5412.2022年6月15日(水) 自国の規約を守らないロシアと中国の独裁者

 今日中国の習近平・国家主席が69歳の誕生日を迎えた。4か月先輩の悪名高きロシアのプーチン大統領に年齢で追いついた。北朝鮮の若き独裁者、38歳の金正恩・労働党委員長は問題外として、今や世界の覇権国家の盟主とも言える習近平とプーチンの2人が独裁者として国家権力を行使しているが、規約によると両人とも今期限りでその座を去らなければならない。ところが、一旦権力を握った以上誰にもそれを手渡す気持ちがない独裁者のひとり、プーチン大統領は、すでに昨年2036年までの続投に道を開く大統領選挙法の改正案に署名して改正法を成立させた。この結果、プーチン氏は現在の任期を終える24年以降も2期12年、83歳になる2036年まで過去4年間(2008~2012年・メドベージェフ大統領在任)を除き32年間ロシアの最高権力者の地位に君臨することが可能となった。

 一方の習近平国家主席もプーチン大統領に劣らず、策を弄して権力の座に留まることを狙っている。今秋5年に1度開催される中国共産党全国大会で、3度目の国家主席就任を企んでいるのだ。中国の政治家には、慣習上定年ルールがある。党大会の年に67歳以下なら留任し、68歳以上なら退く「七上八下」というルールが決まっている。このルールに従えば、69歳となった習主席は今の主席の座に留まることが出来ない。終身トップの座に留まった初代主席の毛沢東以降、良識的にその仕組みを変えた。現在水面下で習主席の続投と共産党内の納得とのバランスを取る駆け引きが密かに始まっているという。それにしても折角ルールを決めたところで時の権力者が素直に納得しなければ、強引にルールを無視して自らの権力の欲望を貫こうとする国家のありようとは一体どういうことだろうか。国家上層部が国のルールを破壊していくわけである。

 民主主義の土台が今日までまったく見られないロシアと中国には、古来権力志向の強かった歴代の帝王が存在した。それが近代になってもロシアと中国にはそれぞれ帝王が生れた。それが終生君臨し殺人鬼とも言われ74歳でこの世を去ったスターリンであり、82歳で亡くなった毛沢東だった。今また21世紀の独裁者69歳のプーチンと習近平が、自らの帝国を築こうとして自らにとって不都合な国家の決めごとを壊し始めた。

 気がかりなのは、この帝王プーチンが、世界中から不安と恐怖で受け止められているウクライナ戦争の主役を演じていることであり、この帝王を支援しているのが、力による海洋進出をものともしないもう一方の帝王・習近平の国際法を顧みない傍若無人ぶりである。
 多くの中国人の良識が、習主席の長期政権を止めることが出来れば、これから中国という大国の将来に期待をすることが出来る。しかし、すでに10年間国家主席の座に留まっていた帝王・習近平が今後も権力の亡霊に取りつかれるようなら、中国という国にこれからも期待することは出来ないだろう。

2022年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com