5413.2022年6月16日(木) 国会閉会、参院選に社民党は生き残れるか?

 昨日通常国家が閉会した。秋には臨時国会が開会されるが、それまで国会議員は思う存分昼寝が出来るというものだ。だが、これから参議院選が行われる。22日が公示で、投票日は7月10日である。参議院248議席のうち、半数の124議席と神奈川選挙区の欠員を合わせて125議席が争われる。

 今度の参院選で小なりとも注目を集めているのが、社会民主党の存亡である。結党して77年になり、歴史的には日本共産党に次いで古い。だが、党勢は年々じり貧傾向となり、今では衆参議員合わせて今回出馬する福島瑞穂党首に、昨年の衆議院選で沖縄から当選した新人議員のたった2人になってしまった。党存亡の危機を迎えているのだ。今回はまさに背水の陣である。というのは、比例代表か、選挙区で2%以上の党員票を獲得しなければならない。前回に2%以上を獲得出来なかったこともあり、今回その要件を満たすのは極めて厳しい。社民党にとっては正念場である。

 終戦の年に日本社会党として名乗りを上げ、1947年には片山哲内閣が最初の社会党政権として発足した。その後94年には、自社さきがけの連合内閣として村山富市内閣がスタートした。この間党内が左右に別れて、再び統合した。しかし、次第に勢力は衰え、一時は女性新人議員の当選が目立ち、「マドンナ・ブーム」と呼ばれて、当時の土井たか子委員長が「山は動いた」と名セリフを吐いて盛り返したこともある。それが今や見る影もない有様である。

 社会党と言えば、我々が学生時代60年安保闘争に熱中していた当時は、デモの中心だった全学連にとって大きな精神的支柱だった。暗殺された浅沼稲次郎委員長が大学内キャンパスにやって来られ、「戦争に賛成する人は自民党へ、反対する人は社会党へ。戦争で死んでも良いという人は自民党へ、死にたくないという人は社会党へ」投票してください、という主旨の話を適度な笑いを振りまきながら語られたのをじっと聞き入っていたことを思い出す。

 確かに現在の社民党は人材に欠けるところがあるし、かつての向坂逸郎氏のような力強く説得力のある論客の支援もなくなった。また、以前の総評のような強力な労働団体の支援もなく、アピールが弱い。いつも共産党の尻にぶら下がっているという印象である。

 来月の選挙結果次第では、政党要件を失い、政党としての活動が出来なくなり、個人的な政治活動はともかく、単なる政治団体となりかねない。安保世代としては、寂しさとともに昔日の感を覚える。

 さて、今国会会期は、150日間の長きに亘ったが、いつもに比べて平穏だったと言っても好い。ひとつには、野党がバラバラで岸田政権にプレッシャーをかけられなかったことがある。61本もの内閣提出法案をすべて会期内に成立させたのは、実に26年ぶりという。朝日新聞の世論調査でも、岸田内閣は59%という高い支持率を得て、政権発足以来最高だという。しかし、国会議員の交通費の支給も深くは突っ込まず、また細田衆議院議長の女性記者へのセクハラや、1衆議院議員の女性スキャンダルなど身近に発生した問題は、深く関与することはなかったことは極めて不満である。今抱えている喫緊の重要課題は、円安と物価の高騰であろう。これは放っておいたら大きな問題となる。国会閉会なので行動しないとか、目先の選挙だけに関わっている場合ではなかろう。

2022年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com