5145.2021年6月14日(月) G7サミット閉幕とイスラエル首相退陣

 この数日蒸し暑く雨模様の日が多いが、今日関東甲信越地方は平年より7日も遅くなって漸く梅雨入りとなった。すでに東海地方は1か月も前に梅雨入りしている。今日も小雨が降ったり止んだりして、これから梅雨明けまでは鬱陶しい天候にイライラさせられそうだ。

 さて、3日間に亘って開催されていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、昨日閉会となった。閉会に際して次のような首脳宣言が採択された。◇中低所得国に質の高いインフラの支援、◇新型コロナワクチンを来年にかけて世界に10億回分提供、◇新彊ウィグル自治区や香港を明記し、人権や基本的自由を尊重するよう中国に呼びかける、◇台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決促す、◇安全・安心な東京オリンピック・パラリンピックの開催を支持、などが宣言の骨子である。宣言だけ見てもいかに「民主主義国家」の結束を促し、中国を意識し、中国を批判し、反省を要求しているかが読み取れる。恐らく中国は相も変わらず自己主張を繰り返し、新疆ウィグル、香港、南シナ海洋上進出問題でG7の要求を受け入れることはないだろう。

  ついては、日本時間の今朝中東のイスラエルで連立政権が誕生し、歴代最長の連続12年、あしかけ15年も政権を握ってきたイスラエルのトランプと言われた右派「リクード」のネタニヤフ首相の退陣が確定し、後任として極右政党「ヤミナ」党首のベネット元国防相が新首相に選出された。しかし、2年後には、第2党「イェシュアテイド」党首のラピド元財務相と交代する。アラブ系政党が連立に参加するのもイスラエル建国以来初めてである。先日パレスチナと砲撃合戦をやったばかりで、不安定な社会状態である。地勢的に不安定なイスラエルで今後野党8党による連立新政権は難しい舵取りを迫られる。実際国会(定数120人)で行われた新政権の信任投票では、賛成が60人、反対が59人で棄権した1票が、使命を制する結果になった。政権内ではパレスチナ問題を巡って立場が大きく異なり、今後の国会運営は一筋縄では行きそうもない。

 そのイスラエルと対立するアラブ国のイランでも来る18日、4年に1度の大統領選が行われる。8月には、欧米との対話を開いた保守穏健派のロウハニ大統領が退任する。今回の大統領選に名乗り出た590人の内最終的に穏健派や改革派が資格審査で排除され、全員保守派の7候補者に絞られた。これら7人はいずれも保守強硬派が支配する「護憲評議会」によって選出された。イスラエル新政権では一層保守化傾向が強まり、対立するイランでも極右派が政権固めをするなどアラブでは、益々不穏な空気が強まってきそうだ。イランは日本にとっても主たる石油輸入国のひとつであり、あまり騒ぎが大きくならないことを望んでいる。

 作曲家で俳優の小林亜星さんが先月心不全で亡くなっていたことが分った。都はるみのレコード大賞曲「北の宿から」や、日立のCMソング、イラスト曲「ガッチャマン」を作曲したことでよく知られていた。慶應経済学部の先輩だったとは知らなかった。享年88歳だった。   合掌

2021年6月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5144.2021年6月13日(日) 「専制主義国家」中国に対抗するG7

 11日からイギリスの南西部コーンウォ-ルで開催されている主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、各国が世界の中低所得国に対して、数千億㌦(数十兆円)規模のインフラ投資を進める取り組みに合意した。また、新型コロナウィルス対策でも10億回分のワクチンを世界に提供することを合意した。今回のG7では、アメリカ主導の下に中国への対抗意識から新たな施策をいくつか提案している。バイデン大統領が中国やロシアに対して「専制主義国家」と位置づけ、民主主義国家の連帯を強固にすることを目指している。その大きな節目となったのが、中国が「一帯一路」構想を進め、資金は中国マネーを注ぎ込み、中国人労働者を派遣して途上国のインフラ事業を次々と行い、事業が実現しなかったり、中国への債務を返済できなくなったケースでは、その事業を長期に亘って中国が管理するような事態が頻繁に見られる。これをG7サイドとしては、労働や地球環境への配慮、透明性の確保、民間資本の結集などを通して民主的な価値に基づいて投資を検討する。

