2342.2013年10月11日(金) 高齢者運転免許証更新手続きについて

 先日警視庁運転免許本部から運転免許更新を知らせる葉書が届いた。21歳の時に初めて免許証を取ったので、運転歴は半世紀以上になる。来月75歳の誕生日を以って有効期限が切れるので、その更新手続きの案内である。車の運転は年齢とともに運動神経が劣化するので、いつまで運転できるか分らないが、今のところ運転に支障を来たすような健康状態ではないので、まだしばらくは運転をし続けていこうと考えている。

 ついてはその免許証の書き換えだが、70歳を区切りにそれ以上の高齢者については更新条件が段々厳しくなっている。それまでの普通の更新手続きの他に、「高齢者講習」を受けなければならなくなった。前回の書き換え、つまり71歳の時初めて「高齢者講習」を受けたが、今年はそれから4年絶っている。今度は75歳になるので、もう1ランク上の高齢者検査を受けることになった。「講習予備検査」と称するもので、「認知度の検査」と書かれている。認知症がわがリーチに入ってくる年齢になったということである。今後この有効期間が3年となり、2年となり、徐々に年寄りに面倒くさい、またかと思わせて、免許証の交付を受けるのを辞退させようという腹ではないかと勘ぐりたくなる。

 「講習予備検査」修了書を得てから一般の若い人と同じ免許更新の申請をすることになる。そこで、早い方が良いと思って、検査を行っている自動車教習所に予約を申し込んだところ、これが混んでいて中々予約を取れない。制度ばかり先行して備えをしていない典型である。世田谷区内の指定の2カ所の教習所ではまったく2カ月間予約できず、止むを得ず世田谷警察署の担当者に相談して、多摩市の東急自動車教習所を紹介してもらってやっとそこで予約することができた。

 結局高齢者に免許証を書き換えることが面倒だと思わせ、かつ高齢者に金を使わせるような制度ではないかとつい邪推したくなる。普通の更新手続き料金は2500円である。だが、「高齢者予備検査」のための費用はさらに6000円も余計にかかる。ちょっと高過ぎやしないか。これにより冒頭述べたように年寄りが免許の更新を自ら諦めるように仕向けて、結果的に事故を減らそうと考え出されたのが現状なのではないかと思わざるを得ない。

 高齢者をどんどん社会の除け者にしていくかのような制度、対応が、果たして福祉社会国家なのだろうか。ついひがみっぽく、そんなことを思った運転免許証更新手続きのドタバタだった。

2013年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2341.2013年10月10日(木) イェレン氏のFRB議長就任で愁眉が開けるか。

 このところ下がり続けていた株価が昨日、今日と上昇に転じた。どうもアメリカの株式市場で思惑がからんだ期待感から株が買われたらしい。その思惑とは、オバマ大統領がアメリカ連邦準備理事会(FRB)次期議長にジャネット・イェレン副議長の昇格就任を決めたことである。イェレン氏は雇用回復を重視し、金融緩和に積極的なハト派とされ、伝統的な枠組みに捉われず金融政策を運営する立場を取る。バーナンキ議長が緩和縮小に言及したのをきっかけにリスク回避の動きが望まれる中で、市場関係者から圧倒的な支持があるイェレン氏の考え方が決め手となったようだ。イェレン氏はFRB史上初めての女性議長である。夫はノーベル経済学賞を授賞されたそうだから、夫妻揃って経済学者である。オバマ政権もこのところ不安視されている財政問題や、金利の上昇圧力にさらされているアメリカ経済の混乱を何とか回避しようと考えたと見られている。

 いまアメリカは2つの問題を抱え込んでいる。今年度の暫定予算が議会を通過せず多くの国の施設で機能が麻痺していることと、債務上限の引き上げを目の前にデフォルトの危機が迫っていることである。特に後者は17日が期限で今や秒読みの段階に入った。これによっては株式相場のブレが大きくなる。新議長には何とか早く突破口を開いてもらいたいものである。

