3612.2017年4月3日(月) 北朝鮮に対してアメリカは独自行動を取るか?

 午前中元朝日の轡田隆史氏からお電話をいただき、日本ペンクラブ理事に選出されたお祝いと激励の言葉をいただいた。そして、来る26日にキューバについて講師を務める知研セミナーを聴講に来られると伺った。逆の立場ならともかく大先生に話を聞いていただけるとは光栄の限りである。ペン2月例会の折の立ち話だったが、キューバの現状をお話した折、キューバについて随分興味を示されたので、本セミナーについてお話したところ都合がつけば是非聴講したいと仰っていたので、多少期待はしていた。前準備は着々と進めているが、重点的にキューバ社会主義国家の成り立ちと、実現された文句の言いようがない福利厚生の実態などについて自分なりの意見を開陳したいと思っている。

 午後には八木哲郎知研会長とともに南青山の岡本太郎記念館を訪れた。高橋善雄・事務局長にお会いして、今から40余年前に知研セミナーで講演された岡本太郎さんの録音テープを「オトバンク」による製品化で知研が市販する許可をお願いした。ところが、知研会員の間で配布するのは問題ないが、商業ベースで市販することには否定的な回答だった。まあこればかりは、相手があることでもあり、その相手がノーと言っている以上、残念ながら引き下がらざるを得ない。

 さて、北朝鮮情勢が目を離せない緊張状態になってきた。度重なる国連憲章違反の北朝鮮のミサイル発射に対してアメリカを始め、各国が北朝鮮に対して制裁を課しているにも拘わらず、北朝鮮はこれを意に介さず度々ミサイル発射を繰り返すことにトランプ大統領は痺れを切らしたようだ。6、7日に訪米して首脳会談を行う予定の習近平・中国国家主席に対して、北朝鮮へ更なる圧力をかけるよう要望するらしい。問題は、もし習主席が消極的な態度を示せば、アメリカが独自に北朝鮮に対して行動を取るとのニュアンスの発言をした。

 アメリカは密かにピョンヤン情報や、金正恩・北朝鮮労働党委員長の動静をかなり把握しているようだ。2011年にアルカイーダのビン・ラディンを奇襲により殺害した手口まで一部に漏らした。ぞっとするような情報である。変なことにならなければ良いが・・・・。

2017年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3611.2017年4月2日(日) 韓国国民にとって対日観の本心は?

 一昨日韓国で朴槿恵・前大統領が逮捕され収監された衝撃的な出来事から、過去同じように悲惨な晩年を送った歴代大統領の波乱万丈な人生を顧みて、韓国国民の間でも少し感じるところがあるようだ。そのひとつが現行憲法の改正である。わが国でも改憲論議が喧しいが、彼らの目指すところは日本の憲法改正とは大分趣が異なる。

 彼らが改憲を検討しようと言い出したのは、あまりにも集中し過ぎている大統領の権限をもう少し分散した方が良いのではないかと考えたようだ。現地メディアでも近く実施される新大統領選候補者に、新しい政治システムについて具体的なビジョンを披歴・公表させて国民の審判を仰ぐべきだと主張している。

 そもそも韓国憲法の前文は、驚くことに植民地支配からの脱出と日本への抵抗運動から書き起こされている。1919年3月1日に勃発した3.1反日事件を受け、抗日独立運動を進めていた活動家が同年4月に上海に結成した大韓民国臨時政府が、現韓国政府の前身と定めている。太平洋戦争終戦によって日本の支配から解放された1945年ではなく、1919年を臨時政府としたのは、北朝鮮に対して統一朝鮮国家の正統性をアピールする狙いがあるようだ。韓国憲法は制定後これまでに度々改定され、現在の憲法は1987年に第9次憲法として改正され、第6共和国憲法と言われている。改憲自体は国家にとって大改革であるが、日本の憲法改正のように再軍備を云々するような国論を二分するというほどの大論戦となるわけではないようだ。