 中国政府の民主化抑圧や新疆ウィグル族弾圧などの人権蹂躙に対して、西側諸国は厳しく非難している。昨年来中国は、香港の国家安全維持法の施行により、約束の「1国2制度」を一方的に破棄して香港で自由と民主化を抑圧している。奇しくも香港民主活動家だった24歳の女性・周庭さんが、未許可デモを組織していた罪で禁固10か月の実刑判決を受けていたが、昨日釈放され出迎えの車に乗り込む間に支援者らが激励の声をかけた。しかし、彼女はまったく無言だった。収監前にはあれほど中国当局を批判していたが、昨日は声なしだった。よほどお灸をすえられ、脅され再び拘束されるのを恐れているのだろうか、一言も言葉を発しなかった。それほど仕返しを恐れているのだろう。

 先日のベラルーシの反政府ジャーナリスト・プロタセビッチ氏がテレビで反政府デモを止めるとか、ルカシェンコ大統領を尊敬しているとの政府寄りの発言が、転向かと西側の人びとを驚かせたが、やはりリンチを受けたり、脅されれば、自己否定になるのだろうか。それでも周庭さんの場合は、「転向」ではなく、河上肇流に言えば、「没落宣言」ではないかと思っている。

 G7 に初めて出席した菅首相は、しきりにオリンピック開催への理解と支持を訴え、各国が強力な選手団を派遣するようアピールした。まだまだコロナ対策問題や、気候変動問題など重要課題が議論されると思うが、階級闘争、共産党1党独裁、更に今以て改革開放から脱皮できない中国が難渋するような議題をもっと話し合ってもらいたい。

 さて、今日は久しぶりに嬉しくホッとしたような気分になった。第70回全国大学野球選手権大会決勝戦で母校慶應が、福井工大を13-2で破り34年ぶり、第1回大会以来4度目の優勝を飾ったからである。決勝戦の13点は史上最多得点である。昭和34年に兄が東北地区代表として東北大学の2塁手として出場し、1回戦で翌年阪神に入団した関西大学中井投手に抑えられ、3-0で敗れた試合を神宮で観戦したが、もう62年も昔のことである。しかし、今日はテレビ中継で観戦しても入場観客を制限し、応援団はおらず、華々しいエールの交換もせず、試合中は今ひとつ盛り上がらなかった。通常ならゲームセットと同時に歌う母校塾歌も勝っていながら歌えず、寂しい決勝戦のグランド風景だった。これもコロナ禍では止むを得ないか。まぁ優勝したので、佳しとしよう。

2021年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5143.2021年6月12日(土) ノーベル賞受賞者・根岸英一博士永眠

 今朝ショッキングな知らせをテレビで知った。2010年ノーベル化学賞受賞者で文化勲章受章者でもある根岸英一博士が、アメリカ・インディアナ州のご自宅で亡くなられたのだ。根岸博士は湘南高校の4年先輩で、ノーベル賞受賞の年に虎ノ門アークヒルズで開催された母校東京有志会で初めてお会いした時に、僭越だが若いうちに積極的に海外へ行くべきだとの考えが不思議に一致した。奥様のお名前「すみれ」が次男の嫁と同じだったので、その点でも妙に気持ちが通じた。翌年お会いした時に英語署名入りのご著書「夢を持ち続けよう!」をいただいた。同書の冒頭の見出しが「若者よ海外へ出よ!」である。普段はアメリカに居住されておられる博士と4度もお会いできたのはラッキーだった。不運にも3年前車の運転中に側溝に落ち、それが原因で同乗していた愛する奥様を亡くされ大分落ち込んでおられたと伺っていた。

 有名になられても母校との縁と絆を心掛けられ、母校にも再三訪れ、母校のアメリカ研修生がアメリカを訪れる度に彼らをご自宅に招いてもてなし学校、教職員、在校生からも随分感謝されていた。父上が満鉄に勤務されていた関係から、旧新京(現長春)で生まれ戦後朝鮮京城から引き揚げた時、大和市内の小学校へ1年飛び級で転入したために、他の同級生より1歳年少だった。そのため高校入学時にも1年早いことが問題となりひと悶着あったようだ。それでも卒業時には現役で東大理1へ入学されたのは、並みの学力ではない。高校では合唱部に所属し、歌を唄うことがお好きだった。特に布施明の「シクラメンのかほり」が好きで、頼まれるといつもこの歌を唄ったようだが、2011年3月11日に横浜のホテルで唄っていたまさにその時、大きく揺れ東日本大震災が発生したので、もう歌いませんと冗談交じりに仰っていた。実際に見事な歌いっぷりを楽しませてもらった。とにかく偉ぶらず、円満なご性格で周囲に溶け込む学者らしからぬ堅苦しさのない先生だった。今年は母校創立百周年記念という祝うべき年であるが、新型コロナ・ウィルス禍のため大掛かりな祝典は行われない。お元気なら博士は進んで式典に参加されただろう。朝日夕刊に依れば、アメリカで葬儀は行わず、来年日本で埋葬される予定だという。

