2604.2014年6月30日(月) 中国故宮博物院の秘宝

 10日ぐらい前からパソコンのプリンターの具合が良くない。6年近く使用しているものだ。文字が二重に印刷されるので、印刷物は資料としてはとても使えない。取扱説明書を読み何度もトライしてみたが、思うように修正できない。近くのヤマダ電機へ修理に持って行ったが、修理に10日間もかかると聞き、直接メーカーへ問い合わせてみた。メーカーはプリンターを持ち込んでくれれば当日内に修理を終えると聞いたので、考えあぐねた末にそうすることに決めた。そこで今日都下日野市のエプソン東京修理センターまでカーナビを使いながら辿り着き修理を依頼した。今日中には修理を完了してすぐ宅急便で送るので、明日には手元に届けられるということだった。やはり積極的に動かないとこちらの望むようにはなかなか行かないものだ。取り敢えず問題が解決してほっとした。

 そのまま車を運転してフォルクスワーゲン店へ行き1年間の定期検査を依頼した。これも今日中に整備検査を終えて夕方届けてくれた。このVW車も購入してからすでに8年が経った。プリンターにせよ、車にせよ、機械物は便利ではあるが、手間と経費がかかる。

 さて、昨日と一昨日の2日間NHKの特別番組で中国の秘宝「故宮」展示物を取り上げていた。その中で「象牙多層玉」と称する清時代の国宝について詳しく伝えていた。実は、1968年初めて台北の故宮博物館を見学した際、この「象牙多層玉」の見事さに舌を巻いた。彫刻されたいくつかの玉がひとつの玉の中に隠され、その手の込んだ技術に感心したものだ。その時ガイドはこうも言っていた。何十年もかけて父子3代に亘って創り上げた絶品の芸術品であると。とても信じられない高い技術に中国の工芸品のなせる技に驚いたことを思い出す。それが、昨日ヨーロッパと中国の芸術面の相互影響に関する解説で、これは清時代にヨーロッパからの影響によってでき上がったものであるということだった。しかも模造できる例を見せてくれて、台北のガイドの話に度肝を抜かれたが、この実例によってある程度納得することができた。

 それにしてもいつ見てもこの多層玉たるや見事なものである。

2014年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2603.2014年6月29日(日) 些細でも嬉しいニュース

 上野浅草フィルハーモニー管弦楽団の年間2度行われる定期演奏会の観賞に浅草公会堂へ出かけた。ゼミの仲間の一人、赤松さんが長い間チェロを演奏している。このオーケストラは、いつも難しい曲ばかり演奏して中々理解しにくいが、残念ながら今日も知らない曲ばかりだった。ワーグナーの歌劇「リエンツィ」序曲、ストラビンスキーの組曲「火の鳥」、そして最後はブラームスの交響曲第4番ホ短調作品98である。私のようなクラシック素人には、ちょっと難しい。演奏会を楽しむというよりむしろゼミの仲間たちとわいわい話合って、雷門にある永井荷風お気に入りのレストラン「アリゾナ」で美食をいただくのが至福の時である。中には健康状態がやや気になる人もいるが、このままいつまでも健康で楽しいサークルであって欲しいと願っている。もちろん次回11月のコンサートも観賞するつもりだ。

 今日は海外旅行中ということから、常連の夫婦3組が参加しなかったが、その内の一人、利光國夫さんが、現在発売中の「文藝春秋」7月号の「同級生交歓」に成城学園小学校時代の同級生6人と並んで映っているという。帰りに同誌を買ってみたところ確かに利光さんの英姿があり、同級生のコメントも書かれていた。これも少なからずゼミの誇りであり、嬉しいことである。

 さて、昨日告別式に出席して帰宅したところ妻の携帯へ長男の嫁からメールで彼らの小六と小四の2人の娘について嬉しい知らせがあった。2人とも大阪、京都、奈良の3府県合同の小学生百人一首コンクールで2位に入賞したという。小六の娘が小学生の部で、小四が初心者の部でそれぞれ2位とはわが孫ながら、あっぱれだと早速長男にお祝いの言葉を送った。2人とも絵も上手なので、ともにさらに多面的に力を伸ばして欲しいものだと思っている。それにしてもこの次はどんな成長ぶりを見せてくれるか楽しみである。

2014年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2602.2014年6月28日(土) 100年前の今日のでき事