 憲法前文冒頭から反日的表記が盛られていることが、ある意味では国民に反日感情を煽り現在の反日行動、反日デモが度々起こる下地ともなっているとも言える。

 だが、韓国人の対日観にも複雑な思いや情緒があるようで、そう単純にはいかないらしい。世論調査によれば、釜山の日本総領事館前に設置された従軍慰安婦像撤去については国民の8割がノーである。その一方で、昨年日本を訪れた韓国人旅行者は初めて500万人を超え、年々訪日客が増えている。韓国人が選ぶ最も魅力的な国民として、日本人はドイツ人に次ぐ2位だというから、最近の反日言動を考えると不思議な気がしてならない。日本人の魅力として挙げられるのは、「他人への配慮(配慮文化)」「順法精神」だというから、逆に言えば、韓国人には他人への配慮とか、順法精神が欠けているということにならないだろうか。そう言えば、一昨年12月に国家同士が締結した日韓合意を、国民はもちろん政権野党のほとんどの政治家らが、締結後に反対する行動は理解に苦しむ。

 それでも次期大統領の最有力候補の文在寅氏は、「日本統治時代の『親日派』が国内の不正・腐敗の元凶との信念を持ち、『親日清算』を成し遂げずに臨時政府百周年を迎えるわけにはいかない」と頑なに自説を主張している。これでは日韓友好は、未だ道遠しと言わざるを得ない。憲法前文に反日を表記する韓国と、同前文に平和主義を表現した日本が、誤解と行き違いの過程で相も変わらず間違った配慮をして、国家間に刺々しい空気が漂っているのは、お互いにとって不幸と思う。だが、それがいつの世になったらお互いの立場を理解し、お互いの誤解が解けるのだろうか。

2017年4月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3610.2017年4月1日(土) 前途が霞むトランプ政権とプーチン大統領

 アメリカのトランプ政権が発足して2カ月余りが経つが、このところ強引なトランプ流儀が行き詰りつつある。意外なことに与党共和党内の保守強硬派と悉くぶつかり、思うように政策実現が出来なくなっている。その典型は、看板公約だった医療保険制度改革法(オバマケア)代替案を撤回せざるを得ない羽目に陥ったり、政府債務が増える大型税制改革を反対されたり、とかくこれまで強気一辺倒で臨んできたが、それも考え直さなければならなくなったことである。大きなアドバルーンを上げたメキシコ国境の壁建設も今年度予算への計上を断念した。

 それとは対照的に外交面では少しずつ効果を上げつつある。実業界出身のティラーソン国務長官の交渉力の賜物であろうか、先日はロシアを訪問してプーチン大統領と仲睦まじい会談を行った。そして、NATO外相理事会に初めて出席し、国防費を国内総生産(GDP)の2%以上とするアメリカ政府の目標を各国に要請し、トランプ大統領が初めて出席する5月のNATO首脳会議で検討することを約束させた。

 アメリカは以前からテロ対策のための費用がかかり過ぎるとして、NATO各国に対して、①国防費の拡大、②テロとの戦いでNATOの役割強化を要求している。すでに3年前に2024年までに国防費をGDP比で2%以上に引き上げることと、国防費のうち、20%以上を人件費以外の装備品の購入や研究開発に充てるとの約束が出来ていたが、アメリカ、イギリスなど5カ国以外はその約束を実行することが難しいと見られている。この間アメリカのテロ対策費などがヨーロッパやアラブで使われ、アメリカの負担が増えていることからストレスも大分高まっていることをNATO各国も理解している。

 ところが、アメリカと友好関係を演出しようとしていたロシアで、このところ独裁者プーチン大統領への不満が燻っている。首都モスクワのみならず、国内各地で反汚職から反プーチンへの動きが加速している。一時は8割の支持を得て圧倒的なリーダーシップを発揮していたプーチン大統領が、お側役人首相メドベージェフ氏の贅沢な巨大資産に目をつけた青少年層から疑惑の目で見られ、その様子が動画で暴露され、それが親分プーチンへの疑惑となって思いがけない形でプーチン氏への不信と疑念が世間に晒されようとしている。

 昨日の朴槿恵・前韓国大統領の逮捕など、どこでも脛に傷持つ独裁者にとってはうかうかしていられないようだ。

2017年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3609.2017年3月31日(金) 韓国検察、朴槿恵・前大統領を逮捕

