3602.2017年3月24日(金) 日本ペンクラブ理事に選出される。

 昨夕日本ペンクラブ事務局からこのほど行われた理事選挙の結果、理事20名のひとりに私が選出されたとの連絡を受けた。思いがけない連絡に少々興奮し、今日メールで送られて来た内諾書に所定事項を書きこんで返送したところである。理事就任は正式には6月の総会を経て決まる。ペンクラブは各種の団体の中でも社会的評価も高く、国際ペンクラブの日本支部として国際的にも影響力のある文化団体であり、その理事職に就くことに責任の重さを感じている。著名な作家やジャーナリストが大勢いる中で、私ごとき名もない小さな存在が、多くの会員から期待を担わされたことを自覚して、言論の自由を守り抜くことを第一に、ペンクラブの健全な発展のために努力し、全会員の期待に応えたいと決意を新たにしているところである。

 これからペンクラブの業務にも少々時間を割かなければならないが、健康に一層留意して少しでもペンクラブのためお役に立ちたいと考えている。

 さて、WBCで世界一奪回を目標にしていた日本代表チームは、一昨日準決勝でアメリカに2-1で敗れ、夢は潰えた。投手陣はよく健闘して強力なアメリカ打線を抑えていたが、肝心なところで野手に大きなエラーが出たことと、打線が沈黙して僅か4安打に抑えられたことが敗因である。そのアメリカは昨日決勝戦でプエルト・リコに8-0で完勝し、初めて世界一の座に就いた。現役バリバリの大リーガー揃いのアメリカが本領を発揮すれば、他チームに比較して選手個々の力は一段上のレベルにあるので、優勝は当然とも受け止められる。だが、過去の大会では大リーグ機構がWBCにあまり熱心でなく、またシーズン間際の大会にメジャー各チームもケガを恐れて選手を派遣することに後ろ向きだった。今大会は漸く機構が真剣に大会に臨む姿勢を示してくれた。結果としては興行的にも当たったようで、日本国内でも日本の試合はすべて20%を超える高視聴率だった。

 日本チームは優勝した第1回、第2回大会当時に比べて、各国のチーム力が上がってきた実態を正しく把握して、そう易々と戦えるものではないということを肝に銘じるべきである。今から5年後の大会に照準を合わせた準備をする必要があるだろう。

 それにしても日本人はつくづく野球が好きだなぁと思う。

2017年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3601.2017年3月23日(木) 多摩大学改革日本一と国会証人喚問

 このところあまり外出することが少なかったが、昨夜はNPO「知的生産の技術研究会」(通称:知研)総会に出席した。そして二次会で初対面の会員たちと懇親を深めた。もう40年以上中核から離れながらも会員として活動しているが、このところ知研の各種行事や催しから足が遠のいている。昨日も来月同じ会場でキューバについてセミナー講師を務めるので、その会場下見も兼ねる目的もあった。このところ会員数も減少気味だし、会員もやや高齢化している。こういう知識をブラッシュアップする真面目なNPOは、今の時代の若者には合わなくなってきたのだろうか。ちょっと寂しい気がする。

 幸い昨日は2年ぶりに久恒啓一理事長にも会えたし、二次会では隣席でじっくり話をすることが出来た。現在多摩大学副学長でもある久恒理事長は、新興大学の改革に取り組んでおられ、昨年文部科学省が支援する「私立大学全国改革ランキング」でトップの座を占めた。いま話題の森友学園の経営が疑問視されている中で、学生数2,000名の小規模大学ながら、時代に即応した改革を成し遂げているのは素晴らしいことだと思う。それも寺島実郎学長の全面的サポートをいただき、将来計画に基づいて精一杯努力を積み重ねた成果である。早速同じくNPO「JAPAN NOW観光情報協会」セミナーに講師として来ていただきたいとお願いしたところご快諾いただいた。早速同NPOに照会したところである。