 さて、今朝の日経紙一面の「春秋」欄に4日に亡くなられたベトナムのボー・グエン・ザップ将軍を惜しむ話題が載っていた。「20世紀を象徴する人物がまた1人、この世を去った。そんな感慨を抱いた人もいるのではなかろうか~」と追憶するコメントの書き出しである。そんな感慨を抱いたひとりとして私自身ベトナム戦争を回想していた。私がベトナムを訪れたのは1967年1月で、国中に実弾が飛び交う中で国民はぴりぴりしていた。私がサイゴンを発ってまもなくタンソンニュット空港がベトコンに爆撃され、その2週間後に空港は閉鎖された。その翌年1月戦争の最大の転機となったテト攻勢が起き、戦争は激化していった中で75年に首都サイゴンが陥落しベトナム戦争は終わった。

 特にザップ将軍の働きぶりとして有名なのは、ベトナム戦争でアメリカ軍を破ったこともさることながら、54年にディエンビエンフーの戦いでベトナム軍を指揮して当時の宗主国フランスを激戦の末に破り独立を勝ち取ったことである。この後フランスは停戦協定を締結したマンデス・フランス首相が退いて転換期を迎え、アルジェリア帰りのド・ゴール将軍が大統領となって第5共和制となった。

 ザップ将軍の戦略が「小が大を降す」結果となった。ディエンビエンフーの戦い、サイゴン陥落、ともにいずれも強く印象に残っている。20世紀の傑物である。

2013年10月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2340.2013年10月9日(水) 鉄道事業の難しいところ

 ふるさとテレビ恒例の月例セミナーが開かれた。今月はいつもの憲政記念館ではなく、衆議院第一議員会館地下会議室に場所を代えて行われた。八王子の近藤幸一さんがよくご存知の石原進・JR九州会長がスピーカーであり、近藤さんをお誘いして出かけた。大きな会議室に約160名の出席者がおられた。先日味噌をつけた「ななつ星」運行前のテストランで何本かの電柱と接触するお粗末な事件を起こしたが、さりげなく話を逸らしたのは、したたかな話術の為せる技であろう。

 国鉄分割民営化の歴史にさらっと触れ、その後JR九州の発展の様子と度々投入する新しいタイプの列車について説明された。聞いていて随分考えさせられた。

 1964年日本で東京オリンピック景気に沸いていた時、東海道新幹線が初めて運行された。その一方で旧国鉄はこの年初めて赤字決算に転落した。76年以降は国から毎年6千億円の補助金をいただきながら、1兆円の赤字を出していたという。驚いたのは、民営化がスタートした時、国鉄の長期債務額は25.4兆円に達していたということである。そして87年国鉄分割民営化によりJR九州が発足していた。

 民営化により地域に合った経営を行ったJR各社であるが、東日本、東海、西日本のように最初から採算が望める会社以外は、収益を上げるために苦心したようだ。漸くJR九州は平成24年度連結決算で120億円の営業利益を上げられるところまでこぎつけた。だが、それでも本業の鉄道業では相変わらず110億円の赤字で、それをリカヴァーしたのが、付帯事業収入だそうだ。鉄道業は儲からないのだ。そこで手を抜く不届き者が出てくるわけだ。JR北海道の醜態はまさに構造的な不況がもたらしたものだと言えよう。JR九州は今36社を有するグループ会社となっている。鉄道会社でありながら、鉄道以外の営業に尽力することはきっと不本意に違いない。しかし、企業として生きていくためには本意でなくてもそうせざるをえない。派手な新型豪華列車が脚光を浴びる中で、企業が発展するための真の営業形態をどうやって構築していくのか難しいところだ。

2013年10月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2339.2013年10月8日(火) 最近奇妙な事件が多い。

 最近あまりぱっとしない事件や騒ぎが多すぎる。昨日京都地裁でヘイトスピーチの民事的責任を問う判決が出された。これは近年韓国内で目に余る反日的な行為が目立つようになってから、逆に日本国内で在日韓国人を対象にする激しい在日韓国人排斥を訴える一部の市民運動がエスカレートした現象に対する法の判断が示された。

 しかし、あまりに過激な言論による排斥運動に対して、その是非を判断するのは難しい点もある。どこまでが差別にかかわるのか微妙である。一方で言論の自由を束縛する恐れもある。その境界は難しい。それでも今回問題になった京都朝鮮学校周辺のヘイトスピーチは、在日朝鮮人の子どもたちに対するいじめにつながるものであり、裁判所により差別と断定されたことで多少騒ぎは静まると見られている。こういう他民族に対するいじめは、自民族に対する他民族による嫌がらせや、差別があることが原因である。その意味では、韓国による反日運動も日本政府が今のままでは解決の期待は持てず、当事者を云々するよりもう少し全体的に政府が反日問題に関してどう対応すべきか考える必要があると思う。中国における反日問題も同様である。

