2698.2014年10月2日(木) 代々木ゼミナールが事業規模縮小

 今日ミクロネシア連邦大使館へ出かけ草柳秘書とジョン・フリッツ大使の拙著出版記念会への出席の可能性について率直に話合った。期日は来月10日(月)だが、ミクロネシアのモリ大統領の訪日と重なる可能性が高く、日程が固まっていない現在、出版記念会に出席できるかどうかはまだ分からないということだった。以前大使に尋ねた時にも同じようなことを仰っていた。森喜朗元首相にもご出席いただけるだけに、大使にご出席いただけないとすると拙著のパートナーの最も身近な人がその場におられないことは何とも残念である。

 大統領の訪日予定は3日ごろで、その後名古屋、大阪、高知、福岡を経て9日、つまり出版記念会の前日にグアムへ向かう案だそうである。微妙なタイミングになったが、大使はこの案だと物理的には何とか可能だが、休みをまったく取らないというのもストレスがたまることだろう。運を天に任せて大使のお出ましを待つより仕方がないのかも知れない。

 さて、8月に突然大手予備校、代々木ゼミナールが経営不振から大幅な校舎、及び職員削減に踏み切るというショッキングな話題が報じられた。代々木ゼミと言えば、駿台予備校、河合塾と並んで日本の3大予備校と呼ばれて久しい。かつて勤務していた会社は代々木ゼミの本拠地・代々木にあったので、本部ビルと10年ばかり前に立てた自前のテクノビルのような巨大な高層ビル・キャンパスには威容を感じていた。その威容を見て益々発展著しいと見ていた。ところが代々木ゼミの内情は、そんな楽観視できる懐具合ではなかったようだ。1957年に設立して以来、現役受験生を対象に発展を続けていたが、2000年ごろから低迷し出して、近年は受験界では駿台、河合の2強状態だったようだ。57年と言えば、私が浪人した年で、浪人生が増え続けたきっかけとなった年だった。私は浪人1年目を研数学館で、2年目は自宅で個人的に受験勉強に励んだが、その時すでに60余年の長い歴史と伝統を誇った名門塾の研数学館も今や姿を消した。代々木ゼミは伸び続けて会社の昼休みに喫茶店へ行くと代々木ゼミの講師を務めていた小田実が、よく若い人とコーヒーを飲んでいる姿を目撃したものだった。小田と同じように代々木ゼミ講師を務めた小中陽太郎さんも英語を教えていて、その教え子の中には渡辺喜美・元みんなの党代表や、故中川昭一・元財務相もいたと仰っていた。

 いずれにせよ、代々木ゼミがわが世の春を謳歌したのはほんの束の間だったと言える。全国に27か所もある施設を7か所へ大規模に集約し、40歳以上の職員に早期希望退職を募ると発表した。

 代々木ゼミの衰退は、基本的に浪人生の減少だという。代々木ゼミの強みは中堅私大を狙う浪人だったが、それが減少した。選り好みしなければ、今ではどこかの大学へ入ることができる大学全入時代となった。若者の空気も敢えて浪人の道を歩もうという学生が減った。浪人生の絶対数が減ったのである。他の駿台や河合塾では、浪人してでも合格を目指す難関大学志望者をメーンターゲットにした。この点で代々木ゼミとは勝負が分かれたようだ。

 代々木ゼミ以外でも苦戦を強いられている有名予備校が他にもある。これも対応策は事業縮小である。今や受験界にも食うか食われるかの時代到来である。

 個人的にも受験で苦しんだだけに他人事とは思えず、昔を思うと心情的にどうしても受験ゼミの衰退を黙って見過ごすわけにはいかない。

2014年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2697.2014年10月1日(水) 御嶽山噴火による犠牲者は戦後最多