 尊敬すべき先輩の旅立ちを哀悼の気持ちとともに遠くよりお見送りしご冥福をお祈りしたいと思う。

 さて、月1度の糖尿病の健診にクリニックへ出かけたが、ステロイドのプレドニン錠を増量服用しているので、ヘモグロビン(HbA1c)の数値が些か気になっていた。幸い案ずるより生むが易しで、ヘモグロビンの数値は先月と同じで上がらずホッとした。医師の話ではこのまま飲み続ければ、来月は上っているかもしれないと話されたが、取り敢えず膝の痛みはほとんど消えたし、気持ちは落ち着いてきた。

2021年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5142.2021年6月11日(金) 京都市財政が10年以内に破綻?

 5日付毎日新聞に、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長をモチーフにした風刺画「はらぺこIOC」が掲載され、ちょっとした物議を醸している。題材は先月他界したエリック・カール氏の絵本「はらぺこあおむし」で、あおむしとなったバッハ会長らが「放映権」と書かれた「ゴリン(五輪)の実」を食べている様子を描いたものである。これに対して絵本発行元の偕成社社長が「表現の自由や風刺の重要性は理解しているが、多くの子どもたちから愛されている絵本出版元として強い違和感を覚えた」とサイトに掲載した。我が家でもこの絵本は小学生の孫のために手元に1冊置いてあるが、話もシンプルながら絵の構成も中々工夫が凝らされている。食べ物を食する度に頁をめくった翌日には食べた量が増えた様子が示され、最後にはサナギになり蝶々になって飛んでいく絵がユニークだ。その繊細な構成は、日本の出版社だから出来たと言われた。幼い子どもたちが興味を持ち、楽しめる絵本だろう。

 偕成社は、「風刺を引用する作品全体の意味を理解したうえでこそ力を持つ」「不勉強、センスの無さを露呈した」などとして、作者と編集者を批判し、毎日新聞に猛省を求めた。これに対して、毎日は一昨日「掲載した風刺漫画は肥大化するIOCに対する皮肉を表現した。指摘を真摯に受け止めたい」と応えた。

 それにしても昨今の何ものをも畏れぬIOCのやや傲慢ぶりには、こんな風刺画が出て来るのも宜なるかなと思わせられる。昨日のIOCリモート理事会では、バッハ会長が、東京大会は(開催国の準備に関係なく?)このまま開催する意向であることを強く主張していた。もうひとつ政府が頭を悩ませているのは、オリンピック憲章で開会式の開会宣言は開催国の国家元首が読み上げると規定されていることである。1964年東京大会、72年冬季札幌大会では昭和天皇、98年冬季長野大会では平成天皇が開会を宣言している。今度の大会で新型コロナウィルスの影響下で国論を二分した状態のオリンピック開催を天皇が支持しているとの印象を与えかねないのではないかと懸念し、どう対応すべきか検討することにしている。

 さて、衝撃的なニュースを知った。世界遺産都市である国際観光都市・京都市の財政状態が厳しく、7日門川大作市長が語ったところに依れば、このままの状態で推移するなら10年以内に市財政が破綻しかねないというものである。将来の借金返済のために積み立てている基金を取り崩す「禁じ手」を長年に亘って続けていて、このままでは数年後に底をつき、財政破綻する恐れがあるという。

 それにしても京都ほどの雅な都市が破滅に陥るというのは、想定外のことであり多くの日本人が失望するだろう。最大の理由は、京都には学生と神社仏閣が多く税収が少なく、固定資産税が少ないにも拘わらず、市民に対して手厚い行政サービスを提供していることだという。もうひとつは、地下鉄建設に巨額を投資したが、利用客が伸びず経営維持のために一般会計から補填していることのようだ。外からは分からず、苦しい懐事情を抱えていたのには驚いたが、その前にどうして今まで天下の京都市は、財政再建策、或いは軌道修正策を講じなかったのだろうか。現在4期目の門川市長もいろいろ文化的なプロジェクトには、和服を召されて積極的に参画しているので目立ちがちだが、もう少し堅実に足元を見据えることが大事だと知るべきである。案の定お節介な松井一郎・大阪市長から身を切る改革が必要だとの苦言を呈されている。市長は市長なりに4月から給与を3割カットしているようだ。