 今朝の朝日に暴露されたトップ記事は、「東電5億円寄付 幻の美術館」と題して、東電がロシア・サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館の分館を福島県内に建てる計画があり手付金として東電が支払った投資額が問題になっている。驚いたことにこれだけの大金が今やどこへ消えたのか分らなくなっている。金額が大きい割には、出資者は随分鷹揚で取り返す気がないようだ。元はと言えば、これも利用者の電気料金である。なんとまぁ気前の良いことか。

 トラブル続きのJR北海道がまたディーゼル車がATSなどの自動列車停止装置が作動しないまま営業運転をしていたことが判明した。またか?しっかりしろと言いたい。そうしたら、兄弟会社のJR九州が鳴り物入りで運行しようと計画している自慢の豪華寝台列車「ななつ星」が、会社の違反放置で試運転中に電柱にぶつかり、傷だらけになった。今までの電車に比べて、車幅が広がり、電柱にぶつかったとあるが、この電柱が管内75カ所で社内規則に反して線路近くに立てられていたことが原因だという。車幅を拡げれば、電柱にぶつかることぐらい子どもでも分りそうなものだが、それを検査もせず、走らせるとはどういう神経の持ち主だろう。この「ななつ星」は営業開始前にすでに予約が一杯だが、それに味を占めた会社側は、開業前にこの値上げを考えているというから、「安全より金」の亡者であることを世にPRしたようなものである。

 JRは新幹線などで受けに入っているようだが、本質は国営企業だった国鉄を大赤字で倒産させた職員の継承者であることを忘れるわけにはいかない。もっと謙虚に乗客の安全第一をモットーに真摯な経営に邁進してもらいたいものである。

2013年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2338.2013年10月7日(月) 古代ギリシャ文学の碩学、故呉茂一先生の業績

 やはりアメリカの今年度暫定予算案が通過しないことにより大きな影響が表れている。議会では先週末の休みを返上して与野党が話し合いをしたようだが、未だ解決の見通しが立たず、株式市場では株価が値下がりするばかりである。日本の東京証券市場にもその影響が顕著に表れ、このところ連日日経平均株価が下がりっ放しである。自他ともに世界のリーダーと認めるアメリカらしからぬもたつきには、アメリカ市民からも厳しい批判の声が上がり、われわれにとっても些かうんざりである。

 さて、昨日台湾・高雄の大学の先生、泰田伊知朗氏から不意にメールをいただいた。2~3年前に氏が研究している古代ギリシャ文学の碩学、呉茂一先生について研究資料を調査したいので、呉先生の子息である忠士さんを紹介して欲しいとのお願いがあった。泰田氏は研究者であり、決して怪しげな人ではないと思い、高校の同級生・忠士さんにメールで連絡を取り、仲介してあげた。その後泰田氏は忠士さんに会い、呉先生に関係する資料を見せてもらい、論文を書き上げた。その論文をPDFで送信してくれた。それほど長文のものではないが、専門的で中々興味深い論文である。

 論文を読むと呉先生の研究成果とその奥深さ、そして人間関係の大きさがよく分る。呉先生はその当時まだ一般的ではなかった古代ギリシャ文学を専攻されたが、弟子のひとりに小田実がいる。小田は東大生当時辻堂の呉邸にも出入りしたそうで、まだ若いころ忠士さんも会ったことがあると言っていた。多くの著名な先輩、同僚、友人、弟子との交流にも触れている。有島武郎や斉藤茂吉との交流と友情は初めて知った。それにしても、親戚中が医者ばかりの環境の中で折角入学した東大医学部を中途で辞め、文学部に転部した大胆さ、思い切りの良さ、そしてそれが間違っていなかったことに感動というより爽快感を感じる。やはり何でもできる人は、何をやっても成功するんだなぁと感心した。何が文学への関心を呼び、特に古代ギリシャ文学という特殊なジャンルにターゲットを絞ったのか、興味を覚える。呉先生にはあまり旅行に興味があったようには思えず、古代ギリシャ人の生き方、哲学的な考えに興味を持たれたのではないかと考えている。