 今日は高校2年生時のクラス会が藤沢市内で開かれた。15日付本ブログで書いたように、残念ながら中西準子さんが来られなくなったが、18名が揃った。物故者も多くなったので、幹事によれば案内を送ったのは、39名だというからほぼ半数が出席したことになる。この1年間に2人が他界した。また、連れ合いを亡くされた女性が1人いたので、世の倣いとは言いながら段々寂しくなる。一人ひとり近況報告をしたが、やはり話の中心は、健康問題と闘病記である。私は話の中で、2020年東京オリンピックの翌2021年は母校創立100周年に当たるので、記念式典に出席出来るよう、それまで元気に生き抜こうと呼びかけたところである。

 さて、今日は日本中が注目している中で、大阪の森友学園・籠池泰典理事長に対する証人喚問が衆参両予算委員会で行われた。すべてのテレビ局が生放送で中継していた。午前、午後を通じて4時間半も偽証が許されない回答をしていたが、理事長の言葉に対して安倍首相夫妻側は真っ向から否定、反論している。これではどちらが正しく、どちらが嘘をついて罰せられるのかまったく見当がつかない。しかも最も追及されるべき事実解明は、9億余円の国有財産がどうして極端に8億円も安く払い下げられたのか、またその過程に政治家の介在がなかったのか、更になぜ3通りの請求書が発行されたのか、であるが、これらの問題についてまったく核心に触れた質疑が行われなかった。

 まだまだ今後に尾を引きそうな鬱陶しい問題である。

2017年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3600.2017年3月22日(水) 文部科学省官僚の無節操ぶり

 文部科学省の学習指導要領で奇妙なことが検討されていた。これまでにも学校で学んだ歴史上の事件や言葉を広く周知させることなく訂正したり、削除することはあった。例えば、我々が散々習った江戸時代の身分制度を表す「士農工商」と言う言葉を、使用不可として今や学校では教えなくなった。武士はともかく、農工商の間には制度としての身分制が存在しなかったというのがその理由である。更に驚かされたのは、鎌倉幕府の開府はこれまで源頼朝が征夷大将軍に任ぜられた1192年とされていた。鎌倉幕府については、日本史の受験勉強で「イイクニ作ろう鎌倉幕府」と語呂合わせまでして暗記したものである。しかし、歴史的事実は好い国を作る前に武士はすでに実権を握っていて、実質的に鎌倉幕府が開かれたのは、源頼朝に対して朝廷より諸国への守護・地頭職の設置・任免を許可した文治の勅許が与えられた1185年が妥当だとして、開府の年号が改定されたことである。なぜこの期に及んでというのが率直な感想である。

 鎌倉幕府のように具体的な改正理由があればまだ好いとしても、今回文科省内がざわついていたのは、すでに新しい用語が教科書に使われていたが、現場の教師の間で教えにくいとの苦言が相次いだからだそうである。他に驚いたのは、これまで考えてもみなかったような言葉の使い方がされていたことである。

 例えば、つい最近まで教育現場では分かり難い教え方がされていた。聖徳太子を小学校教科書では「聖徳太子(厩戸王:うまやどのおう)」と言い、中学校では「厩戸王(聖徳太子)」と表記され、現場の教師から教えづらいとの声が次々と出たからである。文科省ではこれを小中とも「『聖徳太子』に戻し、中学の指導要領では古事記や日本書紀で『厩戸皇子』などと表記され、後に『聖徳太子』と称されるようになったことに触れる」と付け加えることにしたのである。その他にも「元寇」を「モンゴルの襲来」に、「鎖国」を「幕府の対外政策」に変更しようとの改定案があったが、これらは元に戻し従来通りとなったたようだ。どうして、日本人の頭の中に深くインプットされた史実を、特別に積極的な理由もなく代えようとするのか理解に苦しむ。

 我々が学校を終えて長い時間が経過してから、一部の報道だけで史実を訂正させられ、旧世代となった我々がまったく蚊帳の外に置かれてその新史実を知らないということには強い抵抗がある。

