4439.2019年7月8日(月) ミヤンマーのパガン遺跡が世界遺産に

 昨日の本ブログに日本の世界遺産に新たに登録された「百舌鳥・古市古墳群」について若干首を傾げながら綴った。これまで考古学者ら科学者から発掘調査の希望・要望がありながら、管理する宮内庁が認めようとしなかったことから、謎の古墳とも言われかねない「百舌鳥・古市古墳群」について、今夕の朝日「素粒子」欄にも皮肉を交えてこう書かれている。「おめでとう。大阪府の古墳群が世界文化遺産に。でも、被葬者を調べなくていいの?」

 ビルマ(ミヤンマー)からも「パガン(バガン)の考古地域と記念建造物群」がビルマ2番目の世界遺産として登録された。ビルマは長い間世界遺産条約に署名していなかったため、他国に比べて登録数は少ない。2014年に「ピュー古代都市群」が初めて登録されたが、私は訪れたことがない。それよりビルマに数々ある世界遺産候補地の中で、最も世界遺産に相応しいと思っていたのは、パガンだった。そのパガンが今年勇躍登録されることになった。やれやれと留飲が下がった思いである。パガンには12、13世紀パガン王朝時代の古跡がパガン平野一帯に広がっており、パゴダの上から見る遺跡全貌の美しさには圧倒される。ただ最後にパガンを訪れた20年ほど前には素晴らしい遺跡群の隣にゴルフ場がオープンしていて不似合いだと感じたので、ちょっとがっかりしたものだ。ところが、パガンの登録について世界遺産委員会ではそのゴルフ場がやはり問題になったようだ。どこで手打ちをしたのか分からないが、そういう問題を乗り越えて一先ず世界遺産に登録された。ゴルフ場とのアンバランスはともかく、世界に誇れる遺跡群であるだけに、きちんと保存して多くの観光客が訪れるような世界的観光地になってもらいたいと思っている。

 さて、大昔の古代人が日本へやってきたルートとして、ロシア・北海道、朝鮮・対馬、中国・沖縄と大きく分けて3通りあるという。その中国ルートを台湾から与那国島まで約200㎞の海路を漕いで日本人の渡来を再現させようと2016年から国立科学博物館プロジェクト・チームが計画、実践してきた。最初は2016年に藁で編んだ手漕ぎボートで台湾から与那国島へ渡航しようとしたが失敗し、翌年竹で編んだ筏でトライしたが、これも浸水して上手くいかなかった。3度目の昨日男女5人が乗り組み、櫂で漕ぎながら丸木舟でレベンジを試みた。3万年前を想定して地図、コンパス、時計、スマホなどは持たずに昼夜を分かたずひたすら与那国島を目指して漕いでいる、中々ロマンのあるトライアルである。黒潮の影響もあり波に流されるので、途中洋上で休むわけにはいかないらしい。どういう結果になるのか、ちょっと興味深いプロジェクトである。今晩11時現在まだ与那国島へ到着していない。

2019年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com