2013年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2337.2013年10月6日(日) プロ野球界で気になること

 プロ野球今シーズンの結果が大体はっきりしてきた。セ・リーグでは巨人の優勝が決まり、2位阪神、3位広島の順位も決まった。個人記録では何といってもヤクルト・スワローズのバレンティン選手の60号本塁打が華々しい。王貞治選手の55本を一気に抜き去った。

 ただ、チーム成績の中で3位広島の勝率5割以下の成績がどうもすっきりしない。広島はクライマックス・シリーズ進出が決まり、2位阪神と戦って勝てば優勝チームの巨人と戦い、巨人に勝てば日本シリーズへ進出できる。その広島は今日ヤクルトと最終戦を行った。結果は広島が敗れ最終的に69勝72敗1分となった。6チーム中3位とは言え、ペナント・レースでは負け越しが決定した。これは、シーズンで半分も勝てなかったチームがAクラスということである。このチームが、阪神に勝ち、巨人に勝ち、日本シリーズで仮にパ・リーグの覇者・東北楽天イーグルスに勝ったら一応日本一のチームということになるが、ペナント・レースで全試合の半分も勝てないチームが日本一と聞いて何だか違和感を感じないだろうか。その場合広島に日本チャンピォンの資格ありやなしや。

 今シーズンを最後に引退する選手も多いが、昨日3人の個性的な名選手が引退記念試合に出場した。落合選手やイチロー選手らから天才と呼ばれた広島の前田智徳選手、ヤクルト一筋攻守に活躍した宮本慎也選手、40歳近くなってもホームランを打ち続けていたかつてのホームラン王・中日の山崎武司選手、である。それぞれファンから惜しまれてグランドを去ることができるのは以って瞑すべしであろうか。段々個性的な選手が少なくなってきた。これも時代の流れだろう。

 さて、ひとつ選手の引退後のあり方について疑問を呈したい。数日前2017年WBC日本代表チーム(侍ジャパン)の監督に、昨年引退した小久保裕紀氏が内定した。まだ若く、つい最近まで現役で活躍していたので、選手時代の試合勘がかなり役立つだろうと期待されている。そして、人柄が信頼できるということが多くの人から語られている。確かに話ぶりを見ていると腰が低く性格は良さそうに見える。多分普段はこんなイメージ通り人格的には問題ないのだろう。

 私が気にしているのは、小久保氏の野球以外の黒い部分である。いまから10年くらい前の現役時代に悪質な脱税事件を起こしている。所轄の税務署から追求され、本人が認めているので間違いない。更にその時他の数人の選手にも脱税指南をして彼らにも脱税行為を行わせ、脱税額と重加算税を納めさせている。野球とは無関係と思う人にはこれは過去のことで罪は償ったから許されるとか、罰は既に受けたので今更改めて追求する必要はないという考えがあるかも知れない。

 しかし、チームの采配を振るう監督、それも日本代表の監督としては人格的に問題だと思う。反省すれば、何でも許されるというのとはことの本質が違うと思う。過去に彼がやったことは反社会的行為で重罪である。それに目をつぶり、桧舞台に上げて多くの選手を指揮させるというのは、私はあまりにも問題が多いと思う。

 つい最近は「飛ぶボール」不祥事件により、コミッショナーの退任問題に発展した。プロ野球界はもっと目配りをしてしっかり管理しないとファンはどんどん離れていくのではないかと心配である。

2013年10月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2336.2013年10月5日(土) ベトナムの英雄、ザップ将軍102歳で逝く。

 8月26日の本ブログにベトナムの英雄・ボー・グエン・ザップ将軍が102歳の誕生日を迎えたことに驚き感動し、その時の印象を「ベトナム戦争、いまや遠くになりにけり」と書いたところだが、そのザップ将軍が昨日亡くなられた。あれから1ヶ月余りしか経っていないが、やはりお年のせいで大分弱っておられたようだ。それにしても北ベトナム軍を指揮して、ついにベトナム戦争でアメリカを破り南北ベトナム統一を勝ち取った軍指揮官として、ホー・チ・ミン大統領、パリ和平会議代表だったグエン・チ・ビン女史と並んで印象に残っている人物である。最早南にも北にもベトナム戦争当時の、名のあるベトナム人はいなくなってしまった。いま改めて「ベトナム戦争、いまや遠くになりにけり」を感じる。