 歴史の事実を後世に正確に伝えるということについて事実と違うからと簡単に訂正するのではなく、確固たる信念で度重なる検討のうえ、これ以上正確な事実は今後表れないと確信してから是非を検討するようもっと慎重に取り扱ってもらわないと困る。ひとつの官庁の気まぐれな判断で史実を曲げかねないことは、慎んでもらいたい。その点で文科省はどう考えているのか。わが国の教育行政を取り扱っている文科省は、過去に大きな軌道修正を何度もやっている。些か軽薄だと考えざるを得ない。

 最近でも教育史上に残る大きな制度改革を行った。それは詰め込み教育の反省から1980年に始まった「ゆとり教育」が、その後国際社会における日本人生徒の成績低下につながったとして、良かれと採り入れた「ゆとり教育」をイージーにも2010年頃に決別を告げたことである。教育の根幹を揺るがしかねない制度改革を文科省官僚はいとも容易くやってのけるのである。かつて高度成長期に思い上がった証券業界が、「銀行よ!さようなら、証券よ!こんにちは」とド派手なPRをして、世間から総スカンを食った。ことが教育問題であるだけにもう少し慎重に取り扱って欲しいものである。

2017年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3599.2017年3月21日(火) 共謀罪法案閣議決定、法案成立めざす。

 「~私たち日本ペンクラブは、いま国会で審議が進む『共謀罪(「テロ等組織犯罪準備罪」)』の新設に強く反対する。過去の法案に対しても、全く不要であるばかりか、社会の基盤を壊すものとして私たちは反対してきたが、法案の本質が全く変わらない以上、その姿勢に微塵の違いもない。過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となった法案同様、いま準備されている共謀罪は、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。これは、人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている『内心の自由(思想信条の自由)』を侵害するものに他ならない。結果として、表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われてしまう~」

 これは所属する日本ペンクラブが今日共謀罪法案の今国会成立を目指して政府が法案を閣議決定したことに反対する声明の一部である。

 同時に今夕のNHK「ニュース7」でもこの声明は取り上げられ報道された。

 とにかく一般市民が対象になる恐れがある。警察が危険行為を及ぼす厄介だと思う人物が、現場の下見をしたなどの「準備行為」をしただけで検束しようという乱暴で、人権無視の法律である。このところ安倍政権の保守化、右翼化の動きがどんどん進んでいる。一強多弱を好いことに、自民党は今や思い通りに何でもやろうとしている。

 今日の国会における与野党の質疑を観ていると、担当の金田勝年法務大臣がこの法案について充分な知識があるようにはとても思えず、野党議員の質問に対する回答がしどろもどろである。まったく納得出来るものではない。ひたすら法案を通して欲しいとの気持ちばかりが表れているだけだ。元大蔵官僚にしてはあまりにもお粗末過ぎる。

 こんな人権を顧みない法案が世の中に出回ったら、国民を押さえつけて喜ぶのは安倍首相以下自民党員と警察だけではないか。嫌なことに少しずつ戦前の軍国主義が復活しつつあるようだ。

  ついては、今日東京都内で桜の開花が発表された。例年より5日も早く、全国でも一番早いという。因みに鹿児島は来月2日が開花予想日だそうだ。東京も熱気で南国になったのだろう。

2017年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3598.2017年3月20日(月) 石原元都知事を百条委員会が証人喚問

 豊洲市場を巡る問題で、今日東京都議会百条委員会が石原慎太郎・元知事を証人喚問した。一昨日は元築地市場長ら4人、昨日は豊洲移転問題に深く関わっていたとされる浜渦武生・元副知事に続いて、最終日の今日は大物、石原元知事が証言台に立った。

 約1時間半に亘り都議会議員の質問に応えていたが、2日に記者会見で述べた内容から新たな事実が明かされたとか、事態が大きく変わったというような証人喚問ではなかった。元知事は都政トップとしての責任は感じているが、細かい点については担当者に任せたとか、記憶にないと押し通して解明に前進はなかった。結局大山鳴動だった。

