5145.2021年6月13日(日) 「専制主義国家」中国に対抗するG7

 11日からイギリスの南西部コーンウォ-ルで開催されている主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、各国が世界の中低所得国に対して、数千億㌦(数十兆円)規模のインフラ投資を進める取り組みに合意した。また、新型コロナウィルス対策でも10億回分のワクチンを世界に提供することを合意した。今回のG7では、アメリカ主導の下に中国への対抗意識から新たな施策をいくつか提案している。バイデン大統領が中国やロシアに対して「専制主義国家」と位置づけ、民主主義国家の連帯を強固にすることを目指している。その大きな節目となったのが、中国が「一帯一路」構想を進め、資金は中国マネーを注ぎ込み、中国人労働者を派遣して途上国のインフラ事業を次々と行い、事業が実現しなかったり、中国への債務を返済できなくなったケースでは、その事業を長期に亘って中国が管理するような事態が頻繁に見られる。これをG7サイドとしては、労働や地球環境への配慮、透明性の確保、民間資本の結集などを通して民主的な価値に基づいて投資を検討する。

 中国政府の民主化抑圧や新疆ウィグル族弾圧などの人権蹂躙に対して、西側諸国は厳しく非難している。昨年来中国は、香港の国家安全維持法の施行により、約束の「1国2制度」を一方的に破棄して香港で自由と民主化を抑圧している。奇しくも香港民主活動家だった24歳の女性・周庭さんが、未許可デモを組織していた罪で禁固10か月の実刑判決を受けていたが、昨日釈放され出迎えの車に乗り込む間に支援者らが激励の声をかけた。しかし、彼女はまったく無言だった。収監前にはあれほど中国当局を批判していたが、昨日は声なしだった。よほどお灸をすえられ、脅され再び拘束されるのを恐れているのだろうか、一言も言葉を発しなかった。それほど仕返しを恐れているのだろう。

 先日のベラルーシの反政府ジャーナリスト・プロタセビッチ氏がテレビで反政府デモを止めるとか、ルカシェンコ大統領を尊敬しているとの政府寄りの発言が、転向かと西側の人びとを驚かせたが、やはりリンチを受けたり、脅されれば、自己否定になるのだろうか。それでも周庭さんの場合は、「転向」ではなく、河上肇流に言えば、「没落宣言」ではないかと思っている。

 G7 に初めて出席した菅首相は、しきりにオリンピック開催への理解と支持を訴え、各国が強力な選手団を派遣するようアピールした。まだまだコロナ対策問題や、気候変動問題など重要課題が議論されると思うが、階級闘争、共産党1党独裁、更に今以て改革開放から脱皮できない中国が難渋するような議題をもっと話し合ってもらいたい。

 さて、今日は久しぶりに嬉しくホッとしたような気分になった。第70回全国大学野球選手権大会決勝戦で母校慶應が、福井工大を13-2で破り34年ぶり、第1回大会以来4度目の優勝を飾ったからである。決勝戦の13点は史上最多得点である。昭和34年に兄が東北地区代表として東北大学の2塁手として出場し、1回戦で翌年阪神に入団した関西大学中井投手に抑えられ、3-0で敗れた試合を神宮で観戦したが、もう62年も昔のことである。しかし、今日はテレビ中継で観戦しても入場観客を制限し、応援団はおらず、華々しいエールの交換もせず、試合中は今ひとつ盛り上がらなかった。通常ならゲームセットと同時に歌う母校塾歌も勝っていながら歌えず、寂しい決勝戦のグランド風景だった。これもコロナ禍では止むを得ないか。まぁ優勝したので、佳しとしよう。

2021年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com