4440.2019年7月10日(水) 報道の勇み足と真実報道の難しさ

 元患者によるハンセン氏病訴訟と国の責任をめぐる問題が漸く決着した。1998年に元患者が損害賠償を求めて熊本地裁に提訴したのが、この問題のきっかけである。その後鳥取地裁の判決など紆余曲折はあったが、先月28日熊本地裁は国に対して家族へ総額3億7千万円の賠償を命じる判決を下した。この判決では、国が元患者に対して「義務を果たさなかった」「義務を怠った」「不作為があった」などと国の責任を認定し賠償を命じたものである。

 それに対して政府は控訴を検討し自民党内では控訴する空気が強かった。それを受けて昨日朝日朝刊が国は控訴すると発表した。ところが午前中に安倍首相が控訴をしない方針と発表した。さぁ大変である。朝日は早速夕刊でお詫びと訂正を伝えた。ところがまだそれで終わらない。今日の朝日朝刊で一面に「誤った記事 おわびします」、二面に政治部長名で「本社記事 誤った経緯説明します」と念入りに誤った記事のお詫びである。どうしてこんなことになってしまったのか。最終的な確認を取らずに原稿を流した。結局最後の詰めが甘く、事実関係が未確認のまま予測で記事を書いてしまったということに他ならない。

 更に今日駒澤大学ジャーナリズム・政策公開講座の2つの講座でいずれもこの問題を取り上げた。特に朝日記者が講師を務めた講座では、事実関係を関係者のひとりとして細かく説明された。問題がハンセン氏病の元患者の賠償に関わることで、これまで元患者と家族が苦しんできた問題だけに慎重にも慎重に扱ってきた。それが反って判断を狂わせてしまったのだろうか。それにしても影響力の強い新聞社としては甘かったでは済まされまい。講師の朝日記者は、随分恐縮していたが、事実を一刻も早く読者に伝えたいという焦りの気持ちが、ともすると勇み足になりかねないということでもある。

 こういうニュース報道だけに限らず、物事の判断というのは最前線から一歩身を退いてみる気持ちが大事なのかなと思う。

2019年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4439.2019年7月9日(火) 3万年前の仮想丸木舟、与那国島へ到着

 昨日のブログで触れた「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」が目的を達成した。7日午後2時38分に台湾・烏石鼻を発ち沖縄・与那国島を目指していた手漕ぎの丸木舟は、今日午前11時37分に45時間の航海を終え無事与那国島へ到着した。過去に2度も失敗したので、今回は相当慎重に計画を練ったと思われるが、幸い3度目の正直となった。225㎞の外洋を暑い日射を浴び、真っ暗な夜空の下を太陽と星だけを頼りに渡り切ったことは素晴らしい精神力と体力であり、3万年前の夢とロマンを現代に見事に実現させた。果たしてこの航海が大昔の人類の渡来、日本人の南方ルートによる移動とどれほど近づいたものであるのか、という点についてはこれから国立科学博物館のプロジェクト・チームが分析、検証することと思うが、その報告を楽しみに待ちたいと思う。

 こういう壮大な企画が考えられるようになり、古代に成された地球上のロマンチックな冒険旅行に目が向けば、角突き合わせるような人間関係、特に国際間のいがみ合いやトラブルが少しは減るのではないかと期待したい。

 さて、夢とロマンから一転政治家の金にまつわる話である。疑問だらけの国会議員の昨年の所得が公開された。議員歳費に個人的な収入を足したものであるが、議員ひとり当たり平均2657万円で、最高額は鳩山二郎衆院議員の17億4千万円が突出して多く、父邦夫元議員から相続した株券の株式売却益16億円強が含まれている。平均所得額だけではとても政治活動を行うことは難しいと思われるが、この他に個人収入とみなされないものに政治活動費という使用目的を問われない抜け道のある収入がある。疑問だらけだが、大金持ちで資産家の国税庁を管轄する麻生太郎財務相の所得が3186万円というのも首を傾げるもので、どうにも信じられない。政治家の収支には、見えない金の出入りが随分あるようだ。メディアも政治家の収入の流れをもっと監視して真の実態を伝えて欲しいと思う。

2019年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4438.2019年7月8日(月) ミヤンマーのパガン遺跡が世界遺産に

