2373.2013年11月11日(月) 講演で多くの人々から力づけられる。

 昨年に引き続いて千葉市の「いきいき大学」主催の教養文化教室「海外旅行の楽しみ方~世界遺産を中心として~」の講師を務めるため、千葉市民会館へ出かけた。「いきいき大学」は「シルバー世代の生涯学習団体」と銘打った任意団体であるが、千葉県と千葉市の後援事業で、長らく堅実な活動を続けている。おかげさまで昨年の講義で、大分有難い評価をしていただき、そのおかげで今日の講師依頼をいただいたものである。昨年の受講生は230名程度だったが、今日の講義は250名の受講生募集に対して300名を超える申込者があり、会場は追加の椅子を持ち込むほどの盛況だった。

 休憩を挟んで2時間、念の入ったレジュメ作成にパワーポイントの海外写真を組み込んだ編集のせいもあって、受講生の反響は良かったようで、会場では終始笑顔が見られたし、大分頷いておられる姿も目にした。終わってからも何人かの受講生から「楽しかった」と言っていただいたので、まずまずのできと評価だったのではないかと思っている。

 終わってから食事にお呼ばれして、会長を含む13名の幹部の方々と会食しながら闊達に会話が弾んだが、ここでも嬉しいことに来年のこの時期に講演を依頼された。今日少し残念だったのは、少し時間が足りなくなってしまったことである。来年こそはもう少しきちんと時間通り話を終えられるようにしたい。

 いろいろ会話を交わしている中で、お二人の方から父親が昭和18年にトラック島で戦死されたと伺った。トラック島米空軍機による大空襲の1年前の悲劇である。その内のおひとりは、姉と一緒に一度は父親が亡くなったトラック島へ慰霊に行きたいが年齢的にもう行けないと悲しそうに語られたが、まだまだ身近なところにこういう気の毒なご遺族がおられる。いま執筆中のノンフィクションの話からトラック島の近況についてお話した。

 千葉市内で講演するので、前以て幕張小学校の同級生3人に連絡したところ、分目さんがわざわざ手土産を持って聴講に来てくれた。有難いことだと思っている。

 さて、一昨日フィリピンを襲った今年最大級の台風30号はレイテ島を席捲して多くの被害をもたらした。風速90m級の突風に加えて、約5mの高波も押し寄せた。被災地上空からのテレビ映像を観るとまるで廃墟のようである。レイテ島の中心である東海岸のタクロバンから西海岸のオルモックへマルコス政権全盛期に出かけたことがあるが、その時土地のガイドがタクロバンはマルコス夫人の出身地であると誇らしげに話してくれたことが思い出される。それもいまは昔である。

 まだ正確な被害状況ははっきりしないが、海岸に多くの犠牲者の遺体が放られたままで、略奪行為も蔓延って全国で約967万人が被災し、死者・行方不明者の数は1万人を超えるとの見方もある現状では、復旧にも相当時間がかかりそうだ。被災地の人々が気の毒でならない。何とか復旧し住民には早く立ち直って欲しいものである。

2013年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2372.2013年11月10日(日) 日本でもサイバー攻撃対策を

 海外での事件だとばかり思っていたコンピューターによる「サイバー攻撃」が日本の反原発組織・団体に対して行われていたことが明らかになった。ついにわが国でも悪質で陰険な嫌がらせが真面目で正当な抗議活動に対して実行されたということである。実に嘆かわしく憤慨に堪えない。

 サイバー攻撃が開始されたのは、9月半ばからで僅か半月内に210万通のメールが33の市民団体に送りつけられたという。10月に入って2団体に43万通以上のメールが送られてきたという。これらのメールは普通では防止しようにも手の施しようがない。困ったことに犯人の特定は困難と見られている。

 大体このような闇の中で反対派を攻撃するのは卑怯である。反原発団体に対して抗議したいなら、堂々と表に出て自分たちの持論をぶつければ良いではないか。後ろめたいからこそ、このような隠れたどぎつい嫌がらせ行為を行っているのだ。原発再稼動賛成派の行動であることは明らかであり、こういう悪質な行動が逆に自分たちの望みとは裏腹に国民を反原発へ向かわせる行為だということが分らないのだろうか。