 昨日ソウル市内の中央地裁へ出頭した朴槿恵・前大統領が、今朝未明収賄などの容疑で逮捕され、直ちに郊外の拘置所に移送された。韓国の大統領経験者11名のうち、朴槿恵氏が逮捕されたのは盧泰愚氏、全斗煥氏に次ぎ憲政史上3人目に当たり些か異常な感じがしている。この他にも金泳三・元大統領は自殺し、朴槿恵氏の父親である朴正煕・元大統領は暗殺されて哀れな末路を辿っている。あまりにもドラマチックで最高権力者、大統領の晩年としては些か異様に映る。

 朴槿恵・前大統領はその点で就任前後には、韓国にとって初めての女性大統領として、また両親がいずれも暗殺された悲劇のヒロインであることも手伝い人気が高かった。特に父・朴正煕・元大統領がスピーチ中に射殺された光景を目の当たりにした不幸で可哀そうな女性であるとして、多くの国民の涙を誘った。しかも、その父親が軍人で強面だったにも拘わらず、歴代大統領の中では真面目で私利私欲がなかったことなどから最も国民の人気が高かった。それほど優位なバック・グラウンドがありながら、ことここに至って国民の大多数から掌を返すような仕打ちを受けたことは、本人の不徳もあるが、罪は罪として一部の韓国国民にとっても耐えがたいことだと思う。

 朴槿恵氏が地裁へ向かう車列がサイレンを鳴らし猛スピードでソウル市内を走り抜けたシーンは、まるで映画を観ているようで何か普通ではない異様な光景に出会ったような気がした。

 朴氏は今回13件の容疑で嫌疑がかけられたが、本人は悉くこれらを否定した。このことが反って証拠隠滅を図ると判断され、検察は直ちに逮捕に踏み切ったようだ。

 それにしても、一国の大統領として最高位にまで上り詰めた人物が、その大統領職を全うすることなく終生国民から敬われることもなく栄光の道から弾き出され、天国から地獄へ突き落される一連のプロセスを見ていると、普通の感覚ではとても理解出来るようなドキュメントではない。この浮き沈みの激しいドラマチックな人生は、韓国人格別の激しい性向によるものではないだろうかと思ってしまう。一連のパフォーマンスばかりでなく、取り巻く周囲の人たちが狂乱的に正邪を主張し、犯した罪は一切許さずと喚き散らす激しい言動はあまり他の外国人の間では見られない現象ではないかと思う。

 一昨年12月に漸く妥結した日韓合意にしても、新たな両国の外交関係が成立したと喜んだ直後から、それを受け入れようとしない大方の韓国国民の外交儀礼を重んじない主張には首を傾げたくなる。韓国には、法律以前に民心を忖度する風土があるようだ。況してや次期大統領選の立候補者がすべてこの日韓合意破棄、或いは再交渉を主張している国情では、外交交渉自体意味を為さないのではないだろうか。これからの日韓関係がどうなるのか心配である。

 何事につけ隣国韓国の人たちと交渉するということと、物事を決めることは、つくづく難しいと覚悟せざるを得ない。

2017年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3608.2017年3月30日(木) 内外に次々と難問浮上

 内外ともに騒がしい事象があってどうも気になる。国内では大きな話題は創業140年の大手企業・東芝の決算大赤字である。しかも、アメリカの東芝原子力子会社であるウェスチングハウス(WH)の日本流民事再生法の適用を連邦破産裁判所に申請して身軽になろうとの驚くようなドラマ付きである。東芝は今2017年3月期に、かつてリーマン・ショック後に日立製作所が計上した7,873億円を上回る、国内製造業としては過去最大の1兆百億円の連結最終赤字に陥る見通しとなった。つい最近までの予想では、最終赤字は3,900億円だったが、これを大きく下方修正し、遥かに上回る巨額損失を計上することになった。今3月期では債務超過に陥る。更に厳しい道は続く。このまま行くと8月には東証1部上場から2部へ移される。そのうえ下手をすると上場廃止になる可能性も否定出来ない。