 昨日の本ブログに日本の世界遺産に新たに登録された「百舌鳥・古市古墳群」について若干首を傾げながら綴った。これまで考古学者ら科学者から発掘調査の希望・要望がありながら、管理する宮内庁が認めようとしなかったことから、謎の古墳とも言われかねない「百舌鳥・古市古墳群」について、今夕の朝日「素粒子」欄にも皮肉を交えてこう書かれている。「おめでとう。大阪府の古墳群が世界文化遺産に。でも、被葬者を調べなくていいの?」

 ビルマ(ミヤンマー)からも「パガン(バガン)の考古地域と記念建造物群」がビルマ2番目の世界遺産として登録された。ビルマは長い間世界遺産条約に署名していなかったため、他国に比べて登録数は少ない。2014年に「ピュー古代都市群」が初めて登録されたが、私は訪れたことがない。それよりビルマに数々ある世界遺産候補地の中で、最も世界遺産に相応しいと思っていたのは、パガンだった。そのパガンが今年勇躍登録されることになった。やれやれと留飲が下がった思いである。パガンには12、13世紀パガン王朝時代の古跡がパガン平野一帯に広がっており、パゴダの上から見る遺跡全貌の美しさには圧倒される。ただ最後にパガンを訪れた20年ほど前には素晴らしい遺跡群の隣にゴルフ場がオープンしていて不似合いだと感じたので、ちょっとがっかりしたものだ。ところが、パガンの登録について世界遺産委員会ではそのゴルフ場がやはり問題になったようだ。どこで手打ちをしたのか分からないが、そういう問題を乗り越えて一先ず世界遺産に登録された。ゴルフ場とのアンバランスはともかく、世界に誇れる遺跡群であるだけに、きちんと保存して多くの観光客が訪れるような世界的観光地になってもらいたいと思っている。

 さて、大昔の古代人が日本へやってきたルートとして、ロシア・北海道、朝鮮・対馬、中国・沖縄と大きく分けて3通りあるという。その中国ルートを台湾から与那国島まで約200㎞の海路を漕いで日本人の渡来を再現させようと2016年から国立科学博物館プロジェクト・チームが計画、実践してきた。最初は2016年に藁で編んだ手漕ぎボートで台湾から与那国島へ渡航しようとしたが失敗し、翌年竹で編んだ筏でトライしたが、これも浸水して上手くいかなかった。3度目の昨日男女5人が乗り組み、櫂で漕ぎながら丸木舟でレベンジを試みた。3万年前を想定して地図、コンパス、時計、スマホなどは持たずに昼夜を分かたずひたすら与那国島を目指して漕いでいる、中々ロマンのあるトライアルである。黒潮の影響もあり波に流されるので、途中洋上で休むわけにはいかないらしい。どういう結果になるのか、ちょっと興味深いプロジェクトである。今晩11時現在まだ与那国島へ到着していない。

2019年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4437.2019年7月7日(日) 友が演奏する♪ ペール・ギュント♪ を楽しむ。

 今や1年に2度恒例となった上野浅草フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会が、いつも通り浅草公会堂で開催された。チェリスト赤松晋さんが出演しているので、16名ほどの大学ゼミ仲間が夫妻ともどもクラシックを聴き、その後の懇親を楽しみにやって来た。私も妻と出かけた。いつも演奏曲のうち1曲程度は知っているが、他の曲はあまり知らない。今日演奏された3曲のうち、知っているのは最初のエドヴァルド・グリーグ作曲ペール・ギュントだけだった。1995年にフィヨルドを観光した折にベルゲンを訪れて、グリーグ記念館とその近くにある小さな建物を訪れたことがある。フィヨルドへ続く河畔の寂しい林の中に小さな木造掘立小屋があった。その小さな小屋の中にピアノが置かれていた。そこでグリーグが作曲していたと聞いた。このように人里離れた静かな環境の中でなければ、あのような心に響く名曲は生まれないのだと感慨深く思ったものである。

 終演後これもいつも通りだが、懇親を兼ねた夕食会に楽しいひとときを過ごした。12月1日の次回公演会を楽しみに待ちたいと思う。

 この3月で小松隆二先生が白梅学園理事長を退任されたと伺った。私と同年で80歳でもあるので、後進に道を譲られたようだ。学者でおられるので、これからも研究、及び執筆活動に時間を割かれるものと理解した。

 さて、昨日日本で23件目の世界遺産が登録されることになった。アゼルバイジャンで開催中のユネスコ世界遺産委員会が、日本から申請のあった「百舌鳥・古市古墳群」を新たな世界遺産として登録決定した。日本国内の世界遺産のうち、文化遺産は19件目で、自然遺産4件と合わせて23件となった。