 送りつけられたメールの6割が「福島原発告訴団」宛だったというから、9月上旬以降に同告訴団がメディアへの露出が目立ったことが悪者の神経を高ぶらせて一気に同告訴団への攻撃となったようだ。

 しかし、この記事は今朝の朝日新聞が大きく取り上げたが、このように対立する相手への反民主的、かつ無法な攻撃は、ジャーナリズムのみならず社会全体で糾弾すべきである。原発再稼動賛成派の中の一部急進的なグループが反原発派に対して裏攻撃を行ったとされる、こういう非道な行為は断じて許すわけにはいかない。確たる証拠も何もないので、賛成派の一部を特定してやっつけるわけにはいかず、取り敢えずはメディアがこの行為をもっと大々的に取り上げて、如何に反原発に対する悪質な行為であるかということを訴え追求して、賛成派の人たちをも嫌気をさすようなところまで持って行って欲しいと思う。さもなければ、この種の無法行為はエスカレートするばかりである。

 メディアは社会に対して責任がある。このまま放置しておいてこのようなサイバー攻撃の動きが拡大すれば、取り返しがつかなくなると思う。低次元の連中が、ただ面白がって真似をするばかりである。朝日に遅れることなく、他のメディアもこの動きにブレーキをかけるよう的確な手段なり、キャンペーンを考える必要がある。

2013年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2371.2013年11月9日(土) 柏木隆雄さん詩集出版記念会での出会い

 今夕駿河台の「山の上ホテル」で開かれた税理士・柏木隆雄さんの詩集出版記念会は中々気持ちの好い心温まる集まりだった。各界に人脈が広い柏木さんを良く知る人々100人足らずのアトホームな雰囲気だった。普通の出版記念会とは違い、出版されたのは絵本詩集で綺麗な絵が描かれた詩集だ。懇親会の前に第一級の音楽会が開催されるような趣向だった。

 世話人代表が日本童謡協会会長で作曲家の湯山昭さん、小中陽太郎さんも世話人のひとりである。お顔の広い柏木さんらしく、作詞家、作曲家ら音楽関係者が多数出席された。NHKの「ブーフーウー」や「泳げタイヤキくん」を作曲された元慶應病院外科医の小森昭宏さん、タイスの「瞑想曲」と「早春賦」を演奏されたバイオリニスト松井利世子さん、子ども音楽番組のお姉さん役だった歌手真理ヨシコさん、作曲家中田喜直夫人らの他に、柏木さんの母校・千葉県立佐原高校の同窓生で、元巨人軍のエースだった城之内邦雄、北川芳男両氏が出席して挨拶までされたのにはびっくりである。巨人軍チーム・メートだった大学同級生の大橋勲くんについて尋ねたところ、最近OB会で会ったらあまりにも痩せていたのでびっくりしたと聞いて、学生時代から肥満体だった大橋くんの現況にはむしろこちらがびっくりした。

 柏木さんが作詞された童謡を童謡歌手が6曲も丁寧に歌ってくれて心が洗われたような気になった。それは遅れて駆けつけた海江田万里・民主党代表も同じことを言っていた。柏木さんのお人柄であろう、立派に装丁された詩集の表紙は、先日94歳で亡くなられたイラストレーターのアンパンマン・やなせたかしさんと伺い合点がいった。

 愉快だったのは、以前に同窓会でお会いしたことのある世話人の湯山昭さんとちょっともめたことだった。湯山さんは湘南高校の6年先輩であるが、同級生の石原慎太郎氏が湘南から都立日比谷に転校して日比谷を卒業したと仰ったので、それは文芸評論家・江藤淳さんの間違いではないかと質したところ、出て行ったのは石原だと言ってきかない。傍で小中さんが聞いていて笑っておられたが、まぁ湯山さんも今年81歳になられる。勘違いというか、思い違いも許されるだろう。いま執筆中のノン・フィクションに母校について大分書いているので、上梓したらお贈りすることを約束した。元巨人軍の北川芳男さんも81歳だと言っていた。時の過ぎるのはとつくづく早いと思う。