 第1次世界大戦が始まって今年は100年目になる。20世紀は戦争の時代とよく言われるが、その先鞭をつけ、1500万人という最大の犠牲者を生んだのが第1次大戦である。我々が世界史で習う通り一遍の史実では、断片的な事実しか知ることができず、その背景にある、複雑で止むにやまれぬ原因までは、よほど自主的に知ろうとしないと分からないままに終わってしまう。各国が入り乱れて戦争に介入したのは、自国の権益を獲得するための利権争いであり、日本にしても口実は日英同盟締結によって対ドイツ同盟に加わったとされているが、実際には日本の狙いは、ドイツが持っていた中国や南洋群島にあった植民地権益だった。

 そして、100年前の今日、1914年6月28日サラエボで歴史上あまりにも有名なオーストリア皇太子夫妻がセルビアの青年によって暗殺され、あの第1次世界大戦勃発の口実となった。1カ月後の7月28日オーストリアが宣戦布告したことにより正式に第2次大戦が始まった。

 この他に当時はあまり公に知らされなかったが、サラエボ地域は多民族、多宗教で争いが絶えなかった。セルビアの青年の犯行とされている大戦勃発の原因であるが、そこには民族や宗教がからんで強大化しつつあったバルカン半島のセルビアを牽制し、力を削ぐことを企んだ連合国側に決定的な開戦の事情が隠されている。その点については、先日セルビアから来日した山崎洋さんもしきりに深遠なる背景を語っていた。所詮戦史には多面性があるので、この点をどれだけ自分自身で調べて解明し真実に迫るかということが大切であると思っている。

2014年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2601.2014年6月27日(金) 松本サリン事件から早や20年

 早いもので松本サリン事件が発生してから今日でちょうど20年になる。朝のテレビ・ニュースがこの事件の風化について伝えていた時、NPOで付き合いのある知人の阿部和義さんのことをふっと思い出した。月刊「コロンブス」昨年3月号に連載コラム「観光立国を支えている人」で、取材を受け、好意的な記事を書いてくれたのも阿部さんである。また、日比谷高校時代ラグビー部に所属し花園全国大会にも出場したほどラグビーに通じていたので、割合気兼ねなく何でも話すことができる。

 しばらくすると、朝日新聞を読んでいた妻が驚いたように、「この方、阿部さんではないかしら?」とその記事と写真を示した。社会面のトップで仏壇に線香を上げている大きな写真の主は、間違いなく阿部さんである。以前にもNHKで報道されたことがあるが、気の毒にも阿部さんは当時信州大学の学生だった一人息子をこの事件で喪った。阿部さんにとっては悔やんでも悔やみきれない事件だった。当時朝日記者だった阿部さんは、悲劇にもめげず仕事に立ち向かっていたが、奥さんと2人の娘さんは大きなショックを受けた。その後新聞でも報道された娘さんは大学医学部に進学したと聞いたが、記事によると2人の娘さんの一人は精神科医師、もう一人は麻酔科医師と書かれていた。昨夏にはご長女の下に初めてのお孫さんに恵まれたという。ご家族にとっては嬉しい初孫誕生のニュースだろう

 阿部さんも数年前舌癌を患って手術を受けた。一時はしゃべるのに不自由さを感じていたようだが、最近では大分回復したようだ。

 もうこれほどの不幸に会うこともないだろうから、今のまま朝日経済部記者だった阿部さんらしさを発揮して引き続き取材活動に当たって欲しいと願っている。

 さて、過日妻の兄の義母が亡くなり、今夕JR新横浜駅近くの葬儀場で通夜が営まれ妻ともども出席した。享年91歳の故人は近年養護施設で生活し、必ずしも健康状態は芳しくなかったようだ。遺影は微笑んで福々しい良い笑顔だった。心おきなく逝かれたことだろう。

2014年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2600.2014年6月26日(木) 言葉を自分流に解釈する政治家たち

 いま日本の政治の在り方、重要な国事の決め方がおかしくなっている。メディアでも再三指摘しているように、民主主義の原則に則って議論を重ね、国民の理解を得てどちらとも決められないとなったら最後に多数決で決めるというのが民主主義のルールである。然るに現在の安倍政権は、言葉を曲解し、立法の精神を斟酌せず、内閣閣僚だけの判断で重要事項を決めようと乱暴にも非民主的な路線を走り出した。それを地方議会も真似するようになったことは、民主主義にとって大きな危険信号である。