 あの天下の東芝が何ゆえかくも情けない醜態を曝け出すことになったのか。まさに崖っぷちである。高校同期生の中でも優秀な3人が東芝へ就職し、在職中はそれぞれ活躍していた。それが彼らにとっても思っても見なかったこのザマである。確かに原子力事業に首を突っ込み過ぎた失敗はあったが、それにしても経営才覚によってもう少し真っ当な会社経営が出来たのではないだろうか。これでは、格安旅行会社「てるみくらぶ」の失態を笑うわけにも行かない。世間をあまりにも軽く見ていたしっぺ返しだろう。

 また国外では、2つの大きな決断が世界に影響を与えそうだ。

 ひとつは、昨年40年以上に亘って加盟していたヨーロッパ連合(EU)から脱退を決めたイギリスのメイ首相が、昨日漸くEUに正式に離脱を通知したことである。EU加盟国がEUから離脱するのはこのイギリスが初めてである。離脱決定前にしきりに残留するようイギリスを説得していたEUとしては、心穏やかならず、トゥスクEU大統領はイギリスとの交渉ではEUの犠牲を最小限にすることが最優先と厳しい姿勢で臨む。交渉には難問が山積し、果たして予定の2年以内にすんなりと離脱条件がまとまるのか予断を許さない。

 もうひとつの決断とは、オバマ前大統領が積極的にリードした地球温暖化対策を、トランプ大統領が全面的に見直す大統領令に署名したことである。アメリカの大きな政策転換になるため、その与える影響はアメリカ国内のみに留まらず、国際的枠組みの「パリ協定」が形骸化する恐れすら出て来た。パリ協定は、温暖化ガスの排出量を2025年までに05年比で26~28%削減することが目標だった。日本も排出ガス量ダントツ1位、2位の中国とアメリカが批准したことを受けて気が進まないまま、追い込まれて漸く条約を批准したばかりである。それを大統領令が、政府所有地での石炭採掘やシェールガス・オイルの採掘規制など火力発電所への二酸化炭素(CO2)排出規制の見直し指示を行えば、確かに国内エネルギー開発を促進し、雇用創出に貢献するだろうが、地球温暖化に逆に弾みをつけることは間違いない。そればかりか、せっかくパリ協定に加盟してともども地球温暖化対策に取り組んでいこうとする同盟国に失望感を与えることは避けられない。 

 トランプ大統領の主唱するアメリカ保護主義のひとり相撲により、地球温暖化を滞らせ、多くの国を戸惑わせるやり方は、とても世界の一等国として取るべき策ではないと思う。

2017年3月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3607.2017年3月29日(水) 高浜原発再稼働のお墨付きと高校生遭難の疑問

 福井県高浜町にある関西電力高浜原発3、4号機の運転再開を求めていた関西電力の訴えを大阪高裁が認めた。すでに大津地裁が出した運転差し止め仮処分の決定を取り消したのである。そもそも仮処分を申請したのは、高浜町住民ではなく高浜原発から離れたところに住む滋賀県民であるが、彼らは民意を無視した司法の暴走と強く批判している。また、県民や世論に逆行し、東電福島第一原発事故を忘れたかのような決定との非難の声が上がっている。最高裁にまで特別抗告するかどうかは、まだ分からないが、原発反対派にとっては大きな痛手である。

 勢い付いたのは、わが意を得たりの関電と政府である。町に活気が戻るとして原発推進派の高浜町商工会会長、高浜町長、更には西川一誠・福井県知事らは経済が立ち直るとこの決定を歓迎している。

 最も嬉しそうな表情を見せたのは当事者の関西電力・岩根茂樹社長である。笑いを噛み殺したような表情が印象的で早速原発再稼働へ向けた準備に入ると話している。だが、福島原発事故から6年が過ぎたが、世間はまだその恐ろしさを忘れたわけではない。使用済み核燃料の処分などの問題はまだ完全に解決されたわけではない。これからどういう道を歩くことになるのだろうか。