 中学生時代を京都市内で過ごして友人もいるので、他の観光都市とは比べられないくらい京都市のこれからの行方が気にかかる。

2021年6月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5141.2021年6月10日(木) 新聞社、赤字なら値上げか、減資

 今朝かかりつけの森内科へ定期診察のため出かけた。先日国立東京医療センターで精密検査した診断書には手書きで「RS3PE症候群」と書かれていた。それまで聞いたこともなかったので、さほど真剣に考えてもいなかったが、今日森医師が両手指痺れの原因はこれですと言われた。元々十数年前にリューマチ性多発筋痛症と診断されたが、これに似ているという。この専門語が理解しにくいので、ネットで調べたところ長い英語を翻訳した日本語では、「自然に良くなる傾向のある、圧痕を伴う浮腫が見られる血清反応陰性の対称性滑膜炎」という症状名だそうで、英語の頭文字を羅列したものだ。症状として浮腫みや手指の関節症などがある。治療にステロイドが効果的であるとも示され、実際ステロイド錠を増やしたところその効果が表れている。

 さて、旧ソ連のベラルーシの独裁者ルカシェンコ大統領が大統領の座に就いてから27年になる。湖畔の別荘はまるでパレスであるが、その宮殿は収賄で建てられたともっぱらの噂である。その彼が、旅客機を強制着陸させ反政権派のジャーナリスト、プロタセビッチ氏を身柄拘束したことに対して、汚職や人権侵害の罪でアメリカをはじめ国際社会から強い非難を浴びていた。

 ところが、ちょうど1週間前国営テレビにそのプロタセビッチ氏が姿を見せ、1時間半に亘って会見をして、本当だろうかと驚くような言葉を述べたのである。彼はこのようなことを語った。「2度と政治に関わりたくない。すべてを解決して穏やかな生活を送り、家族や子どもを持ち、何かから逃げるのをやめたい」「社会秩序を乱す行為を組織した罪を認める」「裏切りものと呼んでも不思議ではないが、まったく気にしない」「ルカシェンコ大統領を尊敬している」と述べたのである。反権力闘争を行っているリーダーがこれほど寝返ったような軟弱な言葉を聞いたことがない。本心なら昨年半世紀ぶりに世間へ顔を見せた高校ラグビー部先輩の清水丈夫・核共同議長の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。テレビを見た父親は、政権側によって強要されたもので、「この言葉は息子への虐待と拷問の結果として強要されたもので、誰も息子の言葉をそのまま信じるべきではない」と、息子の手に残る拷問の傷を指摘していた。

 今日加藤官房長官は、当面ベラルーシ航空会社の日本への乗り入れを認めない方針を明らかにした。一昨日ミヤンマーに対して制裁決議案を可決し国際的に評価される行動に続いて、政府としては国際社会の要望に沿った意思表示を示している。菅政権にしては珍しい前向きな動きである。

 ところで、今朝の朝日一面に新聞購読料金の値上げ公告が掲示された。朝日が新型コロナウィルスの影響を受けたことと、広告収入が減ったことから2020年度決算が大幅な赤字に陥ったことを他のメディアを通して知っていた。同じ大赤字に陥り、恥じることもなく資本金を中小企業並みに1億円以下に減資した毎日新聞も値上げすることを決めたようだ。やっぱりそう来るかと思っていた矢先だったが、メディアの赤字穴埋め策はいつも通り安易な値上げである。自らの側からの一方的なわがままな要求なのだ。読者の声を聞かずに我が道を往くのである。こういう巷の意見を聞かずに出発進行することに目くじらを立て反対を叫びたいのが通常メディアであるが、流石に自らの非は責めようとしない。こうして来月から新聞代が値上げされることになる。

 メディアは他の意見は独断で採否を決めたり、廃棄していながら、自らの考えを主張することには断じて怯まない。そこには世間の当たり前の常識は入り込まない。

 先日もNHKがイスラエルの首都テルアビブを、商都テルアビブと伝えていた。これについて早速NHKに正しく首都と紹介すべきで、エルサレムを首都と認めたアメリカに忖度しているのではないかと質問状を送ったところ、承りましたとの返事だけで、NHKはどう考えているのか、今以て回答がない。この一件を取ってみても自己主張はするが、他人の意見は例え筋が通っていても認めたがらないメディアらしい本音が見える気がする。

