5520.2022年6月24日(金) 武力に頼るアメリカと中国に危惧

 昨日沖縄で戦闘が終わってから77年を悼む「慰霊の日」式典があったばかりだが、今日は今最も世界中を騒がせているロシア軍のウクライナ侵攻が始まってからちょうど4か月になる。

 ウクライナ戦争勃発により各国ともにエネルギー価格を主に消費者物価が高騰している。日本でも円安がもたらす物価の値上げは、エネルギー価格の上昇によるものと言われている。

 今では来月の参議院選の大きな争点になった物価の高騰であるが、総務省が公表した今年4月の各国の対前年同月比の物価上昇率の比較では、日本はさほど高くなく2.5%であり、アメリカの8.3%、イギリス9.0%、EU7.4%に比べれば、まだ低い方である。アメリカは異常なペースで金利を上げているが、それでも物価高を抑え込めない。さらに近日金利を上げることをパウエルFRB議長がほのめかしている。

 いずれにせよ、今のウクライナ情勢が終息しない限り、エネルギー価格の上昇は収まらず、世界の人びとは物価の上昇に悩まされるだけである。

 さて、アメリカ南部テキサス州の小学校で、先月児童19人と教師2人が犠牲になった銃乱射事件を踏まえて、「殺人王国」のアメリカでも、漸く旧式社会に銃規制へ向けて前向きな声が高まったように思えた。これを受けて昨日アメリカ上院では、銃規制強化法を賛成多数で可決した。だが、その法案の内容をよく調べてみるとまるで骨抜きである。21歳未満の銃購入者について、犯罪歴や精神疾患の記録を調査する期間を設けると規定し、脅威と見なされた人物に銃を持たせない制度を作る州には財政支援を行うと規定されただけである。バイデン政権は、殺傷力の高い銃の販売禁止や、銃購入年齢の21歳への引き上げを目指していたが、結局それすら夢物語に終わり、実務的には銃規制強化法は成らず、相変わらず銃所持については野放しに等しい。やはりアメリカでは永遠に銃規制は出来ないのではないだろうか。

 時代遅れのアメリカ旧社会には、西部開拓時代の古臭い常識に倣い、近代の常識的な身の守り方に逆らうようなやり方が今以て大手を振って跋扈しているのだ。生命の大切さがまったく理解されていないのである。結局アメリカでは、他の良識的な国々とは異なり、1791年に成立した唯我独尊の憲法に規定された「規律ある民兵団は、自由な国家の安全にとって必要であるから、国民が武器を保有し、携行する権利は侵してはならない」を善悪の別なく金科玉条のように守り抜き、「武力王国」、「殺人王国」として国内で殺し合いをし、いずれ世界でも残虐な殺し合いを行うリーダー国になるのではないかと危惧している。

 一方で、今日アメリカとともに世界の2大国と呼ばれる中国が、自国の利益のみを追求し、国際社会のルールを守らず、自国内の少数民族の自由と民主化を抑圧し、それらを剥奪している。国際ルールを無視して公海や他国領土内へ進出し、国際裁判所により違反とされてもまったく止める気持ちがなく、ただ自己の権益を拡大することに邁進し、国内で反発があれば、それを抑圧する危険思想を実行している。実に世界平和にとっては「癌」である。

 アメリカと中国の2つの大国が、直ちに武力でお互いに対決することはないにせよ、お互いの同盟国を利用して自己主張を貫き、お互いを非難、中傷している姿を見ていると、ウクライナ情勢がはらむ第3次世界大戦の勃発を、アメリカと中国間の亀裂、衝突から読み取ることが出来るような気がする。

 ところで、今日は暑かった。全国45地点で猛暑日だった。最高気温は新潟県十日町の37.1℃で今年国内最高を記録した。東京都内でもご多聞に漏れず32.6℃で今年最高だった。熱中症が心配なので、極力外出を控えることが大事だ。

2022年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5519.2022年6月23日(木) 沖縄「慰霊の日」に思い出すベトナム反戦歌

 今日は沖縄戦の戦没者を悼む沖縄「慰霊の日」である。昭和20年の今日アメリカ軍による実践的な戦闘は終わった。激しい戦いにアメリカ軍の戦死者も多く、彼らの名も糸満市の「平和の礎」に刻まれている。ここの石碑には、戦没者約24万人の名が刻まれ、特に今年は終戦77年と日本本土復帰50周年を記念して、24万人余の犠牲者の名前を一人ひとり読み上げた。実に12日間かかったという。

