4437.2019年7月6日(土) 日韓関係、急激に冷え込む。

 このところ韓国との関係がおかしい。これまでも度々兆候はあったが、過去を振り返ってもこれほど対立するような緊張関係になったことはないのではないか。特に今月1日日本政府が韓国に対して半導体材料のスマホなどデイスプレイに使われるフッ化ポリイミド他2品目の輸出規制を強化し、同時に輸出手続きを簡略化する優遇措置を止めると公表したことが緊張に拍車をかけた。日本政府は元徴用工らへの損害賠償問題について、日韓と第三国による仲裁委員会の設置を求めた。ところが、韓国側が一向に動こうとせず、日本はしびれを切らしたように思える。日本政府は否定しているが、韓国は元徴用工らへの損害賠償問題に対する対抗措置だと受け止めている。この措置は半導体が主力輸出品の韓国にとっては大きな痛手であるが、日本企業にとっても少なからず影響はある。

 この問題以外にも日韓両国間には、解決すべき課題がいくつかある。日本海洋上における航空自衛隊機に対する韓国艇の光線照射問題について日本は証拠があると写真まで提示しているのに対して韓国は照射していないと言い張り、問題は未解決のままである。更に懸案である従軍慰安婦問題解決のために、2015年両国政府が締結した従軍慰安婦問題に関する日韓合意に基づいて日本政府が10億円を拠出して元慰安婦らへの現金支給事業を担った「和解・癒し財団」を韓国に設立した。しかし、韓国が一方的に財団を解散すると発表し、両国で話し合いのないまま同財団が実際に解散されたことから、従軍慰安婦問題に関して新たな問題を提起することになった。

 先般大阪で開催されたG20 サミットにせっかく文在寅・韓国大統領が出席していながら日韓首脳会談は開かれなかった。今では両国の間には大きな溝が出来て、早急にはその溝は埋まりそうもない。

 韓国政府もこれまで日本側の要求に対して何の回答も寄越さず、韓国産業界にとっては打撃の大きい今回の日本の輸出規制に対して、世界貿易機関(WTO)に対して提訴を検討するという。協定で禁止されているとする日本側の措置に対して、日本としては今のままで韓国との信頼関係の下で輸出管理に取り組むのは困難だとみて実行したと主張し、自由貿易に逆行するものではないと主張している。いずれにせよ現状では双方の誤解を解くのは難しく当分事態の悪化は避けられそうもない。最も近い隣国同士が、角突き合っているのは決してお互いにとって得策にはならない。G20サミットではすれ違いがあったばかりだが、早晩両国首脳が会って話し合うよりこれというアイディア、解決策は生まれないのではないだろうか。

2019年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com