対日債務は1800億円ある。このうち2/3をチャラにして、残りの債務の支払い条件も緩和した。これによってキューバへ飛び、兄のフィデルは無理としても、弟で現国家評議会議長のラウル・カストロ氏と会見することになったのではないか。まあ両国の関係がより友好的になれば、これ以上のことはない。
さて、政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」について廃炉を含めて抜本的に見直すことを前提に、新たな会議を設置する方針を打ち出した。廃炉を決定したということである。「もんじゅ」は稼働開始以来22年間が経過したが、実働は僅かに250日で、投じた資金は1兆円を超える。まったく役立たずの代物で、毎年200億円も維持費がかかるお荷物に手を焼いた結果出た結論である。
益々複雑怪奇になってきた移転予定の豊洲新市場の地下空間と同様、どうしてお役人というのは無責任、無駄遣いに夢中になるのか。
バカを見るのは、いつもながら納税者である。