 石原氏が逆にきつい言葉で言ったのは、早く豊洲に移転すべきだということで、小池百合子現知事がいつまでも決断しないことを強く批判していた。安全・安心との風評に専門家が証明した科学的な事実が負けてしまうのは、文化的な国家ではない。なぜ早く豊洲に移転しないのかということだった。折角出来た施設を使用しないことによって更に無駄な費用が使われると厳しく責めていた。

 この証人喚問は普く関心が高く、すべてのテレビ局がその様子を生中継していたので、ずっと観ていた。質問した都議6人のうち冒頭の2人は自民党員で、やはり遠慮があるのか、石原元知事以前は赤字だった都財政が、石原知事になって以降黒字に転換した功績を評価したり、他にも元知事の実績を称賛してなれ合いのような場面を見せつけていた。これではまともな質疑にならない。石原元知事の子息、石原伸晃・経済再生大臣が前自民党東京都連会長だったことも影響しているのか、自民党質問者にはどうも腰が引けているような印象を受けた。他の野党質問者もあまり的を射た質問をするわけではなく、全体として中身のない証人喚問だったと思う。冒頭に知っていることは包み隠さず述べるとの宣誓は、空手形に終わったようで、これでは証人喚問を行っても大して意味のあるものではなかった。この証人喚問は何を聞きたいのか、目的がどうもぼやけていたように思う。

 来る23日に国会の証人喚問に出席する森友学園の籠池泰典理事長に言い逃れするヒントを与えることになったのではないかと心配である。

2017年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3597.2017年3月19日(日) アメリカ保護主義の影響と北朝鮮の狂乱劇

 2日間ドイツのバーデンバーデンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が昨日閉幕した。会議ではトランプ政権の「アメリカ・ファースト」の強硬姿勢のせいで自由貿易が揺らぐと懸念されていたが、結局のところアメリカの意向を無視するわけには行かなくなり、不承不承各国は「反保護主義」と地球温暖化対策の看板を下ろして、不本意な妥協線を打ち出さざるを得なくなった。

 その前日アメリカを訪問したメルケル・ドイツ首相は、トランプ大統領との首脳会談前にまず大統領と握手しようと手を差し出そうとしたが、大統領には握手のそぶりは見せなかった。そのまま首脳会談に入り、難民問題ではメルケル氏が難民に生活再建の機会を与えるべきだと主張したのに対して、トランプ氏は国民の安全が最優先だと突き放した。元々礼儀を弁えない大統領だが、こんな対応ではまともな話し合いに入れない。そのうえG20はこれまで「反保護主義」をアピールしてきたが、アメリカの強い申し入れでそのアピールを取り下げ、代わりにトーンダウンして「自由で公正な貿易」との文言を盛り込むことになった。これまでもトランプ政権の言動には非礼な点が度々見られたが、ここでもその傲慢さと非礼ぶりを見せつけた。

 自国の貿易赤字を一方的に相手国のせいにして非難するやり方はあまりにも我儘で不遜である。貿易赤字の相手国として、選挙戦中から強く非難していた中国、ドイツ、日本に対しては通貨安誘導を行っていると強く批判して、ここでも「通貨安競争を懸念する」との文言を入れるよう働きかけた。だが、流石に有力3カ国が強く反対したために我儘を引っ込めた。これからアメリカの財務、及び通商当局のスタッフが決まり次第、経済交渉の場でアメリカが具体的に圧力をかけて来るのは目に見えている。日本にとっては困ったトランプ政権である。

 一昨日日本を訪れていたアメリカのティラーソン国務長官が、昨日中国を訪れ王毅外相と北朝鮮問題を中心に話し合った。北朝鮮の核・ミサイル開発により緊張が危険なレベルに達したので、中国に対してより一層北朝鮮に圧力をかけるよう協力を迫ったのだ。いくら警告しても守ろうとしない北朝鮮の対応にしびれを切らしたきらいがある。怖いのは、一方的にミサイルを打ち上げ、周辺国を恫喝するが如き北朝鮮の相も変らぬ言動である。オバマ政権の話し合い政策を止めるとまで言ったトランプ大統領が、このままでは暗に米軍が北朝鮮の軍事関連施設に対して先制攻撃を仕掛けることを匂わせるような軍事手段も排除しないと発言したことに対して、中国もアメリカを牽制した。しかし、今や何をやるか分からない北朝鮮に対して米軍が軍事行動を起こした場合、今月のミサイル打ち上げの際北朝鮮が標的は在日米軍だと明言したこともあり、北朝鮮が打ち上げる沖縄、及び他の日本国内の米軍基地へのミサイル攻撃が心配される。当然米軍基地のある日本が傷つくことは容易に想像がつく。