 沖縄全戦没者追悼式には、沖縄県玉城デニー知事や沖縄県関係者の他に、岸田首相ら政府関係者も出席され、首相は「基地負担軽減に全力で取り組む」と話したが、普天間飛行場の辺野古への移転については一切語ろうとしなかった。恐らく今後とも沖縄については、政府として経済支援だけは続けるが、このまま基地問題については何の解決策も語ることなく、口だけは沖縄のためのやる気を訴えることだろう。追悼式会場周辺では、首相に向かって「帰れ!」とのヤジがいくつも飛ばされたという。

 就任以来比較的支持率は高かった岸田首相だが、現在ウィーンで開催中の核兵器禁止条約の批准国会議に日本政府はオブザーバーとしても出席せず、関係国からは厳しい見方をされている。このまま核使用をほのめかすロシアに対しても何の行動も起こせていない。現実は、国内外で核に対する日本の姿勢に対して批判が強まるばかりではないか。更に国内では、安倍元首相を筆頭に防衛費予算の拡大を求める声が強まっている。岸田首相は、アメリカのバイデン大統領に防衛費の増額を約束した。安倍元首相とは違うとは言え、岸田首相もやはり自民党員である。ロシア軍の侵攻とプーチン大統領の核発言は許せないと口先だけは反核的なことを言っているが、憲法改正、再軍備こそは本音ではないか。

 さて、一昨日放映されたNHKの「クローズアップ現代」の「独占 桑田 いま音楽にできること」について、意外や 意外! 小池晃・日本共産党書記長がツイッターでミュージシャン桑田佳祐と桑子真帆アナの♪風に吹かれて♪が最高だったと褒めていた。実は私自身も久しぶりに「クロ現」を観て魅入られていた。特に今年66歳になった桑田が、同年齢の野口五郎、佐野元春、世良公則、Charらと、同時代人として平和について話し合って作曲し、その曲を披露した。桑田はこれまでで一番印象的だった曲は、ボブ・ディランの反戦歌、♪風に吹かれて♪だったと言い、原曲に歌詞だけ桑田が平和に因んで作詞し桑子アナとともに披露した。

 ボブ・ディランの♪風に吹かれて♪の原詩である♪Blowin’in the Wind♪は、ベトナム反戦歌として世界中で流行し、反戦デモに参加する度に声を張り上げて唄ったものである。2007年小田実さんの葬儀に参列した後、青山葬儀場から青山1丁目まで警官隊に誘導されながらも静かに車道をデモ行進した時、久しぶりにこの歌を唄ったことを懐かしく思い出した。私も写ったその写真は翌日の朝日朝刊に掲載された。

  ♪The answer,my friend,is blowin’in the world.The answer is blowin’in the wind.♪

2022年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5518.2022年6月22日(水) オリンピック、無駄遣いによる負の遺産

 昨日昨夏開催された東京オリンピック・パラリンピックの最終収支書と公式報告書が公表された。コロナ禍で開催が1年延期され、ほとんどの競技が無観客試合となり、大きな収入源として見込んでいた入場料収入が計算出来なくなった。それを支援した関係者やボランティアの努力もご苦労であったと思う。やはり懸念されたのは、大会の無事開催と開催に伴う収支勘定であったが、五輪・パラともに開催は成功だったし、赤字ながらも表面上は何とか当初の予定通りの帳尻合わせは出来たようだ。近年は開催ごとにオリンピックは派手さが増し華美となり、2014年にロシアで開催された冬季ソチ大会では、俗に5兆円の大会経費を要したとされ、招致熱が冷え込みつつあった。そこへ東京大会ではコロナ禍が拡大し、大会自体も中止、或いは延期など論議されたが、結局1年延期ということで昨夏規模をやや控え目にして開催された。