 ピアニストの長谷川芙佐子さんとは松井さんとの合奏についてお話したり、松井さんが演奏された「早春賦」を清水次郎長が聞いたと現在日経朝刊に連載中の「波止場浪漫」に紹介されていたとお話したらびっくりしていた。

 今日の集まりは気持ちが良く中々楽しかった。柏木さんの益々のご活躍を願って止まない。

2013年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2370.2013年11月8日(金) 昔の大道芸を楽しむ。

 先日大道芸役者の源吾朗さんから大道芸のイベントの案内をいただいた。珍しい企画なので、ゼミの仲間を誘ったが、それぞれ予定があるようなので結局ひとりで新宿ゴールデン街劇場へ出かけた。源吾朗さんのショーを観るのは初めてだったが、いま失われつつある昔の日本の大道芸をシャンソン歌手とのコラボレーションで楽しく見せてもらった。

 腹話術、紙芝居、バナナの叩き売りなど懐かしいショーだった。劇場も花園神社の裏にある小さな芝居小屋で、客席数は僅か41席だから、今日もたちまち満席となった。源吾朗さんは歯肉癌とメラノーマという足の癌の2つの癌を抱えながら、東北地方の震災地の人々のために復興支援ライブと銘打って活動している。モンゴルではゴミを回収するプログラムも企画したりして、ボランティア活動にも熱心で頭が下がる。

 今日の劇場の雰囲気はアトホームなムードが溢れて、源吾朗さんも自分で楽しんでいる様子が窺えてほのぼのとした気持ちになった。支援なんて大袈裟なことはできないが、これからも友人らに声をかけて観劇に出かけるようにしたいと思っている。

 さて、昨夕NHKテレビ「クローズアップ現代」で水銀汚染問題を取り上げていた。水俣病の前科を持つ日本が何と水銀を輸出していることを初めて知った。番組は「水銀汚染が世界に拡散-日本迫られる対応」と題して放映されたが、外国への水銀の輸出が制限されることが過日の水俣条約協定で合意された。ブラジルでは金の産出のために水銀を使用しているために、未だに世界的に水銀使用の抑制が効かない。金産出現場の労働者は水銀中毒の危険性を知りながらも、現状を甘んじて受けたまま抜け出せない。厳しい現実である。

 それにしても水俣病の悲劇的な経験がありながら、日本が海外へ水銀を輸出していたとは驚きである。今後は条約の発効によりこれがなくなるので、世界に対して多少は顔向けできる。

 こういう啓蒙的なテレビ番組が放映されたおかげで、水銀が抱える現在の問題を知ることができた。さもなければまずこういう深刻な問題は知らないままだったと思う。

 今日歌手の島倉千代子さんが亡くなられた。私と同じ昭和13年生まれの75歳である。好きな歌手だった。最近あまりテレビでもお見かけしなかったので、具合でも悪いのではないかと案じていた。段々寂しくなる。心よりご冥福をお祈りしたい。

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2369.2013年11月7日(木) 山本太郎参議院議員は平成の田中正造か?

 「文化の日」に開かれた天皇・皇后両陛下主催の園遊会で山本太郎・参議院議員が天皇陛下に直接手紙を手渡した行為に対して厳しい非難の声が挙がっている。山本議員は福島原発の被災地の実態を天皇に知ってもらいたいと直訴すべく天皇に直接手紙を渡した。学生時代に学んだ、田中正造代議士が足尾鉱山の鉱毒被害を明治天皇に直訴しようとして警備中の警官に取り押さえられた足尾鉱毒事件が思い出される。