2021年6月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5140.2021年6月9日(水) いつまでに決断するのか東京五輪開催

 東京オリンピック開催まであと44日まで迫ってきた。主催者側は開催の線を曲げないが、外からは中止の声が日に日に高まり、今も開催か、中止かの最終結論は出ていない。そんな時に大会関係者の間では「有観客開催」の主張が勢いを増しているという。医療関係者が開催に消極的な声を上げると、「安全安心な大会を開く」という抽象的な言い方で、ひたすら開催へ向けて突き進む。医療専門家と政府関係者との間で噛み合わない言葉のやり取りがある。政府が開催に固執するのは、在任中めぼしい実績が期待出来ない菅内閣としては、新型コロナ・ウイルス感染拡大の中で成功裏に開催して、コロナを乗り切ったということを訴えたいのだ。

 最終的にどこが開催か、中止かの決断を下すのかどうもはっきりしない。主催者国際オリンピック委員会(IOC)としては、開催によりテレビなどの放映権料などで多額な収入が得られる。アメリカのABCは、東京まで過去4回のオリンピックの放映権料として43億8千万㌦(約4千5百億円)を支払う契約を結んでいるという。実際に、どのくらいの放映時間を提供するのかと思ったら、開会式に放映を始めて約7千時間と感覚的には分かり難い。どうもピンとは来ないが、17日間に亘ってゴールデンタイムを含めて放送しっぱなしにする。この放映権料がなくなったらIOCとしても財政的に苦しくなるだろうし、テレビ番組にも大きな穴が空くだろう。現在ワクチン接種が進んでいる状態をも考えると、中止はほとんど考えられない。今は観客をある程度認めたうえで開催すると言う方に気持ちが傾いているようだ。

 橋本聖子大会組織委員会会長は、海外メディアに対しても注文を付けた。入国後2週間は事前に登録されたところ以外に外出することがないようスマホのGPS機能で行動管理を厳格に行い、宿泊先も組織委員会が監督出来る施設に限定するという。果たして自由な行動に走りがちの外国メディアが、素直に従うだろうか。

 折しも明後日からイギリスのコーンウォールで開催される先進国7カ国首脳会議(G7)で、東京オリンピック・パラリンピック開催への支持を表明する方向で調整しているようだ。開催への強い後押しとなるだろうか。

 さて、コロナの影響は経済界に大きな影響を与えているが、とりわけ交通、観光、飲食業界にとって打撃は厳しい。ローカル鉄道においてあまり気にされていなかった輸送密度の減少率が高まったとして、JR在来線では旅客の減少が経営面で打撃を与えている。これまでローカル線では廃止は一部に留まっていた。それは、大都市圏や新幹線の運賃収入をローカル線の赤字を穴埋めしていたからである。しかし、国内の総人口の減少や、コロナ禍のテレワーク定着などで乗客が元に戻らなくなったこともあり、鉄道事業が苦しくなりローカル線を維持出来るボーダーラインが上ったことがある。実際大糸線では輸送密度がほぼ90%も低下した。岩手県山田線、陸羽西線、津軽線、花輪線などでも80%前後下がった。今後は、自治体などが、設備や土地を保有し、鉄道会社が列車と運行する「上下分離方式」が検討されるべきではないかとの提言がなされている。

2021年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5139.2021年6月8日(火) ミヤンマー制裁決議とA級戦犯遺灰散布

 昨日に続き、今日も暑い。東京では最高気温が31.4℃で今年初めて真夏日となった。

 クーデター発生以来4か月余が経過したが、未だに国際社会はミヤンマーに対する具体的な制裁措置を課すことが出来ないままである。そんな中を本日衆議院本会議で自民党や立憲民主党など超党派の議員がミヤンマーでのクーデターを非難する決議案を提出し、賛成多数で可決した。ミヤンマー国軍に対して民主的な政治体制の早期回復を求める内容で、民間人への残虐行為の停止や、アウンサンスーチー氏らの即時解放を要求している。

 国連安保理が、ミヤンマー国軍に対して非難声明を出すことに対して5大常任理事国のうち中国とロシアが反対を唱えて実施出来ない。東南アジア諸国連合(ASEAN)は特使を派遣して国軍を説得しているが、成果は表れていない。その中で、とかく国軍関係企業とずぶずぶの関係にあった日本だったが、この決議案で思い切って日本の立場と言い分を示せたと思う。国際社会はこの決議案に対して前向きなニュアンスで受け止めるであろうし、日本としては滅多にあり得ない決断でもありこれを評価したいと思う。