 東京大会開催が決定したのは、2013年だったが、経費の削減を図る一方で、すでに競技施設が存在しているにも拘わらず、敢えて新規に近代的な競技施設を建設する無駄がかなりあった。どうしてこういう無駄な出費をするのだろうか。1964年東京大会開催の折に建設された競技施設が、まだ充分使用出来るのに、敢えて新施設を建設し、挙句にそれが今後負の遺産になるというのだから、話にならない。自宅近くの駒澤オリンピック記念公園内には、鬼の大松監督が金メダルを獲ったバレーボール会場をはじめ、オリンピックに使用出来る施設がいくつかあるのに、どの施設も今大会では使用されなかった。恐らく新競技施設建設は、一部関係者の利権?が絡んだ私利私欲によるものなのだろう。

 その典型として最も首を傾げざるを得ないのは、水泳会場として晴海に新たに建設された東京アクアティクスセンターである。この目と鼻の先に、これまで日本選手権などメインイベントが開催されていた東京辰巳国際水泳場がある。1993年に完成したばかりで、つい最近までは東京大会の会場と考えられていた。報告書によると、今後いずれの施設も厳しい決算が予想され、東京アクアティクスセンターは今後とも日本選手権や、国際的イベントのために使用されるが、同じ水泳施設の東京辰巳国際水泳場は、今後アイススケート場に転用して使用されるという。

 大会運営自体は、すべての面で流石日本ならではと世界中から高く評価され、メンツを保つことは出来たが、少なからずトラブルもあった。開催前に大会組織委員長だった森喜朗氏の女性軽視発言や、ロゴの偽商品など、多くの障害を乗り越え、やや窮屈な大会の中で、日本国内は言うに及ばず、世界中から大会の成功と受け止めてもらえたのは、日本国民のオリンピック精神の信頼と、人類愛の賜物だと誇りにしたい。

 気になるのは、東京大会のために建設された各競技施設が、今後負の遺産となり兼ねないことである。各種の競技施設を維持するために、毎年相当額の補助金を補填しなければ、施設が立ち行かなくなる。少なくとも既存の競技施設を極力使用することに、熱心であって欲しかった。オリンピックは自分たちのもので、自分たちがオペレートするのだとの気概はあったが、自分の財布から金を出さず、他人の財布だけを当てにしていたのが、今大会関係者の腹の内だろう。

2022年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5517.2022年6月21日(火) 日本の「核廃絶橋渡し役」は無理と批判

 4月に大統領選が行われ、再選されたフランスのマクロン大統領は、ホッとして外交問題に注力しているように思っていたところ、一昨日総選挙が行われ、何とマクロン氏率いる「共和国前進」を主とする与党連合は過半数を大きく割る大敗を喫してしまったのだ。驚くのは、与党連合が前回5年前には過半数(289)を遥かに上回る350議席を獲得したにも関わらず、今回は100議席以上も失い、過半数より遥かに少数の246議席しか獲得出来なかったことと、対照的に野党が大きく躍進したことである。

 野党の中でも、2か月前大統領選でマクロン氏と決戦投票で争ったルペン氏の右翼「国民連合」は、前回は僅かに8議席だったが、今回は前回の10倍を超える89議席を得て、野党第1党となった。極右とやや警戒され気味だった前身の「国民戦線」から党名を変えて、国民の気持ちに寄り添う、物価高に苦しむ庶民を照準に、ガソリンなどの消費税を20%から6.5%に引き下げることや、定年の引き下げも提唱する政策を掲げたことが支持を得られた要因であろうか。ルペン氏は物価高対策に重点を置いており、対ロシア経済制裁にもフランス国民の生活優先として、対ロシア対策には慎重である。他にもルペン氏は、北大西洋条約機構(NATO)の指揮系統から脱退を主張して自衛と関係のないフランス軍の派遣に消極的で、今後こうした防衛戦略をめぐりマクロン政権と議論が活発化することが考えられる。いずれにせよ大統領に再選されたばかりで、外交に力を入れているマクロン大統領にとっては、思わず厳しい政局運営を迫られることになるだろう。

 さて、核兵器禁止条約の第1回締約国会議が今日から、ウィーンで始まった。昨日開催された「核兵器の人道的影響に関する会議」には、外務省の担当課長らが出席した。だが、日本は62か国が批准した同条約には未だ批准していない。それでもオブザーバーとして参加することは出来る。ロシア軍のウクライナ侵攻で、プーチン大統領が度々核の使用を示唆するような発言をして、過去にこれほど核使用の危機が叫ばれたことはない。この機にNATO加盟のドイツやノルウェー、ベルギー、オーストラリアら33か国がオブザーバーとして参加した。