 例えば東京都議会で昨日ヤジ問題を追及しないことを決めた。海外からも批判がありながら、これをいつまでも対処しないままでいることは、与党自民党と公明党にとってマイナスと捉えて敢えて無視しウヤムヤにすることに決めたのである。すべては自分たちの都合次第なのである。こういう議員には都政を担ってもらいたくない。

 一方、本丸の国会では、文言や「政治家のご都合用語」を自分たちの都合次第によって変えることで自分たちの考えを押し通そうとしている。

 彼ら政治家が「発明」「生産」した言葉ではメディアも理解に苦しんでいる。今朝の朝日「天声人語」では、集団的自衛権行使を巡る与党協議で示された原案について「これほどわけのわからない文章はない」とまで極言している。それが自民党と公明党の利口な議員には、きちんと分かるというのだ。

 こうして安倍政権は、僭越にも「平和の党」を自称する公明党とともに、一歩一歩日本を戦争に駆り立てているのである。

 安倍首相は口を開けば、自衛力とか、他国から攻撃を受けた時とか、被害妄想的な発想で専守防衛を踏み越えた自衛隊の行動力の強化をアピールしているが、軍事力の強化、徴兵制が現実となった時、自衛隊の兵力の拡大とか徴兵制度がどういうマイナス作用を及ぼすことになるのか、分かっているのだろうか。危険が伴う海外の戦地へ派兵されることを承知のうえで、自ら自衛隊に入る若者が増えるとはとても考えられないし、徴兵制度から逃れようとする人々は確実に増える。

 つい最近も北朝鮮国境近くの最前線で発砲事件を起こし数人の兵士を殺した、除隊前の韓国人兵士の行動を考えると徴兵制度の怖さというものが分かってくる。集団的自衛権の行使や、憲法解釈の変更により、戦争の危険が増す中で確実に徴兵制度のおぞましさが浮上してくる。その時徴兵から逃れられるのは、婦女子、未成年者、高齢者、病人ぐらいだが、その時政治家は恐らく高齢者という範疇で悠々兵役から逃れることができるだろう。それ故に政治家は自分の身が戦争に巻き込まれることに鈍感となり、軍国日本の復活に神経が行き届かなくなるのではないか。

 戦争現場の実態とその場の臨場感が分からない政治家たちはこれだから困る。

2014年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2599.2014年6月25日(水) ワールドカップで日本丸轟沈!!

 日本時間の今日明け方に行われたワールドカップの予選リーグ最終戦で日本は、コロンビアと戦い1-4で敗れた。大会参加前の意気込みはどこへやら、これで1引き分け2敗となり敢えなく予選敗退である。やはり世界は強い。特に中南米各国の抜きんでた強さには脱帽である。それに引き換えアジア勢の不甲斐なさは、出場4カ国合せて未だに1勝もできない体たらくである。

 試合では日本チームは精一杯戦い、シュート数ではコロンビアを圧倒していた。前半は1-1で惜しい場面もあったが、終わってみれば3試合で勝ち点1、得点2、失点6というストレスの溜まる結果だった。前回の南アフリカ大会では決勝トーナメントへ進出しただけに、今大会はより大きな期待がかけられていた。確かに日本チームは年々力をつけ、今大会は密かに決勝トーナメント進出が期待されていたが、相手国も日本を上回るスピードで実力を向上させていた。

 尤も今大会は優勝候補でもあった、前回優勝チームのスペインを始め、サッカー王国のイングランドやイタリアも決勝トーナメントへ進出できず、予選リーグで強国が姿を消す番狂わせが数多くあった。それだけ世界のレベルが向上して力の甲乙つけがたく、各国がお互いにしのぎを削る戦いの場となったということだろう。

 早速「ワールドカップ余話」と題して来月の「JAPAN NOW観光情報協会」紙用にエッセイを書き貯めておいた。

 さて、東京オリンピックの翌年に製作された市川崑監督による記録映画「東京オリンピック」をビデオで観た。作られた当時はなんやかんやと喧しい批判があった点でも注目を集めた記録映画である。この映画が上映されたとき、時の建設大臣が「訳がわからん、作り直せ」と命じて、別に「公式」記録映画が作られたと言ういわく付きの作品でもあるが、結果的に空前の観客数を記録した。そんなこともあり、前から観てみたいと思っていたところ、先日テレビで放映したので録画しておいた。

 半世紀も経つと画面も昔日の感を覚えるほどだが、懐かしい光景がいくつも観られて2時間半の間かぶりつきだった。最後のマラソンを甲州街道傍で直接見たことが印象に残っている。残業中だったが、会社から甲州街道まで走って行き、優勝したアベべ・ビキラ選手や銅メダルの円谷幸吉選手が目の前を走り過ぎるのを見た。

