2788.2014年12月31日(水) 2014年を送る。

 2014年も早や振り返ってみる1日がやって来た。今日は1年365日の最後の日である。果たしてこの1年間自分自身はどれだけのことをやり遂げて、どれほど成長しただろうかと考えてみると些か心許ない。毎日定期的になすべき仕事があるわけではないし、さりとて何もやらないでぶらぶらしているわけでもない。

 結局欲を言い出さなければ、現状の生活をこのまま続けて行けるわけで気楽と言えば気楽に違いない。ただ、それではあまりにも社会のお世話になっているようで、少しでもプライベートなことでも前向きに目標に向って前進しなければ、この世に生きている意味がない。

 幸い健康面ではそれほど心配するようなことはなかった。長男が夏に腎臓摘出の手術を済ませたが、その後は順調そうなのでまずは一安心である。

 改めて1年を振り返ってみると、社会に対して取り立てて貢献をしているという気持ちはないが、それでも自分が思い込み、やり抜きたいと思っている「旅と執筆活動」は何とか今まで通り続けられていることで佳しとしている。幸い今年は初めてのノンフィクション、「南太平洋の剛腕投手」を世に出すことができた。起点となったのは、3年前のエッセイ執筆だったが、その後力づけてくれた友人がいてくれたお陰で、それを膨らませ味付けして1冊の書として上梓することができた。「あとがき」に書いたが、普通では考えられないほど多くの関係者にご支援をいただいた。おまけに本書にからむ講演の話もいくつかいただいている。幸いメディアでも書評などで採り上げていただき、また多くの知人・友人から割合高く評価していただいた。中でも森喜朗元総理からは発行直後に注文していただいた100冊の他に、過日の忘年会用に別途800冊もの購入をしていただいた。大変有り難いと思っている。

 森元総理の父子3代に亘る森家のドキュメントをありていに描写し、それを森さんが好意的に受け取ってくれたせいでもある。その他にも戦時中のことをよく知る年配者の方々からは、懐かしい話だと格別好意的な手紙やら電話を頂戴している。

 先月行った出版記念会でも、約100名の方々にご出席いただき、多くのゲストから盛大で素晴らしいパーティだったと言っていただき、嬉しく思っている。佐々木信也さんには、流石と思える素晴らしいスピーチをしていただいたが、今日お電話をしたところ、佐々木さんからも盛大なパーティで良かったと言っていただいた。今年はこれで一応終わりだが、来年にこのムードをどうやって生かして販促活動につなげて行ったら良いか、考えあぐねているところである。

 明日からスタートする2015年にゆっくり考えてみたいと思っている。

 さて、恒例のNHK紅白歌合戦では日本中がテレビの前で大いに沸いているようだ。ただ、ラジオ時代から始まって毎年テレビで観ていると年令のせいだろうか、若い歌手の踊り、音量、けばけばしさ、意味の分からない言葉、横文字の多さ、等々で次第に年寄りの気持ちから離れ年配層の関心が遠のきつつあるのは事実である。公共放送だからこそ、誰でも観る人気番組の中で少しは年配層の喜びそうな趣向を考えてみてはどうだろうか。

 それにしても紅組の司会者・吉高由里子さんのおっかなびっくりの司会ぶりには久しぶりに面喰った。国民的番組で犯したNHKが犯したあまりないミスキャストだったと思う。

 その点では、除夜の鐘を迎えるまでの「ゆく年くる年」は今年各地の被災地の情景が多かったが、いつもながら日本人の気持ちに沿い年配層の気持ちにも叶ったシーンの連続で安心した。

 まぁ割合充実した気持ちで送れた、まずまずの一年だったと思う。来年2015年もそうありたいものである。

2014年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2787.2014年12月30日(火) アベノミクスは成果があったのか。

 大納会となった今日、東京株式市場は日経平均株価が17,450円、対前日279円安だったが、今年の平均株価は昨年に比べて7.1%高、15年ぶりの高値の大引けだったことを株式関係者はアベノミクス効果と言い、その牽引車たる安倍首相はさぞ鼻高々だろう。