 御嶽山の火山噴火事故は有毒ガス発生により救出作業が度々中止となっている。好天に恵まれた今日は早朝から警察、消防、自衛隊は総勢1000名の隊員を繰り出して山頂へ向かった。結果として収容者の中から死者が一気に増えて一日だけで35名、計47名となった。これは1991年に発生した雲仙普賢岳噴火による火砕流で43名が亡くなった戦後最多を上回る最悪の事態となった。徐々に当時の様子がはっきりしてきた。ほとんどの犠牲者が石や岩の破片の直撃を受けた即死状態だったようだ。遺族にとっては耐えがたいことだろう。

 海外では、「イスラム国」を主とする中東情勢以外に急激に香港が騒がしくなってきた。市民のデモが激化してきた。今日は中国では国慶節で祝日である。昨夜は花火が夜空を彩るページェントが行われる筈だったが、それも中止となった。原因は、2017年に行われる行政長官選挙に対して、最近になって中国全人代常務委員会が18歳以上の香港住民に選挙権を与えるとの方針を示した一方で、指名委員会が立候補者を制限するなど民主派の立候補を封じ込める仕組みが、住民の怒りに火を点け、抗議運動を激しくさせた。

 学校は休校となり、銀行も大半が閉店した。金融が経済の中心である香港としては、経済にも影響が出てきている。香港市場の株価は前週より1.9%の大幅な値下がりとなった。

 もともと1997年に香港がイギリスから中国に返還された時から、一国2制度は難しいと見られていた。それが現在の習近平政権では自由と民主化の抑圧は想像できた。中国が香港に約束した高度な自由は50年間保障される筈であったし、言論の自由、司法の独立は認められる筈であった。だが、今の中国政府には約束を反故にすることは、ごく普通である。自分たちの思い通りに国を支配するためには、国民の言い分なぞ聞く耳を持たなかった。それが香港住民に対する中国政府の仕打ちである。それにしても中国共産党政権はこういう不条理と理不尽さ、騙し打ちがいつまでも通ると思っているのだろうか。

 さて、ついに東京外国市場で1$が110円にまで円安が進んだ。これは2008年8月のリーマン・ショック以前以来実に6年1カ月ぶりの円安・ドル高水準である。これだけ急激な円安となると当然経済にも影響が表れる。輸出型大企業では好景気を謳歌する一方で、中小企業は物価高に汲々としている。度を超すとあらゆる面でメリットとデメリットが出てくるものだ。安倍首相はメリット面しか見ていないようであるが・・・。

2014年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2696.2014年9月30日(火) 朝日誤報道のお粗末なリカバリー

 福島第一原発事故に関する吉田調書、及び従軍慰安婦報道の誤報について、誤報と認めて記事を取り消した朝日新聞社社長の謝罪会見から朝日に対する批判が相次ぎ、全メディアのみならず、これまでの自民党に対する厳しい姿勢への反発と鬱憤晴らしもあって自民党からも異常な批判に晒されている。

 マスコミの朝日批判は留まるところを知らない。特に朝日に対して厳しいのは、新潮社と文藝春秋新社である。

 9月4日号「週刊新潮」では、トップに「1億国民が報道被害者になった『従軍慰安婦』大誤報!」、同じ9月4日号「週刊文春」は、「朝日新聞『売国のDNA』」がトップにある。更に、18日号になると「週刊新潮」は「驕る朝日は久しからず」と徹底的に追及の手を緩めない。「週刊文春」に至っては「朝日新聞が死んだ日」と手厳しい。更に文春は追及の手を緩めず、「中国共産党に国を売った朝日7人の『戦犯』」とまで締め付けている。

 そして最近の月刊誌の朝日批判、朝日攻撃である。「文藝春秋」10月号は昭和天皇実録がトップであるが、イタリア在住の作家・塩野七生に「『従軍慰安婦』朝日新聞の‘告白’を越えて」として彼女なりの朝日観を書かせている。元々右寄りの「WILL」11月増刊号では、すべて朝日問題だけに絞り、「歴史の偽造!朝日新聞と従軍慰安婦」と追及の手は留まるところを知らず、文藝春秋は朝日をやっつけるための臨時増刊号まで発行し、保守的な識者に「『朝日新聞』は日本に必要か」とまで言わせて徹底的に糾弾させている。とてもすべての記事を読む時間もないくらいである。