 さて、今日の朝日、NHK、及びTBSの報道で知ったことだが、東条英樹元首相、広田弘毅元首相ら太平洋戦争A級戦犯7人の遺骨が処刑後すぐに空から太平洋上に撒かれていたことが、1949年1月4日付のアメリカの公文書に記されていることが分った。遺族によると広田家のお墓には遺髪を収めているという。記録が廃棄されないで保管されていたことは良かったと広田の孫は話している。広田は戦時中藤沢市鵠沼の私の実家近くに住んでおられ、今でも江ノ電・鵠沼駅から鵠沼海岸へ向かう道路は「広田通り」と呼ばれている。

 ところで、こうなると靖国神社には、遺骨も遺髪も収めてないということになる。保守政治家や右翼らが終戦記念日や、天皇誕生日、春秋例大祭などの折に靖国神社で戦争により散華された戦没者に対して尊崇の念を捧げると異口同音に述べたり、参拝して物議を醸すことが多いが、その尊崇の念を捧げるべき7人はそこにはいないということになる。これでは彼らは上げた拳をどこへ下して良いのやら分からなくなってしまうのではないだろうか。

 GHQとしては、それなりの算段があったようだ。ウィリアム・シーボルトGHQ外交局長は、「死刑になった指導者たちの墓が将来、神聖視されることのないように遺灰はまき散らすことになっていた」と語っていたらしいが、靖国神社にとっては想定もしていなかっただろう。これで今後A級戦犯の霊に詣でる理由がなくなってしまったのではないだろうか。逆にA級戦犯の遺灰がないだけに、他の戦犯に対するお参りを堂々とすることが出来るという理屈も成り立つ。

 公表された公文書には、A級戦犯の遺骨の扱いが詳しく書かれ貴重な資料となっているそうだ。A級戦犯が処刑されたのは、48年12月23日で処刑された遺体は火葬場に運ばれ、火葬に付された遺骨は骨壺に入れられ、アメリカ第8軍の連絡機で横浜の東30㍄の洋上から撒かれたと記録されている。すべて書簡に基づいて行われた。その詳しい経緯については、一切日本側には知らされなかった。日本の報道陣、カメラマンに気づかれないよう巣鴨拘置所からの移動には注意を払った。

 それにしても戦後76年にして、今以て秘密裏に処理されていた事象が、新たに公開される。彼我の立場を考えれば止むを得ないが、当時の日本はGHQにはまったく文句を付けられなかったことがよく分かる。

2021年6月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5139.2021年6月7日(月) 100m日本新記録とゴルフ全米女子オープン優勝

 今日は家にいても蒸すような暑さだった。東京都内の最高気温は、今年最高の29.7℃の夏日というのだから堪らない。関東地方に今年はまだ梅雨シーズンのお触れが出ていない。その中で昨日と今日、日本スポーツ界で嬉しいニュースが2つあった。

 ひとつは、昨日陸上男子100mで山県亮太選手が日本人としては4人目の9秒台9.97秒の日本新記録で優勝し、オリンピック100m代表選手へ一歩進んだことである。山県選手は、リオ・オリンピックで陸上100mX4の第1走者として銀メダルを獲得した。この2年間は体調が芳しくなく、鳴かず飛ばずで好記録は残していなかった。しかし、セルフ・コントロールの方法を自分なりに掴んでいる山県は、自らのスケジュールをこなしてこの日のレースを期していた。結果としては、彼自身初めて10秒を突破した。

 もうひとつのホット・ニュースは、今朝アメリカから入って来た。ゴルフ全米女子オープンで19歳の笹生優花選手がプレーオフの末、同じく日本人選手の畑岡奈紗選手を破り初優勝の栄冠を手にした。19歳11か月の笹生選手は、これまでの韓国選手と並んで同オープン史上最年少優勝者である。彼女はオリンピックではフィリピン代表として出場すると知り、首を傾げた。ところが、母親がフィリピン人で現在父親と同じ日本と母親のフィリピンの2重国籍を持っているようだ。間もなく20歳になれば、どちらかの国籍を選択しなければならないが、フィリピン国籍を放棄して以降は純日本人として活動するという。

 先日男子全米マスターズ・ゴルフで松山英樹選手が優勝して、このところ日本選手の活躍が目立っている。海外ゴルフで日本人女子選手の優勝は、1977年の全米女子選手権の樋口久子選手、一昨年の全英女子オープンの渋野日向子選手に次ぎ、3人目である。ゴルフはプレイしないので、日ごろは関心がないが、それでもゴルフの本場アメリカのメジャーで優勝したのは大したものである。メデタシ!メデタシ!