 しかし、「アベノミクス批判-4本の矢を折る」を著して平素より安倍政権の経済政策を批判している、伊東光晴・京都大学名誉教授は、「選択」12月号誌上でクソミソにアベノミクスをこき下ろしている。伊東教授と言えば、著名な経済学者としてこれまでメディアにもしばしば登場し、その炯眼ぶりが採り上げられ、私自身経済学を学んだひとりとしていつも遠くから尊敬の眼差しで見ていた。

 そもそも伊東教授は、安倍政権の経済政策について極めて批判的である。教授は安倍晋三首相についても就任以来2年間何もやって来なかったと手厳しい。世間では、日銀総裁に据えた黒田東彦氏による金融緩和が、円安と株価上昇をもたらしたとその実績が評価されているが、伊東教授は見解をまったく異にする。伊東教授は円安の因って来る原因は日銀による金融緩和によるものとは見ていない。円安は財務官の専権事項である為替介入によるものであると考えている。

 一方、伊東教授には現在の経済政策について2つの主張がある。そのひとつは財政再建をしっかりやることである。しかし、税収が伸びない中で、財政支出は増える一方である。国の借金は増えるばかりである。一部には「経済成長すれば税収が増えて財政が安定する」との主張があるが、伊東教授はそんなことはあり得ないと一蹴する。わが国の財政と支出の乖離に頭を痛め、それだけに消費増税の先送りを懸念している。

 教授が心配しているもう一点は、少子化現象である。口では言うが、真剣にこの少子化を心配している日本人が少ないことを憂えている。

 それにしても伊東教授がアベノミクスには何らの成果もないとまで批判していることについて、メディアでは何のコメントも反論もせず、ただ株価上昇だけで成果があったような報道をしている。アベノミクスのプラス面、マイナス面について、マスコミは挙げてもっときちんと報道、解説するべきであると思う。

2014年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2786.2014年12月29日(月) 「我が国の外交が世界から称賛」

 首題の言葉は中国の「人民日報」他中国の新聞各紙が選んだ今年の世界10大ニュースのトップ・ニュースである。では我が国とは一体どこの国かと問えば、??と首を傾げたくなる自分たちの国「中国」自体を指しているのである。自画自賛がこれだけ臆面もないとすると、国家としての恥を感じることがなく、羞恥心がないのと同じである。生真面目な顔をして今年中国は世界中からその外交ぶりを称賛されたというのは、一体全体誰が言ったのだろうか? 冗談ではない。中国から莫大な援助を受けている小国を除いて、どこの国も中国の外交に呆れはすれども称賛なんてことはこれっぽちも思ってはいない。ただ、中国がそう言われてみたいだけなのである。ありえないことを恥ずかしげもなく世界へ向かってPRするとは、とても一等国のやることではあるまい。所詮三等国に過ぎないことを自ら進んでアピールしているだけである。

 昨晩テレビのエンタメ番組の中で、このジョークのような実話が紹介されていたが、そう説明していたキャスター自身、周囲の評論家と笑い出してしまったのである。エッ!と失笑が漏れた。私も思わず釣られて笑わざるを得なかった。ある評論家はこう言っていた。元々中国人は中華思想の持ち主だから、いつも中心にいてちやほやされていないと納まらない人種なのだと。

 はっきり言って中国の外交は、他国から顰蹙を買ったり、愚弄、軽蔑されることはあっても現状では称賛されることはほとんど期待できない。それは中国人自身が一番分かっている筈である。だから、せめて自分たちだけでも慰め合ってそう言わないとやりきれないからだと思う。それなら、実際に称賛されるような外交努力を怠らなければ良いのではないかと言えば、それがこの国の一種特殊なところで、国内を波乱なく統治するために権威主義と権力志向を外へ向けるとつい自国領土を越えてちょっかいを出してしまう。そもそもそれが顰蹙を買っているのではないだろうか。強大な軍事力を背景に南シナ海へ進出する侵略的行為はその最たるものであろう。

 今や内憂外患の中国としては、何とか国を治めていくために、ありとあらゆる広報活動を行っている。今のPRのやり方は少々ピエロ染みているが、黙っていても外国が称賛するような国づくりを目指して国際ルールを順守しつつ、黙ってひたすら努力する謙虚な姿勢を示した方が効果的ではないだろうか。