 その3年3か月後の1968年1月8日、エチオピア・アジスアベバ市内のハイレ・セラシェ皇帝病院内を歩いていて偶然にもアベべ選手の親戚の医学生、ウォルデ・マルタム・ケベデさんに会い、アベベ選手や円谷選手について話し合ったことが懐かしい。その時ケベデさんがアベべに会えるよう電話をしてくれたが、生憎その時アベべは海外へ出かけていて会えなかったことが返す返すも残念だった。

 そして時も時、その数時間後円谷選手は自衛隊宿舎内で突然自らの命を絶った。メキシコ・オリンピックを間近に控えて円谷選手への過重な期待が重圧となり、憐憫の情を催す遺書を残して27歳の若さで彼岸へ旅立った。旅行中でその悲報を知らないまま、1週間後に帰国してその衝撃の事実を知り、ショックを受けたことが思い出される。

 走り幅跳びに出場した東急の山田宏臣さんも懐かしい人である。まだ若くして亡くなった山田さんとは仕事のうえでも交流があったが、ソウルで開催された旅行業界の国際コンベンションPATA総会に参加し、同じホテルに泊まって長々と話合ったことも思い出深い。

 賛否いろいろあろうが、1964年の東京オリンピックを知り当時の感慨に耽るには、これほど的確な記録映画はないと思う。

2014年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2598.2014年6月24日(火) 国から東京都まで政治家に失言の財布

 去る18日以来東京都議会で質問中の女性都議に対して、誹謗するようなヤジを飛ばした問題が物議を醸していたが、昨日になってそのヤジの張本人が漸く観念して名乗り出た。やはり自民党の議員のひとり、鈴木章浩議員だった。

 しかし、これで解決したわけではなく、海外にまで伝えられた破廉恥事件を、これから都議会としてシコリを残さないようにどういう形で矛を収めるのか、都議会並びに自民党東京都議員団としても正念場である。この件だけに限って言えば問題が解決したわけではなく、対処しなければならないことが2つある。

 ひとつは、ヤジを名乗り出たが、鈴木議員本人がこれまで再三の取材に対して自分はヤジを飛ばしていないと大嘘をつき、ヤジ自体は辞職に匹敵するとまで言っていた。にも拘わらず、前言を翻して辞めない理由をプレスから聞かれると少子化や晩婚問題で頑張らせて欲しいと虫の好いことを口走る有様である。空気がまったく読めないし、議員としての資質に欠ける。言い訳と目先だけの謝罪でことを済まし、これからも恥も外聞もなく議員活動を続けて行こうとしている。こういう都会議員は困る。

 もうひとつの問題は、鈴木議員以外にも下劣なヤジを飛ばした議員がいるのに、その議員が名乗り出てこないことである。本人はもちろん、周囲の議員も気づいている筈であるが、お互いに庇い合っているのか、火の粉を被るのを避けようとしているのか、何とか時間の経過の中で忘れ去られることを望んでいるようだ。

 自民党の支持を受けて都知事になった舛添要一氏は、ヤジは聞こえなかったと火中の栗を拾うのを避けたり、自民党東京都の松原修幹事長のように鈴木議員の斜め後ろ席に座っていながら聞こえなかったと惚けている。自民党には、ヤジを飛ばした議員を何としても見つけ出し処分させるという気持ちなんてさらさらないようだ。「みんなの党」がヤジの主を特定するための声紋検査も考えているようだが、その他のヤジは判別が難しいようで、「犯人」を特定できるかどうか、あまり期待は持てそうにない。

 だが、それにしてもヤジ事件で貴重な時間を浪費してもらっては困る。鈴木議員にはとっとと職を辞してもらい、他のヤジ将軍には早く「自首」してもらいたい。

 それにしても政治家の間には、先日の石原伸晃環境相の金目発言にしろ、麻生太郎副総理の自分自身を指しているのではないかと思える発言にせよ、失言が大きな話題を呼んでいる。麻生氏は何と言ったか。「学校で一番いじめられるヤツはどんなヤツかと言えば、~勉強はできない、けんかは弱い、だけど金持ちの子、これが一番やられる」と言ったそうである。

 大なり小なり、政治家が失言だらけでは、どうにもしようがない。

2014年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2597.2014年6月23日(月) ニカラグアの運河建設計画

