御嶽山の噴火に伴うニュースが日本中を暗い気持ちにさせている。今日までに12名が亡くなり、なお心肺停止状態の人が24名もいる。これまでにあまり例のない大きな事故だ。過去に火山爆発による死者はあまり聞いたことがない。かつて学生時代の夏旧軽井沢のアウトドア・アイスクリーム店でアルバイトをしていた時、突然浅間山が噴火して店の中まで灰や小石が降って来た。御嶽山の噴火と異なるのは、浅間はスケールがそれほど大きくなく死者はいなかったことである。
今朝の日経紙のコラム「春秋」でも活火山、休火山、死火山について分かりやすく説明している。我々が小学校で習ったのは、それぞれに名づけた理由があったが、現在ではそういう区分は廃止されて過去1万年以内に噴火した山はすべて活火山と呼ぶことになったようだ。となると御嶽山はもちろん、休火山と思っていた富士山も活火山である。日本国内には110の活火山があり、最近10年間にいくつか噴火があった御嶽山は当然活火山ということになる。
山頂には有毒な硫化水素ガスが充満していて救助作業も思うようにいかない。それにしても憂鬱な気持ちにさせる噴火である。
さて、また日本の政治史上に名を残した政治家が亡くなった。元社民党党首の土井たか子氏である。享年85歳だった。初めて女性として衆議院議長も務められた。節目節目で随分話題になる活動をされた。1969年の総選挙で初当選して社会党の中では中心的な存在となったが、今では社会党が地盤沈下して昔日の面影はまったく無くなった。時代の流れもあるだろうが、党の綱領や戦術・戦略がやはり時代に対応できなかった。国際的に社会主義国家が敗北したという背景も社会党の衰退、そして土井さんの存在感に影響を与えたと言えよう。参議院選で自民党を過半数割れに追い込み「山は動いた」と名セリフを残した時は、偶々テレビを観ていたが得意の絶頂にあった。
しかし、2005年の衆院選で落選して引退を決めた。口を突いて出る言葉にせよ、そのパフォーマンスにしろ、時代を象徴するセンスを身に着けていた政治家だったと思う。今安倍首相は女性の活用をしきりにアピールしているが、そんなことを言わずとも土井さんは女性として自分の力で国民に訴え、一時は国民を引っ張っていた。周囲のお膳立てで責任だけ負わせても「ダメなものはダメ」、「できないことはできない」ものだ。