 さて、昨日またもやマレーシアの格安航空(LCC)機が離陸後その行方が分からなくなった。インドネシアのスラバヤからシンガポールへ向けて飛行中だったエア・アジア機が、積乱雲が表れて航路変更の連絡をしたまま行方を絶った。今年になってマレーシアの航空機の行方が分からなくなったのは、これで3度目である。いかにも多いという印象である。過去2度の遭難はナショナル・フラッグ・キャリアのマレーシア航空だったが、昨日行方不明となったのは徹底した格安航空会社のエア・アジアである。

 偶々昨日の日経朝刊に同社のCEO、トニー・フェルナンデス氏に対する独占取材記事「エア・アジアCEOに聞く」が掲載されていた。氏は格安サービスで新たな事業に挑戦すると公言し、「非華人」「政商」として独占市場を崩すことを目的とするインド系マレーシア人起業家である。すでにビジネス市場を広げて通信、保険、ホテル業などに乗り出している。徹底したコストダウンのために、例えば格安ホテル「チューン・ホテルズ」の基本料金に含まれるのは宿泊、つまり眠るだけで、エアコンやタオルを使っても追加料金が必要というくらい徹底的に料金を落とす。エア・アジアのシンガポールへの就航に難色を示したシンガポール政府に対して新聞広告でシンガポール政府を批判したこともあるというから、確かに只者ではないだろう。今度の行方不明機の件では、結果的にシンガポールへ向かっていたエア・アジアが消息を絶ったというのは、正に皮肉でなくて何だろうか。

 日本では全日空と提携話があったようだが、現在頓挫している。安全飛行志向の全日空とはどうも反りが合わないようだ。空の便は格別安全が重視されるべきであり、並はずれた格安料金によって安全性が損なわれることを全日空が避けているからだろう。安全性には疑問符がつかないことを望むばかりである。

 それにしても早く不明機の行方が分かって欲しいものである。

2014年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2785.2014年12月28日(日) 沖縄米軍基地問題を国民全体で考える時

 今年の冬は厳しい寒さの影響だろうか、インフルエンザと風邪が大流行のようだ。私も4日ほど前から鼻づまりで往生していたので、一昨日通いつけの森内科へ行き症状を話して服用薬をもらってきた。インフルエンザの症状はなく、単なる風邪のようだ。だが、現時点ではまだ回復には程遠い状態で、相変わらずクシャミをして鼻をかんでいる有様である。

 さて、今年も残すところあと4日となった。サラリーマン時代に比べれば慌ただしさはなくなったが、それでも周囲に漂う年末らしいムードに影響を受けて平素とは異なる空気を感じる。

 テレビや新聞では、毎日今年のニュースをまとめて伝えているが、総じて災害の多い年だったなぁと感じている。大きな自然災害としては、8月の広島市内の土砂崩れと9月に起きた御嶽山の噴火が罹災者も多く、日本中を驚かせた。そして東日本大震災以降東北地方周辺で度々起きる余震のような揺れには、いずれ再び同じような大地震が起きるのではないかとの不安を拭えない。そんな中で政府、電力会社は何とか原発を再稼働しようと懸命に知恵を絞っている。

 沖縄の県知事選で辺野古移転説へ寝返った現職知事の仲井真弘多知事が、移設反対を唱える翁長雄志氏に敗れた後の総選挙小選挙区投票で、辺野古移設を訴えた自民党候補者が揃いも揃って全滅した。政府自民党は密かにその仕返しを考え出した。姑息にもすでに決めていた来年度沖縄復興予算の概算要求を減額しようと検討を始めた。あまり露骨に減額はできないが、政府方針に反対する辺野古移設反対派を牽制するために、減額を真剣に考えるようだ。このあまりにも報復的な政府のやり方は、沖縄県民の気持ちをまったくないがしろにするものである。一種の沖縄県民に対する恫喝ではないだろうか。選挙で沖縄の民意は示された。だが、政府はこの敗北の結果をまったく反省しようともしない。結局沖縄は日本政府に下僕になることを強いられ、従わなければ切り捨てるぞと脅迫されているに等しい。それにしても、政府のやり方はあまりにもアコギではないだろうか。

 在日米軍基地のほとんどが沖縄に存在し、それをごく当然と受け止めている我々日本人全体が、これまで沖縄に負担をかけ過ぎていたことを、まず認識することが大切である。ここで少し現状を見つめたうえで、沖縄だけでなく日本の安全保障上今後どうすべきかという点について国民的議論を戦わしたうえで、一部の地域に負担がかかり過ぎないような方策を考えるべきではないだろうか。実際アメリカ政府としても現状の在日米軍基地の配置は必ずしも戦略上ベターとは考えていないようであり、日本側だけで心を痛めるより、議論を戦わす際米軍担当者にもオブザーバーとして参画してもらうことも検討すべきではないだろうか。

