3593.2017年3月15日(水) 文化功労者・中西準子さんの思い出

 来る23日に母校湘南高校2年生時のクラス会が藤沢市内で開かれる。出席者はいつも10名少々であるが、毎年出席している。今年は以前から会いたいと思っていた中西準子さんが初めて出席するという情報を事前に得て、余計楽しみにしていた。ところが、今日送られて来たメールによると生憎急に出られなくなったと残念な連絡だった。月刊誌‘WEDGE’から取材が入ったそうだから、これもやむを得ないと思っている。聞きたいことが山ほどあったので、恨みつらみを交じえてメールで質問をしたところだ。

 高校では毎年進級の度にクラス替えをしていたが、不思議なことに彼女とは3年間ずっと同じクラスだった。だが、理系の彼女とは進路も違っていたので、3年生時には授業で一緒になることはほとんどなかった。彼女は1年生時から成績優秀だったが、お父上が上海の東亜同文書院で学び、当時は日本共産党参議院議員だったせいもあり、あの頃からどこか左翼的な雰囲気を漂わせていた。1年生時に慣れない新人教師から男女一人ずつ歌を唄えと促され、恥ずかしながら教室で♪上海帰りのリル♪を唄った時、彼女は♪第一インターナショナル♪を唄ったくらい社会を捉える感度に私とは大きな差があった。

 横浜国立大工学部から大学院は東大へ進み、都市工学・衛生工学の道を歩み、今ではわが国でも数少ない環境問題のスペシャリスト、工学博士となって、獅子奮迅の活躍をしている。現在独立行政法人・産業技術総合研究所フェローとして研究活動に勤しんでいる。その傍ら専門的な研究論文が「2004年毎日出版文化章」を受賞するほど多芸多彩な人である。

 2010年には高校の先輩でノーベル化学賞を受賞された根岸英一博士や、同じく後輩のオーケストラ指揮者・大野和士氏とともに文化功労者に選ばれた。更に4年前には瑞宝重光章を受章して、クラスメートの中でも我々より遥か先を悠々歩いている。

 中西さんへのプライバシーを含む質問に彼女が応えてくれるか分からないが、今では現役を去っている仲間が多い中で、彼女が相変わらず元気に活躍してくれていることは、我々同級生として大いに励みになり頼もしく思っている。それにしても会いたかったなぁ。

2017年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com