 さて、一昨日群馬県那須の茶臼岳の頂上近くの尾根伝いに表層雪崩が起きて、複数の高校生が遭難死した。県教育委員会主催の冬山合同訓練に参加していた群馬県公立高校7校の山岳部員男女62人のうち、県立大田原高校山岳部員男子7名と男性指導教諭が不幸にして死亡した。現場の判断が正しかったのかどうか、いろいろ複雑な問題を提起している。学生時代から社会人になっても冬山を含めて登山活動を行ってきた私自身にも腑に落ちないのは、雪崩の通り道でラッセル訓練を行っていたことである。茶臼岳に雪崩の危険があると報道されて、登頂を断念しながら、危険な谷あい周辺でラッセル訓練を行っていた。茶臼岳登山を諦めた時点でどうして撤退して帰らなかったのかと疑問を呈していた亡くなった部員の友人がいた。しかも後から疑問点が次々に明らかになっている。警報が出ていたにも拘らず雪崩を予期していなかったのかとか、森林帯へ入るとの届けが出ていなかったとか、位置を知らせる発信器を生徒らが誰も持っていなかった、等々の問題点が指摘されている。

 夕方5時に県教育委員会が記者会見を開いて、事情を説明していたが、大田原高校関係者は、責任追及されることを恐れているようでその説明内容はどうもすんなりと納得し難いように感じた。安全訓練をやって遭難しているようでは、何のための訓練かと問いたい。

2017年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3606.2017年3月28日(火) 被爆国日本、核兵器禁止条約会議に不参加

 親しかった元会社の同僚・隅野成一さんが亡くなって1年が経ったが、同じ同僚の八木卯さんと3人で定期的に会食を楽しんだことが無性に懐かしく思い出される。同じように気兼ねなく話し合える会話の場を持ちたくて、後輩の座間毅さんに隅野さんの身代わりになってもらい八木さんと3人で初めて昼食をともにした。いろいろ在職中の知っている話や知らない話が後から後から飛び出してあっという間に2時間余りが過ぎた。会社を辞めてから家に引っ込みがちの同僚たちもかなりいるようだが、外へ積極的に出た方がはるかに健康にも良いだろうし、趣味などに関わって建設的に生きがいを見出すことも必要ではないかと思う。その点では、座間さんもよく外へ出ているようで、鉄道優待パスを有効に使っていると得意顔だった。これからもしばしば会いましょうということで別れた。

 さて、国内外に相も変わらず、理解し難い問題が頻発している。今日目についた最たるものは、国連本部で始まった核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」の交渉会議である。主旨に反対する米ロ英仏など核保有国や、その「核の傘」の下にいる韓国のような国が、条約に加盟することに反対している。一方中国やインドのような核保有国などは、条約に反対ではなく棄権している。それぞれ身勝手な論理に憑りつかれているのだ。こんな実効性のない条約では、交渉自体が難しいし、考えようによってはあまり意味がないと思う。核保有国とそのシンパの国が安全保障の在り方を疑問視して核を放棄しようとしないことに一番の問題がある。

 日本はどうかと言えば、会議には出席したが、アメリカなどの核保有国の言い分を代弁して交渉に反対を表明した。世界で唯一の被爆国である日本が、条約に反対したことに日本に期待していたオーストリアやメキシコなどの条約賛成国はいたく失望している。日本原水爆被爆者団体協議会(日本被団協)事務局次長が被ばく体験を語り、「再び被爆者をつくるな」と核兵器廃絶を訴えるスピーチを行ったところで虚ろな感がある。日本政府の言い分は、核兵器禁止条約は反って国際社会を分断するとの立場から同条約への参加を見送るということである。岸田文雄外相は、同条約は核兵器保有国と非核兵器国の対立を深めると都合の好いこじつけでアメリカの肩を持った結論を弾き出した。この理屈を押し通すなら、核保有国が核を保有し続ける気持ちがある限り、永遠に核はなくならないということになる。

 これでは、核兵器反対などの運動はまったく無意味、無駄ということになる。日本が世界で唯一の被爆国であることは周知の事実であり、日本の言動は強いアピールがあるが、それを核兵器開発反対への力にし得る体制が出来ていない。核禁止へ向けた今後の運動で日本はまったく頼りにされなくなる。政治家が「核」「被爆」を弄んでいるようでは、被爆者は永遠に救われないのではないだろうか。