 その他にちょっと気になったニュースがあった。総選挙で議席数を2議席まで減らし、参議院議員と合せても政党助成金受給資格最少5名の条件を失った「生活の党」が、呆れたことにとかく物議を醸した参議院議員山本太郎氏を取り込むことに成功し、政党助成金をいただけることになりほっとしている。しかし、それより「生活の党」の党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」と長たらしい名に変更したことに驚いた。その名もまた少々ふざけた党名ではないだろうか。党名に個人名を付したのはこれまでほとんどなかったのではないだろうか。ましてや山本議員は実績を挙げた実力者でも何でもないし、有能な政治家とも思えない。ただ、数合わせのために取り込まれたに過ぎない。党名とは政党の看板である。それをこんな好い加減で有権者を馬鹿にしたようなネーミングとするとは、遊び半分にやっているようにしか思えない。こんなことをやっているから「小沢党」はじり貧に陥っていくのではないか。流石の剛腕・小沢一郎氏もそろそろ年貢の納め時か。

2014年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2784.2014年12月27日(土) 腑に落ちないSTAP細胞調査に対する理研の対応

 今年の10大ニュースのトップにランクアップされた「STAP細胞の発見と偽証」に関する実験捏造調査結果を発表し、以後の調査を打ち切ることを昨日理化学研究所が公表した。STAP細胞は小保方晴子元研究員らが今年1月英科学誌「ネイチャー」に発表したもので、マウスの体の細胞を弱酸性の液体で刺激するだけで作れる新型万能細胞だった。それは不治の病に罹った患者に一筋の明るい灯を燈すものと一時期待された。それが一転して期待が泡となって潰えることになった。

 調査報告書によれば、STAP細胞は新たに作られた細胞ではなくES細胞から作製されたものだと結論づけ、STAP論文はすべて否定されたことになってしまった。科学者としては、証拠がない実験がいくつもあり、初歩的な過失が極めて多く、明らかに怪しいデータがあるのに共著者らがそれを追及する実験を怠った点で厳しい指摘を受けることになった。更に論文中の2つの図に小保方氏のデータの捏造があったとする疑問点まで指摘された。

 しかし、ES細胞の混入が誰かが故意にやった疑いが拭えないと思いながらも、それを実行した人物や故意かどうかの決定はできないという点に首を傾げざるを得ない。混入した人物は限られたスタッフの中にいることがはっきりしているのに、ひとりひとりを尋問して追及することまではやらなかった。やろうと思えばできた筈である。これほど世間を騒がせ、科学界の信用を失墜させる事態を招いておきながら結論をウヤムヤにして中途半端に幕引きしようというのは、犯罪者を出さずに早いところ身辺整理をして、次の予算獲得に向けて組織をあげて再スタートを切りたいという理化学研究所の本音ではないだろうか。

 今年1月に理研がSTAP細胞の発見をノーベル賞ものと誇らしげに発表して以来、理研、並びに主任チームリーダー・小保方晴子さんらは華々しく脚光を浴び大きくマスメディアで採り上げられた。事態が一変したのは、その僅か2ヶ月後の3月になって論文の信憑性に疑問が持ち上がったことからである。4月に理研は、ノーベル賞受賞者・野依良治理事長出席の下に記者会見を行い、今年中にその結果を調査して発表するということだった。それが昨日の調査報告書である。

 科学的な調査は別にして物がなくなったとか、物品の混入があったなどという警察や検察が行うような捜査を科学者のグループが行うこと自体、最初から真実の解明は期待できなかったわけだが、それにしても部外者が立ち入りできない狭い場所で異物が混入されたことを突き止められないのは、所詮素人の域を出ていない。尋問する人の数だってそれほど多いわけではあるまい。それでも精一杯やってみたが、自ら名乗り出る者がおらず、本人が名乗り出ない限り証拠もなしに犯人だと決めつけることはできなかったというのが素人調査班の報告書である。

