2365.2013年11月3日(日) 「文化の日」に思うこと

 毎年「文化の日」は秋晴れが定着しているが、生憎今日は朝から空はどんより曇っている。今日の祭日は私にとって75歳の誕生日でもある。昨夕は最近新潟から東京本社へ転勤になって戻ってきた二男家族にディナーで祝ってもらった。

 しかし、ついに厚労省が定める正式な「後期高齢者」となった。つい先日は高齢者向け運転免許更新で認知症のテストを受けたりして、あまり嬉しいことではないが、高齢者を意識させられることが多くなった。一時はこの「後期高齢者」という呼称がその年代層の人に失礼だと言われ、名称の変更も検討されたようだが、いまではあまりそんなことを気にする人は少なくなった。むしろ高齢者が増えて一大勢力になりつつある。逆に私はこれを逆手に取って「光輝高齢者」といってみたり、「高貴高齢者」という格調の高い呼称に置き換えたり、講演の折など適宜使い分けている。

 「光輝高齢者」については、8月に慶應病院予防医学センターで人間ドック検査を受けた際、面談した医師と「光輝高齢者」の話になり、「それは良い表現ですね。使わせていただきます」と言われた。慶應の応援歌「若き血」の歌詞に、♪若き血に燃ゆる者 「光輝」みてる我ら~♪というフレーズがある。慶應ボーイには「光輝」がイメージに合っているのではないか。

 この75歳という年齢は、いま執筆中のノンフィクションの主役ススム・アイザワ大酋長の没年(実際には74歳11ヶ月)でもある。年齢的には大酋長に追いつき追い越したことになる。序に言えば、一昨日ミクロネシア連邦独立27周年記念パーテイが開かれたが、この国が独立したのは27年前の今日この日、1986年11月3日だった。

 さて、「文化の日」を前に今日受勲される文化勲章受章者の氏名が先日発表された。俳優の高倉健さんが話題を呼んでいる。日本ペンクラブでは中西進副会長が万葉集の形成過程を明らかにし、古典文化の普及に尽力した功績により授賞された。同時に秋の叙勲受章者約4100人が発表されたが、そのうち最高位の旭日大綬章受勲は僅か9人だが、3人は国会議員OBである。その他官僚、司法関係者、地方首長が多く選ばれ、やはり民間の受勲者は少ない。

 その中で高校の同級生・中西準子さんが数少ない「瑞宝重光章」を授賞された。3年前に文化功労者に選ばれて、いままた「瑞宝重光章」を授賞されたとは大したものだと思う。彼女は10年ほど前にも紫綬褒章もいただいている。日本では数少ない環境学者のひとりだそうだが、我々湘南高校32回生(昭和32年3月卒業)の誉れである。

 普段は忙しいのか先月の同期生会にも出席しなかったが、よれよれになった母校応援旗の新調寄付には一口乗ってくれた。しかし、残念ながら卒業以来1度も会っていない。1年生時には同じクラスで、歌とは関係のない「生物」の新米教師に授業中に無理矢理「上海帰りのリル」を唄わされた私に対して、誰も知らなかったメーデーの歌「第一インターナショナル」を声高らかに唄って仲間を呆気に取らせた。父親中西功氏は上海の東亜同文書院出身で当時日本共産党参議院議員として活躍中だったので、筋金入りの共産党シンパとなったのも頷ける。一度くらい時間をやりくりして顔を出してもらい昔話をしたいものだ。独立行政法人・産業技術綜合研究所部門長を退いていまはフェローということのようだが、少しは時間が取れるのではないだろうか。同級生も気にしている。

2013年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com