 しかし、この古墳の世界遺産登録に際しては、疑問を感じる点があるのも間違いない。国内最大の前方後円墳は「大山古墳」と呼ばれているが、高校時代に日本史で学んだ当時は「仁徳天皇陵」と呼ばれていた。2番目の規模の「誉田御廟山」は、応仁天皇陵と呼ばれていた。今まで天皇陵と言われていた御陵が、単なる古墳という名で登録されたのに若干不審感が残る。学問的にも、科学的にも正確な調査や、発掘調査は行われておらず、遺品も見つかっていない。加えて立ち入り禁止で外から樹林を眺め、実物は空中写真を見るだけで、これではまったく親しみが湧かない。エジプトのピラミッドのように内部を一般公開するなら、納得がいくが、現状は堀の外からしか見られない。本当に古墳であるのかも疑えばきりがない。臆測ではあるが、仁徳天皇陵には朝鮮渡来人の遺品が収められている可能性があり、もしそうなら天皇家に大和民族ではなく、朝鮮民族のDNAが残されていることが考えられるとして、宮内庁が調査を阻んでいるという話を聞く。専門家らの正確な実地調査を行わずに、世界遺産に登録申請すること自体疑問を感じるし、世界遺産の権威を損ねるものだと思う。折角の世界遺産登録ではあるが、何となく釈然としないのは私だけだろうか。

2019年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4436.2019年7月6日(土) 日韓関係、急激に冷え込む。

 このところ韓国との関係がおかしい。これまでも度々兆候はあったが、過去を振り返ってもこれほど対立するような緊張関係になったことはないのではないか。特に今月1日日本政府が韓国に対して半導体材料のスマホなどデイスプレイに使われるフッ化ポリイミド他2品目の輸出規制を強化し、同時に輸出手続きを簡略化する優遇措置を止めると公表したことが緊張に拍車をかけた。日本政府は元徴用工らへの損害賠償問題について、日韓と第三国による仲裁委員会の設置を求めた。ところが、韓国側が一向に動こうとせず、日本はしびれを切らしたように思える。日本政府は否定しているが、韓国は元徴用工らへの損害賠償問題に対する対抗措置だと受け止めている。この措置は半導体が主力輸出品の韓国にとっては大きな痛手であるが、日本企業にとっても少なからず影響はある。

 この問題以外にも日韓両国間には、解決すべき課題がいくつかある。日本海洋上における航空自衛隊機に対する韓国艇の光線照射問題について日本は証拠があると写真まで提示しているのに対して韓国は照射していないと言い張り、問題は未解決のままである。更に懸案である従軍慰安婦問題解決のために、2015年両国政府が締結した従軍慰安婦問題に関する日韓合意に基づいて日本政府が10億円を拠出して元慰安婦らへの現金支給事業を担った「和解・癒し財団」を韓国に設立した。しかし、韓国が一方的に財団を解散すると発表し、両国で話し合いのないまま同財団が実際に解散されたことから、従軍慰安婦問題に関して新たな問題を提起することになった。

 先般大阪で開催されたG20 サミットにせっかく文在寅・韓国大統領が出席していながら日韓首脳会談は開かれなかった。今では両国の間には大きな溝が出来て、早急にはその溝は埋まりそうもない。

 韓国政府もこれまで日本側の要求に対して何の回答も寄越さず、韓国産業界にとっては打撃の大きい今回の日本の輸出規制に対して、世界貿易機関(WTO)に対して提訴を検討するという。協定で禁止されているとする日本側の措置に対して、日本としては今のままで韓国との信頼関係の下で輸出管理に取り組むのは困難だとみて実行したと主張し、自由貿易に逆行するものではないと主張している。いずれにせよ現状では双方の誤解を解くのは難しく当分事態の悪化は避けられそうもない。最も近い隣国同士が、角突き合っているのは決してお互いにとって得策にはならない。G20サミットではすれ違いがあったばかりだが、早晩両国首脳が会って話し合うよりこれというアイディア、解決策は生まれないのではないだろうか。

2019年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4435.2019年7月5日(金) 海外旅行で大切なこと

 旅へ出るのは、ひとりで行くのが一番旅の面白さを知ることになり、未知の土地でそこに住む人々との積極的な交流を通して得難い貴重な体験をすることが出来ると信じている。また、私自身これまでの半生においてひとりで前向きな旅を実践するようトライしてきた。これまでに執筆してきた拙い作品でも自分自身が今日まで体験した少々普通とは異なるハプニングを取り上げてきた。