 実際今日も北朝鮮は新しい大型エンジン燃焼実験を成功させたと発表した。日米韓は北朝鮮が近々弾道ミサイルを発射する可能性が高いとみて警戒を強めている。トランプ政権の過激な発言が北朝鮮を過度に刺激している一因でもある。トバッチリを食うことだけは、願い下げにしてもらいたいものである。

2017年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3596.2017年3月18日(土) 前橋地裁「原発事故は国、東電の責任」

 前橋地裁は昨日福島第一原発事故による国と東電の責任を認定して、それぞれの賠償責任を認めた。地裁は事故後に福島県から群馬県へ避難した住民らが国と東電に対して損害賠償を求めた集団訴訟判決で、それぞれが適切な安全対策を取らなかった点を違法とした。全国で福島第一原発事故関連の裁判は、18都道府県の20地裁・支部で29件が争われている。その中でこの前橋地裁の判決は初めてである。

 裁判は地震の被害を防げなかったのは、国、東電がともにすでに2002年にM8クラスの地震発生が指摘されていたにも拘わらず、対策を講じなかったからであると過失を認定した。

 判決の骨子を見てみると、概ね次の3点に要約されるようだ。①東電は2002年7月から数カ月後には津波を予見出来た。②非常用発電機の高台設置などが確保されていれば事故にはならなかった。③国は遅くとも2007年8月頃までに東電に安全対策を講じさせるべきだった。

 結局地震と津波の襲来を軽く考えていたと判断された。地裁の判断は国も東電も津波を予見することは出来たというものである。

 これによって62人の原告が東電から賠償金3,855万円を受け取ることになったが、年齢、避難経路、既支払い金との差額などを考慮すると1人当り7~350万円と大きな開きがあり、算定根拠は理解出来るにしても同じ原告の間でも不公平感が残るのではないかと思う。裁判に掛かった費用などを考えると原告によっては足が出て、金銭的には勝利を勝ち取ったといえるものではない。苦しみはこれからも長く続くことだろう。

 福島第一原発の賠償費用や、廃炉もまだまだゴールが見えない。事故処理費が21.5兆円もかかり、国が補助するとは言え東電の暗闇が明けるまでは、これからまだ数十年単位の時間が必要になる。とても東電だけでこの復興計画を処理出来よう筈もなく、政府と一体となって再生計画を考えていかなければならない。

 そのひとつとして、東電では会社を新しい体制の下に立て直そうとの検討がなされているらしい。その大きな目玉は東電が人事面でトップ交代を考えていることである。実はこの件については東電が決める前に経産省が動いているようだ。いずれはっきりするだろう。

 現在東電では経営課題が慎重に検討されているが、それは、①21.5兆円の工面、②柏崎刈羽原発の再稼働、③送配電コスト引き下げ、④中部電力との事業統合、⑤電力小売りで他業種と連携、等々である。

 我々被害者でない人間にとっては、原告らとともに原発を止め、節電や他のエネルギーへのシフトの方が原発現状維持よりよほど大事な問題である。政府・自民党はいくらトラブルや問題が起きても一向に懲りないようだし、民進党は簡単に原発ゼロ・ポリシーを取り下げようとしている。これでは、我々が生きている内に原発問題を根本的な解決に導く方策は見られないと思う。

2017年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3595.2017年3月17日(金) WBCで日本チーム準決勝進出