 中国やソ連の支援を受け、アメリカと戦って勝利をもぎ取ったのだから、軍人、智謀家としてその実力は言うまでもない。その中国とは一部に国境を接していることもあってベトナム戦争中は中国共産党人民解放軍から力強い支援を受けたことから、中国に対する感謝の気持ちが強かった。

 それがいまではどうだろう。中国海軍の領海侵犯は南シナ海のベトナム領海域にまで進出して両国の間にはただならぬ険悪な空気が流れている。この事態を将軍はどう思っていただろうか。胸中を尋ねてみたかった。

 さて、アメリカではオバマ政権が提出したオバマケアと呼ばれる医療保険制度改革延期を含む暫定予算案が議会で否決され、予算執行が停止されたことに話題が持ちきりである。国家公務員の多くが仕事に従事できず、国立の各施設が機能不全の状態に陥っている。どうしてこういうことが起きるのだろうか。ニューヨーク株式相場も大幅に下がり、世界経済に大きな影響を与えている。その影響はドルの価値を下げ、円高相場へ誘導し、輸出企業にとっては大打撃である。この先新たに債務上限引き上げが承認されなければ債務不履行(デフォルト)の可能性もある。

 この「アメリカは決められない」事態に国民から不満が噴出し、対応に負われてオバマ大統領は予定していたアジア歴訪を取り止めることを決断した。今回の大統領のアジア訪問は従来の訪問とは異なり、特別な意味を持つものだった。ひとつには、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席であり、アジア重視を訴えたアメリカがアジア首脳出席の場でリーダーシップを行使することを期待された。

 しかし、その期待は見事に裏切られ、逆に中国が習近平主席、李克強首相が出席して存在感をアピールする。この結果アメリカのアジア重視政策が、アジアの国々にどのように映るか。

 もう一つは年内妥結を目指す環太平洋経済連携協定(TPP)でオバマ大統領が議長を務めることになっていたにも拘わらず、それを自ら放棄したことである。議長不在となったTPPにとっては大きな打撃である。これでアメリカの望む年内妥結はまず無理だろう。アメリカへの信頼感は大きく損なわれた。アメリカが世界のリーダーであることは誰しも認めているが、与野党間で‘YES’ or ‘NO’の不毛の綱引きをやって世界中を不安に陥れているようでは、とても世界のリーダーとは呼べまい。

2013年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2335.2013年10月4日(金) 去り行く人びと

 財団法人日本傷痍軍人会が来月解散するという。解散に先立って昨日開かれた創立60周年記念式典には天皇・皇后両陛下が出席された。あまりこういう会に両陛下が出席されることはないと思っていたが、両陛下には戦争で負傷したり病気になった元兵士に対する哀れみの気持ちが、戦没者に対する気持ちと同じようにあるからだろう。

 解散の理由は高齢化により会員が減り組織運営が困難になったことによる。かつては35万人もいた会員が、この3月には約5千人にまで減って平均年齢が92歳になったという。これに合せて、日本傷痍軍人妻の会も解散する。震災で九段会館も閉鎖され、遺族会組織や戦友会にも同じように会員減少の問題があって、同じような問題に直面していると言える。

 私もこれまで戦友会の解散式に幾度か立ち会ったことがある。涙ながらの今生の別れの場では、見るに忍びなくいたたまれなくなったことがあった。特に印象に残っている一言は、「貴様とは来世も一緒になって戦おう!」と老いても闘争心は一向に衰えない。肩を組み合い泣きながら別れの言葉を交わす。これが死に物狂いで戦って戦場から帰還した兵士の実感であり、実態なのである。来世戦おうというより、来世は戦争をなくすために闘おうと言ってくれないところが、生き残った戦友の気持ちの高ぶりなのだろう。普段は戦争を絶対やってはダメだと口酸っぱく言っていながら、つい興奮するとそんな現場向きの好戦的な言葉が飛び出してくる。しかし、これは戦友の方々の責任ではない。戦争を企む愚かな連中の責任だ。

 さて、この一両日の間に2人の女性が亡くなられ世間の注目を集めている。ひとりは、一昨日JR横浜線中山駅近くの踏み切り内に入り、倒れていた74歳の男性を救った女性である。列車の通過直前に踏切内へ入って倒れていた件の男性を救ったが、気の毒にも彼女は撥ねられ亡くなった。気の毒で多くの人々から現場に花束が供えられている。今日政府は亡くなった40歳の村田奈津恵さんの自らの危険を顧みず勇気を持って他人の生命を救い亡くなった行為に対して、紅綬褒章を授与することを決定した。