 しかし、日本の岸田首相はオブザーバーとして出席しない。その言い分が奮っている。「核兵器国は1国も条約に参加していない。日本は核廃絶のための橋渡し役を務める」と言っていたが、その橋渡し役がオブザーバーとして、意見を聞けるチャンスをみすみす逃していることに、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のフィン事務局長は呆れて、唯一の被爆国日本は「橋渡し役」にはなれないと厳しく批判した。一方で、ICANは会議に先立ち「市民社会フォーラム」を開き、日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長が、5歳の時長崎市内における被爆体験を生々しく話し会場で大きな拍手を浴びていた。

 さて、この核廃絶の動きを、ただ日本はアメリカの核の傘の下にいるからと安閑としているようだが、幾分真剣味が足りないようだ。今の世界の危機的な情勢から考えて岸田首相はもっと深刻に受け止めるべきではないだろうか。

2022年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5516.2022年6月20日(月) 寂しいニュース、加山雄三・歌手引退と書店閉店

 コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻という2つのニュースに相も変わらず暗い気持ちにさせられている今日、別の意味で寂しいニュースが伝えられた。

 ひとつは、85歳にして俳優として、また歌手としても活躍している加山雄三が、今年9月に東京国際フォーラムのコンサートを最後に、今後コンサート、及び歌手生活から引退するという。シンガー・ソングライターの草分けとしてこれまで数々の名曲を世に送り出し、その傍ら大ヒット作となった青春映画「若大将シリーズ」の主役として長らく人気者だった。他にも多彩な特技を持ち、絵画を始め、スキー、ヨットの愛好家としても知られた。まだ独身だったころ、自宅近くの湘南鵠沼海岸から茅ヶ崎方面へ向かうと海岸沿いに目につく立派な建物があった。加山家が投資していた茅ヶ崎パシフィック・ホテルだった。父や兄弟たちとその地下のボーリング場でボーリングを楽しんだことが何度かあった。一度だけまだ存命だった加山の父、上原謙さんがボーリングをやっていたのを見かけたが、来ているジャンパーの背に洒落て‘WAYHARA’と書かれていたのが、印象的でよく覚えている。あれはきっとフランク・シナトラが唄い、加山が最も好きな曲、‘MY WAY’に肖って名付けたのではないかと思ったものだ。一部でスキャンダラスに伝えられたあのホテルの倒産により、加山は多額の負債を負い、返済までに10年を要したという。今でもあの近くを訪れると、幻のホテルが目に浮かんで来る。

 今ではホテルは姿を消してしまったが、加山にとって不幸にもその後2018年には愛用のクルーザー「光進丸」を火災で失い、更に19年に続き20年にも脳梗塞で倒れた。それでも昨年念願の武道館で復活コンサートを行ったのをテレビで観た。湘南ビーチボーイであり、年齢的にも1年半ばかり先輩であり大学も同じだったが、在学中にキャンパス内で顔を見たことはなかった。しかし、今でもあれだけの明るく爽やかな名曲を作った才能には、敬服している。まだまだ作曲家としては活動するそうだから、新たなヒット曲を期待したいと思う。

 もうひとつ、寂しい思いを抱いているのは、去る17日に地下鉄赤坂駅周辺の文教堂赤坂店が閉店して、あの赤坂駅近くにも書店がすべてなくなったという憂鬱なニュースである。先に神保町のランドマークとして良心的な映画や講演会を開催していた岩波ホールが、来月一杯で閉館になるという情報があった。ここでも何度か映画の名作を鑑賞したことがある。それもなくなるというのに、更に書店が全くなくなり、文化的な施設がなくなるというのは、異常のように思え、寂しさも普通ではない。近くはオフィス街でもあり、サラリーマンが気軽に立ち寄れる書店が消えてしまったのだ。

 書店が街から消えてしまったのには、一般に本を読まなくなったという近年の若者の読書離れ現象が大分影響しているが、その他に販売ルートが、書店ではなくアマゾンのような通販を通して購入する方法が普及したことや、電子書籍化の普及もその一因に挙げられている。