2017年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3605.2017年3月27日(月) 格安旅行会社が自己破産宣告

 旅行会社を退職してから旅行業界事情も大分変って来て、良い意味でも悪い意味でも我々世代には想像も出来ないような実態になっているとは承知していたが、まさかこんなお粗末な経営手法で会社が倒産に追い込まれるとまでは想像も出来なかった。それは今日破産宣告をした格安海外ツアー会社「てるみくらぶ」の例である。

 同社の負債は151億円だそうだが、我々の感覚から言えば、旅行会社は入金が先で、出金がその後になるので、その間の金利で会社をうまく回しているというのが一般的な理解であり、実際ほとんどの旅行会社の経営方式だった。実際には金利ゼロ政策により効果的ではなくなった。その一方でかつては考えられなかったような格安ツアーのネット販売が足を引っ張ったようだ。すでに旅行代金を支払い済みの旅行者への返済も、ある程度日本旅行協会(JATA)弁済業務委員会が保管・管理している加盟旅行会社の相互扶助的な拠出金から弁済することになっているが、これほどの負債額になると果たして全額補償は出来ないのではないだろうか。実際JATAが同社に弁済出来る金額は1億2千万円程度と言われている。

 これは「てるみくらぶ」が、会社の規模、営業力以上に販売活動、特に高価な新聞広告費などに投資し過ぎた結果だと報道されている。メディアで伝えられる同社の営業力は、ホテルや航空会社への支払いが滞りがちになり、そのため旅行者は旅行費を支払いながらもそれらを利用出来なくなってしまった。同社は航空券を発券しながらも航空機に搭乗できなかったり、現地で宿泊出来ない恐れがあるので、旅行しないよう旅行者に呼びかけているそうだが、どういう意味なのか、俄かには理解出来ないし、どうにも会社の経営が不健全になっていくカラクリが良く分からない。

 かつては格安旅行自体は航空会社のルールの縛りで行えないようになっていた。例えば、定番のハワイ旅行は、4泊6日が146,000円?を下回った価格では販売出来ないことになっていた。それが今では10万円以下のツアーはざらにある。旅行素材供給が多種多様で大量になり、あまり煩いことは言わなくなって、ガードが甘くなってしまった。いずれにせよ旅行ブームは一見華やかであるが、その実台所事情は危なっかしいというのが実情である。それは昔も今も変わっていない。

 これはお上の観光庁の指導にも問題がある。汗をかかずに、好いとこ取りばかりやる官僚体質こそこういう問題が発生する根源ではないかと思っている。

 突然だが、那須岳スキー場で冬山訓練をしていた栃木県の公立高校山岳部連盟の高校生グループが雪崩に遭い、8名が亡くなった。今日は東京でも積雪があったくらい全国的に気温が低くなり、山岳地帯には大きな積雪があり雪崩が危険視されていた。しかし、訓練の名目が、遭難してしまっては何のための訓練だったのかと言いたい。他にもケガをした生徒が40人ほどいるので、まだ遭難死が増える可能性がある。引率者の教師は長い登山歴のあるベテランだったというが、この指導者や企画した連盟に問題はなかったのだろうか。

2017年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3604.2017年3月26日(日) 義姉3回忌と新横綱・稀勢の里逆転優勝

 雨が降り真冬並みの寒さの中で兄嫁の3回忌が所沢市内の仏眼寺で行われた。両家から18名が参列した。義姉は72歳で亡くなったが、まだ実兄3人は元気な様子である。その点でやや早い他界である。亡くなって2年が経ち、兄も漸く元気を取り戻しつつあるようなので、一安心である。

 所沢と言えば、かつて西武球場に何度か行ったことがあるが、いつも車で出かけた。今日のような場合、車は利用しづらいのでやはり電車利用になる。東急東横線が西武鉄道線に乗り入れていなかった時代なら、何度も乗り換えする必要があるが、今では東急東横線自由が丘駅から乗り換えなしで45分程度で行くことが出来る。とにかく便利になったものである。