 その間朝日は朝日で反省し粛々と検証しているように見える。朝日紙上で紙面審議会なるものを開催して報告をしている。その矢先に昨日朝日朝刊にまたまた妙な朝日内部のお詫びを込めた記事が載った。従軍慰安婦で故吉田清治氏の証言の初校を執筆した元記者が、実は別人だったとするお詫びと訂正記事を掲載した。どうしてこういう好い加減な扱いを天下の朝日がやって、しかも昨日まで気が付かなかったのか不思議でならない。どうして分かったかと言えば、この記事を書いた時この記者は海外にいて記事を書くこと自体が不自然だったということからである。どうしてこの記者は調べれば分かることを黙ってやり過ごし、昨日まで固く沈黙していたのか。実際に記事を書いた記者も記者である。もう朝日は分からないことだらけである。こんな調子では、まだ他にもあるかも知れない。

 そして今日事態は不自然な結果を残してウヤムヤのままひとつの幕を下ろした。この元記者は大阪の帝塚山学院大学教授を務めていたが、今月半ばに大学側に退職を求める脅迫文が送られ、自らに不明を感じていた元記者は自ら辞職して大学を去ることになった。

 朝日の誤報は、一朝日新聞社ばかりでなく、日本国と日本国民、加えて朝日社員にも大きな傷を負わせた。報道とは真実を曲げることなく事実をそのまま伝えることが責務である。それを敢えて真実を曲げ、あまつさえ日本国民に大きな痛みと屈辱を伴う報道をしたことはジャーナリストとして風上にも置けない。

 もうこんな後ろめたい罪悪感の伴うことは絶対止めてもらいたいものである。

2014年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2695.2014年9月29日(月) 憂鬱になる御嶽山の噴火

 御嶽山の噴火に伴うニュースが日本中を暗い気持ちにさせている。今日までに12名が亡くなり、なお心肺停止状態の人が24名もいる。これまでにあまり例のない大きな事故だ。過去に火山爆発による死者はあまり聞いたことがない。かつて学生時代の夏旧軽井沢のアウトドア・アイスクリーム店でアルバイトをしていた時、突然浅間山が噴火して店の中まで灰や小石が降って来た。御嶽山の噴火と異なるのは、浅間はスケールがそれほど大きくなく死者はいなかったことである。

 今朝の日経紙のコラム「春秋」でも活火山、休火山、死火山について分かりやすく説明している。我々が小学校で習ったのは、それぞれに名づけた理由があったが、現在ではそういう区分は廃止されて過去1万年以内に噴火した山はすべて活火山と呼ぶことになったようだ。となると御嶽山はもちろん、休火山と思っていた富士山も活火山である。日本国内には110の活火山があり、最近10年間にいくつか噴火があった御嶽山は当然活火山ということになる。

 山頂には有毒な硫化水素ガスが充満していて救助作業も思うようにいかない。それにしても憂鬱な気持ちにさせる噴火である。

 さて、また日本の政治史上に名を残した政治家が亡くなった。元社民党党首の土井たか子氏である。享年85歳だった。初めて女性として衆議院議長も務められた。節目節目で随分話題になる活動をされた。1969年の総選挙で初当選して社会党の中では中心的な存在となったが、今では社会党が地盤沈下して昔日の面影はまったく無くなった。時代の流れもあるだろうが、党の綱領や戦術・戦略がやはり時代に対応できなかった。国際的に社会主義国家が敗北したという背景も社会党の衰退、そして土井さんの存在感に影響を与えたと言えよう。参議院選で自民党を過半数割れに追い込み「山は動いた」と名セリフを残した時は、偶々テレビを観ていたが得意の絶頂にあった。