 偶々現在拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の電子書籍化を依頼していて、この数日は原稿の校正を行っている最中である。確かに電子書籍は、一般の書籍とはちょっと違うような印象を受けている。もし、電子書籍化された拙著の販売成績が上がるなら、これも街から書店が姿を消すひとつの原因になり得るということになるのだろうか。

2022年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5515.2022年6月19日(日) IT関連業界、顧客無視の金儲け主義

 メール送信に利用しているBiglobeから、先日今後文書を送信する送り先件数が100件以上になる場合は送信出来ないので、100件以内に分割して送信するようにと一方的な連絡があった。次回から情報を知人らに送信する場合は、面倒だが約400通分の宛先を4回に分けて手間のかかる送信をすることになる。同じように厄介なことはパソコン関連の備品などにもしばしば見られ、未だその機能自体に支障がなくとも生産を中止して、新たな様式を開発して新商品として販売し、より高収益を得ようとするアメリカ式ビジネス・モデルの典型である。その些かがめついやり方には、失望以上に腹が立つこともある。

 つい最近J・COMのサポート・システムで、これまでのサポート・サービスInternet Explorerを終了し、唐突にMicro Edgeへ変更するので、切り替えるようにとの公告が出たが、こういうサービスのやり方は如何なものかと考えている。

 実は現在毎日使用しているプリンターでも似たような悩みを抱えている。EPSONの機種であるが、4色のカラー・インクを使用しているが、これを当然4色セットで購入する。ところが、黒インクの使用頻度が高いので、黒インクを購入しようとするとこの黒色だけが随分高価なのだ。他のインクの約2倍である。つい購入をためらってしまうが、そうも行かず、それなら序でに4色セットを購入する。どうしても手元に黒色以外の3色ばかり溜まってしまう。そればかり続けているわけにも行かず、そこで止むを得ず、高い黒インクを買い求めることになる。まるで顧客の弱みにつけ込んだ商法であり、顧客の気持ちなんててんで考慮してもいない。

 以前、講師を務めていた当時、使い易いプロジェクターを使用していたが、儀品が故障したので、新規に備品を購入しようとしたらメーカーからすでに生産中止になったと言われて使い難くなり、その当座困惑したことがある。それにしてもこういうメーカーの顧客の都合を配慮しない製品製造・販売システムには、困惑している。こんな消費者苛めのような商法を許していることはおかしいと思う。これは国としてももっと強く管理し取り締まる必要があるのではないかと考えている。現状は、消費者が泣き寝入りで出費を強要されているだけで、一向に消費者のためにはなっていない。

 さて、明後21日から3日間オーストリアの首都ウィーンで核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開かれるが、世界各国・各界から被爆国日本が出席しないのは、理解出来ないと日本に対する批判や不満のコメントが伝わってくる。これに先立ち、現地では2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGO・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が、関係者に向けてオンラインを通じてメッセージを発信した。特に、広島出身で岸田首相の遠戚に当たるサーロー節子氏が、日本政府は核兵器禁止条約への署名、及び批准には後ろ向きで、条約に加わっていない国でもオブザーバーとして参加出来るのに、岸田首相はこれにも不参加を表明したと批判した。サーロー氏は、プーチン大統領が現実に核兵器の使用を示唆する発言をしたことを強く警戒している。

 今朝も広島市内の原爆ドーム前では、原爆被害者団体らが「核の危険を除去するには廃絶以外にない」と訴え、オブザーバー参加を見送った日本政府に強い抗議を示した。来年の主要7カ国首脳会議(G7)の開催地は、岸田首相が強く望んで原爆被爆地の広島に決定した。ならば、核廃絶と原爆、及び広島を結び付けるメッセ―ジをウィーンから発信することは、当然の流れだと思うし、世界へ反核をアピールするチャンスだと思うが、岸田首相はどう思っているのだろうか。

2022年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5514.2022年6月18日(土) ロシア人の被害者意識って本当?