 いま国際的な大プロジェクトが世界中から注目を集めている。中米ニカラグアの巨大運河建設プロジェクトである。

 第1次世界大戦が始まった100年前にパナマ運河が完成し、船舶による太平洋と大西洋・カリブ海の往来が可能になった。スエズ運河を完成させたフランス人レセップスも中途でさじを投げ、アメリカが引きついたほどの難工事の末に漸く両大洋はひとつに繋がった。

 そのパナマ運河の規模を大きく上回る新しい運河がニカラグアに建設されようとしている。総延長がパナマ運河の80㎞に対して、ニカラグアのそれは3倍余の280㎞だというから途方もない。これもパナマ運河同様に難工事が予想されるが、これを41歳の中国人IT企業経営者がこのプロジェクトのために造った民間企業が請け負うことになった。総工事費が約5兆円と言われ、それだけでニカラグアの国内総生産の5年分に当たる。

 いま一方のパナマ運河では拡張工事が進められ、工事完成後はネックのひとつだった大型船舶の通航も可能になる。それを考えるとこのような狭い地峡に巨大運河が2つも必要だろうか、疑問でもある。

 ニカラグア政府は、経済成長、雇用創出、格差縮小のためと言っているが、その一方で失うものも多い。大がかりな自然破壊と環境汚染である。中でも水質汚染により地元民の飲料水が汚染されることである。また、農民の多い地域で果たして彼らの雇用の増加につながるのか。そこへアフリカ諸国の経済支援工事と同じように中国人労働者の流入と雇用により現地人労働者が雇用されなかった例もあり、ニカラグア人が必ずしも雇用されず労働最前線ではむしろ中国人労働者が雇用されるという計算違いが生じるのではないかと不安視されている。大体請負業者決定にも国際的入札をせず、件の中国企業に指名入札したことなど不明瞭な点が多い。他国のことではあるが、いずれ問題が浮上するのではないかと少々気になる。

 さて、旧日本軍の組織的な戦いが終わって69年が経ち、今日糸満市の平和記念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われ、安倍首相、岸田外相、小野寺防衛相、ケネディ米駐日大使らが出席された。安倍首相は「米軍基地が集中する沖縄の負担軽減に向け、全力を尽くす。沖縄の発展こそが日本の未来を創る。私が先頭に立って沖縄の振興を進めていく」と語っていたが、最近の集団的自衛権や集団安全保障、辺野古への基地移設計画などに関する言動から考えて、首相が心底からそう思っているようにはとても思えない。口先ではうまく言っているつもりでも、沖縄戦の犠牲者や遺族にとっては首相の言葉は歯が浮いたように感じたのではないだろうか。

2014年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2596.2014年6月22日(日) 下劣で不見識な政治家たち

 国会では石原伸晃環境大臣の失言に対して大臣不信任案と問責決議案が提出されるお粗末な停滞ぶりである。結局いずれも反対多数で否決されたが、石原大臣は自らの発言を取り消すと言った。何でも福島の放射能廃棄物の仮処分場所が決まらないことに苛立った大臣が、つい「本音」を漏らして解決のためには最後は金目でしょうと軽率に発言したことが大きく取り上げられてしまった。被災地の人々の気持ちを傷つけるものだと不信を買い、多くの人々を怒らせてしまった。被災者の苦しみが分からない、また分かろうともしない政治家が生ぬるい環境の中で発言するとこういうことになる。大臣はすぐにも現地へ向かい被災地の人々に謝罪するというが、その本心は別のところにあるので、いつまた同じような失言が飛び出すか分からない。残念ながら政治家の言葉は軽くて、いつものことながらそこには誠実さが見られない。

 そんな折も折東京都議会で都議会議員が飛ばした女性議員への不見識な野次が問題になっている。「みんなの党」の塩村文夏議員が晩婚化対策で質問に立ち、女性の出産や育児について考えを述べている最中に、自民党議席から「あんたも結婚したらいい」とか、「子どもを産めないのか」のような相当下劣な野次が浴びせられた。流石にメディアでも取り上げているが、これがイギリスのガーディアン紙やアメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙など海外の主要メディアでも取り上げられるに至り、東京オリンピック開催都市の議員の発言として東京のイメージダウンにつながる心配が出てきた。