 しかし、2005年の衆院選で落選して引退を決めた。口を突いて出る言葉にせよ、そのパフォーマンスにしろ、時代を象徴するセンスを身に着けていた政治家だったと思う。今安倍首相は女性の活用をしきりにアピールしているが、そんなことを言わずとも土井さんは女性として自分の力で国民に訴え、一時は国民を引っ張っていた。周囲のお膳立てで責任だけ負わせても「ダメなものはダメ」、「できないことはできない」ものだ。

2014年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2694.2014年9月28日(日) 血液検査の結果はまずまず

 一昨日通いつけの松本整形外科で、2週間前に受けた血液検査・CRP検査の数値結果を教えてもらった。0.3以下が正常値ということでこの7年間ほどその数値まで下げることに苦心惨憺してきたが、ついに0.15というMVP的数値を得ることができた。これまでも0.3以下に下がったことは3度ばかりあるが、すぐ元の木阿弥で0.3を超えて、時には反動のように大きく数値が上がったことがある。今回医師から今までとは違ってバランスも良いと太鼓判を押してもらったのは、他の検査項目もすべて正常値だったからである。因みに松本医院で6月に調べてもらった時は、CRPは0.36でやや高い程度だったが、無機リンとヘモグロビン量が正常値より低かったし、3月にCRPが正常値の0.18を記録した時は、中性脂肪がやや高めだった。その点で今回はすべて正常で検査をクリアすることができた。次回もこの0.3以下を得ることができれば、CRPの検査は卒業ということになるだろうか。ほっとする結果だった。

 というわけで、今日は天気も良いし、初めて旧「旅行博覧会」通称「旅博」、改め「ツーリズムEXPOジャパン2014」へ出かけた。先日ベオグラードの山崎洋さんからセルビアの展示ブースが開かれていて、彼が翻訳したガイドブック、世界遺産「ヴィンキ・デチャニ修道院」が展示・販売されるとの連絡があった。会場は東京ビッグサイトで、旅行博らしく各国の展示、ホテル、旅行会社、観光局等々のブースが大きな建物内にひしめき合っていた。何とかセルビアのブースを見つけ係員に話してみた。中々珍しくセルビア人の気持ちの籠った手織の民芸品などを販売していた。

 この旅博はショー的に結構楽しめる趣向が凝らされているので、孫たちを連れて行ったら面白いかも知れない。初めてふらっと訪れたのだが、印象は良かった。来年は妻か孫と楽しんでみたいと思っている。

2014年9月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2693.2014年9月27日(土) 3000m級の御嶽山が大噴火

 半年間放映されていたNHKの朝ドラ「花子とアン」が今日最終回を迎えた。毎回視聴率は20数%を獲得したヒット企画で、実際毎朝楽しみに観ていた。今までの朝ドラとは異なり若干個人的な興味があった。それは、原作「赤毛のアン」の舞台であるカナダのプリンス・エドワード島のキャベンデイッシュを訪れたことがあり、郷愁を覚えたからでもある。残念ながらドラマでは土地のムードは出ていなかった。

 また、ヒロインのひとり、華族の出身である柳原白蓮の生き方が当時の常識や風潮から遊離してその波瀾万丈な生き方に興味があったからであり、またサラリーマン時代の元上司が白蓮の曾姪孫(ソウテッソン)だったからである。またかつてはお互いの自宅が近かったせいで元上司の奥様に妹がピアノを習っていたというプライベートな関係もあった。

 白蓮が世間を騒がせ駆け落ちまでして一途な恋心を貫き、ともに世帯を持った宮崎龍介の父親が、蒋介石を支援していたあの宮崎滔天だったという意外性のあるドラマ性は興味深かった。元上司も華族の出身で学習院を出られた。元上司はこの数年健康を害していたと後になって聞いたが、この朝ドラを観ることもなく、昨秋彼岸へ旅立たれた。もしご存命でこのドラマをご覧になったらどんな感想を持たれただろうか。