 ただ、うやむやの内に調査打ち切りを宣告されたことによって、疑念はそのまま持ち越されることになった。わが国科学界の最高峰を自認する権威的な理研としてこれで良かったのだろうかとの疑問が残る。内部の人間に傷がつくことを恐れるあまり徹底的に犯人探しをしようとしなかったことと、責任者の責任をあいまいにしたことが、却って今後研究員は疑心暗鬼の中で研究を続けるということになる。

 いずれにせよ、STAP細胞騒ぎが日本の科学史上、また理化学研究所の歴史に大きな汚点を残すことになったことは間違いない。年の肇に公表された慶祝すべき成果が、年末になって後味の悪い形で幕引きとなってしまった。

2014年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2783.2014年12月26日(金) 箸にも棒にも掛からない政治家

 こう言っては叱られるかも知れないが、政治家と呼ばれる人種は大体酷い人間が多いと思っている。政治家としての資質もなく、とっとと職替えをした方が良いのではないかと思える輩が多い。だが、これほど好い加減で自分の我儘や個人的な好き嫌いで政治、行政を振り回している似非政治家を世間が見過ごしていては、社会を劣化させるばかりでなく、真面目に社会のために尽くそうという国民の気持ちが失せてしまう。どうしてこんな劣悪政治家が出現し、彼らの自己本位で我儘な行為に対して鉄槌を下すことができないのだろうか。

 まず直近で呆れたのは、誰あろう、お騒がせ大阪市長の橋下徹氏である。橋下市長は大阪府民から評価が高くない「大阪都構想」を実現するために、維新の党代表を降りて党最高顧問に就くことが執行役員会で決まった。

 ところが、戦い終わってこれから地方選へ向けて活動しようという一昨日になって、どうも橋下氏の主張がもう一人の代表、江田憲司氏のそれとまるで噛みあわないのだ。挙句に「自分が人事権者だ」とか、「最高顧問は私の年であり得ない」、更に子どもじみた捨て台詞「死んでも嫌だ」と述べたり、こんな我儘を言っているようでは、とても行政のトップとしての見識が疑われ市長失格であるし、住民の信頼を得られるわけがない。

 この橋下市長の非常識な言動に対して、2年前に「週刊朝日」誌上で作家佐野真一氏が緊急連載「ハシシタは救世主か、衆愚の王か」と採り上げて以来朝日は橋下氏と対立し、橋下氏に謝罪して以降朝日は橋下市長の言動について厳しいスタンスを取ろうとしない。このように天下の朝日を始め、メディアは指をくわえているばかりで、史上最低の政治屋・橋下徹を糾弾しようとの姿勢が一向に見られない。

 橋下市長の傲慢な無分別さは手の施しようがないが、市長の腰巾着である松井一郎・大阪府知事もまた揃って似たようなオツムで、行政のトップに君臨しているのだから救いようがない。府知事はこの騒動について「なんでもええやんか」とふざけ半分の不誠実さで、ことの重大さをまったく歯牙にもかけない不真面目さである。

 先日も大阪在特会の代表者と公開討論を始めたまでは良かったが、ちょっとした感情的対立でお互いにけんか腰になり、殴り合い寸前で周囲が止めに入ったという程度の男である。こんな人間がよくもまあ市長として君臨していられるものである。折角大阪府民の負託を受けて府知事になりながら、安易に中途で市長へ鞍替えするような無節操で無計画性を地で行っているような人物である。はっきり言ってこれでは大阪が良くなる筈はない。大阪都構想なんてイリュージョンではないか。

 他にも酷い政治家が2人いる。ひとりはもう引退したが、「元総理大臣」の肩書を見せつけて外国政府に存在感をアピールし、勝手に口約束をしては日本政府を困惑させている鳩山由紀夫氏である。「沖縄米軍基地の県外移設」など難しい課題を直ぐにも実行できるかのような幻想ばかりばらまいて、一時的に沖縄県民の歓心を買おうとする浅薄さには二の句が告げない。