 今グレート・ジャーニーの実践家でもある探検家・関野吉晴氏の対談が朝日新聞に連載されていて昨日の会話の中に、冒険旅行を度々行った関野氏らしい相槌を打ちたくなる箇所がいくつかあった。そのひとつは、「よく旅を布にたとえるのですが、移動を縦糸とすれば、寄り道して人と出会う横糸もなければ布にはならない」という言葉である。乗り物に乗ってただ移動して景色を見たり、名所を見学しているだけでは旅の本質とか面白さは分からないと言っている。ここには旅先でそこに住む人々と話し合って交流し相手の考えや生活感などを知ることによって、その土地と人々をともに一層深く知ることが大切だと言っているのだと思う。

 別の例で歌手の中島みゆきが自ら作詞作曲しヒットしたにも同じようなことが言える。

 縦の糸はあなた 横の糸はわたし 織りなす布はいつか誰かを 暖めるかもしれない という歌詞に込められた気持ちにも同じようなことが考えられるのではないかと思う。

 近々上梓される共著に急遽取り組み先般脱稿したので、しばらく脇に置いていた自作品に再び取り掛かった。これも80歳を超えた武者修行老人の一人旅体験から現地の人々との温かい交流とメディアへの批判を著わしたもので、仕上げまでまだ数か月程度かかりそうだ。ここでも関野氏や中島みゆきの布への思いに似たようなことを書き綴っている。

 さて、今年いただいた年賀状のお年玉抽選の結果、最下位の切手シートが7枚当たっていたので、遅ればせながら近くの郵便局に受け取りに行った。昨年も7枚当たっていたので、100枚に1枚の確率から言えば、いただいた約600枚から7枚はまずまずだと思う。

 序に郵便局員に郵便料金値上げについて尋ねてみた。10月に消費税が8%から10%へ値上げされるのに伴い、封書料金が現行の82円から84円に、ハガキ代が62円から63円に値上げされると承知していたが、まだ正式に決まっていないとの回答だった。消費税値上げが参議院選の大きな争点になっている時に、果たしてこんなのんびりした状態で値上げは間に合うだろうか。

2019年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4434.2019年7月4日(木) 参議院選挙公示、21日に投票

 このところ九州地方を中心に日本列島太平洋沿岸に梅雨前線が垂れこめて、このため九州は連日激しい雨に襲われ、鹿児島、宮崎方面では土砂崩れや河川氾濫により被害が続出している。今日は一時東海、関東甲信越地方にも激しい雨が襲った。7月に入ってから青空が見えた時間はほとんどないようで平年に比べると重苦しい天候が続いている。

 さて、こんな天候がパッとしない時に参議院選挙が公示され、いよいよ21日の投票日へ向けた選挙戦が始まった。選挙区定数74人、比例代表50人である。与野党各党の他に諸派としていくつかの会派が候補者を立てているが、諸派の中には「NHKから国民を守る党」「れいわ新選組」「安楽死制度を考える会」など特異な党名を名乗る政党が現れた。中でも「安楽死制度を考える会」は略されて「安死」と表示され、それがテレビ画面になるとどうも穏やかな気になれない。もう少し知恵を絞って真っ当な政党名を考えられないものだろうか。

 安倍首相は第一声の中で憲法改定議論の遅れを懸念して指摘した。一方、志位共産党委員長は消費増税反対を訴えた。だが、政策課題についてツィートを調べてみると国民が一番関心のあるのは、年金であり、次いで介護、老後2千万円、消費増税、憲法改定であり、政治家と国民の間の理解には若干ずれがある。

 東京選挙区は改選定数6人であるが、自民党から現職の丸川珠代氏、武見敬三氏、公明党は山口那津男代表が立つが、「れいわ新選組」を起ち上げ、前回東京から出た山本太郎代表は比例選挙区へ回る。ひとり珍しい人が密かに立候補した。87歳の放送作家で元議員の野末陳平氏である。参院選で過去連続4回当選を果たした後、どこの政党からも公認を得られず引退した。ブログを見ると今日雨の中を落語家の立川志ららと一緒に都庁選管受付に届けを提出しに行ったと書いてある。年齢的にもすでに盛りを過ぎているが、果たして往年時には個性的パフォーマンスで独特の存在感を示したあの陳平さんが見事カンバックすることが出来るだろうか、注目される。

