5144.2021年6月12日(土) ノーベル賞受賞者・根岸英一博士永眠

 今朝ショッキングな知らせをテレビで知った。2010年ノーベル化学賞受賞者で文化勲章受章者でもある根岸英一博士が、アメリカ・インディアナ州のご自宅で亡くなられたのだ。根岸博士は湘南高校の4年先輩で、ノーベル賞受賞の年に虎ノ門アークヒルズで開催された母校東京有志会で初めてお会いした時に、僭越だが若いうちに積極的に海外へ行くべきだとの考えが不思議に一致した。奥様のお名前「すみれ」が次男の嫁と同じだったので、その点でも妙に気持ちが通じた。翌年お会いした時に英語署名入りのご著書「夢を持ち続けよう!」をいただいた。同書の冒頭の見出しが「若者よ海外へ出よ!」である。普段はアメリカに居住されておられる博士と4度もお会いできたのはラッキーだった。不運にも3年前車の運転中に側溝に落ち、それが原因で同乗していた愛する奥様を亡くされ大分落ち込んでおられたと伺っていた。

 有名になられても母校との縁と絆を心掛けられ、母校にも再三訪れ、母校のアメリカ研修生がアメリカを訪れる度に彼らをご自宅に招いてもてなし学校、教職員、在校生からも随分感謝されていた。父上が満鉄に勤務されていた関係から、旧新京(現長春)で生まれ戦後朝鮮京城から引き揚げた時、大和市内の小学校へ1年飛び級で転入したために、他の同級生より1歳年少だった。そのため高校入学時にも1年早いことが問題となりひと悶着あったようだ。それでも卒業時には現役で東大理1へ入学されたのは、並みの学力ではない。高校では合唱部に所属し、歌を唄うことがお好きだった。特に布施明の「シクラメンのかほり」が好きで、頼まれるといつもこの歌を唄ったようだが、2011年3月11日に横浜のホテルで唄っていたまさにその時、大きく揺れ東日本大震災が発生したので、もう歌いませんと冗談交じりに仰っていた。実際に見事な歌いっぷりを楽しませてもらった。とにかく偉ぶらず、円満なご性格で周囲に溶け込む学者らしからぬ堅苦しさのない先生だった。今年は母校創立百周年記念という祝うべき年であるが、新型コロナ・ウィルス禍のため大掛かりな祝典は行われない。お元気なら博士は進んで式典に参加されただろう。朝日夕刊に依れば、アメリカで葬儀は行わず、来年日本で埋葬される予定だという。

 尊敬すべき先輩の旅立ちを哀悼の気持ちとともに遠くよりお見送りしご冥福をお祈りしたいと思う。

 さて、月1度の糖尿病の健診にクリニックへ出かけたが、ステロイドのプレドニン錠を増量服用しているので、ヘモグロビン(HbA1c)の数値が些か気になっていた。幸い案ずるより生むが易しで、ヘモグロビンの数値は先月と同じで上がらずホッとした。医師の話ではこのまま飲み続ければ、来月は上っているかもしれないと話されたが、取り敢えず膝の痛みはほとんど消えたし、気持ちは落ち着いてきた。

2021年6月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com