 11年間に亘って社会派代議士として社会から不正、不平等を追放しようと活動した信念の人、田中正造とはまったく異なる行動で、メディアの中には田中正造とは一線を画している論調が多い。どの政党にも属しない山本議員には残念ながら議会を始め一般からあまり賛同も同情も集まらないようで、参議院で議員辞職要求とか、懲罰の話が浮上するばかりである。山本氏が福島の悲惨な住民の状況を天皇に伝えたい気持ちは分らないでもないが、少しやり方が無作法で稚拙だったし、非常識だったと思う。山本氏は天皇が被災地の実態を知らないと考えたようだが、天皇は震災以後度々被災地を慰問に訪れているので、知らないと考えること自体疑問である。

 山本氏を批判する人は当然原発賛成派の人がほとんどだと思うが、その意味では山本氏は術中に嵌ったということになる。もう少し前広に周囲の人の意見を聞くべきだったと思う。いまごろになって猛省していると言っても、あまり同情する人はいないのではないか。議員辞職については、先の参議院選で68万票もの支持をいただいたので、そういう人たちへの責任上からも辞めるわけにはいかないと言い議員は続けるようだが、その考え方は理解できるにせよ、行動は幼稚だったと言わざるを得ない。こと志と異なって原発賛成派の人々を勢いづかせてしまったかの感がある。

 さて、その原発問題で昨日辺りからしきりに注目を集めているのは、福島第1原発4号機の使用済み燃料のプールから核燃料を取り出し、地上のプールへ移す作業である。今月中旬から始まるこの作業は廃炉作業の第一段階で、上手くいってもすべてを処理できるのは30~40年後とされている。

 問題はこの廃炉作業が今後予定通り順調に進められるかどうかである。

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、事故発生から27年経った今年漸く廃炉に向けた準備が始まろうとしている。ここでも事故を起こした4号炉から高い放射線量が計測されている。建屋をコンクリートで覆った石棺が崩壊して、放射性物質が飛び散らないよう改めて巨大なシェルターの建設が進められている状態である。廃炉作業の道遠しというのが実態である。

 こんな危ないものを新たに作ろうと言ってみたり、休止中の原発を再稼動させようと発言したり、それでいて原発に反対する人に対して無責任だという。どちらが無責任か、考えて見れば分ることであり、こういう人たちの思考回路はどうなっているのだろうか。

 こういう危なっかしい原発の厳しい現状を知っていながら、どうして原発再稼動の声が出てくるのか、理解に苦しむ。安倍首相に至っては本当のところは分っておらず、経済界とそれを代弁する経産省官僚から与えられた台本をただ読んでいるだけではないのか。

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2368.2013年11月6日(水) 「おもてなし」の心はどこへ行ったのか?

 先日来メディアで報道されている大きな問題にレストランのメニュー食品偽装がある。後から後へと偽装食品提供が表ざたになっている。無責任だと思うのは、責任者が偽装ではなく、そういう考え方をしていたというような言い訳である。昨日公になった高島屋の責任者なぞは、記者からの質問に対して正面から応えず、返事をごまかそうとしている様子がありありと見えた。

 デパートにあるレストランはほとんどがテナントなので、デパート自体がメニュー内容をチェックするということはできないのではないかと思う。デパート側のモラル的な責任はあるにせよ、必然的に入店しているレストランの責任が大きいと考えざるを得ない。ところが、高島屋の場合は相当自分たちが管理し条件をつけていたと見られ、その責任者がかなり細かく責任逃れの発言をしていた。まったく消費者へ申し訳ないという気持ちが感じられず、流石に記者の間から「いまの説明で消費者は納得すると思いますか?」と問われても論点を逸らすような回答だった。このまま考え方を正さないようなら高島屋のレストランはもう駄目ではないだろうか。

 同じようなゴマカシが他にもある。特に最近取り上げられたのは、大和運輸の「黒猫ヤマトのクール宅急便」と日本郵政の「チルドゆうパック」である。これらも冷凍食品を冷凍せず、常温のまま配達していたというお粗末である。商業道徳はどうなってしまったのだろう。これで2020年東京オリンピック誘致の追い風となった日本人の美徳「おもてなし」を誇ることができるだろうか。

