5137.2021年6月5日(土) 尾身会長と政府の間に何があったのか?

 この3日間尾身茂・新型コロナウィルス感染症対策文科会会長の、公の場における政府のオリンピック開催に関してその対応への発言が大分厳しいものとなり、注目を集めている。それまでの分科会と政府の関係から考えてもやや意外な感を覚えていたが、政府内では尾身会長の発言に対してあまり良い印象を抱いていないと新聞で報道されている。これまで医師の立場からもう少し率直に政府に物申しても良さそうだと思っていたが、やや遠慮がちだった。当事者である田村厚労相は、これらの発言を受けて尾身氏の自主研究であるとして専門家組織の公式な意見としては受け入れないとまで述べている。尾身会長はどうして一転してこのようなきつい発言をするようになったのだろうかと考えてみた。

 実は、月刊誌「選択」に「日本のサンクチュアリ」と題する連載物があるが、今6月号に「コロナ『尾身茂』という国難」と題する尾身会長に対して4頁に亘る辛辣な人物評が書かれているのだ。「日本迷走の諸悪の根源」との副題まで付けられてなぶられている。最も厳しく批判されているのは、尾身会長はPCR検査に後ろ向きであり、それがワクチンの接種遅れの間にコロナを感染拡大させた原因であり、大罪と見られている。尾身会長がこの自らに対する批判を読んだ後に、何らかの心境の変化か、或いは自ら考え直したのかは分からない。いままで尾身色の強かった政府側の考えと対応は、この会長の毅然としたコメントに対して異を唱え、会長に厳しい態度で接する可能性がある。尾身コメントは概ね筋の通ったものだと思う。分科会のトップはオリンピック開催に中止せよとまでは言っていないが、厳しい対応を要求していることが、政府のオリンピック開催決定、中止の判断にかなりの影響を与えることになるのではないだろうか。

 さて、中国で人口に漸減傾向が見え将来の少子高齢化現象を見据えて、「1人っ子」政策から「ふたりっ子」を全面的に許したのは2016年だった。あれから僅か5年にして再び人口減少傾向が見えたことによって、中国政府は近く「3人目の子」も認めるようになると見られている。

 ところが、すでに危惧されてはいたが、日本でも同じような現象が表れ、昨年の国内で生まれた日本人の子どもの数は、約84万人で前年より2.8%減って過去最少となった。婚姻件数も前年より12.3%も減り、戦後最少となった。コロナの影響が大きく日本の少子化が進んでいる。死亡は11年ぶりに減り、これはコロナ対策として手洗いやマスク着用が効果的だったとみられ、コロナも功罪あるものである。しかし、このまま放置するなら人口は益々減少し、労働力の減少から経済力が落ち込むことは明白である。それを防ぐにはどうすれば良いのか。若者が結婚する機会をもっと増やすことが必要であり、生まれた子どもを育てる社会環境をより良く整備することである。コロナ禍とオリンピックに気を取られている菅首相には、こういう面に目を向けることが出来るだろうか。

 ところで、ステロイド錠を毎朝3粒(プレドニン錠15㎎)飲んでいるせいか、両膝の具合が大分回復してきた。飲むに際して糖尿病の負担にならないよう祈るような気持ちである。膝の痛みが解消したのも有難いが、立ち上がる時に踏ん張る力を必要としなくなったことは有難いことである。糖尿病への悪影響は来週クリニックで健診した時に分かる。医師の了解済ではあるが、結果を見て医師は何と言うことだろうか。それでも膝が回復したことで、今日も軽く近所をウォーキングしてきた。

2021年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com