 ロシアによるウクライナ侵攻は、一向に衰える兆しはなく、東部ルハンシク州ではロシア軍の絶え間ない砲撃により工場から出ることは不可能で、セベロドネツクのアゾト化学工場のシェルター内には子ども38人を含む、568人が閉じ込められていると州知事が明らかにした。ロシア軍の攻撃が強まれば、欧米の兵器支援を受けたウクライナ軍は反撃し、現状は東部地区で膠着状態で、いつ戦火が収まるのかは全く見通しが立っていない。すでにウクライナ国民4,400万人の内702万人が国外へ脱出避難しており、国内は戦禍に晒され国としての秩序と機能が成り立たない。そんな時に今日のNHKテレビでイギリスのBBCが、昨日ロシアのラブロフ外相にインタビューした画面を放映していたが、記者からウクライナへの侵攻について批判されたことに対して、ロシアは特別軍事作戦を立て、それを宣言しているだけだと嘘八百を述べていた。デタラメを言うにもほどがあるが、一国の外相が世界へ伝えられるテレビでよくもこういう戯けたことを言うものだとその良識のなさに呆れたところだ。

 相変わらず、欧米を主にロシアへの非難が激しいが、その最中にロシアの第2の都市、サンクトペテルスブルグで開かれた国際経済フォーラムは、例年日欧米各国約140カ国が出席するが、今年はかなり減って中国、インド等の他は、アラブ、アフリカ等のロシアからの招待国の出席だけとなった。アフガニスタンからタリバンが出席していたのには驚いた。強気のプーチン大統領は「欧米のロシアに対する経済電撃制裁は失敗した」と語り、むしろ制裁は欧米の経済に打撃を与えていると豪語していた。特に現在世界中を苦しめている食料危機やエネルギー問題は欧米の誤った経済政策によるもので、ウクライナ軍事作戦とは何の関係もないと他人事のように、ロシア国内の影響には触れることなく、欧米を非難した。

 ところで、非難轟々のロシアについて興味深い報道があった。昨日の朝日夕刊一面にロシア人、及びロシア国家の体質について興味深い記事が載っていた。プーチン大統領のウクライナ侵攻は、欧米を主とする国際社会から国際的には国際法違反として厳しい批判を浴びているが、多くのロシア国民には支持されているというものである。その理由としてナチス・ドイツなどの侵略を受けた過去からつくられた「いつもロシアは攻撃される」という被害者意識があるという。そして、ロシアがそのような意識を引きずるのはなぜなのかという疑問である。

 ロシア人のトラウマとなっているのは、1812年のナポレオン軍との祖国戦争と、1941年第2次世界大戦下のナチス・ドイツ軍による侵略戦争であり、ご多聞に漏れずプーチン氏自身戦争体験はなくともナチ・ドイツ軍の侵略が頭から消えないのだろう。祖国戦争の折は、ロシアではポーランドやドイツ兵も含めたナポレオン軍約70万人がロシアに侵攻し、モスクワ郊外のボロジノで数万の兵士が戦死した歴史を忘れないために、毎年5月に同地で「ボロジノの戦い」を再現するイベントが開かれるという。同地の博物館長は、「歴史を見れば、ロシアが攻撃を受けずに100年以上を過ごしたことはない。ロシアから攻撃をしたことは1度もなく、ただ防衛してきただけ」だと主張しているというが、終戦直後すでに日本が降伏して武器を放棄したのに強引に北方領土へ上陸し、今日まで日本領土を不法に占領しているのは何だったのか。博物館長は本心からそう思って述べているのか、或いは実態を知らないのか、どうも彼らの詭弁には疑念が消えない。

2022年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5513.2022年6月17日(金) 羽生善治九段、将棋公式戦で通算1,500勝

 同じ世田谷区深沢1丁目の町内に住む、将棋の羽生善治九段が、昨日第81期名人戦順位戦B級1組1回戦で山崎隆之8段に勝ち、公式戦通算1,500勝を挙げ、自身の持つ将棋界最多勝記録を更新した。2位が大山康晴十五世名人の1,433勝というからとてつもなくすごい記録である。生憎現時点では無冠の羽生九段は、今日まで通算タイトル獲得数が99期で、あと1期で大台の100期になる。私自身将棋や囲碁は嗜まないので、格別強い関心があるわけではないが、誰もが成し得なかったことをやり遂げるというのは、傑出した才能の持ち主のみが成し得る偉業である。