 今日7月4日と言えばアメリカでは独立記念日に当たる。初代ジョージ・ワシントン大統領は軍人として独立戦争に勝ち、1ドル紙幣にも肖像画が使われている。アメリカ人から広く尊敬されている偉大な政治家である。アメリカ初の大統領選挙では、当時13州の内5州のみが選挙人投票を行い、その中で投票率100%を獲得したのは大統領選挙史上ジョージ・ワシントンただ一人である。今のトランプ大統領の仕草を見ているととてもインテリには思えない。相手への配慮が欠け、何でも思い付きでやろうとする身勝手さに付き合わされる国際社会は、トランプ流儀に悩まされ、困惑させられている。少しは初代大統領を見習ってはいかがだろうか。

 1990年の今日、イエローストーン公園を観光した後シアトルに滞在していた。ワーウィック・ホテルでディナーをいただいていた時、レストランのガラス越しに大きな音響とともに夜空に花火が派手に打ち上げられた。見事なものだと見とれていたが、偶々傍にいた長岡市から来ていた花火打ち上げ師が、この程度では大したことはないと言っていたのが妙に印象に残っている。

2019年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4433.2019年7月3日(水) 12年目に入った駒澤大学公開講座受講

 受講を申し込んでいながら、いろいろ取り込んでいたため出席できなかった駒澤大学ジャーナリズム・政策研究所主宰の公開講座を今日今年度初めて受講した。2008年第1回がスタートしてから毎年受講し、メディアについて知らない知識を学んでいるが、開始以来2か月も出席しなかったのは、今年が初めてである。

 今年は今日水曜日に3科目受講することにした。午後1時から80分授業を3科目続けて受講することにした。最初は、日経新聞の石鍋仁美講師が論説講座と題して、上、下期を通して社会保障、アメリカの政治、中国の政治・経済、ブレクジットとEU、朝鮮情勢、日ロ関係などについて講義される。今日の目新しい話は、コンビニ経営の現状とアマゾンの威力だった。アマゾンのために多くの企業が倒産しているという。私は昨年度アマゾン・ジャパンが脱税の疑いで国税庁から告発された件について質問したが、結果は分からないということだった。

 2時限目は3年目の共同通信の山田克講師、3時限目は昨年も受講した朝日の向井貴之講師である。おふたりの講義からは昨年も有意義で斬新な知識を吹き込ませてもらったが、今日印象に残ったのは、山田講師が話された三浦和義のロス疑惑事件、首相官邸の記者質問制限、自民党が党員に配布した謎の冊子、そして三原じゅん子議員の野党に対する高圧的な発言についてだった。また、向井講師が地方勤務時代に経験されたことについて話されたが、政治報道のあるべき姿について伺ったことが参考になった。それにしても国会担当のころ民主党幹事長番だったそうだが、何と後の鳩山由紀夫元首相だったという。沖縄米軍基地問題が今もなお解決の見通しが立たないのは、鳩山元首相の全面返還をすぐにも実現させるような軽口のせいでもある。後の祭りだが、トランプ大統領の日米安保条約破棄発言についてどう思っておられるか、お考えを聞いてみれば良かった。

 昨年の受講者メンバーのうち、知人も何人かおられたので、お互いに切磋琢磨しながら今年も有意義な講座にしたい。

2019年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4432.2019年7月2日(火) 商業捕鯨再開は、日本にとってプラスか?

 昨日31年ぶりに商業捕鯨が再開された。一昨日日本が突然国際捕鯨委員会(IWC)から脱退すると表明し、商業捕鯨再開を世界に向かって公表した。再開はまさにその翌日である。これは決して日本にとって待ってましたと喜べるようなことではないようだ。鯨の絶滅を危惧する国際世論に対して、日本は捕獲数を守り、捕獲海域を排他的経済水域(EEZ)内に限定すると約束した。かつての南氷洋における捕鯨とはイメージが大きく異なる。

 30年間捕獲しなかったせいもあり、需要も大きく落ち込んだ。終戦直後には国民が食べる肉食はその半分が鯨肉だったが、今では僅かに0.1%にしか過ぎないという。食べれば食べるほどその割合も増え、価格も下落していくのが普通であるが、鯨肉に限っては捕獲量が限定されているので、天井は見えている。果たして商業的に成り立つのかとの疑問が燻ってる。

 捕鯨基地がある山口県下関市と和歌山県太地町、更に北海道の釧路では、待った甲斐があったと喜びが湧いているようだが、商業捕鯨には将来的に採算性の見通しが立たない。下関や太地では、国の捕鯨予算を当てにしているようだ。下関は安倍首相、太地町は二階自民党幹事長の地元である。いつもながらの嫌らしい政治的な圧力によってこれという将来のビジョンもなく、国際的に反感を買う商業捕鯨がこのまま補助金頼みで続けられて良いものだろうか。