 さて、今朝中国山西省の省都・太原市の共産党委員会建物前で連続爆発事件があり、1名が死亡し、数名が負傷した。先日の天安門前広場の自動車突撃事件に続き、これも公安当局はテロ事件と断定した。これも原因は不明だが、太原市が内モンゴル自治区に近いだけに民族問題が絡んでいるのではないかと考えられている。

 どうも最近中国は内憂外患の様相を帯びてきた。

2013年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2367.2013年11月5日(火) 日本もアメリカにスパイされていた。

 先月普段通院している松本整形外科医院で、骨粗しょう症の検査を受けたが、今日その結果を知らせてもらった。「骨密度測定結果」と称するカラーの書類を2枚いただき、概略について説明してもらった。数値がグラフ化されていて見やすく分りやすい。

 「大腿骨」の測定結果では骨密度は0.912g/c㎡で、これは30歳の若者を100%とした時の106%に当り、同年代を100%として比較した値は136%だった。また、「腰椎」の測定では、骨密度は1.199g/c㎡で、32歳の若い人との比較した値は114%、同年代との比較では130%という、同世代はもちろんのこと若者の平均値をも上回る結果に、松本医師から骨は大分しっかりしているとお墨付きをいただいた。

 リューマチ性発筋痛症の抑制のために毎日服用しているプレドニンがステロイド系の錠剤なので、あまり長期に亘って服用すると骨が弱くなるという懸念から時間を置いて検査をしてもらったものである。よほどの無理や無茶をしなければ、これなら骨が簡単に折れるということもなさそうだ。まあ心配することもない結果でほっとしている。

 午後になって同じくかかりつけの森内科医院にこの検査結果について書類を見せて説明し、内科的処方について相談に乗っていただいてからインフルエンザの予防接種を打ってもらった。

 ほかには最近下腹部に痛みを感じることが時折あるので、痛みを感じた時の予防用に痛み止めの錠剤をいただいた。

 とりあえず、8月に人間ドックの検査を済ませ、9月に歯科で定期検査を済ませたので、一応医学的に備えるべきことは備えた。

 さて、先日ドイツのメルケル首相の携帯電話をアメリカの諜報機関である国家安全保障局(NSA)が長らく盗聴していたことが暴露され、同盟国間の信頼を崩すものとしてドイツを始め、フランス、ブラジルなどから厳しい非難を浴びている。それが公表された頃イギリスの‘THE TIMES’が日本もその対象国になっていると報道したが、菅官房長官は軽く受け流し、あまり深刻に感じ取っている様子は見えなかった。

 ところが、やはりアメリカは同盟国日本に対しても諜報活動を続けていたことが今夕のテレビニュースで報道され、日経紙にも書かれて明らかになった。同紙によれば、日本はアメリカ大使館において①経済の安定・影響、②最新の戦略的な化学技術、③外交政策などの分野でスパイ行為が行われていたそうである。これではまるで日本はアメリカに丸裸にされていたことになる。それを官房長官ともあろう人物があまり真剣に受け止めていなかった節がある。さらにアメリカは盗聴した情報を、カナダ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリアと共有しているとの話もある。こんなぬるま湯的体質では仮に特定機密保護法案が成案してもあまり意味がないと思う。

2013年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2366.2013年11月4日(月) 米の減反政策の変更?

 いま臨時国会開会中であるが、クリアしなければならない課題を数多く抱えている。その中で日本版国家安全保障局(NSA)の発足も視野に入れた特定機密保護法案の議論が喧しい。また、案外分り難いのが米政策の転換である。現在の米の生産調整、つまり減反政策の廃止を考えるようだ。併せて所得補償など農家への補助金も改める。こんな議論が沸騰してきたのは、いま政府・与党がTPP交渉で関税の撤廃や引き下げを迫られていることがその背景にある。

