3603.2017年3月25日(土) トランプ大統領の躓きと失点

 トランプ大統領の支持率がどんどん下がっている。先日のギャラップ世論調査によると支持率はついに30%台にまで落ちてこれまでで最低となった。それでもトランプ氏の意気は衰えず、相変わらずトランプ砲を発射しようとしている。

 そのトランプ大統領がここへ来て政権運営上また新たな痛手を負った。大統領選における公約のひとつ、いわゆるオバマケア、「医療保険制度改革」の撤廃を目指すとして共和党が出す予定だった代替案を急に撤回することにした。代替案が議会を通過する目算が立たなくなったからである。民主党はもちろん、上下院で過半数を有する与党共和党内でも賛成を得られなかった。反対する党内保守派をトランプ大統領自ら説得に当たったようだが、不調に終わった。政権にとって大きな挫折である。同時にトランプ大統領は公約第2弾として、これから大規模な減税に取り組もうとしている。しかし、財政的に苦しく大減税には財政保守派の反対が見込まれている。発足2カ月で露呈した共和党内の分断は政権運営にとって重い課題を突き付けた形となった。

 この後トランプ政権はどういう舵取りをして歩むべき道へ入ろうとするのだろうか。

 偶々ローマではEUのベースとなった「ローマ条約」締結60周年記念首脳会議が開催されるが、前日の昨日ローマ法王が珍しくEU27 カ国首脳を前にヨーロッパに広がるポピュリズム(大衆迎合主義)について警鐘を鳴らした。これは遠回しにトランプ政権の保護主義をも批判している。トランプ政権に対する反対の声がヨーロッパにも漸次広がり、いずれアメリカを反保護主義の包囲網が取り巻くことになるのではないだろうか。

 他方、保護主義の主唱者と見られていた中国が、アメリカとは逆に保護主義を否定し、自由貿易推進の立場を説いている。学生時代に社会主義を多少かじった経験から言えば、とても理解し難い。これはトランプ・アメリカに対する牽制もあると思うが、不思議な感覚に捉われるし、理解出来ない。それだけ現代社会は分かり難くなったということであろう。

2017年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com