 あと一人、人間的に信頼できないのは、来月の民主党代表選に立候補しないことを発表した前原誠司元代表である。永久に立候補を取りやめるか、政治家自体を辞めた方が良い。前原氏の将来性にも赤信号が点く。その最たるハラハラ決断は、民主党政権下で国土交通大臣だった当時、八ツ場ダム建設工事を中止と決断した。しかし、国交大臣の座を去ると次の大臣が計画再検討を打ち出した。だが、それに対して自らが決定した判断を他人事の如く、知らんふりをしていた。これではダム工事中止を指示した支援者は堪ったものではない。その後自民党政権になって、八ツ場ダムは建設続行へ路線変更した。これに対して前原氏は何の抗弁もしない。自らの言動に対してまったく責任を負う気持ちがなく、そのうえ自分が決断したことに対して反対があっても何らの意思表示もしない。前原氏には政治家というより、人間としてのプライドがまったく見られないのだ。こんなお粗末政治家ばかりでは日本が良くなる筈がないではないか。

 他にも低レベルの政治家は吐き捨てるほどいるが、取り敢えず橋下市長のカメレオン的言動に呆れてつい文句のひとつも言いたくなった。

2014年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2782.2014年12月25日(木) 国民として知るべき戦前・戦中の暗い歴史

 録画していてまだ観ていなかったビデオを今日になってまとめて2本観た。ひとつは今夏終戦記念日特集として放映されたNHKのドキュメンタリー「狂気の戦場ペリリュー-忘れられた島」と、もうひとつは、一昨年と今年の2.26事件記念日前後に放映された、同じNHKドキュメンタリー「徹底検証2.26事件」である。

 前者については、近刊拙著でミクロネシアについて書いたが、その西隣パラオにあるペリリュー島の日米両軍の地上戦のすさまじさを映像とナレーションであぶり出したものだ。3日以内に陥落させると米軍が豪語したペリリュー島は日本軍の激しい抵抗に遭い、アメリカ国内では厳しい地上戦の末米軍史上最悪の死傷率の犠牲者を出した島としてつとに知られている。だが、日本では近年ペリリュー島の戦いはあまり知られることもなく、残念ながらスキューバ・ダイビングで知られるパラオ共和国のひとつの島程度にしか知られていない。そのペリリューには一度だけ行ったことがある。それも旧トラック島のケースと同じように厚生省の遺骨収集事業の下見だった。パラオ本島からどういう風に行ったのかもはっきり覚えていない。その後やはり激戦の島、アンガウル島も訪れた。ペリリュー島には日本軍の司令部跡や戦争の戦禍があちこちに残され、島内は相変わらず鬱蒼としたジャングルに覆われていたことが強く印象に残っている。

 番組では復員した旧日本軍人が目前の死闘について涙ながらに語る姿は、もらい泣きせずにはいられない。こうしてこの旧南洋群島の島で、お国のために若くして命を喪った薄倖の人々がいたことを知る人がだんだん少なくなっている。その意味でもこうした番組を時折流してくれるのは意義のあることである。

 後者は、これも年々メディアで伝えられることが少なくなった2.26事件である。大分前に松本清張著「昭和史の発掘」を読み、知らなかった昭和史の一断面として2.26事件を関係者の行動を通して知ったが、なぜあの時代にこのようなクーデターが起きたのかという点について、画像を交えながら4人の学者が考えを述べていた。特に、関心をそそられ非情さを感じたのは、陸軍内部の派閥争いと、若手将校たちをそそのかしたうえで自分に不利となると彼らを突きっ放した、一部の将官のあまりにも冷徹で無慈悲な行動である。いつの時代でも利己主義の塊のような人物がいるものである。

 いずれも普段はあまり気にもかけない歴史的史実であるが、歴史を知ろうと思えば避けては通れない事象である。こういうことがあまり世間に知られることがなくなり、その一方で戦前の暗い時代に似た考えやパフォーマンスが「いざ!鎌倉!」とばかり出番の機会を窺っている、昔の軍閥もどきに目くらましをかませられないよう気をつけなければいけない。

2014年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2781.2014年12月24日(水) 「原発事故は利用者も応分の賠償を」に「大佛次郎論壇賞」

 一昨日は冬至、昨日は天皇誕生日、そして今日はクリスマス・イブを迎えて祝日と節目の日が続いたが、中でもクリスマス・イブは最近ではその光景がやや浮かれ気味で、メディアと商業ペースに乗せられ騒々しく騒いでいるだけのような印象がしてならない。残念ながら我々の小学生時代には、クリスマス自体話題になることはなく、まだサンタクロースも知らなかったと思う。