 一般からの厳しい非難も含めて、流石に自民党石破幹事長が自ら名乗り出るよう声をかけているが、自らが後ろめたく辞職に追い込まれるのが怖い議員は自ら名乗り出ようとしない。「みんなの党」は、セクハラ、侮辱として誰も名乗り出ないなら「声紋」調査を行うとまで言っているが、野次を飛ばした議員の周辺では誰が犯人か分かっている筈である。お互いが庇い合ってヤジ将軍を公衆の前に出さないのだ。舛添知事にしても、都知事選で自民党の全面支援を受けたせいか、聞こえなかったと逃げの姿勢であり、些か歯切れが悪い。こういう悪しきパフォーマンスを庇い合う低次元の議員が構成する議会の体質だから、何をやっても物事が決められないのではないか。

 世界の大都市・東京の議員にしてこの体たらくである。都民としても恥ずかしい。

2014年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2595.2014年6月21日(土) 富岡製糸場、世界遺産に決定

 昨日朝ワールドカップで日本がギリシャと0-0で引き分け、日本の決勝リーグ進出がかなり厳しくなった。ギリシャのひとりの選手が退場を命じられたこともあり、10人のギリシャ・チームを相手に日本が終始押していた。それでもゴールを割ることはできなかった。日本中がまるでお通夜のようである。

 そんな暗いムードの中を、朗報が飛び込んできた。かねてから期待されていた群馬県富岡製糸場がユネスコ世界遺産委員会から、世界遺産に決定したとの連絡があった。登録される可能性が出てから多くの観光客が押し寄せていたが、この嬉しい知らせに群馬県と富岡市はともどもこの登録決定を喜び歓迎している。この世界遺産決定には多くの人々の陰の協力があったが、とりわけ製糸場の所有者である片倉工業㈱のかけがえのない協力があったことは忘れてはならないと思う。工場操業停止以来その維持管理に年間1億円もの費用を負担していたというのである。利益追求の私企業がそう簡単にできることではない。

 私もいずれ訪れてみたいと思っている。

 さて、卒業以来初めて母校湘南高校の同窓会組織「湘友会」総会に出席した。今年は藤沢市民会館で開かれた。3期6年間会長を務めた弁護士の田辺克彦氏から会社経営の上野孝会長に交代した。新会長は在校時成績が振るわなかったと謙遜していたが、慶應からオックスフォード大へ進まれ、横浜商工会議所会頭も務めたというから中々の人物だと思う。拙著の販促のこともあり、早速挨拶した。7枚ばかり拙著のコピーを持参して有力者に配布したが、母校関連事項についてかなり触れているので反応は大分良さそうだ。3代前の会長職を務められた大学先輩の杉山巌氏は佐々木信也氏と同級生で甲子園にも応援に行き、優勝までの軌跡と内容をよくご存じで、拙著のPRをしたところ強い関心を持っていただいた。

 新任の時乗校長、ラグビー部後輩の市川教頭や、野球部OB会副会長にも強くPRしたので、口伝えに販促にご協力いただけるのではないかと期待している。

 講演会で世界的にも著名な建築家のひとりで、一回り後輩の東大名誉教授・内藤廣氏が「建築目指して半世紀」と題してユーモラスに話された。中々含蓄のある話で面白く聴講することができた。建築家は学校の成績が良いというばかりではなく、人間らしさを追及する心を持っていることが大切ではないかと話された。湘南在校時にある教師から「道路横断時に自家用車は止めても良いが、トラックは止めてはだめと言われたのは、トラックは国の経済発展に役立つが、自家用車は役立たないから」と教室で聴いたことがいつまでも頭に残っていたそうだ。そういう学問とは直接関係ないことを四六時中聞かされる教育環境の下に学んだことが、湘南の特徴であり、個性的な建築物を造る建築家の中に湘南OBが多い理由ではないかと話されていた。

 確かに話を伺うと内藤氏の作品には、個性的な建築物が多い。超高層ビルの奔りだった霞が関ビルを始め、木造体育館の静岡草薙体育館、横浜地下鉄馬車道駅、JR高知駅、JR旭川駅、今春完成した九州大学椎木大講堂、牧野富太郎記念館、いわさきちひろ美術館など個性的なデザインの建築物の他に現在取りかかっているのが、渋谷駅周辺の街づくりプロジェクトだそうだ。

 我々の同期生はあまり来なかったが、卒業年度に関わりなく短い時間内に多くの湘友会会員と交流できたことは、望外の喜びであり、収穫だった。そう言えば、司会役を務めたTBSアナの牧嶋博子さんとも話して、拙著を売り込めたのも良かった。

 今年初めてではあったが、来年も拙著の販売にご協力いただけるであろうお礼がてら出席しようと思っている。

2014年6月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com