 生前一度会ってゆっくり話をしたいと電話をいただきながら、会社を辞めてからついに会って話をすることは一度もなかった。思い返せば、華族育ちの元上司とは、仕事上で意見が合わないことが度々あった。それもドラマを観ていると思い出されて懐かしい気になる。今更ながら思うのだが、一度会ってじっくり話をしておけば良かったと思っても、すでに時遅しである。決心をすることと思い立ったらやってみることがいかに大事なことであるかを思い知らされたような気がする。

 さて、今日驚くようなニュースがあった。3000m超の高峰・御嶽山が突然噴火したのだ。これまで御嶽山に噴火の話は聞かなかった。1人が死亡し、30数人が大けがをして、その内十数人が意識不明だという。降灰の中を下山した登山者の衣服には、火山灰がずんと積もっている。夜になっても噴煙が止む気配がなく、明朝には周辺には降灰の可能性があるという。

 学生時代アルペンクラブに所属して日本アルプスの3000mを超える高峰にはほとんど登ったが、御嶽山には登る機会がなかった。それでも北アルプスを縦走していると独立峰の御嶽山の超然とした山容が目に入って来たものだ。噴火の予兆なぞはまったく感じられず、その御嶽山が休火山であるとは思いもよらなかった。

 日本の国土の中央部辺りに火山があるとなると、日本の高山はほとんど火山であると考えた方がよい。国土はほぼ火山の上に存在するということになる。そうなると今原発再稼働問題が取り沙汰されているが、さらに慎重な検討がなされる必要がある。先般ほぼゴーサインが出された、鹿児島県川内原発の再稼働について、桜島や霧島火山の爆発を軽視していたようだが、もう一度検証してみた方が良いのではないだろうか。

2014年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2692.2014年9月26日(金) 「イスラム国」対応で利己的思惑

 「イスラム国」に対する非難がにわかに高まっている。その最たる原因は、彼らが残忍な人質殺害の手口を世界中にテレビで流したからである。「イスラム国」がアメリカ、イギリス、フランス人たちを生贄にしたことで、国連の場でも「イスラム国」を締め付け、壊滅させるべきだと安保理事会が首脳級会合で具体的な措置を各国に求める決議を採択した。その内容は、「イスラム国」の過激思想に感化された若者がジハード戦士として訓練を受けた後に自国に戻ったりすることを取り締まるよう各国に要請し、資金の移動も制限できるような法律の整備を義務付けた。

 実際シリアやイラクの過激派には、イギリスから500人、フランスから1000人、ドイツから400人以上を含む80カ国以上の国々から1万5千人以上の若者が加勢している。

 国連の場を離れてもニューヨーク市内のホテルで主要先進7カ国(G7)とEUの外相会議が開かれ、危機感を共有し、「イスラム国」を弱体化させ、壊滅させる長期的な取り組みを支持すると明確に示し、米軍と有志連合による空爆を高く評価した。

 アメリカを中心に欧米諸国のみならず、中東でも驚くほど「イスラム国」憎しの感情が高まり、同盟関係や思想を凌駕して、これまでには考えられない同盟的な約束や相互理解を示す様子がここ数日の間に顕著に見られるようになった。

 中でも最も奇妙な現象は、アメリカがあれほどシリアのアサド政権打倒を画策し、一時シリアの反政府テロ集団を応援していたが、ここへ来て逆にシリア政権に対して「イスラム国」と結び付いているテロリスト集団を壊滅させるためにシリア北西部への空爆許可を申し出たところ、あっさりシリア政府が容認してアメリカと中東5カ国がシリア国内の北西部を空爆したことである。