 10年以上も以前に一度国際捕鯨委員会がコンベンションを開催した直後に下関を訪れたことがある。あの時代はまだ捕鯨について懐かしいようなムードがあった。1950年プロ野球が2リーグ制になり「大洋ホエールズ」が新規加入したことにより鯨への愛着が広がった。それが今や国際的反捕鯨団体シー・シェパードのように、調査捕鯨に対しても過激な反対行動が行われる時代になった。

 日本政府も懐古趣味だけに捉われず、外交上、商業上のリスクを精査したうえで商業捕鯨がプラスかマイナスかの結論を出すべきであろう。

 朝日夕刊「素粒子」欄にこんなことが書かれていた。

「31年ぶりに商業捕鯨を再開した日。それは国際協調を重んじてきた戦後日本が、自らの主張が通らぬからと国際機関に背を向けた日でもある」。何やら国論二分になりそうである。

2019年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4431.2019年7月1日(月) 偽りの北朝鮮帰国事業「地上の楽園」

 昨日朝鮮半島国境線・板門店でアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が電撃的に会談した。60年前その北朝鮮へ日本から在日朝鮮人を帰国させたプロジェクト・帰国事業が始まった。

 そのプロジェクトの実態が昨日NHK・ETV特集で再放映された。「北朝鮮への『帰国事業』知られざる外交戦・60年後の告白」というテーマだった。最初の放映を見逃したので再放送を録画して今日じっくり観てみた。中々興味津々の内容だった。この放送直後に虚偽やデマが混じっていると北系の朝鮮総連がNHKに抗議文を突き付けたという。彼らにとって都合の悪い内容だったのだろう。

 我々多少戦争体験を背負っている世代として、また長らく旧厚生省主宰事業の「太平洋戦争戦没者遺骨収集」に携わっていた関係から、この種の報道に少なからず関心が高い。終戦時国民学校初等科のクラスに「金田くん」という頭のいい朝鮮籍の同級生がいた。近くに住んでいたので毎日仲良く遊んでいたが、終戦直後に何の別れの挨拶もなく居なくなってしまった。近所の噂では一家で朝鮮へ引き上げたらしい。2学期が始まってもついに登校しなかった。

 暫くして6年生になった1950年6月25日、朝鮮動乱が勃発した。担任教師は授業中によく朝鮮戦争について分かりやすく話してくれた。3年後の7月27日停戦協定が結ばれ戦争は止んだ。何かと戦争に絡んで朝鮮に関する話題が多かった。

 朝鮮半島は太平洋戦争後南北に分断されたため、日本在留の朝鮮人は在日朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と在日本大韓民国民団(民団)に分かれてそれぞれ母国とつながっていた。戦後彼らは母国へ帰る意思がありながら、思うようにならなかった。個人的事情もあったが、それ以上に当時東西対立が影響し問題を難しくさせた。その中で北出身の朝鮮人は北朝鮮への帰国を強く希望、日朝両国政府に働きかけ日本・北朝鮮政府の合意の下に計画は実行された。1959年に初めて帰国船により母国へ帰って行った。それが北朝鮮帰国事業の始まりである。そして、84年に帰国事業が終息するまでに10万人近い朝鮮人が母国へ帰って行った。

 今回取り上げられたドキュメントは、「地上の楽園」という甘い言葉に誘われ在日朝鮮人が帰国はしたものの、北朝鮮国内においてその期待はものの見事に打ち壊され、困窮した生活を余儀なくされた実態を当事者の話を交えて構成したものである。

 一時帰国を許され一旦日本へ戻ったがそのまま日本に留まった人、及び耐えられずに脱北した人らは、家族を北に残したまま、彼らに会うことが叶わず、後悔の気持ちを胸に寂しい余生を送っている。

 この問題の背後には、社会主義社会の素晴らしさを世界にアピールするために、当時のソ連、中国、北朝鮮が談合して、殊更北朝鮮の裕福な生活を偽装してPRした。北朝鮮こそ極楽浄土であると世に訴えたのだ。今再び日本へ戻った人たちは、後悔の念とともに北へ渡った浅慮を悔やみつつ、このプロジェクトに携わった関係者に対して「地上の楽園」どころではなく、偽った情報に踊らされて厳しい生活を送らされたと彼らの責任を追及している。

 戦前植民地化した日本にも応分の責任がある。そのしわ寄せとなった人たちこそ気の毒でならない。

2019年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com