 昨日 2017 World Baseball Classic (WBC)に出場している日本代表チームが、最後の決戦の地ロサンゼルスへ向かった。今大会はほとんどテレビ中継を観ていないが、先週のテレビ番組視聴率を見ると高視聴率上位5番組のうち3位までがWBC日本チームの試合だった。それほどWBCをテレビ観戦していた視聴者が多かったということになる。

 世界から16チームが参加してそれぞれ4つのブロックに分かれて出場し、一次、二次予選リーグを勝ち抜いた4チームが22日からロスアンゼルスで開催される準決勝、決勝トーナメントに出場する資格がある。幸い日本チームは期待通り一次、二次リーグともに3戦3勝でアメリカへ乗り込んだ。あと2勝すれば世界一の栄冠を再び獲得することが出来るが、中々強豪国が揃っているので、日本チームとしても正念場を迎えたというところだ。

 今年のWBCでこれまで印象的だったのは、考えてもみなかった中東のイスラエルの強さだった。今までイスラエル人が野球をやるなんて想像もしていなかった。それが、第一次予選で日本のライバルである韓国を破ったのに驚いていたところ、翌日には台湾にも完勝したことである。二次予選リーグで日本とも対戦し日本が勝ったが、意外なしぶとさに感心した。ほとんどの選手がアメリカのメジャー、及びマイナー・リーグの在籍、或いは経験者でむしろ今まで過小評価されてきたきらいがある。試合前の国家斉唱の折に何人かの選手が野球帽を取ったらユダヤ教徒らしく頭上にユダヤ教の民族衣装キッパを載せていたのが微笑ましかった。ほとんどの選手が両親のどちらかがアメリカに生まれ、実際にアメリカ国内に居住している選手が多いようで、パレスチナ近くで野球をやっているわけではないと思う。

 これほど人気があるWBCの試合だが、どういうわけだかNHKが冷たい。実況中継は放映権を獲得出来なかったのだから放送しないのは分かるが、スポーツ・ニュースでもプロ野球オープン戦の試合は伝えるのに、ことWBCに限ってはほとんど放送しないのは、いかなる理由なのだろうか。

 22日に準決勝、翌23日に決勝戦が行われる予定であるが、日本はチーム状態が良さそうなので、何とか世界チャンピオンの座を奪回して欲しいと思っている。

2017年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3594.2017年3月16日(木) 国内外に難しい問題波及

 国内外にややこしい問題が起きている。国内ではこのところ毎日話題になっている学校法人森友学園・籠池泰典理事長の動静が一際注目を浴びている。昨日はわざわざ上京し、外国人特派員協会で記者会見を行う予定だったが、直前になって一方的にキャンセルするいつもながらの非礼な行動を取った。その代わりにノン・フィクション作家と称する菅野完氏が代理会見をして、理事長は子息ともども夜には大阪へとんぼ返りしてしまった。菅野氏の会見は真偽を取り交ぜ、秘密性を帯びた話の中味を窺わせる。これがまた新たな話題を呼んでもつれそうだ。

 そして今日建設中の学園敷地前で聴き取り調査に訪れた与野党国会議員に、理事長が大きな声で説明していたが、テレビには会話を邪魔するような意図的で不快な妨害音声が流され、充分聴き取ることは出来なかった。それと同時に小池晃・共産党書記長、福島瑞穂・社民党元代表、森ゆう子・自民党議員ら大物与野党議員が理事長宅へやって来て理事長を交えて長い間会談していた。その結果昨日菅野氏が新たに学園設立に関係した閣僚がいると語りながらもその名前をぼかしていたが、今日安倍首相から学園建設資金として寄付金百万円を受領したと理事長サイドから暴露された。それがきっかけとなり、結局自民党はこれまで拒否していたが、民進党との間で籠池理事長の国会証人喚問を行うと決めた。この問題はこれから先どうなるか見当がつかない。

 更に学園と関係ありと見られている稲田防衛相が責任を問われる問題が浮上した。防衛省内の自衛隊南スーダン部隊の日報について、一度は廃棄したと公表されたが、統合幕僚監部に残っていたことが分かった。だが、実は一度は廃棄したと防衛相が認めた日報が、自衛隊の手元にも残っていたという訂正発言があり、その隠蔽体質と大臣の監督責任が問われ出した。野党は大臣の資格なしとして稲田防衛相の辞任を求めている。これもこれから後へ引きそうだ。