 もうひとつここへ来て態度を豹変させたのは中国である。

 国連安保理事会で決議を採択した背景には、従来なら中国やロシアの反対で日の目を見なかったが、両国ともに欧米に同調したのは、それぞれ家庭の事情があった。

 とりわけ中国はシリアやイラク国内のイスラム過激派集団に対する攻撃に反対していたが、自国内にも不発爆弾を抱えて、メンツにばかり拘ってはいられなくなりご都合主義を通すことになった。中国にしても少数民族、特にウィグル族が中国政府の手の届かないところで、自在に活動され、テロを起こされては困る。ウィグル族が関わるテロが特発する中国は、思案の末安保理事決議を支持することを表明した。

 これが中国のウィグル族弾圧の口実となり、中国は自分たちの判断が国際世論に支持されていると見当違いに受け取られても困る。

2014年9月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2691.2014年9月25日(木) 池井優慶大名誉教授、 「週刊読書人」に拙著の書評

 先日同じJAPAN NOW観光情報協会会員で元朝日新聞経済部記者の阿部和義さんから、病院で定期検査のため11月の出版記念会に出席できないので、ランチをともにしながら話をしたいと親切な電話をいただいた。

 お言葉に甘えて有楽町の電気ビル内の外国人特派員協会内レストランでご馳走になりながら、拙著についていろいろ感想や疑問に感じた点を聞かせてもらった。文章の表現方に対する疑問や、拙著では私自身が第4の主人公となっているが、三人称ではなく一人称で表記した方が良かったのではないかとの質問を受けた。だが、一人称だと制約があることや、すべての人に敬称をつけて表現する不自由さなどの点で難しいと伝えた。

 それぞれの高校時代にお互いにラグビーをプレイしていたので、打てば響くように何となく意思疎通が早い。湘南高ラグビー部仲間の大島君の実弟が、阿部さんの東大ラグビー部の友人という関係もあるので、気軽に話し合えるという点がある。近々発行される阿部さんの所属する業界紙に、阿部さんは私の人物像を書いたと言っていたが、果たしてどんな書き方をされたのか興味がある。

 帰ってから受信メールを見てみたら、現代書館から拙著「南太平洋の剛腕投手」に関する書評が明日発行の「週刊読書人」に掲載されるとメッセージが伝えられ、最終原稿が添付されていた。

 全五段も使ったかなりのスペースに大分好意的にシナリオと率直な感想を書いてくれている。先日佐々木信也さんにお会いした時、佐々木さんと親しい池井優・慶大名誉教授が拙著に興味を持たれ、どこかに書評を書きたいと仰っていたということを思い出した。早速佐々木さんに電話してみたが、佐々木さんは「週刊読書人」についてはご存じなかったが、喜んでいただいた。新聞は入手して佐々木さんへも郵送すると約束したところだ。

 アメリカ大リーグ野球通の池井教授による大変お褒めの言葉がちりばめられた書評では、「~謎に包まれた部分も多いが、著者は関係者へのインタビューなどを通じて、日系ミクロネシアの生んだ元プロ野球選手激動の人生を描いた。こうして、ノンフィクションの傑作が生まれた」と結んでくれている。有り難い言葉で、すっかり有頂天となり好い気分である。

 発行元に電話して、早速50部注文した。

2014年9月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2690.2014年9月24日(水) 温室効果ガス排出削減目標を打ち出せるか。

 今朝は晴れていたが、午後駒澤大学講座に出席していた間に大降りとなり、台風16号に次いで温帯性低気圧が訪れる雲行きで上空は完全に雨模様である。台風16号が広島市安佐南区を襲った豪雨で多くの被害を出し、74名の方が尊い命を落とされた。それに追い打ちをかけるように、今日も遅くなってまたまた降雨である。最近の豪雨は日本ばかりでなく、フィリピン、台湾、中国沿海部、韓国にも同じように大きな被害をもたらせている。

