今朝は晴れていたが、午後駒澤大学講座に出席していた間に大降りとなり、台風16号に次いで温帯性低気圧が訪れる雲行きで上空は完全に雨模様である。台風16号が広島市安佐南区を襲った豪雨で多くの被害を出し、74名の方が尊い命を落とされた。それに追い打ちをかけるように、今日も遅くなってまたまた降雨である。最近の豪雨は日本ばかりでなく、フィリピン、台湾、中国沿海部、韓国にも同じように大きな被害をもたらせている。
近年の豪雨、中でも今年の異常気象は例年にはないものだが、明らかに地球温暖化の影響によるものだ。この時期に潘基文・国連事務総長の呼びかけで各国120人もの首脳が集まり、国連総会開催を前に、国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)が国連本部で開かれた。安倍首相も出席し、各国首脳が京都議定書に続く国際的な枠組み、とりわけ温室効果ガスの削減策などについて意見を交換した。この中で注目されるのは、世界の2大温暖化ガス排出国であるアメリカと中国が総排出量を削減することに対して、漸く前向きの考え方に転じたことである。
1997年の京都議定書では温暖化ガスの削減義務を負わなかったアメリカと中国が、新枠組みではともに積極的にガス排出を抑制すると言明し出したのである。
オバマ大統領は、我々は世界の2大経済、排出国として取り組みを主導する特別な責任があると中国へ呼びかけ、中国はこれまで経済成長を優先するあまり、排出量の削減目標をGDP比例としてきた消極姿勢を転換し、総排出量を削減へ向けて努力すると述べた。中国も漸く国際社会へ迷惑をかけていることに気を配りだしたようだ。
米中ともに総排出量の削減目標を策定する可能性を示唆した。これまで温暖化ガスの排出削減に後ろ向きだった米中両国が方針を反転し、排出削減に積極的な姿勢を打ち出したのは、最終段階で新枠組みの国際交渉を有利に進める狙いと思惑があるとも見られる。これに対して原発の再稼働が遅れている日本は、削減目標の提示時期などを示せていない。
いくら原発再稼働がからんでいるとは言え、前回京都で議定書をまとめた議長国だった日本が、地球温暖化に資するような後退を印象づける態度だけは行うべきではない。