 現在将棋界は、19歳の若い藤井聡太九段が5冠を獲得してひとり話題を浚っているが、これまでに羽生九段が成し遂げた戦績は、その藤井九段を上回るほど華々しいものだった。現在まだ51歳でありながら、数々の将棋界の栄誉を得ている。十九世名人を筆頭に、永世竜王、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世王将、永世棋聖などの資格を保持し、国民栄誉賞を授与されている。昨日の勝利は、再び栄冠獲得へ向け挑戦する第一歩であるが、捲土重来を期して再び栄誉ある場へ復帰されるよう隣組のひとりとして心より願っている。

 さて、衆議院が閉会となった今や、次に注目される政治の舞台は来月行われる参議院選に移った。だが、衆議院でも大きな話題となっている事象がある。それは、次の小選挙区選挙で懸案の「10増10減」が実施されることがほぼ確実となったことである。2012年、14年の衆院選で1票の格差が2倍を超え、最高裁判所がこれを「違憲状態」との判断を下していた今回の改定により、20年の国勢調査で日本人の人口が最も少なかった鳥取2区と、最多の福岡2区との格差が漸く1.999倍となり、辛うじて憲法違反から逃れることになった。定員数の増える選挙区と減る選挙区内の調整には、立候補予定関係者、自治体、有権者らにとっても中々複雑な問題があり大変なようだ。

 特に10増のうち、5増の東京都の新しい区割りに苦心の跡が見られる。世田谷区でもひとつの選挙区が2分され新たに5区と6区に分れる。他には神奈川が2名増員となるが、首都圏には人口が集中し有権者が増えるせいで、議席が増えるのは、他に埼玉、千葉、愛知の首都圏及び大都市圏である。

 その一方で議席が減る自治体は、地方に多く、宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の10県である。これらの選挙区ではほとんど自民党議員が独占しており、それだけに小選挙区をひとつ減らされることは、彼らにとっては死活問題である。中でも大物代議士が多い山口県で現在の4選挙区が3選挙区に減ることになり、安倍元首相、林外相、岸防衛相の他に、高村正彦元副総裁長男の立候補が予定されており、これから党内でいかに調整するのか注目される。しかし、これはこれで興味深い。目先の参議院選にも関心があるが、次の衆院選も期待したい。

2022年6月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5512.2022年6月16日(木) 国会閉会、参院選に社民党は生き残れるか?

 昨日通常国家が閉会した。秋には臨時国会が開会されるが、それまで国会議員は思う存分昼寝が出来るというものだ。だが、これから参議院選が行われる。22日が公示で、投票日は7月10日である。参議院248議席のうち、半数の124議席と神奈川選挙区の欠員を合わせて125議席が争われる。

 今度の参院選で小なりとも注目を集めているのが、社会民主党の存亡である。結党して77年になり、歴史的には日本共産党に次いで古い。だが、党勢は年々じり貧傾向となり、今では衆参議員合わせて今回出馬する福島瑞穂党首に、昨年の衆議院選で沖縄から当選した新人議員のたった2人になってしまった。党存亡の危機を迎えているのだ。今回はまさに背水の陣である。というのは、比例代表か、選挙区で2%以上の党員票を獲得しなければならない。前回に2%以上を獲得出来なかったこともあり、今回その要件を満たすのは極めて厳しい。社民党にとっては正念場である。

 終戦の年に日本社会党として名乗りを上げ、1947年には片山哲内閣が最初の社会党政権として発足した。その後94年には、自社さきがけの連合内閣として村山富市内閣がスタートした。この間党内が左右に別れて、再び統合した。しかし、次第に勢力は衰え、一時は女性新人議員の当選が目立ち、「マドンナ・ブーム」と呼ばれて、当時の土井たか子委員長が「山は動いた」と名セリフを吐いて盛り返したこともある。それが今や見る影もない有様である。

 社会党と言えば、我々が学生時代60年安保闘争に熱中していた当時は、デモの中心だった全学連にとって大きな精神的支柱だった。暗殺された浅沼稲次郎委員長が大学内キャンパスにやって来られ、「戦争に賛成する人は自民党へ、反対する人は社会党へ。戦争で死んでも良いという人は自民党へ、死にたくないという人は社会党へ」投票してください、という主旨の話を適度な笑いを振りまきながら語られたのをじっと聞き入っていたことを思い出す。