 近年の豪雨、中でも今年の異常気象は例年にはないものだが、明らかに地球温暖化の影響によるものだ。この時期に潘基文・国連事務総長の呼びかけで各国120人もの首脳が集まり、国連総会開催を前に、国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)が国連本部で開かれた。安倍首相も出席し、各国首脳が京都議定書に続く国際的な枠組み、とりわけ温室効果ガスの削減策などについて意見を交換した。この中で注目されるのは、世界の2大温暖化ガス排出国であるアメリカと中国が総排出量を削減することに対して、漸く前向きの考え方に転じたことである。

 1997年の京都議定書では温暖化ガスの削減義務を負わなかったアメリカと中国が、新枠組みではともに積極的にガス排出を抑制すると言明し出したのである。

 オバマ大統領は、我々は世界の2大経済、排出国として取り組みを主導する特別な責任があると中国へ呼びかけ、中国はこれまで経済成長を優先するあまり、排出量の削減目標をGDP比例としてきた消極姿勢を転換し、総排出量を削減へ向けて努力すると述べた。中国も漸く国際社会へ迷惑をかけていることに気を配りだしたようだ。

 米中ともに総排出量の削減目標を策定する可能性を示唆した。これまで温暖化ガスの排出削減に後ろ向きだった米中両国が方針を反転し、排出削減に積極的な姿勢を打ち出したのは、最終段階で新枠組みの国際交渉を有利に進める狙いと思惑があるとも見られる。これに対して原発の再稼働が遅れている日本は、削減目標の提示時期などを示せていない。

 いくら原発再稼働がからんでいるとは言え、前回京都で議定書をまとめた議長国だった日本が、地球温暖化に資するような後退を印象づける態度だけは行うべきではない。

2014年9月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2689.2014年9月23日(火) 「イスラム国」の危険な動き

 世界的に物騒で油断のならない時代になったものである。シリア国内の「イスラム国」勢力地域に対してアメリカは、中東5カ国の支援を得てついに空爆に踏み切った。同じような空爆はイラクでは1カ月前に始まっている。どうも今ひとつはっきりしない「イスラム国」の存在と実態だが、地域的にはシリアとイラクの国境線を乗り越えて一方的に国家を建設したことを国際社会に向けてアピールしている。このアメリカのシリア攻撃に対して、「イスラム国」も残忍なリベンジを指令した。アメリカとその連合国である、フランス、カナダ、オーストラリアなどの市民を殺害しろと考えも及ばないことを言いだしたのである。

 シリア攻撃に対してロシアとイランは反対していた。だが、これまでやや及び腰だったアメリカは、自国民が公衆の面前で殺戮された「イスラム国」の非業な仕業に復讐するかのように、慎重にして思い切った行動に打って出た。これで報復合戦になり、地域の戦いが拡大し、仕返しが繰り返されるだろう。

 振り返ってみてかつてのベトナム戦争時の殺し合いよりも陰険で、残虐である。嫌な時代になったものである。

 今日はもうひとつ好ましくないニュースを耳にした。中国の少数民族・ウィグル族出身で中国政府の少数民族に対する弾圧に抗議していた、民族学者イリハム・トフテイ氏に対して無期懲役、かつ全財産没収という厳しい判決が下された。トフティ氏はウィグル族のために民主化活動を行っているが、新疆ウィグル自治区の中国からの独立を主張しているわけではなく、ウィグル族の人々にもっと民族の自由を与えよと言っているに過ぎないのだ。トフテイ氏は当然ながらこの判決文に対してすべて否認している。

 この非人道的な判決に対してアメリカは、単に政府に対して批判的な言動をしただけで、国家分裂を図ったと重罪判決を下したことを非難している。元々共産国家中国には言論の自由はないが、気に入らない反政府的な発言をする人物には中国政府は有無を言わせずしょっ引いて、厳罰で処する。

 これでは他国の民主化や、自由について真っ当な意見を述べる資格はないのではないか。

2014年9月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com