 重箱の隅をつつくような部分改定では、もう間に合わない。農業を維持し日本人が米を消費し、良い米を生産するという目標がなければ、米政策を転換してもあまり意味がない。

 1970年に国が米の減反政策を始めて以降、米市場を開放した後も高い関税を課して政策の根幹には変更がなかった。その結果国民ひとり当たりの米の消費量がピーク時の約半分にまで減少した。主食用の米を生産しているのは田んぼ全体の3分の2と言われている。将来の米政策確立の見通しが立たなくなっている。

 先日石破茂・自民党幹事長が米の減反政策の欠点を述べ、これを変えなければ日本の米生産に未来はないような発言をしていたが、これは天に唾するような発言ではないか。40年以上も前に国内で農業関係者の反対の中で減反政策を主張して、強引に成案としたのは当時の自民党だったのではないか。特に、秋田県八郎潟の埋め立て干拓工事により、折角農地を手にした農民の強い反対を押し切って減反に踏み切ったことをきれいさっぱり忘れている。

 減反政策の変更を決めるのは、現状では理解できないわけではない。だが、すべて農家に皺寄せして彼らを苦しめる一方で、減反しなければ未来がないような言い分は、少し自らのかつての政策に対する反省があまりになさ過ぎるのではないか。これでは農家のみならず、減反政策の変更によって負担を強いられる納税者は救われない。

 政策立案に当っては、充分な検討と過去の失敗に対する反省がなければ、無駄と時間の浪費を繰り返すだけである。

 もうひとつ、いま話題になっているのが、小泉純一郎元首相の反原発宣言である。昨日横浜市で改めて脱原発について講演を行った。先に脱原発発言を行ったことに対して、自民党内部から反論が雲霞のごとく噴出したからである。小泉氏は核のゴミの処分場がないことを脱原発最大の理由としていたが、首相在任中に原発賛成だったではないかとの指摘に対しては、当時処分場は大丈夫だと思っていた。いまは処分場がないことが分った。その備えがなくて再稼動は政治の無責任だと改めて反論した。「過ちを改むるに憚ることなかれ!」とも述べた。信念が固い。政治家はこうでなくてはいけない。元の家来だった安倍首相はどう回答するだろうか。

2013年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2365.2013年11月3日(日) 「文化の日」に思うこと

 毎年「文化の日」は秋晴れが定着しているが、生憎今日は朝から空はどんより曇っている。今日の祭日は私にとって75歳の誕生日でもある。昨夕は最近新潟から東京本社へ転勤になって戻ってきた二男家族にディナーで祝ってもらった。

 しかし、ついに厚労省が定める正式な「後期高齢者」となった。つい先日は高齢者向け運転免許更新で認知症のテストを受けたりして、あまり嬉しいことではないが、高齢者を意識させられることが多くなった。一時はこの「後期高齢者」という呼称がその年代層の人に失礼だと言われ、名称の変更も検討されたようだが、いまではあまりそんなことを気にする人は少なくなった。むしろ高齢者が増えて一大勢力になりつつある。逆に私はこれを逆手に取って「光輝高齢者」といってみたり、「高貴高齢者」という格調の高い呼称に置き換えたり、講演の折など適宜使い分けている。

 「光輝高齢者」については、8月に慶應病院予防医学センターで人間ドック検査を受けた際、面談した医師と「光輝高齢者」の話になり、「それは良い表現ですね。使わせていただきます」と言われた。慶應の応援歌「若き血」の歌詞に、♪若き血に燃ゆる者 「光輝」みてる我ら~♪というフレーズがある。慶應ボーイには「光輝」がイメージに合っているのではないか。

 この75歳という年齢は、いま執筆中のノンフィクションの主役ススム・アイザワ大酋長の没年(実際には74歳11ヶ月)でもある。年齢的には大酋長に追いつき追い越したことになる。序に言えば、一昨日ミクロネシア連邦独立27周年記念パーテイが開かれたが、この国が独立したのは27年前の今日この日、1986年11月3日だった。