 今日は第3次安倍内閣発足の日でもある。閣僚は全員再任と思われていたが、江渡聡徳・防衛大臣が政治資金問題を理由に再任を辞退してちょっと出鼻を挫かれた。しかし、先の総選挙で過半数を制し数的には安定政権となって、これから安倍首相は思い通りの政策を実行することだろう。

 その中で最も懸念されている(1)沖縄普天間基地移転、(2)原発再稼働問題の内、(1)については沖縄の選挙では4つの小選挙区で自民党候補者は悉く基地反対派に敗れた。いかに基地問題について県民の反対の声が根強いかと言うことを肌で感じた筈である。それでも絶対多数を受けて反対を押し切り、当初の予定通り普天間から辺野古への基地移転計画を進める方針のようである。(2)についても政府は着々と布石を打っている。川内原発では原子力規制委員会の安全審査をすでにクリアした。担当大臣も原発再稼働に前向きな発言をしている。国民だけが原発再稼働議論から置き去りにされている。

 原発問題については新たな問題点が見え隠れしている。その中で東日本大震災では予想もしなかった絶対安全とされた原発が事故を起こしたために、賠償制度が整備されておらず、事故後慌てて原子力損害賠償法を補う支援機構を作り上げた。このほど東大客員研究員・遠藤典子氏が「原子力損害賠償制度の研究」で「大佛次郎論壇賞」を受賞した。私はこの論文に目を通していないが、新聞で要点だけを読んでみると遠藤氏は自著の中でこの制度を評価し、更に踏み込んで破局的な原発事故の損害賠償資金は、次の4つの組織、グループが負担を分担すべきだと主張しているようだ。それは、①事故を引き起こした原子力事業者であり、これは負担割合はともかくとして当然である。②電力事業者から電力供給を受ける電気利用者としている。③事業者以外の原子力事業者で、これは同業者としての相互負担としている。④国が負担すべきとしている。

 この内で②電気利用者とされている我々庶民がなぜ電力会社が起こした原発事故の過大な責任を負わされなければならないのかという根拠が、あまりにも短絡的で、独善的かつ理不尽でとても納得できない。しかも、私を含む多くの住民は原発再稼働に強く反対しているのである。それでも原発事故発生の場合は、その賠償費用を電気利用者が負担しなければならないのだろうか。その言い分はとても承服できるものではない。どうしてこんな理解し難く、世間が納得できない論文に、「大佛次郎論壇賞」を授けることになったのかとんと見当もつかない。

 しかし、このように一部理論武装して、国民に負担を負わせるようにしながら賠償金の原資を担保したうえで、政府は原発再稼働を粛々と推進して行くのではないだろうか。これでは学者と政治家の結託と言わずして何と言うべきであろうか。

2014年12月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2780.2014年12月23日(火) 寒々しい行為と地球温暖化

 このところ北海道を中心に東北地方、日本海沿岸地方に大雪が降り続け、降雪に伴う事故や交通事故も頻発している。活動が激しい鹿児島の桜島の雪景色なんか今まで見たこともなかった。身体が冷え込む気象だが、国際的には身体全体が薄ら寒く感じるニュースが多い昨今の世相である。

 まず朝日新聞の誤報問題について第三者委員会が報告書をまとめた。よほど朝日は反省したのか、ばれたことが拙かったと思ったのか、度々朝日紙上でお詫びを兼ねた途中経過を報告している。昨日報告されたのは、誤報が判明した時点で報告したが、お詫びをしなかったのは社長が反対したからだと結論づけた。更に8月にそのことを指摘したジャーナリスト池上彰氏の連載コラムを社長判断で継続掲載しなかったことに対する批判もあった。自社のメンツにばかり気が向き、読者に対する配慮が足りなかったと指摘されている。

 海外ニュースとしては、先日ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(SPE)社の制作映画を非難する北朝鮮のサイバー攻撃が、アメリカ社会に衝撃を与え、オバマ大統領が厳しい対応をすると語ったが早くもその報復が始まったのか。ハッカーは誰かまだ不明だが、今日北朝鮮内のインターネット回線が使えなくなった。しばらく世界的に大きな関心事となりそうである。