 さて、若者がスマホに夢中になることが問題視されているが、同時に彼らはテレビにも熱中しているかと思いきや、テレビ視聴者としてはそのパーセンテージは大分下がってきているという。国民全体で1日に1回でもテレビを観る人の割合が、NHKの調査に依れば今や79%にまで下がっているらしい。中でも、16~19歳の若者のそれは、僅か47%だというから、2人にひとりは1日中まったくテレビを観ない若者がいるということになる。この傾向がCMスポンサーの減少につながり、各テレビ局の放送収入が減り、その矛先が番組制作費の削減となっている。各局とも経費の削減には頭を絞っているが、加えて新型コロナウィルスの影響がボディブローとなって効いているようだ。

 このようなコロナに対する緊急事態宣言下で広告収入の減収に頭を痛めた大手広告代理店の電通が、悪知恵を働かせて経済産業省と組んで統合型リゾート(IR)でサッカーくじの利権の他に、プロ野球や最近人気の出てきたバスケットボールなどを対象として賭けをオンラインで可能にするマーケットを作り、利権を独占しようと考えているようだ。コロナ禍で一頓挫しているIRだが、リゾートなんて言葉としてはきれいごとを並べているが、所詮賭博、ギャンブルでしかない。それを電通が始め、国がお手伝いしようというのだから、馬鹿げているというか、滑稽としか言いようがない。世間体を考えて、もう少し物事を真面目に考えてくれないものだろうか。

2021年6月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5137.2021年6月6日(日) 世界中で見られる人種差別の形跡

 地球上で差別やジェノサイドのないところはほとんどないと言っても好い。特に異なる民族が共存している多民族国家では、古来人種差別があった。それはインディアンと呼ばれるアメリカの先住民族、イヌイットと呼ばれるカナダ先住民の例を持ち出すまでもない。つい数日前にネットで伝えられていたが、今朝の朝日新聞にそのカナダの実態が紹介された。実は、カナダで最近昔の先住民寄宿学校の敷地内から、215人分の遺骨が発見されて今カナダ全土に波紋が広がっている。

 先日NHK・BSで1960年代にユル・ブリンナー、スティーブ・マックィーンが出演した映画「荒野の七人」が放映され、懐かしく観たが、その映画ではメキシコ人部落でメキシコ人の遺体を街のはずれの墓地に埋葬するのを街のボスたちは拒否していた。しかし、ブリンナー扮するクリスが手を貸したお蔭で埋葬することが出来たシーンがあった。つまり墓場に入ってまでも異民族とは一緒にいたくないという気持ちが、西部開拓史時代でも人びとにはあったのである。

 中国でも昨今チベット族や、新疆ウィグル族に対する人種差別が世界中から注視、非難されている。日本ではそれほど大きな話題にはならないが、それでも昔からアイヌの存在、文化はしばしば奇異の目を以て取り上げられてきた。他にも各地に少なからず部落民問題があり、それを象徴的に取り上げ、描いたのが島崎藤村の「破戒」だった。中学生になって初めて「破戒」を読んだ時、最初のうちは差別語「穢多(エタ)」の意味がぴんと来なかった。漸く主人公・瀬川丑松が被差別部落の出身だと分り、差別が現実にあったことを知った。まだ中学生だったが、人間間に差別があることを知り、それなりにショックだった。

 カナダでは先住民に対する同化政策が建国前からあったという。先住民寄宿学校は実に全国に139校も設けられ、15万人以上の児童が親元から強制的に引き離されて生活していた。今回遺骨が発見されたのは、カムループスにある最大の寄宿学校で、カトリック教会が運営していたものである。カトリックが、このような人種隔離政策に手を貸していたことも驚きであるが、ことほど左様に同化政策がカナダでも当たり前となっていたのである。

 この遺骨発見について、国連の特別報告者はカナダ政府とカトリック教会に対して、徹底的に調査することを求めた。トルドー・カナダ首相はカナダ自身の責任であることを認めているが、カトリック教会は抵抗しているという。宗教とは一体何のために存在するのだろうかとカトリックの対応に疑問を感じている。