 久しぶりに弟妹やその連れ合いとも会えて話も弾んだ。兄とは3カ月に1度ぐらいのペースで兄の旧クラスメートとともに会食を楽しんでいるが、弟から兄妹に連れ合いも一緒に会食しようとの提案があったので、今後出来ればそうしようかと考えている。そうすれば、やもめ暮らしの兄も更に明るくなるのではないかと期待出来る。

 さて、帰宅すると大相撲春場所千秋楽が後半の取り組みに入っていた。13日目に初黒星を喫した新横綱・稀勢の里が横綱・日馬富士に土俵下に突き落とされて左肩に大けがをして、折角新横綱場所として優勝レースのトップに立っていたが、奈落の底へ突き落されてしまった。昨日の出場も危ぶまれていたが、横綱としての責任感、観客を失望させたくない気持ちが、無理をして出場した結果、横綱・鶴竜に何らの手を打つことなく完敗して体調の悪さを窺わせた。

 12勝2敗となった今日は、13勝1敗の大関・照の富士を追う立場になった。千秋楽の優勝争いはこの2力士の決戦となった。しかし、不利な体勢の横綱が乾坤一擲の突き落としで勝ってしまった。こうなると優勝決定戦で勝負である。手負いの横綱と好調な大関の勝負は、1度は敗れたとは言え、依然として大関有利と見られていた。だが、何とこれも横綱窮余の小手投げが決まり横綱が勝ち、初場所に続き新横綱・稀勢の里が2場所連続優勝を逆転で成し遂げたのである。

 こんな奇跡的な勝負があるだろうか。解説していた元横綱の北の富士が、普段の辛口解説に似合わず、感動したと褒め称えていた。横綱自身「何か見えない力を感じた」と言っていたくらい近年稀に見るドラマチックな勝負だった。こうなると新横綱・稀勢の里の人気は上がり、大相撲景気も盛り上がることだろう。

2017年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3603.2017年3月25日(土) トランプ大統領の躓きと失点

 トランプ大統領の支持率がどんどん下がっている。先日のギャラップ世論調査によると支持率はついに30%台にまで落ちてこれまでで最低となった。それでもトランプ氏の意気は衰えず、相変わらずトランプ砲を発射しようとしている。

 そのトランプ大統領がここへ来て政権運営上また新たな痛手を負った。大統領選における公約のひとつ、いわゆるオバマケア、「医療保険制度改革」の撤廃を目指すとして共和党が出す予定だった代替案を急に撤回することにした。代替案が議会を通過する目算が立たなくなったからである。民主党はもちろん、上下院で過半数を有する与党共和党内でも賛成を得られなかった。反対する党内保守派をトランプ大統領自ら説得に当たったようだが、不調に終わった。政権にとって大きな挫折である。同時にトランプ大統領は公約第2弾として、これから大規模な減税に取り組もうとしている。しかし、財政的に苦しく大減税には財政保守派の反対が見込まれている。発足2カ月で露呈した共和党内の分断は政権運営にとって重い課題を突き付けた形となった。

 この後トランプ政権はどういう舵取りをして歩むべき道へ入ろうとするのだろうか。

 偶々ローマではEUのベースとなった「ローマ条約」締結60周年記念首脳会議が開催されるが、前日の昨日ローマ法王が珍しくEU27 カ国首脳を前にヨーロッパに広がるポピュリズム(大衆迎合主義)について警鐘を鳴らした。これは遠回しにトランプ政権の保護主義をも批判している。トランプ政権に対する反対の声がヨーロッパにも漸次広がり、いずれアメリカを反保護主義の包囲網が取り巻くことになるのではないだろうか。

 他方、保護主義の主唱者と見られていた中国が、アメリカとは逆に保護主義を否定し、自由貿易推進の立場を説いている。学生時代に社会主義を多少かじった経験から言えば、とても理解し難い。これはトランプ・アメリカに対する牽制もあると思うが、不思議な感覚に捉われるし、理解出来ない。それだけ現代社会は分かり難くなったということであろう。

2017年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com