 駅に勤務していた頃、駅員で乗客の命を救おうと電車に撥ねられ片腕を失った人がいた。その人はその後書類を毎日各駅に届けるメッセンジャーの役割をされたまま定年を迎えたが、先輩の中には自分の生命を捨ててまでして他人の命を救うことに懐疑的な人がいた。何とも言えないが、一理あると思っていた。

 もうひとりの女性は、1964年東京オリンピックの日本バレーボールチームの主将として金メダルを獲得した中村(旧姓香西)昌枝さんである。享年80歳で、2020年東京大会を楽しみにしておられた。当時は住んでいなかったが、バレーボールが近くの駒沢屋内球技場で行われたことをよく憶えている。2020年東京開催を待ち望んでいたが、亡くなる2日前にインタビューに応えていたが、あっという間に脳出血で亡くなられた。

 それにしてもバレーボールは日本中を沸かせたなぁと今昔の感に堪えない。

2013年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2334.2013年10月3日(木) 小泉純一郎・元首相の脱原発発言

 昨日辺りから漸く下腹部の痛みが薄らいできた。先週土曜日に森内科で診てもらって薬をもらった。だが、それでもどうしても痛みが去らず、月曜日に改めて森内科で診てもらった。それがここへきて漸く落ち着いてきた。何が原因で下腹部が痛くなったのか、未だにはっきりしない。年齢は取りたくないものだ。でも、まぁ回復したので可しとするか。

 さて、昨日伊勢神宮で20年ごとに行われる「式年遷宮」のクライマックス「遷御の式」が執り行われ、秋篠宮様や安倍首相も式典に立ち会われた。1300年に亘って延々と伝統が引き継がれてきたが、20年に一度内宮のお社を建て替える神事には些かもったいないと下衆の勘ぐりをしていたが、20年くらいのスパンで新しい物を造り変えないと、宮大工の成長が止まるということが大きいそうで、ある面で納得が行ったが、それでももったいないなとの気持ちがある。

 余計なことだが、木造家屋の減価償却費は耐用年数を20年として算出されるが、案外こんなところにヒントがあるのかも知れない。

 今日玉川青色申告会のPC会計ソフト・セミナーが開催されたので、出席した。毎年確定申告は総勘定元帳から伝票に至るまで相も変わらず手書きで済ませていたが、申告の時期になると何とかして来年こそはPCで申告したいと考えていた。ところが、シーズンが過ぎるとほっとしてそんなことなぞケロッと忘れて、翌年になるとまた悩むお決まりの申告だった。良い機会なので、来年こそソフトを使って申告してみたいと考えて今日初めて習ってみた。僅か2時間のセミナーだったが、何となくいけそうな気がしたので、新しいソフトを買って来年はPCソフトで申告書を作成してみたい。

 このところ福島第一原発の様々の不祥事が報道されている。今日もまた汚染水が貯蔵タンクからあふれ出て海へ流れ出た。貯水量のチェックが好い加減で、誰が考えても分りそうな失態を演じている。東電の対応も毎度同じようなミス続きで、よくもこれまで発電、送電業務を続けてこられたなと呆れているほどだ。

 そこへ危険な原発稼動に対して警鐘を鳴らすように小泉純一郎・元首相の脱原発発言が注目を浴びている。首相在任中は、原発はきれいで安全なエネルギーだと信じていたが、3.11以後疑問を抱き、8月にフィンランド原発ゴミの高レベル放射性廃棄物を地下に埋めて最終処分するオンカロを視察して、従来の考え方を翻したようだ。

 私も一昨年このオンカロを題材にした映画を観て、10万年もかけて埋めても絶対安全とは言い切れないこのような施設を作る無駄と将来の危険性を考えると、脱原発政策を推進する方がどれほど国にとってはプラスなのかということを真剣に考えた方がよい。自民党政治家は経済界との結びつきが強いせいもあり、圧倒的に原発再稼動派が多いが、放射能漏れの不安を抱え、原発事故処理も満足にできず、廃棄物処理場も建設できず、この先やはりこんなに危険な原発を再稼動し続けようと言うのか。