 さて、今日ショッキングな訃報を受け取った。元朝日経済部記者だった阿部和義さんが冥界へ旅立たれた。彼は日比谷高校の出身だが、共通の友人もいて高校時代にともにラグビーをプレイしていたこともあり、妙に気が合った。年齢は78歳で私より4年若かったが、彼はプライベートでいろいろな面でご苦労された。信州大学医学部学生だったご子息を、こともあろうにオウム真理教による松本サリン事件で喪い、その後本人も舌癌に罹り、2度の手術を済ませて前向きに活動しておられたところだった。7年前に上梓した「南太平洋の剛腕投手」出版を大変喜んでくれ、ご馳走に与り、そのうえ業界紙に書評まで書いてくれた。

 4月には大学の親しかった登山仲間が唐突に他界し、今またサラリーマン退職後の親しい友人をお見送りすることになってしまった。今は亡き阿部和義さんのご冥福を心よりお祈りするばかりである。

2021年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5136.2021年6月5日(土) 尾身会長と政府の間に何があったのか?

 この3日間尾身茂・新型コロナウィルス感染症対策文科会会長の、公の場における政府のオリンピック開催に関してその対応への発言が大分厳しいものとなり、注目を集めている。それまでの分科会と政府の関係から考えてもやや意外な感を覚えていたが、政府内では尾身会長の発言に対してあまり良い印象を抱いていないと新聞で報道されている。これまで医師の立場からもう少し率直に政府に物申しても良さそうだと思っていたが、やや遠慮がちだった。当事者である田村厚労相は、これらの発言を受けて尾身氏の自主研究であるとして専門家組織の公式な意見としては受け入れないとまで述べている。尾身会長はどうして一転してこのようなきつい発言をするようになったのだろうかと考えてみた。

 実は、月刊誌「選択」に「日本のサンクチュアリ」と題する連載物があるが、今6月号に「コロナ『尾身茂』という国難」と題する尾身会長に対して4頁に亘る辛辣な人物評が書かれているのだ。「日本迷走の諸悪の根源」との副題まで付けられてなぶられている。最も厳しく批判されているのは、尾身会長はPCR検査に後ろ向きであり、それがワクチンの接種遅れの間にコロナを感染拡大させた原因であり、大罪と見られている。尾身会長がこの自らに対する批判を読んだ後に、何らかの心境の変化か、或いは自ら考え直したのかは分からない。いままで尾身色の強かった政府側の考えと対応は、この会長の毅然としたコメントに対して異を唱え、会長に厳しい態度で接する可能性がある。尾身コメントは概ね筋の通ったものだと思う。分科会のトップはオリンピック開催に中止せよとまでは言っていないが、厳しい対応を要求していることが、政府のオリンピック開催決定、中止の判断にかなりの影響を与えることになるのではないだろうか。

 さて、中国で人口に漸減傾向が見え将来の少子高齢化現象を見据えて、「1人っ子」政策から「ふたりっ子」を全面的に許したのは2016年だった。あれから僅か5年にして再び人口減少傾向が見えたことによって、中国政府は近く「3人目の子」も認めるようになると見られている。

 ところが、すでに危惧されてはいたが、日本でも同じような現象が表れ、昨年の国内で生まれた日本人の子どもの数は、約84万人で前年より2.8%減って過去最少となった。婚姻件数も前年より12.3%も減り、戦後最少となった。コロナの影響が大きく日本の少子化が進んでいる。死亡は11年ぶりに減り、これはコロナ対策として手洗いやマスク着用が効果的だったとみられ、コロナも功罪あるものである。しかし、このまま放置するなら人口は益々減少し、労働力の減少から経済力が落ち込むことは明白である。それを防ぐにはどうすれば良いのか。若者が結婚する機会をもっと増やすことが必要であり、生まれた子どもを育てる社会環境をより良く整備することである。コロナ禍とオリンピックに気を取られている菅首相には、こういう面に目を向けることが出来るだろうか。

 ところで、ステロイド錠を毎朝3粒(プレドニン錠15㎎)飲んでいるせいか、両膝の具合が大分回復してきた。飲むに際して糖尿病の負担にならないよう祈るような気持ちである。膝の痛みが解消したのも有難いが、立ち上がる時に踏ん張る力を必要としなくなったことは有難いことである。糖尿病への悪影響は来週クリニックで健診した時に分かる。医師の了解済ではあるが、結果を見て医師は何と言うことだろうか。それでも膝が回復したことで、今日も軽く近所をウォーキングしてきた。

2021年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com