2596.2014年6月22日(日) 下劣で不見識な政治家たち

 国会では石原伸晃環境大臣の失言に対して大臣不信任案と問責決議案が提出されるお粗末な停滞ぶりである。結局いずれも反対多数で否決されたが、石原大臣は自らの発言を取り消すと言った。何でも福島の放射能廃棄物の仮処分場所が決まらないことに苛立った大臣が、つい「本音」を漏らして解決のためには最後は金目でしょうと軽率に発言したことが大きく取り上げられてしまった。被災地の人々の気持ちを傷つけるものだと不信を買い、多くの人々を怒らせてしまった。被災者の苦しみが分からない、また分かろうともしない政治家が生ぬるい環境の中で発言するとこういうことになる。大臣はすぐにも現地へ向かい被災地の人々に謝罪するというが、その本心は別のところにあるので、いつまた同じような失言が飛び出すか分からない。残念ながら政治家の言葉は軽くて、いつものことながらそこには誠実さが見られない。

 そんな折も折東京都議会で都議会議員が飛ばした女性議員への不見識な野次が問題になっている。「みんなの党」の塩村文夏議員が晩婚化対策で質問に立ち、女性の出産や育児について考えを述べている最中に、自民党議席から「あんたも結婚したらいい」とか、「子どもを産めないのか」のような相当下劣な野次が浴びせられた。流石にメディアでも取り上げているが、これがイギリスのガーディアン紙やアメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙など海外の主要メディアでも取り上げられるに至り、東京オリンピック開催都市の議員の発言として東京のイメージダウンにつながる心配が出てきた。

 一般からの厳しい非難も含めて、流石に自民党石破幹事長が自ら名乗り出るよう声をかけているが、自らが後ろめたく辞職に追い込まれるのが怖い議員は自ら名乗り出ようとしない。「みんなの党」は、セクハラ、侮辱として誰も名乗り出ないなら「声紋」調査を行うとまで言っているが、野次を飛ばした議員の周辺では誰が犯人か分かっている筈である。お互いが庇い合ってヤジ将軍を公衆の前に出さないのだ。舛添知事にしても、都知事選で自民党の全面支援を受けたせいか、聞こえなかったと逃げの姿勢であり、些か歯切れが悪い。こういう悪しきパフォーマンスを庇い合う低次元の議員が構成する議会の体質だから、何をやっても物事が決められないのではないか。

 世界の大都市・東京の議員にしてこの体たらくである。都民としても恥ずかしい。

2014年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com