 確かに現在の社民党は人材に欠けるところがあるし、かつての向坂逸郎氏のような力強く説得力のある論客の支援もなくなった。また、以前の総評のような強力な労働団体の支援もなく、アピールが弱い。いつも共産党の尻にぶら下がっているという印象である。

 来月の選挙結果次第では、政党要件を失い、政党としての活動が出来なくなり、個人的な政治活動はともかく、単なる政治団体となりかねない。安保世代としては、寂しさとともに昔日の感を覚える。

 さて、今国会会期は、150日間の長きに亘ったが、いつもに比べて平穏だったと言っても好い。ひとつには、野党がバラバラで岸田政権にプレッシャーをかけられなかったことがある。61本もの内閣提出法案をすべて会期内に成立させたのは、実に26年ぶりという。朝日新聞の世論調査でも、岸田内閣は59%という高い支持率を得て、政権発足以来最高だという。しかし、国会議員の交通費の支給も深くは突っ込まず、また細田衆議院議長の女性記者へのセクハラや、1衆議院議員の女性スキャンダルなど身近に発生した問題は、深く関与することはなかったことは極めて不満である。今抱えている喫緊の重要課題は、円安と物価の高騰であろう。これは放っておいたら大きな問題となる。国会閉会なので行動しないとか、目先の選挙だけに関わっている場合ではなかろう。

2022年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5511.2022年6月15日(水) 自国の規約を守らないロシアと中国の独裁者

 今日中国の習近平・国家主席が69歳の誕生日を迎えた。4か月先輩の悪名高きロシアのプーチン大統領に年齢で追いついた。北朝鮮の若き独裁者、38歳の金正恩・労働党委員長は問題外として、今や世界の覇権国家の盟主とも言える習近平とプーチンの2人が独裁者として国家権力を行使しているが、規約によると両人とも今期限りでその座を去らなければならない。ところが、一旦権力を握った以上誰にもそれを手渡す気持ちがない独裁者のひとり、プーチン大統領は、すでに昨年2036年までの続投に道を開く大統領選挙法の改正案に署名して改正法を成立させた。この結果、プーチン氏は現在の任期を終える24年以降も2期12年、83歳になる2036年まで過去4年間(2008~2012年・メドベージェフ大統領在任)を除き32年間ロシアの最高権力者の地位に君臨することが可能となった。

 一方の習近平国家主席もプーチン大統領に劣らず、策を弄して権力の座に留まることを狙っている。今秋5年に1度開催される中国共産党全国大会で、3度目の国家主席就任を企んでいるのだ。中国の政治家には、慣習上定年ルールがある。党大会の年に67歳以下なら留任し、68歳以上なら退く「七上八下」というルールが決まっている。このルールに従えば、69歳となった習主席は今の主席の座に留まることが出来ない。終身トップの座に留まった初代主席の毛沢東以降、良識的にその仕組みを変えた。現在水面下で習主席の続投と共産党内の納得とのバランスを取る駆け引きが密かに始まっているという。それにしても折角ルールを決めたところで時の権力者が素直に納得しなければ、強引にルールを無視して自らの権力の欲望を貫こうとする国家のありようとは一体どういうことだろうか。国家上層部が国のルールを破壊していくわけである。

 民主主義の土台が今日までまったく見られないロシアと中国には、古来権力志向の強かった歴代の帝王が存在した。それが近代になってもロシアと中国にはそれぞれ帝王が生れた。それが終生君臨し殺人鬼とも言われ74歳でこの世を去ったスターリンであり、82歳で亡くなった毛沢東だった。今また21世紀の独裁者69歳のプーチンと習近平が、自らの帝国を築こうとして自らにとって不都合な国家の決めごとを壊し始めた。

 気がかりなのは、この帝王プーチンが、世界中から不安と恐怖で受け止められているウクライナ戦争の主役を演じていることであり、この帝王を支援しているのが、力による海洋進出をものともしないもう一方の帝王・習近平の国際法を顧みない傍若無人ぶりである。
 多くの中国人の良識が、習主席の長期政権を止めることが出来れば、これから中国という大国の将来に期待をすることが出来る。しかし、すでに10年間国家主席の座に留まっていた帝王・習近平が今後も権力の亡霊に取りつかれるようなら、中国という国にこれからも期待することは出来ないだろう。

2022年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com