 原発再稼動賛成の皆さん! 小泉元首相の声に少しは耳を傾けてみてはどうでしょうか。

2013年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2333.2013年10月2日(水) 沖縄の陽の当らない闘い

 沖縄に「ベトナム村」という特殊な「村」があったことを初めて知った。それも長崎オランダ村のような賑わいの観光地ではなく、何とベトナム戦争中アメリカ軍がベトナムの部落襲撃作戦の訓練の場として、沖縄・東村高江地区にベトナムの村に見立てて作った人工の村である。沖縄県民をベトナム人に変装させて実戦まがいの訓練を行い、それを当時のワトソン高等弁務官らが見学までしていた。さらに驚いたのは、ベトナムで奇形児を生んで大きな問題となった枯葉剤の散布までやっていた。どれほど枯葉剤による犠牲者がいたのか知る由もないが、この散布に関わった米兵が今も後遺症に悩まされている。沖縄住民を狩り出し、こんな野蛮な手伝いをさせてベトナム戦争に協力させていたとはあまりにも沖縄の住民を愚弄している。寡聞にしてまったく知らなかったが、復帰前の沖縄住民はこんな残酷な舞台回しもさせられていたということである。

 今日駒沢大学公開講座で清田義昭講師が鑑賞させてくれた琉球朝日放送制作の「標的の村」と題する秀逸なビデオを観て、「ベトナム村」の存在を知り愕然とした。昨年JCS(日本映画撮影監督協会)特別賞を受賞した番組である。いま問題になっているオスプレイの離着陸用サイトを造成するため、その「ベトナム村」があった高江地区周辺を取り巻く農村地帯で、3箇所のヘリパッド新築工事中に沖縄防衛局及び警察と、これを阻止しようとする地元住民の間で激しい攻防が繰り広げられた。防衛省は建設の主旨など詳しい説明は一切せず、一方的に米軍の方針を住民に伝え、工事を強行するばかりである。住民無視でそこにはまったくガバナンスが感じられない。住民には国や本土からほとんど支援がなく、地域住民が生活を賭けて必死になって闘っている。

 この闘争の始まる前の2007年防衛省が工事に反対する住民を相手に、高圧的な訴訟を起こしたことにも驚いた。SLAPP裁判と称する弱者を痛めつける訴訟で、「威圧訴訟」とも「恫喝訴訟」とも呼ばれる。こんな民主主義に反する裁判があること自体驚きである。日本ではほとんど前例がないと思うが、アメリカでは度々権力者が自分たちに反対する勢力を法的に押さえつけるため、力のある権力者が弱者を相手に起こす‘Strategic Lawsuit Against Public Participation’と呼ばれる訴訟のことである。直訳すると「対公共関係戦略的法務」と訳される「こわ~い」訴訟なのである。このSLAPPにより高江地区の反対同盟代表者に対して通行妨害禁止命令が出された。座り込みを排除する判決である。

 この闘いを考えてみると高江地区の住民は日本人として処遇されているようにはとても思えない。工事開始に当っても説明はほとんどなく、一方的な命令に基づき座り込みは排除され、体制側に対する無力を痛感する。ただそれでも住民はひたすら反対するしかないと覚悟している。

 問題は極めて深刻である。このように為政者によって押し付けられた紛争だが、国からも、また国民からも何の支援もないという理不尽さはあまりにも酷い。実際メディアによる報道もついぞなかった。これでは国民は実情を知らされず支援のしようがない。政府・防衛省の意図によるものかどうか分らないが、こういう徹底的に弱者を痛めつける現状に知らんぷりしているのは、あまりにも人権無視であり、考え方によっては国による弱者へのいじめではないだろうか。もっと現状を知ってもらうようメディアも広く啓発すべきではないだろうか。これは国とメディアに大きな責任があると考えている。

 この作品は琉球朝日放送の力作であるが、政府にとって都合の悪いドキュメンタリー番組を沖縄以外の地域で観る機会がないことが別の問題として残る。防衛省としては、多くの国民に鑑賞されてオスプレイ反対の声が強まることが心配なのだろう。それにしてもこういう動きがつい最近のでき事だとは信じられない気持ちである。もっと目を大きく見開いて広く世界を見る気持ちがないとダメだと自戒の念に駆られる。

2013年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com