 また、中国の高官が重大な規律違反として失脚したことが注目すべき話題となった。胡錦濤・前国家主席の側近だった、全国政治協商会議副主席の令計画氏が不意に取り調べられている。胡グループの追放が始まったようである。江沢民・元国家主席の側近だった周永康・前政治局常務委員が失脚してまだ間もない。かつて中国のトップにいた長老の影響力のある人物を秘密裏に徐々に周囲から排除して、自らの体制基盤を固めて行くやり方は、やや陰湿で中国のイメージには冷酷さが付きまとう。習近平・国家主席としては、腐敗撲滅を錦の御旗にライバル勢力を周囲から排除して独裁体制を固めていこうとしている。どうも暗く冷たい感じがしてならない。

 その一方で、今年の速報値によると今年の世界の平均気温は、平年を0.27度上回り1891年以来最も高くなる見通しだそうだ。地球温暖化の影響で年々気温は上がりつつあるが、年平均温度は100年間に世界で0.7度、日本では1.15度上がったという。地球上には寒々しいニュースが充満する一方で、気温だけは確実に上昇している。

2014年12月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2779.2014年12月22日(月) 森喜朗元総理忘年会出席者800名に拙著

 一昨日のJR東京駅開業記念の記念キップ「スイカ」が昨日東京駅で限定販売されたが、1万5千枚の発売に対して大勢の購入希望者が前夜から立ち並び、途中でJRサイドが発売を中止したために大混乱に陥った。記念品として持っていたいという鉄道ファンの他に、近年問題になりつつある高値でネット販売をしようとする人が押し寄せ、JR側が充分な対応と会場整備をしなかったせいで現場で大揉めに揉めた。結局8千枚を売りさばいた時点で中止になったわけだが、JR側の甘い身通しと現場の販売体制への対応が不十分だったことが混乱の大きな原因となった。記念すべき100周年記念行事の一環が、イベントが主催者JRの杜撰な計画により汚点を残す後味の悪いイベントとなった。

 実は昨日の新聞各紙でもこれを大きく採り上げ、朝日の如きは社会面全面を使用して報道していたが、その記事に偶々親戚の松丸道雄・東大名誉教授の思い出話が掲載されていた。赤レンガの建物とともに象徴的な銅板の赤い屋根は、実は空襲後は鮮やかな緑色だったと語っている。時が経てば、赤は酸化で緑色に変色すると改めて知った。

 さて、今夕は森喜朗元総理後援会「春風会」の忘年会が東京プリンスホテルで開かれた。ギブアウェイに拙著「南太平洋の剛腕投手」を800名の参加者に贈られるので、直接お礼も伝えたくて出席した。隣の宴会場ではオバサマに人気の杉良太郎がディナー・ショーをやっていた。

 やはり忘年会は代議士時代のパーティと同じで、広い会場には後援会の人たちが大勢集まりむんむんするような雰囲気だった。著名人もいなかったせいであろうか、壇上で挨拶する人はいなかった。ひたすら食べて懇親を深めることが目的である。乾杯をプロゴルファーの青木功氏がコミカルな挨拶を交え行った。後は森さんの独壇場で約30分に亘って、オリンピックに賭ける夢を語り出した。昨年9月リオのIOC総会で2020年の東京開催が決まった時の嬉しさは格別だったと話した。た。何でもその時の日本中の喜びようは日露戦争で日本が勝利した時以来だとボルテージが上がった話には恐れ入った。森さんはバッハIOC委員長にオリンピック開催についていくつかの提言をして受け入れてもらえたと自慢話も披露された。政界は去ったが、まだお声のかかる内は、お役に立ちたいと述べられたが今では森さんは日本で最も忙しいおひとりだと思う。

 森さんと長谷川秘書に挨拶をして会場を離れる時、受付の女性から中封筒を手渡された。この中に拙著が入っていると思うと気持ちもそわそわして、心が弾む。後ろにいた方が、中封筒から拙著を取り出し、面白そうな本だなと言っているのを聞いてつい嬉しくなった。手に取った方がどういう読後感を持つだろうか。知り合いに勧めてくれれば有り難い。

 妻は先日の出版記念会を開催したハイアット・リージェンシー東京のディナー・ショーにお気に入りの和服で出かけた。私も当初それに出席予定だったが、森さんの忘年会と重なり行けなかった。しかし、記念すべき忘年会に出席できてそれはそれで大変良かったと思っている。

 今日年賀状550枚を投函した。まだ若干書き残している。

2014年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com