 さて、「文化の日」を前に今日受勲される文化勲章受章者の氏名が先日発表された。俳優の高倉健さんが話題を呼んでいる。日本ペンクラブでは中西進副会長が万葉集の形成過程を明らかにし、古典文化の普及に尽力した功績により授賞された。同時に秋の叙勲受章者約4100人が発表されたが、そのうち最高位の旭日大綬章受勲は僅か9人だが、3人は国会議員OBである。その他官僚、司法関係者、地方首長が多く選ばれ、やはり民間の受勲者は少ない。

 その中で高校の同級生・中西準子さんが数少ない「瑞宝重光章」を授賞された。3年前に文化功労者に選ばれて、いままた「瑞宝重光章」を授賞されたとは大したものだと思う。彼女は10年ほど前にも紫綬褒章もいただいている。日本では数少ない環境学者のひとりだそうだが、我々湘南高校32回生(昭和32年3月卒業)の誉れである。

 普段は忙しいのか先月の同期生会にも出席しなかったが、よれよれになった母校応援旗の新調寄付には一口乗ってくれた。しかし、残念ながら卒業以来1度も会っていない。1年生時には同じクラスで、歌とは関係のない「生物」の新米教師に授業中に無理矢理「上海帰りのリル」を唄わされた私に対して、誰も知らなかったメーデーの歌「第一インターナショナル」を声高らかに唄って仲間を呆気に取らせた。父親中西功氏は上海の東亜同文書院出身で当時日本共産党参議院議員として活躍中だったので、筋金入りの共産党シンパとなったのも頷ける。一度くらい時間をやりくりして顔を出してもらい昔話をしたいものだ。独立行政法人・産業技術綜合研究所部門長を退いていまはフェローということのようだが、少しは時間が取れるのではないだろうか。同級生も気にしている。

2013年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2364.2013年11月2日(土) 中国政府による新疆ウィグル族弾圧

 先日北京の天安門広場で乗用車が突っ込み運転手を含めてウィグル人5名が亡くなり、多数のけが人が出た。中国政府はこの事態を何とか政府に傷がつかないよう、かつ対応が世界から非難されないよう考えた末、新疆ウィグル地区のウィグル人が仕組んだ計画的テロと断定して、ウィグル人に対する警戒と監視強化を今後一層厳重にする考えのようだ。

 中国には人口は10%足らずだが、約55の少数民族がいる。彼らは大なり小なり漢民族で占める中央政府から弾圧され、自治区の政治、行政はほとんど漢民族によって支配され、自治は束縛され、民族の自由は押さえつけられている。これに不満を持つウィグル人はしばしば反抗し、それを弾圧され、これをまた繰り返すことで次第に自治区は共和国体制の中に組み込まれつつある。

 これまでチベット民族、ウィグル民族の暴動が世間の注目を集めたが、彼らの間に不満は鬱積する一方で、このまま中央政府が弾圧を続けていくと、いずれ彼らの不満は爆発し取り返しのつかない事態を招くことを心配している。

 中国共産党政府は少数民族の自治拡大要求と民主化運動が合流することをいま最も恐れているようだが、力で押さえつけられると考えている頑固な非民主的考えこそが、このような民衆の不満を燻らせ、爆発させている原因だということが分らないようだ。

 政府当局が国民の自由をがんじがらめに抑圧する政策は、いずれ民主化運動の勃興と拡大によってつぶされることはこれまで歴史が証明しているが、それに気がつかない、或いは気がついているが怖くて言い出せない共産党幹部はただ貴重な時間を浪費しているだけの話だ。

 それにしてもどうして中国では民主化運動に学生が立ち上がらないのだろうか。諸外国の実情を見てみれば、明らかに自分の国の自由が一番失われているということがわかる筈である。それを見過ごして、他の恵まれない人たちのために活動しようとしないのは、勉学できる環境と条件を与えられ恵まれた学生としては、怠慢であり、勇気も誠実さもないと言いたい。彼らが将来社会の指導者になった時、事態は一層悪くなっていることは明らかである。

 問題が多すぎる中国であるが、経済活動だけが発展し、その間に人間が生きるために大切なことを見失い、自由と自治を放り投げ、いつまでいびつな国家のままで歩んでいくのだろうか。

2013年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com