 海外では2つ大きな話題がある。ひとつは、トランプ大統領が署名した6カ国からの移民受け入れを一時禁止する大統領令が、ハワイ州連邦地裁が全米で執行を停止する決定をしたことである。これで移民、難民の入国に制限を課した大統領令は、7カ国から6カ国に変わったが、それも受け入れられず2度目の執行停止となった。トランプ大統領はこれを不服として最高裁まで争う考えを表明したようだが、トランプ政権にとっては厳しい道のりになったと言える。

 もうひとつの話題は、オランダで保護主義に基づき移民、難民を含む異民族の受け入れを拒否しようとするウィルダース自由党党首らオポチュニストの勢いが、昨日の総選挙でひとまず頓挫することになったことである。一時は、世論調査で首位に立ってウィルダース自由党党首については、このところ連日テレビでそのアジテーションの様子が伝えられていた。今回の選挙は、オランダ国民のみならず、全欧州でも格別関心が高く、投票率も81%となった。結果は、現与党のルッテ首相率いる親EUの中道右派・自由民主党が40議席から32議席へ減らしたが、ひとまず第一党を維持することになった。

 アメリカのトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」や、移民締め出しの保護主義、イギリスのEU離脱などに勢いを得て、この後フランス大統領選挙やドイツの選挙に影響を与えると見られたオランダの結果が注目されたが、取り敢えず保護主義の勝利と発展を抑えた。

 しかし、前途は内外ともに多事多難である。

2017年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3593.2017年3月15日(水) 文化功労者・中西準子さんの思い出

 来る23日に母校湘南高校2年生時のクラス会が藤沢市内で開かれる。出席者はいつも10名少々であるが、毎年出席している。今年は以前から会いたいと思っていた中西準子さんが初めて出席するという情報を事前に得て、余計楽しみにしていた。ところが、今日送られて来たメールによると生憎急に出られなくなったと残念な連絡だった。月刊誌‘WEDGE’から取材が入ったそうだから、これもやむを得ないと思っている。聞きたいことが山ほどあったので、恨みつらみを交じえてメールで質問をしたところだ。

 高校では毎年進級の度にクラス替えをしていたが、不思議なことに彼女とは3年間ずっと同じクラスだった。だが、理系の彼女とは進路も違っていたので、3年生時には授業で一緒になることはほとんどなかった。彼女は1年生時から成績優秀だったが、お父上が上海の東亜同文書院で学び、当時は日本共産党参議院議員だったせいもあり、あの頃からどこか左翼的な雰囲気を漂わせていた。1年生時に慣れない新人教師から男女一人ずつ歌を唄えと促され、恥ずかしながら教室で♪上海帰りのリル♪を唄った時、彼女は♪第一インターナショナル♪を唄ったくらい社会を捉える感度に私とは大きな差があった。

 横浜国立大工学部から大学院は東大へ進み、都市工学・衛生工学の道を歩み、今ではわが国でも数少ない環境問題のスペシャリスト、工学博士となって、獅子奮迅の活躍をしている。現在独立行政法人・産業技術総合研究所フェローとして研究活動に勤しんでいる。その傍ら専門的な研究論文が「2004年毎日出版文化章」を受賞するほど多芸多彩な人である。

 2010年には高校の先輩でノーベル化学賞を受賞された根岸英一博士や、同じく後輩のオーケストラ指揮者・大野和士氏とともに文化功労者に選ばれた。更に4年前には瑞宝重光章を受章して、クラスメートの中でも我々より遥か先を悠々歩いている。

 中西さんへのプライバシーを含む質問に彼女が応えてくれるか分からないが、今では現役を去っている仲間が多い中で、彼女が相変わらず元気に活躍してくれていることは、我々同級生として大いに励みになり頼もしく思っている。それにしても会いたかったなぁ。

2017年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com